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デジタル活用によって変革し信頼を生み出す企業へSuccess Anywhere World Tour Tokyo (Day2)開催レポート

デジタル活用によって変革し信頼を生み出す企業へSuccess Anywhere World Tour Tokyo (Day2)開催レポート

2021年11月11日と12日の2日間、ザ・プリンス パークタワー東京をメイン会場としてオンライン開催された「Salesforce Success Anywhere World Tour Tokyo」。2日間で60を超えるセッションが展開され、そのなかでも特に注目を集めた4つのセッションを2回のブログに渡ってお伝えします。

SalesforceのWorld Tourとしては2年ぶりの開催となった「Salesforce Success Anywhere World Tour Tokyo」。1日目を大盛況で終えて迎えた2日目のオープニングセッションは中田英寿さんからの始まりです。

Day1の開催レポートはこちら
>>Success Anywhere World Tour Tokyo (Day 1)開催レポート

自然の最大化をする伝統産業は、究極の持続可能性社会をもたらす

Success Anywhere World Tour Tokyo 2日目のオープニングセッションは「地方から世界へ。DXで導く地方創生のすすめ」と題し、MCに宇賀 なつみ 氏、ゲストに日本の伝統産業に造詣の深い株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY CEO 中田 英寿 氏を迎え、小出とともにディスカッションを行いました。

トップアスリートとして活躍したあと、日本全国をめぐって日本の伝統文化に触れてきた中田氏は日本酒のPRや流通の改革にデジタルを活用しています。

「伝統産業ほどオンライン化されていません。情報を発信できるプラットフォームを作ったらいいと、日本酒・お酒のデータベース『Sakenomy』を作りました。消費者は自分の好きなお酒を見つけることができます」(中田氏)。

情報プラットフォームを作ったあと、流通も手がけます。温度管理が必要な日本酒のために、海外も含めたコールドチェーン(低温輸送網)を整備し、状態管理のためにブロックチェーンの技術を採用しました。生産地から成分、配送経路、温度記録まで、サプライチェーンの情報を記録して共有する仕組みで、品質の高いお酒を振る舞うため、偽造や改ざん防止も可能としています。また、この仕組みはお酒だけでなく、醤油や味噌などあらゆるものに横展開できるといいます。

株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY CEO 中田 英寿 氏

コロナ禍によって都市の利便性よりも地方の快適な差が見直されています。中田氏は、DXによる地方創生の可能性について次のように話しました。

「地方に行くと、『私達には何もない』という人が多いです。でも僕らから見ると、自然があって素晴らしいと思うのです。無いと言っているのは建物なだけで、DXが進んでいけば、より幸せな地方の環境を選ぶ人が増えていくと思います。ですから、デジタルを進めて仕事をできる環境を作ることが重要です」(中田氏)

インターネットによってすべてのものがつながり、その先には顧客がいます。小出は、Salesforceのイベントをオンラインにすることによって、地方の参加者が圧倒的に増えたとし「素晴らしい地方の伝統も、テクノロジーやデータの活用で、より大きなマーケットを意識することが非常に重要になってくると思います」と語りました。

サッカーもお金を稼ぐためにやりたいと思ったことがなく、伝統産業もただ好きなので事業に没頭しているという中田氏。最後に経営者としての姿勢について次のメッセージを残しました。

「伝統産業が行っているのは自然の最大化であり、究極の持続可能な社会が何百年も続いているのです。自分が好きで、何よりも努力できるという環境が自分にとって一番幸せです。楽してお金を稼ぐとかはどうでもいいのです。サッカーをしているときは、相手を分析して練習していました。今も同じで、素晴らしい伝統産業の問題をどうやったら解決できるのかを考えています。楽ではないのですけど、楽しいです」

サステナビリティの成果は、データの可視化による改善がポイント

Salesforce Success Anywhere World Tour Tokyo最後のセッション は、「カーボンニュートラルの未来 今こそ企業が取組むべきこと」と題し、株式会社丸井グループ 代表取締役社長 代表執行役員 CEO 青井 浩 氏と、ザボディショップジャパン株式会社代表取締役社長 倉田 浩美 氏をお招きし、小出とともに意見を交換しました。

丸井グループでは、ステークホルダーに将来世代を明示しており、再生エネルギーの活用やビーガンスイーツの開発、代替肉開発企業への投資など、カーボンニュートラルに取り組んでいます。青井氏は「将来世代をステークホルダーとしてしっかり捉えていくことって極めて重要です。社会課題やカーボンニュートラルにしっかりと取り組んでいない企業の商品製品やサービスは支持されなくなってくると思います。また、企業や職場には人が来てくれなくなり、ビジネスそのものが成り立たなくなるような事態になってくると思います」と述べました。

株式会社丸井グループ 代表取締役社長 代表執行役員 CEO 青井 浩 氏

The Body Shopは、1976年、アニータ・ロディック氏が天然原料の化粧品を製造、販売するために設立した企業。以前から深刻な気候変動を問題視して、1989年には、南アメリカの熱帯雨林の破壊に対する署名抗議活動「Stop The Burning」をブラジル大使館に対して行うなどの活動をしてきました。現在は、インドで使い捨てプラスチックの廃棄物を回収する取り組みなども行っています。倉田氏は「今の社会というのは自分たちだけでいいのではなくて、目先の業績よりもその100年先1000年先の明るい未来に向けて、やっぱり真剣に活動していくことがとても大切だと思います」と語りました。

ザボディショップジャパン株式会社代表取締役社長 倉田 浩美 氏

Salesforce自身も、サプライヤーとの契約において気候変動対策を条件にすることを表明しています。サプライヤーからサプライヤーに伝搬していくことで、サステイナビリティをスケーリングさせようというような取り組みです。しかしながら、企業によっては、サスティナビリティの第一歩をどう考えたらいいか悩む企業も多いと思います。

The Body Shopの場合は、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度である「B Corp」の取得を目標にしています。この認証は国ごとに取得する必要があり、現在世界で2600社、日本では7社となっています。認証を得るには250以上に及ぶ項目で一定のスコアを出す必要があります。倉田氏は「The Body SHOPのパーパスに従業員全員が信じて行動することで、最終的にはお客様に還元できることは、すごく大切だと思います」と述べました。

丸井グループでは、世界的な社会的責任投資株式指数である「Dow Jones Sustainability Index」の小売分野において世界 1 位を獲得しています。この影響が株価に現れており、1株あたりの利益の伸びよりも2割から3割上回って推移しています。青井氏は「私たちはESGプレミアムと呼んでいます。利益以外の何かを評価していただけることですので、私達の努力は無駄にはなっていなかったかなと思っています」と、サスティナビリティ活動の実行と開示の成果を説明しました。

サスティナビリティへの取り組み位について小出は次のようにまとめセッションを締めくくりました。

「脱炭素・サステナビリティに対する取り組みはすぐに結果が出るわけではありません。中長期に考える必要があるからこそ、企業のアクションや環境に対する影響をデータとして可視化し、改善するサイクルを回していかないと、その変化点は見えません。私どもは、Sustainability Cloudのようなテクノロジーを提供しながらお手伝いできると思っています」

Success Anywhere World Tour Tokyo オンデマンド配信中

ここでは、セッションのごく一部のご紹介にとどまりましたが、オンデマンド配信ではそれぞれのセッションをより深く、ゆっくりとご視聴いただけます。今回紹介した基調講演をはじめとする、人気セッションのオンデマンド配信を2022年1月20日(木)18:00まで行なっております。当日参加できなかった方も、もう一度見返したい方もぜひご覧ください!

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