昔から体を動かすことが好きで、中学は剣道部、高校はテニス部、高校卒業後は地域のフットサルチームに所属していました。そんななか、2015年4月に前職の職場の事故で右腕を切断。2〜3日は落ち込んだりもしましたが、わりと早く吹っ切れて、退院して2週間後には松葉杖をついてプレーするアンプティサッカーを始めたんです。パラテコンドーと出合ったのは2016年1月。アンプティサッカーの仲間から「2020年の東京パラリンピックでパラテコンドーが正式競技になったので、知人が選手を探している。伊藤くん、やってみない?」と声をかけられたことがきっかけでした。それまで格闘技の経験はありませんでしたが、「挑戦できることは何でもやってみたい!」という思いで、パラテコンドーの世界に飛び込むことにしたんです。
ー 実際にパラテコンドーをやってみて
最初は「できないこと」「痛いこと」だらけでした(笑)。私は体が硬いので、テコンドーには必須である足を高く上げることさえ至難の技で…。ただ、練習でミットを蹴ったときの気持ちよさは格別で、やがてスパーリングで技が決まるようになると、「楽しい!」「もっと強くなりたい!」という想いが強くなり、どんどん夢中になっていきました。
 
 
競技を始めて3ヶ月後、私にとって初の公式戦となるアジア選手権に出場し、初戦で世界ランキング1位の選手と対戦しました。結果は完敗…。このときの悔しさをバネに、本格的な指導と練習環境を求めて、それまで生活していた北海道から東京への移住を決意したんです。その際、JOC(日本オリンピック委員会)が実施している就職支援ナビゲートシステム「アスナビ」を通じてSalesforceと出合いました。多くのパラスポーツ選手が競技主体のアスリート社員として活動するなか、Salesforceは競技だけでなく、社会人としてのキャリア形成もしっかりとサポートしてくれるところに魅力を感じました。
ー 主な競技実績
2017年のUSオープンで金メダル、2018年・2019年の全日本選手権で2年連続優勝などです。残念ながら、東京2020パラリンピックの日本代表選手を決める大会では優勝できず、代表の座を逃してしまいました。「絶対に東京パラリンピックへ出場する!」という強い気持ちで練習を積んできただけにとても悔しい思いをしましたが、現在は2024年にフランス・パリで行われるパラリンピックを見据えて日々練習を続けています。一方で、競争する相手や喜びを分かち合える仲間を増やすために、パラテコンドーの普及にも力を入れています。2017年に初めてパラテコンドーの全日本選手権が開催されたときには、たくさんの選手が集まり、とても感動しました。今後も国内のパラテコンドー先駆者として、より多くの人に競技の魅力を伝えていきたいです。
 
 
入社時から新卒採用チームに所属していて、面接、イベント対応、学生対応などを行っています。当初はサポート業務が中心でしたが、最近は面接やイベントを自身で行うようになり、やりがいを感じています。なかでも、毎年行われる入社式は、しっかり仕事に向き合ってきて良かったと感じる瞬間です。新卒で入社した社員の活躍ぶりを聞くことも楽しみの一つになっています。採用業務を通じて学生の皆さんから教わることも多いですね。というのも、私が接する就活中の学生は、インターン、留学、起業、ボランティアなどを経験している人が多く、本気で世の中を変えていきたいという強い意志を感じるんです。私自身もSalesforceに入社してからボランティア活動に参加するようになりましたが、学生の皆さんとの出会いをきっかけに、社会貢献についてより深く考えるようになりました。
ー 仕事と競技、両立のポイント
仕事のスケジュールを常に把握しておくことです。遠征試合などで職場のメンバーに業務をお願いしなくてはいけないときもありますが、仕事のスケジュールを把握しておけば突発で業務をお願いすることもなくなり、競技活動にも集中できます。障害に対して配慮いただいている部分もありますが、新卒採用チームの一員として共に仕事ができるのは嬉しいですね。仕事も競技も全力で頑張る!これが、Salesforceでの私の使命だと思っています。
ー Salesforceだから実現できること
Salesforceには様々なバックグラウンドを持つ社員がいるので、障害者やアスリートであることは特別なことではなく、多様なバックグラウンドの一つとして見てもらっています。さらに、自身の将来のために成長できる機会が多く、デュアル・キャリアだからこそ活かせる強みもあるはずです。すべての人が自分らしく活躍できる素晴らしい環境のもと、これからも自分にできることを精一杯やっていきます!
 
 
主な実績