私は先天性の二分脊椎で膝から下に障害があり、中学・高校時代は吹奏楽部や茶華道部など文化系クラブで活動していました。スポーツの経験はほぼゼロでしたが、高校の修学旅行でスキー教室に参加し、座位で行うチェアスキー(バイスキー)に初挑戦。その後、社会人になって同僚とのスキー旅行でその楽しさに目覚め、「もっと上手くなりたい!」との思いから毎週末、チェアスキーを楽しむようになりました。やがて、さらなる高みを目指して本格的に競技に取り組み、2020年からナショナルチームに選出。2021年1月のワールドカップでは大回転と回転で表彰台に上がることができました。
ー 2022年北京パラリンピックに出場
2022年北京パラリンピックに出場2022年の北京パラリンピックでは、大回転と回転に参戦。大回転は1回目で転倒して途中棄権となりましたが、回転では完走でき、8位入賞を果たしました。本格的に競技を始めて5年あまり。39歳で臨んだ初のパラリンピックで年齢的には遅咲きの出場になりましたが、 夢の舞台に立てたことで「もっとレベルアップしたい」という気持ちがより強くなり、日々練習に励んでいます。
 
 
社会人になって15年が経過し、仕事と競技の両立を模索していた頃、デュアル・キャリアを叶えることができるSalesforceを紹介していただきました。一番魅力に感じたのは、競技者としてはもちろん、社会人としても成長できる環境が整っていること。Salesforceは社会貢献や平等(イクオリティ)に大変力を入れており、それに関連する活動も盛んです。そのなかで、パラスポーツの普及やデュアル・キャリアの浸透活動を行ってきたいと思っています。仕事面では、社内で平等(イクオリティ)を推進するオフィス・オブ・イクオリティのNPO(非営利団体)サポートチーム に所属して、NPOで導入しているSalesforceの仕様変更や使い方のサポートなどに従事。自分が作成したマニュアルや資料でユーザーが問題なく利用できたときや、自分が設定したシステムが実際に利用されたときにやりがいを感じます。
ー 仕事と競技の両立
私の基本的な1週間のスケジュールは、平日は仕事+トレーニング、土曜はトレーニングで日曜は休みといった感じです。自分でスケジュールを管理しているので、自身のタイミングで競技と仕事を行える一方、時間に制限があるなかで仕事を行うことになるため、気をつけないと休みがない状態に。ただ、職場にはアスリート以外のメンバーもいるので、サポートを受けやすい体制になっていると思います。
 
 
競技力の向上と仕事のキャリアアップを同時に目指すことができます。職場は、自分のやりたいこと、やってみたいことに積極的に挑戦させてくれる環境なので、モチベーションを持って仕事に臨めます。さらに、夕方からのトレーニングに了承いただいたり、現在担当しているスポーツ体験イベントの企画活動でも手厚くサポートしていただいたりと、社員の皆さんの理解と協力のおかげでアスリート活動にも集中して取り組むことができます。
ー デュアル・キャリアを考えている方へのメッセージ
デュアル・キャリアは新しい取り組みということもあり、不安要素も多いかと思います。実際、競技と仕事の両立は大変な部分もありますが、意欲があればそれぞれにやりがいを感じながら両立できるはず。ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。パラアスリートとして活動する私にとって、デュアル・キャリアは自分で生き抜く力と自信を得られる貴重な手段の一つです。ひと昔前と比べると、障害者に対する偏見も徐々に少なくなり、平等なチャンスを得られる世の中になってきています。そのなかで、障害者が自分の個性を存分に発揮して活躍できる社会になることを願っています。
 
 
主な実績