父の影響で小学2年生から競泳の選手育成コースに入り、大学を卒業するまで競技生活を続けていました。全国大会で入賞することもありましたが、引退後の15年間は競技から離れていました。フィンスイミングを始めたのは、息子が私と同じように競泳の選手を目指すようになったから。「好きなことや得意なことを見つけられる幸せと、途中で辞めずに続けた先にどんな世界が見えてくるのか」。その答えを息子や周囲に伝えたいと思い、挑戦を始めました。

フィンスイミングの魅力は、他の水中競技では味わえないスピード感です。クロールの1.5倍のスピードを出すことができますし、世界には50mを13秒台で泳ぐ選手もいます。競技の特性上、練習環境が限られているので、試合ではライバルになる他のチームの選手たちとプールをシェアし、助け合いながら切磋琢磨している環境も素晴らしいと思います。

ー 印象に残っている試合

2022年にコロンビア・カリで開催されたマスターズ世界選手権はとても印象に残っています。片道29時間かけてたどり着いた地球の裏側で、コンディションの調整に苦心しつつもベストタイムを更新し、世界チャンピオンのタイトルを2つ獲得できたことは私にとって大変価値のあるものでした。

小柄な日本人が世界の舞台に飛び出し、ひとまわり以上も大きな選手と競い合う姿、互いを讃えあう姿を友人や知人、同僚や家族に見てもらえたときの達成感は今も忘れません。周囲の人たちが想像以上に喜んでくれている様子を見たり、影響を受けて何かを始めたいと言ってくれる同僚たちの言葉を聞いたとき、私の見たかった世界が開けたと実感しました。「世界チャンピオンと働けるなんて最高の職場だ」と言ってもらえたのは、本当に嬉しかったです。

 
 

これからの社会をより良くして次の世代に引き継ぎたいと思ったことが入社のきっかけです。Salesforceの「ビジネスは社会を変えるための最良のプラットフォームである」という理念やプロダクトが世界中に広がると、成果を出しながら人がイキイキと活躍できる世界につながると信じています。

現在は営業組織の強化を担うセールス・イネーブルメント・チームに所属し、社内向け研修の企画・運営、プログラムのマネージメントやリード、トレーニングの提供といった業務を通して、私たちの組織で働くメンバーの成功をサポートしています。

ー 仕事面でのやりがいや目標

さまざまな人たちと協力しながら仕事を進められる環境にとてもやりがいを感じています。セールス・イネーブルメント・チームでは社員の成長を促進し、成果につながる人材育成の仕組み作り、またその実行を担っています。これには組織内の様々な層と連携し、ニーズを発掘したり、協業して研修プログラムを開発・提供したりして組織や人を前進させ得る様々なスキルが求められます。

私がSalesforceでこの責務を全うできているのは、私のこれまでの経験やパーソナリティだけでなく、全社的にお互いを支え合い、尊重し合いながら成果にこだわり続ける企業文化によるものだと強く感じます。誰もが尊重され受け入れられ、その声に耳を傾けられる平等な環境で、これからも私自身が日々成長し続け、その成長がチームと会社の成長につながるようにしたい。その結果、セールス・イネーブルメントの役割の価値がさらに高まり、組織や企業の中で欠かせないものになると良いと思っています。

 
 

チームで過程を楽しみ、成果にこだわること。これは仕事とアスリート活動に共通する部分であり、相乗効果の大きさを感じています。その証拠に、仕事と競技のどちらか片方で何かが欠けると全体のパフォーマンスが低下するということも過去に経験しました。

常にハイパフォーマーでいるために継続していることはいくつもあります。例えば、マインドフルネス瞑想は日々実践している取り組みの一つですが、Salesforceのオフィスにはマインドフルネスルームが各階に設けられているので、業務の合間に立ち寄って瞑想を行い、一旦、自分の心を整えることを習慣化しています。この自分のためだけの数分間を大切にすることで、残りの業務と夕方のトレーニングに集中して取り組むことができるのです。

ー デュアル・キャリアを考えている方へのメッセージ

「あなたがやりたいと思ったことをやらない理由はない」。これは、以前の職場でお世話になった方からいただいた言葉で、私がデュアル・キャリアを歩む上でとても大切にしている考え方です。一度きりの人生をさらに豊かにしたいという想いで、興味のあること、得意なことに夢中になって生きてきた結果、今の私があります。

仕事と競技を両立し、その両方で成果を出すには、戦略を練り、正しく行動する必要がありました。その過程で経験するすべての事柄が自分自身に蓄積されていくことは、デュアル・キャリアならではのメリットだと言えます。限られた時間のなかで考え抜き、高い精度で日々の業務や練習に励むことで、知識と経験の密度が圧倒的に高くなっていくのは快感ですし、競技や業種の垣根を越えて同じように頑張るデュアル・キャリアの仲間が増えていくことも、人生を豊かにしてくれるはずです。皆さんのチャレンジを心から応援しています!

 
 
主な実績
競技説明
  • サーフィス:呼吸法としてシュノーケルを使用します。イルカの足ひれのような形状をした1枚のフィンを装着して泳ぎます。
  • アプニア:潜水競技です。使用するフィンはサーフィスと同じですが、呼吸をしないので、シュノーケルはつけません。
  • ビーフィン:ビーフィン(2枚のフィン)とシュノーケルを使用してクロールを泳ぎます。