スコアリングとは?スコアリングで顧客に合った施策を打ち出そう

 
最終更新日:2024.3.15
既存顧客、あるいは見込み顧客となるリード層にアプローチする前に、重要なプロセスとなるのが「スコアリング」です。これは、対象となる層の属性や興味の度合い、行動などにもとづいて点数をつけて分類し、それぞれに最適な施策を打っていくことで、成果の最大化を狙う手法となります。
ここでは、スコアリングの概要やメリット、注意点について解説していきましょう。
 
 

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スコアリングとは?

スコアリングとは、直訳すると「採点する」という意味ですが、マーケティング分野でのスコアリングとは、自社の顧客や見込み顧客(リード)に、属性や行動に応じた点数をつけ、自社に対する価値を数値化することです。そして、スコアリングの点数やその内容に応じて、最適なマーケティング施策を行っていきます。

スコアリングによって施策が変わる

自社の顧客や見込み顧客に対して、どのような施策を打っていくか。その内容は、企業によって異なるでしょう。しかし重要なことは、相手に合わせた的確な施策を打っていくことです。
たとえば、資料やサンプルを請求してくれた見込み顧客には、自社ブランドをより深く知ってもらい、本商品の購入を促します。本商品を購入してくれた顧客には、自社と自社製品に対する信頼を高める施策を行い、リピートを促します。すでにリピーターとなってくれた顧客には、上位グレードへのアップセルや、他商品のクロスセルをプッシュします。
このように、スコアリングによって顧客やリードを分類し、それぞれに対する施策を変えていくことで、より効率的にマーケティングの成果を高めていくことができます。
 
 

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スコアリングが持つ重要な意味と役割

「相手に応じて施策を変えていくため」というほかにも、スコアリングには重要な意味があり、役割があります。そのいくつかをご紹介しましょう。

ホットリードを抽出できる

自社の見込み顧客に対して、さまざまなスコアリングを施すことで、見込み顧客をさらにセグメント化し、それぞれに最適なアプローチをかけることができます。これは、スコアリング手法の中でも「リードスコアリング」と呼ばれますが、その第一歩となるのが、ホットリードの抽出です。
見込み顧客は、決して均質な集団ではありません。自社製品に対する興味や、購入の必要性を感じている度合いは、個々の見込み顧客によって大きな差があります。ですから、自社製品に強い興味を持ち、購入をより真剣に検討している層、つまりホットリードを抽出し、そこに集中的にアプローチすれば、購買の確度がグンと高まります。つまり、効率良く売上に結びつけることができるというわけです。そのために、スコアリングが役に立つのです。

低ニーズ層も明確にできる

ホットリードを抽出できるということは、そうでない低ニーズ層、コールドリードを抽出することもできるということになります。この層は自社製品やサービスに対する興味が薄く、購買の可能性も高くないグループですが、だからといって放置していいわけではありません。ホットリードとは違うアプローチによって必要な情報を届け、興味をかき立てることで、購買意欲を引き出すことも可能です。つまり、コールドリードをホットリードへと転換することもできるというわけです。

とはいえ、コールドリードは自社製品やサービスへの興味が薄いため、あまりに積極的なアプローチは逆効果になり、離脱を招きかねません。ですから、コールドリードにはどのような施策が適しているか、十分にプランを練っておく必要があります。同時に、コールドリードとホットリードとの境界線をスコアリング上で定義しておき、どのような状態になったらホットリードとして扱うかを線引きしておきましょう。

セールス部門とマーケティング部門を連携できる

セールスとマーケティングは仲が悪いということが、しばしば聞かれます。これは、お互いの要求がぶつかり合い、その答えが出ないことがひとつの要因でしょう。
セールス部門は「もっと確度の高いリードを回してくれないと、成果を出せない」とマーケティング部門に注文をつけますし、マーケティング部門は「有望なリードを送っているのだから、クローズまで頑張ってもらわないと困る」と文句を言います。「確度の高い、有望なリード」を定義する、共通の物差しがないために、こうしたことが起こるのです。
しかし、スコアリングを導入し、セールスとマーケティングとのあいだで「総合点が◯点になったら、セールス部門に委ねる」と決めておけば、こうした衝突は起こりません。双方の理解が深まり、同じ目標に向かって連携できるようになります。

スコアリングのメリット

スコアリングのメリットに関して2つ紹介します。

スコアリングによる営業とマーケティングの効率化と最適化

スコアリングの導入は、営業とマーケティングの効率化と最適化を促進します。このシステムにより、顧客管理がデジタル化され、重複するアプローチを防ぐことができます。営業とマーケティングの連携がスムーズになり、それぞれの役割がより明確になることで、企業の効率と成果が向上します。

マーケティングの効率化

スコアリングの導入により、マーケティング活動が効率的になります。顧客の興味・関心度を数値で把握し、潜在層と顕在層を区分けすることで、各リードに最適なアプローチが可能になります。この方法は、購買意欲の分析と優先順位付けに役立ち、マーケティングの効果を高めます。数値化されたデータを活用することで、施策の効果測定や分析も容易になり、マーケティングの質と成果を同時に向上させることができるでしょう。

スコアリングのデメリット

スコアリングのデメリットに関して2つ紹介します。

スコアリングの判断が難しい

スコアリング導入には、客観データと営業の主観のバランス取り、スコア基準の設定難しさ、予期せぬ結果への対応など複数の課題が存在します。これらは、スコアリングが自動化と効率化をもたらす一方で、適用と運用の過程で精度を高めるための継続的な調整が必要であることを示しています。

見込み顧客がわかりづらい

スコアリングはマーケティング戦略において重要なツールですが、その対象者が全て見込み顧客であるとは限らず、競合やパートナー担当者の行動も含まれ得るため、正確な見込み顧客識別には限界があります。この手法は有効な指標を提供しますが、機械的な数値に過ぎないため、他のデータや過去の経験、専門知識を併用することが不可欠です。

スコアリングする対象は?

顧客でも見込み顧客でも、スコアリングの対象となる要素は、おもに「外面」「内面」「行動」の3つです。この3種類の情報を個々のスコアに置き換え、評価していきます。

外面情報

外面情報とは、外に表れる情報で、属性といえます。BtoBの場合であれば、所属する企業とその規模、業種、役職、決裁権の有無などが含まれます。
一番把握しやすい情報ですが、簡単には変化しない要素ですから、スコアの増減に影響を与えることはほとんどありません。しかし、長期的には、昇進などでスコアを大きく左右する可能性もあります。

内面情報

内面情報とは、自社製品やサービスへの興味の度合いや、現在使っている製品・サービスへの不満、社内での検討フェーズや業務上の課題など、対象が抱えている内面的な情報です。
これは、相手とのコミュニケーションを重ねることで、少しずつ探り出していく必要があり、時間も手間もかかります。状況によって大きく変化する可能性が高い要素です。

行動情報

行動情報とは、資料のダウンロードやサンプル請求など、実際に起こした行動の情報です。
CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)を導入していれば、これらの行動は全て履歴として残り、自動的にスコアリングしていくことができますから、外面情報と並んで扱いやすい情報といえるでしょう。
 
 

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スコアリングする際の注意点

顧客や見込み顧客をスコアリングする際には、注意すべきポイントがいくつかあります。これらを知っておくことは、スコアリングの有効性をより高めることにもつながります。

事前に絞り込みを行っておく

まずは、スコアリングする対象を事前に絞り込み、できるだけホットリードを抽出できるようにすることです。
たとえば、自社サイトを訪れた顧客や見込み顧客の全てを拾い上げると、スコアリングの対象がかなりの数になります。MAなどのツールを使えば作業の手間はかかりませんが、それらの訪問者の中にはデータ上のノイズとなる、確度の低い見込み顧客も相当数混じっています。

ですから、スコアリングする前に「価格ページを参照し、なおかつ直近の1週間で3回以上、製品ページにアクセスした」といった条件を設け、ノイズを除去しておくのです。
つまり、スコアリングでホットリードを抽出する前段階で、ホットリードであろうと思われる有力な対象群を抽出しておくというわけです。こうすることで、確度の高い層だけをすくい取ることができます。

PDCAを確実に回していく

何をするにもPDCAを確実に、しかも高速で回していくことは大事なことです。マーケティング領域では、特にその重要性は高いといえるでしょう。さまざまなマーケティング施策を実行したら、その結果を集計・分析し、次の施策に反映することは不可欠です。

それは、スコアリングについても変わりません。対象となる顧客や見込み顧客の属性や行動に対してどのように配点していくのか、継続的に検証し、採点基準を見直していくことが求められます。セールス部門とも定期的にミーティングを行い、高スコアのリードがどれほど購買に至っているか、スコアとのずれがないか、検証する機会を設けましょう。
スコアリングの結果と実際の成果がほぼ一致するようになるまで、つまりスコアリングの精度が満足のいくレベルに達するまでは、こうした作業が月に1回程度は必要です。

スコアリングに偏重しない

「スコアリングに過度に頼らない」ということも大切です。あくまでも、スコアリングの結果は顧客やリードの属性や内面の事情、行動を数値化したものです。このうち「行動」については、情報の鮮度も重要になります。ある見込み顧客が自社サイトを頻繁に訪れていたとしても、それが1か月前のことであれば、すでに賞味期限切れでしょう。それよりも、直近の数日間に盛んにアクセスを繰り返している見込み顧客のほうが、ホットリードとして有力であるはずです。
スコアリングによる数値化されたデータは、マーケティング上、有用なものです。しかし、偏重してしまうと、思わぬ見落としが起こる場合もあるということは覚えておきましょう。

対応する施策があってこそ、スコアリングが活きる

スコアリングは、自社の顧客や見込み顧客をひとつの群と見なし、その構成要素を分類していく作業です。しかし、単に分類するだけでは意味がなく、それに対応した施策を打つことで、初めて効果を現します。CRMやMAなどのツールを活用すれば、より効率的な作業が可能でしょう。
まずは、実際にスコアリングをしてみることをおすすめします。そして、ブラッシュアップを重ね、その成果を確かめてください。
 
 

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