デジタル革命によって、あらゆるものが一変しました。レストランの場合、接客係が来店客にメニューを手渡すことがお決まりだった時代は過ぎ去りました。紙のメニューはQRコードへと置き換わり、注文はデジタルチャネル経由で行われ、支払いは非接触で完了します。
2020年、米国では11万軒を超える飲食店が休業(英語)し、パンデミックをなんとかしのいだ飲食店の多くがこうしたデジタル化を進めていました。レストランが営業を再開するなか、収益の増加、顧客満足度の向上、ロイヤルティの構築において鍵となるのが、対面エクスペリエンスのデジタル化です。ここでは、レストランで業務、メニュー、チーム、マーケティングを変革して食品市場で成功する方法をご紹介します。
デジタルダイニングの普及に伴い、顧客は利便性を求めるようになっている
消費者が食品を購入するプロセスはパンデミック前から急激に変化していました。ミールキットやクリック&コレクト、食料品の配達、セルフスキャン清算、セルフレジの普及に伴い、利便性が何よりも求められるようになりました。202年に、消費者の51%(英語)が食品と必需品を購入するためのアプリを少なくとも1つはダウンロードし、全体の79%(英語)がレストランアプリを利用しています。
パンデミックをくぐり抜けて成功を収めたのは、モバイルオーダーとカーブサイド・ピックアップをデジタル化したレストランです。対面での飲食サービスが再開されるなか、再び勝利を得るのは、デジタルチャネルを活用して対面と同レベルの便利な非接触オプションを提供するレストランです。
店内で食事を取る場合でさえ、70%の来店客(英語)が対面よりもデジタルでの注文を希望しています。後れを取らないようにするには、複数の店舗のメニューの変わりやすさ、価格、プロモーションを反映するスケーラブルなテクノロジーをレストランでいち早く導入する必要があります。来店客の獲得競争が続くなかで勝利を収めるのは、利便性だけではなく接客の質を上げるためにデジタルチャネルを導入するレストランです。
レストランエクスペリエンスの改革
過去18か月でQRコードのダウンロード数は750%上昇(英語)しました。レストランではQRコードを永続的に使用することになるだろうと専門家は述べています。その理由は、適切なテクノロジーを導入することで、QRコードを信頼できる唯一の情報源として、顧客をあらゆる角度から把握できるためです。QRコードはマーケティングやサービス、POSなど、あらゆるシステムをすべての食事客とつなげる可能性を秘めています。
これまでになかった次のようなレストランエクスペリエンスを導入しましょう。テーブルにあるQRコードを食事客がスキャンすると、オンライン注文システムが表示されます。食事客がメニューを見ていると、AIによるおすすめとそれに合うメニューが表示されることで平均注文額が増えます。連携したオンライン注文システムから接客係に通知が送信されるとともに、POSやキッチンのディスプレイなどのレストランシステムに最新情報が即座に送信されます。常連客が自身のデバイスで支払いを行い、支払い処理が完了するまで、食事客、接客係、テクノロジーの間で同じ情報が共有されます。
支払いが完了したら、レストランではファーストパーティの顧客データにアクセスすることで、注文内容と閲覧履歴にもとづいて常連客のリターゲティングを行い、一人一人に合わせたロイヤルティプログラムを実現できます。対象を絞ったキャンペーンに使用するメールマーケティング用リストを作成するために、登録やオンラインチェックインにレストランが頼っていた時代は終わりを迎えました。
デジタルチャネルで収益の増加と業務の効率化を実現
エンドツーエンドのデジタルダイニングによって、顧客が自身のエクスペリエンスを制御しやすくなります。一方、レストラン側は業務を効率化しながら収益を増やすことができます。
これまで接客係が注文の聞き取りや厨房への注文の伝達、紙の請求書の支払い、支払いの回収、POSシステムへのさまざまな情報の入力に費やしていた時間を、よりスピーディな接客に活用できるようになります。
サービス、スピード、注文の精度は料理の品質と同じくらいレストランの顧客満足度(英語)を左右します。注文取りから清算まであらゆる作業をデジタル化して業務を効率化することで、サービススピードの向上、収益の増加、顧客ロイヤルティの向上につながります。
デジタルダイニングの成功に不可欠な要素
Salesforce Commerce Cloudのデジタルレストランソリューションなら、簡単かつスピーディにデジタルダイニングを実現できます。これらのソリューションはCustomer 360を活用することで来店客とシームレスにつながります。Commerce Cloudでは、注文金額の増加、人工知能によるパーソナライズの強化、ドラッグアンドドロップツールによるページの作成と管理、既存のテクノロジースタックとの連携が可能です。Mad Mobileとのパートナーシップ(英語)により、これらのソリューションはNCR AlohaやMicros Simphonyをはじめとする一般的なPOSレストランシステムだけでなく、マネージドサービス用のVisionet(英語)とも連携済みです。
Eric Lessard