株式会社ブルーアルバーロ

Sales Cloudで属人化していた営業体制を刷新 システム構築経験のない営業担当者が「Premier Success Plan」で短期構築を実現

Sales Cloudに営業情報を集約して可視化。営業タスクを会社の情報資産として管理し、データ共有も可能に。有償サポートの活用でスムーズに、自社ソリューションサービスの営業フローを新たに構築中。

SES(System Engineering Service)をメインサービスとするIT企業として、2017年の創業以来、急成長を続けるブルーアルバーロでは、成長企業ゆえの課題として、営業まわりのデジタル化が急務とされていました。これまでの属人的な顧客管理や対応を改めるべく、Sales Cloudを導入。開発スキルも経験もない営業担当者がシステム構築を試みましたが、Salesforceの有償サポート「Premier Success Plan」を活用したことで、納得のいくシステムを短期間で構築することができたのです。
 
 

1.急成長企業ゆえの悩み、浮き彫りになった営業タスクの課題とは

2017年創業のブルーアルバーロは、新進気鋭のSESをメインサービスとするIT企業です。クライアント企業の要望に応じてソフトウェアやシステムの開発・保守・運用・コンサルテーションなどを担う人材を手配します。代表取締役の笹山良子氏は、「SESはエンジニアのスキルがお客様に提供するサービスの質に直結します。ですからエンジニアが気持ちよく、かつ、やりがいを持って働ける会社を作りたかったのです」とその想いを語ります。

派遣されるエンジニアには高いパフォーマンスはもちろん、現場でのチームワークや応用力などの「人間力」も求められます。創業メンバーはIT業界でのキャリアと実績があり、長年培ってきた信頼関係を礎に、大手企業のエンジニアリングをはじめ、外資系生保の上流業務などを担っています。さらに、近年は需要が高まっているバイリンガル エンジニアリングの領域でも高い評価を得ています。

クライアントからの評価も高く、堅調にビジネスを成長させていたブルーアルバーロですが、創業から4年ほどで新たな課題に直面しました。それは営業体制の強化です。急成長した同社には営業担当者が1名しかおらず、全社の売上が営業ひとりの双肩にかかっていました。同社執行役員で営業を担当する塚田 将史氏は、営業の品質向上と効率化は喫緊の課題だったとし、次のように説明します。

「担当者が独自のスタイルで営業活動を行いがちなSES営業では、ITシステムを活用した情報管理や営業活動の標準化、業務プロセスの自動化を実践しているケースはあまり見たことがありませんでした」

さらに、重要なのは、顧客やパートナー、エンジニアコミュニティとの信頼関係だと塚田氏は言及します。「ベストなアプローチはお客様に直接お会いして何回も対話を重ねることですが、それには限界があります。効率的な活動には、自身の営業タスクや案件成約確度などをデータで可視化・分析する必要があると考えました」(同氏)。

 
 
 
 

2.導入の決め手は、営業支援に特化した機能の充実とサポート体制

こうした背景からブルーアルバーロは2022年、「Sales Cloud」を導入しました。導入の決め手になったのは営業支援に特化した機能の充実とサポート体制、そして、1アカウントあたりのコストパフォーマンスです。もちろん、グローバルで最も利用されているSFAであることも要因の1つでした。

塚田氏は、「他社の営業支援製品は、契約管理や売上管理に軸足がある印象でした。その点、Sales Cloudは営業視点に立脚した機能が充実しており、自分の営業タスク管理や将来的に営業担当者の人数を増やす際にも対応可能な拡張性のある情報共有基盤にできると感じました」と説明します。

現在は取引先入力から商談・契約・収支レポート作成までの一連の営業タスクを、Sales Cloudで管理しています。契約オブジェクトで収支も管理しているため、営業報告用のレポートの作成もスムーズに完了します。

Sales Cloud導入以前は、これらのタスク管理やレポート作成のためのデータ管理は表計算ソフトを利用していました。そのため、レポート作成時にはまずデータ収集から始める必要があり、非効率だったといいます。また、取引や案件に関する情報は塚田氏の“頭の中”にあり、「感覚」と「経験値」で営業戦略を立案していました。「つまり、営業活動が完全に属人化していた」(塚田氏)のです。

Sales Cloudを導入したことで、こうした課題は一気に解消されました。Sales Cloudには営業に関する情報がすべて集約されています。そのため、蓄積した情報を全社の資産として管理できるだけでなく、データの可視化や社内横断的な情報共有も実現できました。

また、エンジニアのマッチングにもSales Cloudを活用しています。具体的には商談オブジェクトに開発スケジュールや派遣する人材に必要なスキルと人数を入力し、その条件にマッチする人材を自社やパートナー企業のエンジニアから調整するのです。塚田氏は「Sales Cloudに情報を集約することにより、商談オブジェクトの情報が収支レポートの基になり、レポート作成の手間が大幅に削減されました」と語ります。

 
 

3.システム構築経験のない営業担当者がPremier Success Planを活用しスピード構築

ブルーアルバーロがSales Cloudを迅速に導入できた理由の1つが、有償サポートプランである「Premier Success Plan」の利用です。このプランはSalesforce製品(この事例ではSales Cloud)の導入・活用のための支援をSalesforceのエキスパートから直接受けられるサポートプランです。テクニカルサポートでは、問題の重要度に応じて24時間365日での迅速な対応も可能となっています。

今回、ブルーアルバーロではPremier Success Planに含まれる「エキスパートコーチング」を活用しています。エキスパートコーチングは製品機能別の豊富なメニューから選択できる定型の支援プログラムで、Salesforceのエキスパートから機能の使い方や課題の解決に必要なガイダンスをオンラインで1:1で受けることができるほか、ウェビナーやオンデマンド動画による情報提供もある。塚田氏はこのエキスパートコーチングを活用し、反復的なビジネスプロセスを自動化するフローの作成を実現しました。

笹山氏は「Premier Success Planとエキスパートコーチングでは、営業業務と技術面の両方で課題の洗い出しから解決策の提案、実際の施策・運用など、われわれでは対応できない部分を支援していただきました」と語ります。

塚田氏も「Premier Success Planのメリットは、とにかくレスポンスが速いことです。エキスパートコーチングとテクニカルサポートを利用し、技術アドバイスと営業フローの相談をそれぞれ週に1回受けていましたが、こちらの質問に対してすぐに返答し、疑問点を解消してくれました」と評価します。

ブルーアルバーロでは現在、エキスパートコーチングを使って新たな営業フローを構築中です。入力作成した契約の収支を月ごとに分割する自動化システムで、新規レコードタイプとして作成しています。

「こうしたシステムの要件定義や構築は、現場を熟知している営業担当者が適任です。私は現場を知っているものの、システム構築の知識や経験がなく、最初は無理だと思いました。Salesforceエキスパートの支援がなければ、構築は難しかったと思います」(塚田氏)。

新たなソリューションの構築では、テスト環境に2~3週間、そこから約半年の試用期間を経て本番環境の提供を実現しました。本番環境のクローンといえるSandbox環境が提供されるため、本番に近い環境での試用が可能です。塚田氏は「当初の計画では実用までに1年は必要だと思っていましたが、全体のシステム構築や高度な機能も半分程度の短期間で作り込むことができました」と振り返ります。

実は、Salesforce導入を検討していた当初は、パートナー企業から「Salesforceは多機能すぎて使いこなせないのでは……」と指摘されていたといいます。しかし、こうした懸念は杞憂に終わりました。

技術の支援だけでなく、将来の運用を見据えたエキスパートからの支援も役に立ったといいます。「一度、商談の成立から自動的に契約オブジェクトを生成したいと相談をしたのですが、『後々の運用を考えるとオススメしません』と、長期スパンの運用視点に立脚したアドバイスをもらいました。こうした『われわれのビジネスゴールを理解し、成長に寄り添ってくれる』Salesforceのエキスパートは、非常に心強い存在です」(塚田氏)。

Salesforceの導入が幅広くSES業界に浸透すれば、SES営業の業務が標準化し、業界全体のレベルアップにもつながります。笹山氏は「将来的にSalesforceを通じてパートナー企業どうしのつながりが密になり、新たなビジネスが生まれることを願っています。私たちの事例が、その一助となれば嬉しいです」とその展望を語ってくれました。

 
 
 
 
※ 本事例は2022年12月時点の情報です
 

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