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ニューノーマル時代の地域観光経営 第1回 持続可能な地域経済活性化~地域でお客様を創る

ニューノーマル時代の地域観光経営 第1回 持続可能な地域経済活性化~地域でお客様を創る

ニューノーマル時代を見据えた地域経済の活性化に欠かせないデジタル化。 これまでとは異なる地域と観光客とのつながり、地域と顧客をつなぐ仕組みとして、 セールスフォース・ドットコムとJTBが提供するデジタル「地域共創基盤」をご紹介します。

「地域観光経営」というキーワードを耳にしたことはあるでしょうか。近年、先進的なエリアでは観光による地域の活性化に力を入れてきました。しかし、すばらしい取り組みをされている地域も登場してくる中で、突如として突き付けられたのがコロナ禍でした。現在も新型コロナウイルスの猛威は止まらず、観光産業は厳しい状況にさらされています。

今後ニューノーマル時代を見据え「密」を避けながら、地域経済を活性化するには、地域のデジタル化が不可欠です。2020年7月には、内閣において「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されました。ここでは地方創生の政策として「デジタル・トランスフォーメーション(DX)への強力な支援」が名言されています。事実、総務省の2021年度予算の概算要求で20年度予算と比較しても5倍にあたる38億8000万円が、地方自治体のDXのために計上されています。今後、観光事業としても地域のDXを避けて通ることはできないでしょう。

地域観光DXを実現するには?

では地域観光経営を実践していくことで、重要な点はどのようなことなのでしょうか? 今回、記事のタイトルにも用いましたが“持続性”が重要なワードとなるはずです。地域観光の活性化には、「見込み客」を来訪までつなげるだけでなく、リピーターに育てる必要があります。こうした取り組みは、一過性で終わらせては意味がありません。再訪いただき、さらには家族やご友人と一緒に地域を訪れていただく。そのためには、これまでとは異なる地域と観光客とのつながり、地域と顧客をつなぐ仕組みが必要であり、顧客基点のデジタルマーケティングが不可欠となります。

そこで、セールスフォース・ドットコムでは2020年8月に、JTB社と「包括的連携・協力に関する協定」を締結し、JTB社は自治体DMO/DMCがサブスクリプションで利用できる地域共創基盤というデジタルサービスの提供を進めています。JTB社ではこれまで47都道府県で自治体DMOによる地域観光経営を支援する拠点をつくり、観光による地域の活性化支援に努めてこられました。そのノウハウとSalesforceのCRMを活用し、顧客基点360°のデジタルマーケティングの支援を実現します。

JTB社では、地域における本質的な交流人口の拡大が重要だと捉え、Salesforceが提唱する顧客基点のOne to Oneマーケティングが必要と考えています。いまや観光客は、スマートフォンを活用し、オンライン上であらゆる情報をその場で能動的に探し出すことが可能になったからです。そのため、マーケティングもかつてのような売り手都合だけのばらまき型広告では効果が出にくくなっています。また、たとえビッグデータを活用したとしても、過去の傾向データによる施策では意味をなしません。動的なリアルタイムデータを一元的に扱える地域CRMの観点が重要であり、実現できるのがSalesforceだと評価いただいています。

コロナ禍以前には、各地で自治体の支援によるDMOが立ち上がり、積極的なプロモーション活動も行われてきました。しかし、プロモーションが単体で終わっているケースも散見されました。また、プロモーションを実施する際のKPIが地域経済指標に紐づいてないケースも少なくありません。

セールスフォース・ドットコムではJTB社とともにJTB社が提供する地域共創基盤をベースに、こうした自治体・DMOの課題解決を目指します。宿泊施設や交通、さらに飲食店やアミューズメント施設など地域全体でデータを横断的に活用できる仕組みづくり、また、プロモーションと域内消費の相関関係の明確化も簡単に実現。地域にとって一番の資産である来訪者の情報を地域全体で活用し、自治体等観光経営主体による地域全体の経済活性化の支援に取り組んでまいります。

地域観光経営、先進的な2つの事例

すでに、Salesforceを活用して地域観光経営を目指す先進的な取り組みも登場しています。ここでは2つの事例を紹介したいと思います。

2つは、倒産寸前の経営危機からV字回復を果たした老舗旅館「元湯 陣屋」です。Salesforceを基盤に開発したクラウド型ホテル管理システム「陣屋コネクト」を駆使し、飛躍的な業務効率化も実現されました。そのノウハウを生かし、近年では宿同士で人材や食材、情報などを交換し合うネットワーク「宿屋EXPO」を推進。地元の飲食店や生産者と連携して、街全体で新たな価値を提供する観光地域づくりにも取り組まれています。

2つ目は、世界的なスキーリゾートとして知られるニセコの取り組みです。冬は多くの観光客で賑わう一方、夏場の集客が課題となっていました。地域の観光振興に取り組むDMOのニセコプロモーションボードは、観光客一人ひとりのニーズにあった観光体験を提供できる通年型の国際リゾートを目指し、Salesforceで地元の多種多様な事業者をつなぎ、地域の観光データの一元管理を進めています。

第2回では、この取り組みをもう少し詳しくご紹介したいと思います。(第2回に続く

2社の取り組みは動画も公開されていますので、こちらも併せてご覧ください。

YouTube

【お客様事例-観光業界】 陣屋コネクト – 街ぐるみのおもてなしをSalesforceとともに

【お客様事例-観光業界】 ニセコプロモーションボード – 顧客起点の地域観光経営をめざすニセコの挑戦

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