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インサイドセールスとテレアポの違いとは?成功させるポイントも解説

インサイドセールスとテレアポは目的・かかる時間・他部署との連携などが異なります。インサイドセールスを成功させるにはテレアポ化させないことが重要です。この記事では、インサイドセールスとテレアポの違いや成功させるポイント、事例などを紹介しています。

営業力を強化しようと考えた場合、課題となるのは自社の商材が「インサイドセールスとテレアポのどちらが向いているか」です。インサイドセールスとテレアポの違いは目的、かける時間、向いた商材などです。2つの違いを理解し、自社の商材に合った方法を導入しないと営業効果は得られないでしょう。

本記事ではインサイドセールスとテレアポの違いについて分かりやすく解説します。最後まで読めば、自社の商材がどちらを導入すればいいのか検討しやすくなります。

いまから始めるインサイドセールス

なぜ「インサイドセールス」が強い営業組織をつくるために有用なのか、「従来の営業スタイルが抱える4つの思い込み」から紐解きます。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは以下の非対面の手段を活用して営業活動を行う手法をいいます。

  • 電話
  • メール
  • Web会議システム

上記の手段によって顧客へアプローチすることでリードナーチャリングを行い、アポイントを獲得後、フィールドセールスへ引き継ぎます。従来型の営業手法であるフィールドセールスが、実際に商談やクロージングを行います。

インサイドセールスとフィールドセールスそれぞれ役割分担が違うため、効率的な営業活動を行うことが可能です。

> インサイドセールスとは?導入メリットと成功事例

テレアポとは

「テレアポ」とは、「テレフォン・アポイントメント(telephone appointment)」を略した言葉で、電話を使った「アポ取り」のことです。また「テレアポ」は「テレフォンアポインター」を略した言葉としても使われます。「テレフォンアポインター」は、営業電話をかける仕事をさし、通常「テレアポ」と使われる場合は「テレフォンアポインター」をさします。

テレフォンアポインターの仕事内容は以下の通りです。

  • リストに沿って見込み客に直接電話をかける仕事(アウトバウンド)
  • 自社のプロダクトの購入を促す仕事

テレフォンアポインターの目的はアポイントを獲得することであり、リードナーチャリングは行いません。

> テレアポとは?トークスクリプトの作り方や成功率の上げ方を解説

インサイドセールスとテレアポの違い

インサイドセールスとテレアポには以下のような違いがあります。

  • 目的
  • 成果を出すまでに必要な時間
  • 成果指標
  • 他部署との連携
  • 配置人材の違い

目的

テレアポは例外があっても、基本的にはBtoCの仕事であり、目的は自社プロダクト購入・アポイントの獲得です。一方インサイドセールスは主にBtoBビジネスで使用され、目的はフィールドセールスに案件を引き継ぐことです。

そのため、インサイドセールスではリードクオリフィケーションやリードナーチャリングが重視されます。リードクオリフィケーションとはリードの選別をさし、リードナーチャリングとは見込み顧客の育成をさします。

職種目的
テレアポ自社プロダクト販売
インサイドセールスフィールドセールスへの案件引き渡し

成果を出すまでに必要な時間

テレアポがリードに短期的なアプローチを行う一方で、インサイドセールスは長期に渡りリードナーチャリングを行います。

テレアポはリード獲得に失敗すると、次々とリストから他のリードにアプローチします。
しかしインサイドセールスの手法は、リードを長期的にフォローし、時間をかけてリードを育成することです。

長期的にリードナーチャリングを行うため、リードの課題やニーズを引き出し、より見込みが高い顧客をフィールドセールスに引き継ぐことができます。

職種成果を出すまでに必要な時間
テレアポ短期間
インサイドセールス長期間

成果指標

テレアポとインサイドセールスの成果指標(KPI)は大きく異なります。

テレアポのKPIは以下の通りです。

  • コール件数
  • アポイントの獲得件数
  • 1時間ごとの成約率

一方インサイドセールスのKPIは以下の通りです。

  • コール件数
  • アポイントの獲得件数
  • 1時間ごとの成約率
  • リードの獲得量
  • リードの質
  • リード評価の正確性
  • 機会創出など

インサイドセールスの業務はテレアポの業務より複雑なため、KPIで単純に成果を測定するのは困難です。そのため、インサイドセールスのKPIは企業によって大きく異なります。

他部署との連携

テレアポが独立した営業組織であるのに対し、インサイドセールスは他部署へのハブの役割をもつため、マーケティング担当者やフィールドセールス担当者との連携を必要とします。

テレアポがフィールドセールスと接点をもつのは、アポイント獲得の共有のみです。また、他部署との接点もほとんどありません。

一方、インサイドセールスは以下のように他部署と連携をします。

  • アポイント獲得の共有
  • 商談後のフィードバック
  • リードの獲得や購買意欲の高い顧客についての情報共有

フィールドセールスだけではなくマーケティング担当者との連携まで必要なのが、インサイドセールスの特徴です。

職種他部署との連携
テレアポ少ない
インサイドセールス多い

配置人材の違い

テレアポがコールセンターの人材を配置しているのに対し、インサイドセールスは営業の人材を配置しています。

テレアポは、アポイントを獲得するための専用部署です。マニュアルとスクリプトに沿った電話営業を行うため、メンバーに営業知識があるとは限りません。

一方インサイドセールスは、営業経験のあるメンバーが配置され、見込み顧客をリードナーチャリングし、フィールドセールスに引き渡します。

職種配置人材
テレアポコールセンター経験者
インサイドセールス営業経験者

インサイドセールスとテレアポの違いを認識した上で、どちらが自社に合っているのかを見極めましょう。

インサイドセールスを成功させるポイント

インサイドセールスを成功させるポイントは以下の通りです。

  • 目的の設定
  • 人材配置
  • KPIの設定

目的の設定

インサイドセールスを成功させるには、インサイドセールスがどのような部門なのか明確にすることが重要です。インサイドセールスは目的によって以下の3つのタイプに分かれます。

タイプ概要
パイプライン型・リード育成から商談化までを担当する
・提案内容が異なる商材に向いている
・ソリューション営業やオーダーメイド提案に適している
アップセル・サポート型・追加提案や活用支援を担当する
・カスタマーサクセスと同じ組織である
・パッケージ商材やスタートアップの立ち上げ期に適している
オンライン・セールス型・オンラインのみで活動する
・すべての営業プロセスを担う
・低単価な商材が適している

> Salesforceのインサイドセールスを知り尽くした人

人材配置

情報感度が高く柔軟に対応できる人材や、顧客に寄り添って傾聴できる人材を配置することが重要です。また多様な人材を配置すると、人材の多様化について促進ができます。

インサイドセールスの人材は、会社の業務全般に興味をもち、顧客中心の視点からフィードバックをしなくてはなりません。

自分の業務範囲だけではなく、以下の分野にも視野を広げ、アイデアや意見を積極的に伝えられる人材が向いています。

  • マーケティングの企画
  • 営業のクロージング
  • 定着化支援

> トップ営業の本棚 – インサイドセールスに必須「傾聴力」はこう養う

KPIの設定

KPIをどう設定するかによってインサイドセールスの方向性が決定されます。

インサイドセールスを成功させるには、段階を踏んでKPIを設定するのが重要です。「アポイント件数」のみを重視するとテレアポと同様になってしまうでしょう。

最初は量を重視し次の段階で量と質のバランスを取り、最後に質へと転換させると、商談進捗まで意識できるようになります。そのため、以下のように段階を踏んでKPIを設定するのがおすすめです。

KPIの段階KPI
第1段階・アポイント件数
第2段階・アポイント件数
・有効商談数
・有効会話数
・受注金額
第3段階・有効商談数
・受注金額

> 最初の1分が勝負。Salesforceのインサイドセールスが実践するヒアリング術

インサイドセールスが向いているケース

商材の価格や仕様が変わらず、高度な営業スキルが不要なものは、インサイドセールスが向いています。

またMAツールやCRMツールを活用すると、リードナーチャリングもしやすくなり、適切なタイミングで顧客に合った情報提供が可能です。インサイドセールスが向いているケースは以下の通りです。

  • 高度な営業スキルが不要なもの
  • サブスクリプション型
  • 安価な商材
  • 投資商品
  • 保険商品
  • 不動産

テレアポが向いているケース

テレアポが向いている商材は以下のように高単価なものです。

  • 高単価な商材
  • 継続が見込める商材
  • 他社との差別化ができない商材

顧客は高単価な商材の購入には慎重になってしまいます。テレアポがうまく誘導し、顧客の不安感を払拭することが重要です。

高単価な商材にフォーカスすることで、テレアポにかかる人件費も回収できます。

インサイドセールスをテレアポ化しないための注意点

インサイドセールスをテレアポ化しないための注意点は以下の通りです。

  • アポ獲得数のみをゴールにしない
  • トークスクリプトの内容を適切にする
  • 関連部署間で情報共有する

アポ獲得数のみをゴールにしない

アポ獲得だけがゴールとなると、見込みの低い顧客もフィールドセールスに渡ってしまうでしょう。

プレッシャーを感じると、リードナーチャリングよりもアポ獲得に熱心になってしまうからです。

また、インサイドセールスの仕事も単調になってしまうため、メンバーのモチベーションも下がってしまいます。その結果、成約につなげることが難しくなるでしょう。

上述したように、段階を踏んでKPIを量から質に転換させることが重要です。

> テレアポではない本質を追求した業務のかたち

トークスクリプトの内容を適切にする

トークスクリプトの内容がクローズドクエスチョン(「はい」か「いいえ」かの2択から回答できる質問形式)だと、リードナーチャリングが難しくなります。

インサイドセールスの役割は、顧客の悩みを聞き出し、成約につながる案件かどうかを見極めることです。そのため、クローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョン(自由に回答してもらう形式)を含めた内容に改善することが求められます。

また、コールログ(音声ログ・テキストログ)をモニタリングし、原因事象の把握や課題の特定などをアウトプットすることも重要です。

関連部署間で情報共有する

リード獲得を担当するマーケティング部門、商談を担当するフィールドセールスとの連携を深めるようにしましょう。

SFA・CRM・MAツールを使うと情報共有がしやすく、状況や課題に合わせて改善すれば、連携強化ができます。それぞれの特徴は以下の通りです。

ツールの種類KPI
SFA
(営業支援システム)
・商談に関するあらゆるデータの管理
・売上予測
CRM
(顧客管理システム)
・顧客ごとの情報を管理
・営業のアプローチに関する履歴
・自社製品の購入履歴
・要望やクレーム
MA
(マーケティングオートメーション)
・マーケティング活動を支援
・顧客のタイミングに合わせて、適切なコンテンツをメールで発信

上記の注意点を参考に、インサイドセールスを正しく運用し、営業成果につなげましょう。

インサイドセールスの成功事例:Sansan株式会社

Sansan株式会社は、名刺管理サービスを提供する会社です。
インサイドセールス導入を行ったSansan株式会社には以下の4つの課題がありました。

  • KPIの課題
  • データベースの課題
  • 環境の課題
  • 教育の課題

こうした課題に対し、Sansan株式会社は以下のように対応することによって解決しました。

課題解決方法
KPI・「受注貢献額」をインサイドセールスの第一指標にした
・全体最適を図ることができた
データベース・顧客がどのプロセスにいるのかをSalesforceで把握するようにした
・担当の明確化を図った
環境・自動応答装置を導入した
・インサイドセールスの受電対応の負荷を約1/3まで軽減できた
教育・マネージャークラスだけがマニュアルサイトを更新するように変更した
・正しい情報だけが公開されるようになった

今後はメンバーがより感度を高くして、顧客からの情報を使える環境を目指すそうです。

> 事例で分かるインサイドセールス Vol.1 Sansan株式会社編

インサイドセールスとテレアポの違いを知り効率的な営業活動につなげる

インサイドセールスとテレアポは目的やかかる時間などさまざまな違いがあります。インサイドセールスは他部署との連携が必要です。一方テレアポは、他部署との関わりはほとんどありません。

インサイドセールスを導入する場合、正しく運用できないと、テレアポ化してしまう恐れがあります。インサイドセールスをテレアポ化しないためにはKPIの設定が重要です。

SFA・CRM・MAツールを利用し、効果的なインサイドセールスの運用へとつなげましょう。

現在Salesforceでは、顧客の新規開拓や顧客との関係強化に役立つCRM/SFAツール 「Sales Cloud」の 30日の無料トライアルを実施しています。

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また、以下からお問い合わせも可能ですので、SFAの導入を検討している人は、お気軽にご相談ください。

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