AIエージェントとは – 完全ガイド

自律型AIエージェントは、自然言語で投げかけられたお客様からの質問を理解し、それに見合った対応を行います。パーソナライズしたお客様サポートを提供するために、サービス責任者が自律型AIエージェントについて知っておくべきことを紹介します。

顧客から問い合わせが殺到し、チームの負荷はすでに限界に近づいている。24時間365日対応のサポートを提供したくても、予算に限度があって人員を配置できない。あるいは、対応時間の短縮が求められるなか、顧客の期待は高まる一方で、万事においてスピードが要求される——AgentforceのAIエージェントを使えば、こういった課題を解決できます。この記事では、AIエージェントの概要とその仕組み、導入する方法を紹介します。

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AIエージェントが自社の従業員と協力して働くことで、コストと時間をどれだけ節約できるかご覧ください。4つの簡単な質問に答えるだけで、Agentforceの効果を確認することができます。

AIエージェントとは

AIエージェントは、人の手を借りずに顧客の問い合わせを理解し、応答できるインテリジェントなシステムです。機械学習新しいウィンドウで開く自然言語処理(NLP)新しいウィンドウで開くを使って、簡単な質問への回答から複雑な問題の解決まで幅広いタスクに対処します。さらに、複数のタスクを同時に処理できます。最大の利点は、自己学習を通じてパフォーマンスを継続的に向上できることです。ここが、特定のタスクについて人間の入力を必要とする従来のAIとは大きく異なります。(目次に戻る

AIエージェントの仕組み

AIエージェントの動作を段階的に見てみましょう。

  • データの収集と理解 – AIエージェントは、まず、顧客とのやり取り、取引履歴、SNSなど、さまざまなソースからデータを収集します。このデータは、顧客の問い合わせの背景情報とニュアンスを理解するうえで不可欠です。先進的なAIエージェントは、リアルタイムでデータを統合、処理し、最新の情報を使って問い合わせに効果的に対処できます。
  • 判断 – AIエージェントは、収集したデータを高度な機械学習モデルで分析し、パターンの特定や判断を行います。たとえば、過去のやり取りと現在の状況にもとづいて、顧客の問い合わせに対する最適な応答を判断します。この判断プロセスは、過去の経験から学習し、応答を継続的に向上させるエージェントの機能によって強化されます。
  • アクションの実行 – 判断した後に、必要なアクションを実行します。たとえば、顧客の問い合わせに回答する、リクエストを処理する、複雑な問題を人間のサービス担当者に引き継ぐといったアクションなどが挙げられます。アクションはシームレスに、効率よく実行されるように設計されているので、顧客は正確な回答をすぐに受け取れます。
  • 学習と適応 – AIエージェントは、それぞれのやり取りから継続的に学習し、アルゴリズムを改善して、正確性と有用性を向上させます。さらにナレッジベース(英語)を更新し、フィードバックを使って将来のやり取りを改善します。この継続的な学習機能により、顧客の期待やビジネス環境が変化しても、効果的で関連性の高い応答が可能になります。

これらの機能を組み合わせることで、AIエージェントは製品の提案や問題の解決、フォローアップといった幅広いカスタマーサービスタスクを自律的に処理します。人間のサービス担当者は、より複雑で付加価値の高い活動に専念できます。(目次に戻る

AIエージェントのメリット

カスタマーサービスにAIエージェントを導入すると、顧客とのやり取りやサービス業務が刷新され、さまざまなメリットが生まれます。

効率の向上

AIエージェントは、同時に複数の顧客に対応可能で、応答時間を大幅に短縮し、カスタマーサービス業務の効率性を向上させることができます。これにより、サービスの質を落とすことなく、大量の問い合わせを処理できます。

顧客満足度の向上

AIエージェントは正確な応答をすばやく提供できるため、顧客満足度の向上につながります。また、データを使ってやり取りをパーソナライズすることで、顧客体験(英語)の質も全体的に高まります。さらに、AIエージェントは徐々に学習を重ね、継続的に改善されます。

24時間365日の対応

人間のサービス担当者とは異なり、AIは24時間体制で稼働し、タイムゾーンや営業時間を問わず、問い合わせにすぐに対応します。この常時対応によって、顧客のセルフサービスに対する期待に応え、顧客ロイヤルティを高めることができます。

拡張性

AIエージェントは簡単に規模を拡張して、顧客対応の増加に適応できるので、サービスの質を落とさずに事業を拡大しようとしている企業に最適です。AIエージェントは、問い合わせの増加に応じて負荷を処理できるように簡単に調整可能で、信頼性のある一貫したサポートを維持できます。

データにもとづくインサイト

AIエージェントは、顧客のやり取り、好み、行動に関する有益なデータを生成します。企業はこのデータを使って、顧客のニーズとトレンドに関するインサイトを入手し、情報にもとづく意思決定を行い、サービスの質を向上できます。

一貫性と正確性

AIエージェントは、顧客の問い合わせに対して一貫性のある正確な回答を提供するため、エラーのリスクが減少し、顧客は常に信頼性の高い情報を受け取ることができます。一貫性のある対応をすることで、ブランドに対する信頼性が向上します。

AIエージェントは、生産性の向上、コストの削減、意思決定の改善、顧客体験の強化など、さまざまなメリットをもたらします。マッキンゼー社(英語)新しいウィンドウで開くは、「調査対象の企業の72%以上がすでにAIソリューションを導入しており、生成AIへの関心を高めている。こうした状況を考えると、企業がAIエージェントのような最先端のテクノロジーを計画プロセスやAIロードマップに組み込み始めているのも、驚くべきことではない」と述べています。

高度なAIソリューションを活用する企業は、時代の変化を先取りし、イノベーションを進めて、カスタマーエンゲージメントを強化できます。(目次に戻る

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AIエージェントの導入を成功させる8つのヒント

AIエージェントの導入を準備する場合に、押さえておくべきベストプラクティスを紹介します。

  1. 目標を明確に定義する – まず、AIエージェントで達成したい目標を定義します。応答時間の短縮、顧客満足度の向上、業務コストの削減といった明確な目標を定めることで、導入プロセスの方向が決まり、成功を計る指標を設定できます。
  2. データを評価し、準備する – AIエージェントが効果的に機能するには、質の高いデータが不可欠です。しっかりとしたデータ収集システムと管理システムを用意する必要があります。このデータには、顧客とのやり取り、取引履歴、その他の関連情報が含まれます。クリーンな構造化されたデータがあることで、AIエージェントは正確で関連性の高い応答ができるようになります。
  3. 最適なAIエージェントを選ぶ – ニーズに最も合うAIエージェントを選択します。たとえば、よくある問い合わせに対応するAIエージェントが必要な場合は、反応型のエージェントで十分かもしれません。より複雑なタスクの場合は、変化する顧客のニーズに適応し、高度なサポートを提供できる目標指向型のエージェントや学習エージェントを検討します。
  4. 既存のシステムと連携させる – AIエージェントを既存のCRMやカスタマーサービスツールとシームレスに連携させます。この連携によって、情報が円滑に流れてAIエージェントの機能が強化され、関連データへのアクセスや効果的なサポートの提供が可能になります。
  5. ユーザーエクスペリエンスを重視する – エンドユーザーを念頭に置いてAIエージェントを設計します。直感的なやり取りで正確な回答をすばやく返し、快適な顧客体験を提供できるようにします。顧客の期待に応えられるように、導入の前にAIエージェントを十分にテストして、潜在的な問題を特定し、解消しておきます。
  6. モニタリングし、調整する – AIエージェントのパフォーマンスを定期的にモニタリングし、ユーザーからフィードバックを収集します。この情報を使って、AIエージェントが効果と実用性を維持できるように、継続的に改善します。継続的に調整することで、変化する顧客のニーズに適応し、AIエージェントのパフォーマンスを全体的に向上させることができます。
  7. 人間による監視を想定しておく – AIエージェントは多くのタスクを自律的に処理できるとはいえ、必要な場合に人間が介入することを想定しておく必要があります。いつ、どのように人間がAIエージェントを補助するべきかについて、明確なガイドラインを設け、複雑なやり取りや慎重を要する対応のためのセーフティネットを用意しておきます。
  8. データのプライバシーとセキュリティを確保する – AIエージェントが取り扱う顧客情報を保護するために、データのプライバシーとセキュリティを確実に保護する対策を導入します。たとえば、データ保護規制を順守し、セキュリティ監査を定期的に実施して、機密データを保護し、顧客の信頼を維持します。(目次に戻る

Service Cloud がAIエージェントに最適な理由

カスタマーサービス戦略にAIエージェントを導入するのであれば、Salesforce Service Cloudが役立ちます。

  • インテリジェントなAIエージェント – 24時間365日、あらゆるチャネルで自律的に人間のように顧客とやり取りし、すべての応答を信頼できるデータでグラウンディングして、問題を迅速に解決します。
  • Data Cloudと連携するプラットフォーム – Salesforce Service Cloud
    は、カスタマーサービス AICRM自動化ツールを組み合わせた統合プラットフォームを実現します。これにより、AIエージェントが最新の包括的な顧客データにアクセスし、正確でパーソナライズされたサービスを提供します。Data Cloudを組み込むことで、シームレスなデータの連携と管理が可能になり、一元化された顧客データをすべてのチャネルで利用できます。
  • Salesforce Platformによる拡張性。Service Cloud は Salesforce Platformを基盤としているため、カスタマーサービス業務にSalesforceの信頼性、セキュリティ、拡張性をもたらします。Salesforce Platformによって、AIソリューションの拡張が可能になり、パフォーマンスを低下させることなく、顧客とのやり取りの増加に対応できます。
  • 高度なツールを使ったカスタマイズ – Service Cloudには、ビジネスのニーズに合わせてAIエージェントを変更できる豊富なカスタマイズオプションが用意されています。Prompt BuilderAgent Builder
    などのツールを使ってワークフローや応答をカスタマイズし、ブランドとカスタマーサービスの目標に沿ったAIエージェントを構築できます。また、柔軟性の高いApexコード新しいウィンドウで開くMuleSoft の連携機能を活用して、Service Cloud と他のシステムを接続し、要件に応じて機能を拡張することも可能です。
  • シームレスな連携と相互運用性 – Service Cloud のアーキテクチャーはオープンであるため、他のシステムやプラットフォームとシームレスに連携し、一貫性のある効率的なカスタマーサービスエコシステムを構築できます。既存のCRMシステムやサードパーティアプリケーションと連携する必要がある場合でも、Service Cloud は一貫性のある顧客体験の構築に必要な柔軟性と相互運用性を提供します。

パーソナライズされたサービスを大規模に提供できるAIエージェントは、サービス部門を大きく前進させます。AIエージェントの導入により、企業は競争の激しいグローバル市場で有利なポジションを獲得し、コストを削減しながら、現代の顧客のさまざまなニーズを満たせます。(目次に戻る

AI時代に卓越したサービスを提供するには

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