多くの消費者や企業の購買担当者が、実店舗や営業担当者の代わりにEコマースやポータルを利用するようになり、玄関や倉庫に荷物が置いてある光景がよく見られるようになりました。花から薬、風力タービンの交換部品まで、あらゆる商品の注文管理にトレンドの変化が訪れています。あらゆるものが配送可能になり、それを顧客も歓迎しています(英語)。しかし、配送の遅延が発生したり、不正確な配送データが入力されていたりすると、ロイヤルカスタマーがブランドを離れていくこともあります。
注文管理には5つの新しいトレンドが見られ、ショッピングや企業の購買の形が定着しつつあります。適切なツールと戦略を用いることで、企業は、正確かつ遅延のない配送、顧客満足度の維持、デジタルファーストの経済で成長するための備えを実現することができます。
1. デジタルと現実の境界が曖昧になっている
カーブサイド・ピックアップやクリックアンドコレクトは、食料品(英語)や大規模小売店(英語)といったカテゴリーで一般的になっています。実店舗での買物が制限されたり、できなくなった際に、カーブサイド・ピックアップが店舗の売上の確保に貢献(英語)しました。カーブサイド・ピックアップには、オンラインショッピングの利便性と正確性に加え、買い物客が必要な商品を時間通りに受け取ることができるという安心感があります。また、この方法を取れば、FedEx、USPS、UPSなどの運送会社に依存しているブランドのラストワンマイル配送における負担も軽減します。
2020年に店舗受け取りが可能なオンライン注文(BOPIS)(英語)やカーブサイド・ピックアップを採用した企業は、前年比76%の収益増加を実現しています。BOPISは、店舗を配送センターとして使用し、実店舗の在庫をオンラインで利用できるようにする方法であり、すでに売上維持に有効な戦略として実績を上げています。このトレンドにより、買い物客は、好きな時に、好きな方法で欲しい商品を購入できるようになりました。
2. 拡張を前提に設計された注文管理システムを使う
ブランドは、予期せぬ事態に備える必要があることを学びました。需要の急増は、あらゆる瞬間に、あらゆる理由で起こり得るのです。
パンデミックのニュースが最初に報じられると、消費者による生活必需品や清掃用品(英語)の買い占めが起こり、企業の購買担当者も慌てて商品を確保する必要性に迫られました。また、ロックダウンや不要不急のビジネスの閉鎖によって、人々は新しい趣味を見つけました。その結果、ローラースケートから自転車、エンターテイメント機器まで(英語)、あらゆる製品の需要が急増しました。2021年のホリデーシーズンを間近に控え、小売店や消費財ブランドは、需要のピークに再び備える必要があります。
しかし、すべての企業が、買い物客の流入に対応できる注文管理の手法を確立しているわけではありません。その結果、在庫切れで顧客の不評を買ったり、不正確な在庫数、注文の不具合で顧客を怒らせることもあります。組織には、すぐに変化する需要に応えられる、スケーラブルなシステムが必要なのです。
自社システムやカスタマイズされたエンタープライズ・リソース・プランニングシステム(ERP)(英語)には、注文管理プロセスの機能を備えているものも多くあります。しかし、問題は、こうしたソリューションでは営業活動のフィードの遅延が発生することと、これらが拡張を前提に設計されていることはまずないということです。ホリデー、セール、将来のロックダウンによる注文の可能性など、ピークイベントに備えるにあたって、ブランドは、好印象なショッピング体験を提供するため、注文管理に投資する必要があります。
3. 遅延についての透明性が重要
優れた注文管理を用いていても、混乱が発生するとサプライチェーンとフルフィルメントが影響を受け、最終的に遅延が起こる場合があります。遅延の発生源が生産過程か配送センターかにかかわらず、顧客はより長い時間待たされることになります。
では、顧客やパートナーに対してさらなる透明性を提供するには、どうすればよいでしょうか?セルフサービス機能を導入し、買い物客や企業の購買担当者が、オンラインやアプリを介して発送状況を容易に確認できるようにしましょう。
- ボットを使用して事前に注文の詳細を収集し、Webサイトで発送状況を提供しましょう。これにより、担当者が、より複雑なケースに対応するための時間を確保できるようになります。また、その状況が返品ポリシーやその他の購入条件に影響するかどうかを顧客に伝えましょう。
- FAQへのリンクを記載することで、顧客自身が解決策を見つけるのをサポートできます。
4. セルフサービスの返品オプションにより、面倒なプロセスを円滑にする
利便性は、顧客体験における最重要の要素です(ほとんどの買い物客が、ブランドよりも利便性を重視しています)。利便性の向上という名の下で、返品処理のイノベーションが爆発的に進歩しています。その良い例が消費者の地元のWhole Foods Marketで返品の受け付けを開始したAmazon(英語)です。箱や送り状すら不要になりました。このように消費者体験を効率化すると、ブランドロイヤルティを構築し、消費者の満足度を高めることができます。商品をオンラインで購入するB2Bの購買担当者も、セルフサービスでの返品を期待しています。自社でシームレスな注文を提供するなら、購入者がサービス担当者や営業担当者に電話することなく、容易に返品できるようにする必要があるのです。
ブランドは、セルフサービス機能を使って買い物客に返品や交換の手順を案内できます。それだけでなく、ニーズにぴったり合う新製品を買い物客に勧める(英語)ことも可能になります。
5. 購入後に顧客が期待する内容も大きく変わった
ブランドや小売店は、新しいオンラインの買い物客の流入を歓迎しています。2021年には、2020年よりもデジタルでの購入者が9億人増加しています。オンラインが好まれるオプションとなり、新しい消費者行動が定着しつつあるのです。
デルタ株によって実店舗の再開が遅れ、多くの買い物客が来店を躊躇する中、顧客は安全性と利便性のため、引き続きEコマースを利用する可能性が高くなっています。ここで、注文管理体験が非常に重要となります。消費者は、超短時間での配送(英語)だけでなく、サプライチェーンの問題が発生した際にも、完全な透明性を期待しているのです。
Kemberly Gong
Kemberly Gongは、Salesforce Commerce Cloudの製品マーケティング担当ディレクターであり、Commerce CloudとMarketing Cloudの統合ソリューションのメッセージングとポジショニングを担当しています。Salesforceでのおよそ3年の職務を通じて、KemberlyはMarketing CloudとCommerce Cloudの両製品について、コンテンツ作成、営業チームのイネーブルメント、イベント戦略の管理に取り組んできました。Eコマース、ソフトウェア製品マーケティング、およびコンテンツマーケティングの各分野で12年を超える経験を持ち、サンノゼ州立大学でジャーナリズムと政治学の学士号をそれぞれ取得しています。