私は先天性形成不全で、左手関節部欠損の障害を持って生まれてきました。競技を始めたきっかけは、19歳のときに長野パラリンピックで日本人選手の活躍を観たこと。経済的な厳しさから競技者としての道を諦めかけた時期もありましたが、競技に対する強い想いから、当時勤めていた会社を辞めて2005年に単身カナダへ。スキー場で働きながら1年間、スキー技術を磨きました。帰国後は様々な大会で経験と実績を積み、2007年に念願の日本ナショナルチームにメンバー入り。以後、2010年バンクーバー、2014年ソチ、2018年平昌、そして2022年の北京と、4大会連続で冬季パラリンピックに出場することができました。また、2015年からはトライアスロンにも挑戦し、2016年リオ・デ・ジャネイロ夏季パラリンピックに出場。2021年の東京パラリンピックはケガのため出場の夢は叶いませんでしたが、引き続き夏季・冬季パラリンピック出場を目標に練習を続けています。
ー 印象に残っているレース
一番嬉しかったのは、2017〜2018年にカナダで開催されたローカルのバイアスロンレースで、ライバルのカナダ選手に初めて勝利したこと。それまで続けてきたトレーニングの内容やレースプラン、取り組みに自信と確信が持てる一戦となりました。
 
 
アスリートとして競技一筋の生き方に疑問を感じ始めたとき、競技と仕事を両立できるデュアル・キャリアの環境が整っているSalesforceに魅力を感じ、「ここで働きたい!」と思いました。入社後はOffice of EqualityのNPO Support Teamに所属。Salesforceを導入しているNPOに製品の使い方をお伝えしたり、業務の後方支援などを行っています。また、競技と仕事を両立するデュアル・キャリアのロールモデルを目指す活動にも力を入れています。
ー 仕事とアスリート活動の両立
私の基本的な1週間のスケジュールは、月曜〜水曜は練習(合宿)と仕事、木曜は競技大会、金曜は競技大会または仕事、週末は競技大会やイベントのゲストを務めたりしています。より働きやすく、競技に専念できる環境を整えるべく、時間の使い方に日々工夫を重ねているところです。職場ではチームから仕事のサポートを受けつつ、アスリート情報やレース結果なども共有して、仕事も競技も“One Team”で取り組んでいます。私の目標は、競技と仕事、双方で得た経験や知識を活かして自身やチームの成長に貢献すること。今後はより幅広い方々に、仕事と競技の二刀流が可能なこと、そしてそこから生まれるメリットについて、自身の体験を通じて伝えていきたいと思っています。
 
 
Salesforceの社員として北京パラリンピックに出場&入賞し、日本でも北京でも成功するというSuccess From Anywhereを体現できたことです。さらに、パラリンピック出場の体験を社員と共有できたことにも満足しています。日頃から社内の情報をキャッチアップしやすいように整理してくれたり、競技の結果報告をチームのメンバーがSlackで発信し、デュアル・キャリアをアピールしてくれたりと、社員の皆さんの支援と応援のおかげで、パラリンピックという大舞台でベストを尽くすことができました。
ー パラアスリートが社会にもたらす影響
パラアスリートが自身の課題や困難を克服してチャレンジする姿から、社会にポジティブなメッセージを届けられると信じています。私も競技に挑戦する一人として、試行錯誤しながら取り組んでいるありのままの姿を多くの人に知ってもらいたいと思っています。さらには、障害はネガティブなものではなく自分をポジティブに変えるきっかけになることを発信していきたいです。
ー デュアル・キャリアを考えている方へのメッセージ
競技者としても社会人としても成長できる良い機会になると思います。何事もチャレンジあるのみ!!
 
 
主な実績