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こう言われたら、どう返す?営業トークで使える5つの応酬話法

こう言われたら、どう返す?営業トークで使える5つの応酬話法

お客様がお断りになったらそれで商談失敗ではありません。次なる一手につながる情報収集方法など、営業トークで使えるの5つの応酬話法をご紹介します。

ものを売る仕事をしている人なら誰でも、お客様に断られたときの切り返し方に悩んだことがあるでしょう。売るものがサービスであれ、消費者向けの商品であれ、最初からすんなりと受け入れられることはまずありません。にべもないお断りに対し、納得させる言葉を返して「買いたい」と思わせるのが、営業の腕の見せどころです。

電話営業や訪問営業で、「予算がない」「権限がない」「必要がない」「今はいらない」「価値がわからない」といった断りの言葉は、誰もが一度は言われたことがあるはずです。この記事では、こうした言葉にうまく切り返すための応酬話法を紹介します。

お客様にこう言われたら、どう返す?

まずは、よくある断り文句のパターンと、対応のポイントをまとめておきます。

  • 予算がない – その商品ならではの価値を示す
  • 権限がない – 相手の懸念を理解し、その問題を解消する
  • 必要がない – 抱えている問題や見落としている機会について、丁寧に説明する
  • 今はいらない – 今すぐ購入した方がいい理由を示す
  • 価値がわからない – 課題を解決する能力と誠実さを示して信用を得る

予算がない – 「とてもそんな余裕はありません」

おそらく一番よく聞く反応は、「予算がない」「高い」といった、価格に関するものです。これに対してすぐに値引きを申し出るのは、うまいやり方とは言えません。商品にそこまでの価値がないのでは、とお客様に疑念を抱かせることになるからです。安易な値引きを提案する前に、その商品やサービスならではの価値を伝える工夫をしましょう。

本当にお客様は「価格」だけで選んでいるのか?

「お客様からの値引き要請が厳しくて……」「提案はよかったけど価格で負けました」が起こる理由をお客様へのアンケートから分析し、営業教育のプロがポイントを解説。営業力強化のヒントとしてご活用ください。

おすすめの対応 – その商品ならではの価値を示します。その商品がお客様の問題解決にどう役立つかを、具体例を交えて説明するといいでしょう。

権限がない – 「〇〇と相談しないと……」

価格に対する反応よりも対応が難しいのが、「上司が必要ないと言っている」といった反応です。決める前に上司やパートナーに相談する必要がある、他の意思決定者がもう購入しないと決めてしまった、などと聞くと、あきらめの気持ちがわいてきますが、そこで折れてはいけません。

おすすめの対応 – 相手の立場に配慮しながら、他の意思決定者を商談に巻き込みましょう。お客様の根本にある懸念を探り、その問題を解決するチャンスと捉えましょう。相手からの返事をただ待つのではなく、積極的に打ち合わせを設定したり、最終的な意思決定者にターゲットを切り替えたりして、商談を前に進めます。

必要がない – 「現状で特に問題はないので」

今の状況に満足している、あるいは変化を好まない気持ちから、その商品が自分や会社にどんな価値をもたらすかを知ろうともせずに、ただ断ってくるお客様もいます。現状維持でいいと言っていても、単に情報不足で問題やビジネスの機会を見落としていることも少なくありません。そうした相手に対しては、見えていない問題や得られるはずのビジネスの機会について、丁寧に説明するのが効果的です。

おすすめの対応 – 可能であれば、似たような商品やサービスを取り入れた競合他社の最近の導入事例を紹介します。変化に不安を感じるのは当然のことです。お客様の業界内での成功事例を示して不安を和らげ、やはり買う価値がありそうだと思わせるようにします。

今はいらない – 「忙しいので、また後日に……」

「また今度、余裕があるときに連絡して」といった断り文句も、特に年末や期末のころによく聞かれます。そんなときは、この機会に購入しなかったら、後で間違いなく後悔するとお客様が感じるように誘導します。

おすすめの対応 – 購入の手続きをできる限り簡略化し、特定期間にしか適用されない魅力的な販売条件を提示します。「年が明けてから」とのんびりしていると、大きなチャンスを逃がしてしまうと感じさせるような、具体的な特典を示しましょう。

ただし、このやり方をとる前に、相手の真意を確認する必要があります。ただ電話のタイミングが悪かった可能性もあれば、業務上の課題でそれどころではない可能性もあるからです。タイミングの問題であれば、いつ電話してよいかを確認します。業務上の課題であれば、詳しく情報を聞き出して、自社の商品が課題解決にどう役立つかをプレゼンします。

価値がわからない – 「一旦持ち帰らせてください」

これは、価格、権限、必要性、タイミングのいずれか、またはすべてが組み合わさった反応と考えられます。商品の価値がわからないと言われてしまうのは、こちらから提示する情報に信頼性や必然性が欠けているということ。この場合に必要なのは、お客様の信用を得ることです。

おすすめの対応 – お客様との関係において何より大切なのは、信頼です。商品の価値を伝えるには、まずお客様にとって信頼に足る会社であることを証明する必要があります。そのために、お客様とのやり取りでは、次の3つの点を常に意識しながら伝えるようにします。

  1. 能力 商品やサービスについて、きちんと理解して話しているか?その知識をもって、お客様の課題解決を手助けできるのか?
  2. 誠実さ 売上目標などの重圧にさらされている状況においても、お客様に対して常に正しい行動ができているか?
  3. 味方であること 常にお客様を支え、課題解決を助けたいと心から思っているか?

信頼関係が築ければ、価値に対する懸念を払拭しやすくなります。また、商品の価値とお客様にとっての価値を一致させることもできるようになるでしょう。

営業トーク台本のワークシート

このガイドでは、営業活動を成功に導く5つのステップをご紹介します。
ワークシート形式になっており、ステップに沿って自分の営業トークを作ることができます。

事前の準備が大切

営業をかけるにあたっては、よくある断りの言葉や否定的な反応を想定し、あらかじめ準備しておく必要があります。

商品やサービスの詳細と機能を熟知することは大切ですが、それと同じくらい、相手の反応の裏にある真意をつかむことが重要です。相手が気乗りしない様子のときは、言葉を引き出せるような質問を投げかけて、なぜそうした反応になるのかを探ります。

お客様の求めるものと、こちらが売ろうとする商品の価値をきちんと理解していれば、どんな断り文句にもひるまず対応できるでしょう。

一番大事なのは、「この商品やサービスがないと困る」と相手に思わせることです。最初は受け入れられなかったとしても、信用を得て信頼関係を築き、その商品やサービスに対する見方を変えていくことで、最終的には良い結果が得られます。相手をしっかり見て、それぞれに合わせて商品やサービスを紹介していくのが、良い営業です。

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