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CRMを活用したメールマーケティングの手法とは?5つの手順と活用事例を解説

CRM活用のメールマーケティングは、顧客状況に応じた最適なメールが自動配信できる効果的な手法です。継続的なメール配信により顧客満足度が向上します。本記事で具体的な手順や企業の活用事例を解説します。

顧客一人ひとりの状況に合わせた最適な情報を提供しようと、多くの企業がメールマーケティングにおけるパーソナライズにに注力しています

CRM(顧客関係管理システム)をメールマーケティングに活用すると、顧客のニーズに対する理解が深まり、顧客が必要とする情報を最適なタイミングでメール配信できます。

本記事では、CRMを活用したメールマーケティングの手順や期待される効果を詳しく解説しています。

CRMをメールマーケティングに活用している企業事例も紹介しますので、自社の取り組みの参考にしてみてください。

CRM初心者向けガイド

CRMが必要な企業の特徴やビジネスに役立つ理由、CRM戦略の立て方から自社に適切なCRMの見極め方まで、CRMを最大限活用するためのポイントを余すところなくご紹介します。

CRMを活用したメールマーケティングとは?

メールマーケティングとは、顧客属性に合わせた情報やキャンペーンを提供する、メールを活用したマーケティング手法のことです。

メールマーケティングにCRMを活用することで、蓄積された顧客情報や行動履歴をもとに、顧客が必要とする情報を最適なタイミングで配信できます。

CRMは「顧客関係管理システム」とも呼ばれ、顧客との強い関係性を構築するツールとして活用されます。主な機能や用途は、次のとおりです。

基本機能・顧客情報管理
・案件管理
・ワークフロー管理
・配信機能
・問い合わせ管理
・データ分析機能
CRMの用途・目的・顧客の基本情報や商談の履歴情報を管理する
・メールの配信や開封率・クリック率の検証をする
・蓄積された情報から、顧客との関係性の向上を図る

Salesforceの「Marketing Cloud」には、データとAIを活用したメール配信機能も備わっています。より詳しい機能を知りたい方は、以下から確認してみてください。

▶ 「Marketing Cloud」メールマーケティング機能はこちらから

【関連コンテンツ】
> CRMとは?機能やSFAとの違い、メリット・活用方法まで
> メールマーケティングとは?種類・効果・実施の流れ・成功事例を解説

CRMを活用したメールマーケティングの5つの手順

CRMを活用したメールマーケティングは、次の5つのステップで行います。

  1. 顧客データの収集・登録
  2. 顧客データの分析
  3. メールの作成
  4. メール配信の自動化
  5. 効果の検証・改善

ひとつずつ解説していきますので、手順の理解と実践を通して、顧客満足度の向上につなげていきましょう。

1)顧客データの収集・登録

まずは社内に分散している顧客データを集約し、CRMに登録します。顧客に関するデータが複数のシステムに保存されている場合には、Customer Data Platform(CDP)を活用すると良いでしょう。

▶ SalesforceのCDP「Data Cloud」についてはこちらから

顧客の基本情報(氏名や住所など)だけではなく、行動・購買履歴や問い合わせ情報など、分析に必要なデータも登録しましょう。

信頼性の高いデータベースを構築するために、正確かつ整合性のある情報を登録しなければなりません。

登録時はデータの取捨選択を行い、不必要な情報を少なくして管理しやすくすることも重要です。

2)顧客データの分析

顧客の購買履歴やアクセス履歴、前回のメール反応など、CRMに登録した情報を詳細に分析します。

分析する際は顧客のニーズや属性ごとにグループ分け(セグメンテーション)を行います。

セグメントした顧客ごとに、必要とされる情報や提案内容、キャンペーンなどの具体的なアプローチ方法を検討しましょう。

データ分析は顧客一人ひとりの好みや関心事を的確に把握できるため、メールマーケティングの成功に直結する重要なプロセスです。

【関連コンテンツ】
> セグメンテーションとは?やり方と具体例、ターゲティングとの違い
> データ分析とは?9つの手法や分析するメリット、注意点について解説

3)メールの作成

分析したデータをもとに、顧客の特性や好みに合わせたメールを作成します。

次のような点を意識してメール配信のシナリオを作成しましょう。

セグメントメール配信の対象は誰か
タイミングいつどのタイミングでアプローチするか
メッセージどのような内容で何を伝えるのか

CRMの機能を活用することで、顧客ごとに最適化されたシナリオを作成できるため、メールマーケティングの効果を高めつつ、業務も効率化できます。

【関連コンテンツ】
> CRMのシナリオとは?設計方法や意識すべき4つのポイントを解説

4)メール配信の自動化

作成したメールシナリオにもとづいて、配信方法やスケジュールをCRMに設定し、メール配信を自動化します。

メール配信の自動化には、主に次のような方法があります。

ステップメール顧客の行動を起点として、
シナリオに沿った複数のメールを配信していく手法
フォローメールサービスを利用した顧客への感謝や、
感想・意見の収集などフォローを目的としたメール配信の手法

メール配信の自動化によって、顧客の状況に合わせた最適なタイミングでメールが送信され、開封率の向上にもつながります。

【関連コンテンツ】
> ステップメールとは?シナリオ・作り方からメルマガとの違いまで解説

5)効果の検証・改善

送信されたメールの効果をモニタリングし、次のようなデータの検証を行います。

  • 開封率
  • クリック率
  • コンバージョン率
  • 顧客の行動パターン

効果を検証する際は、メールの送信日時や曜日、タイトルなども加味した検証が必要です。

「どのタイミングで配信したメールに効果があったのか」を検証することで、次に配信するメール内容に活かせられ、より効果アップが期待できます。

なお、Apple社の「iOS 15」によって搭載された新機能「Mail Privacy Protection」によって正確にメールの開封状況や追跡ができなくなっているため、注意が必要です。

CRMをメールマーケティングに活用するメリット

メールマーケティングにCRMを活用することで、次のようなメリットが得られます。

  • 顧客に最適なメール配信を行うことで開封率が高まる
  • 有益な情報を提供することで顧客エンゲージメントが向上する
  • 定期的なフォローにより顧客満足度が向上する
  • 継続的なアプローチで顧客の離脱を抑えられる
  • メール配信の自動化により誤送信を防止できる

CRMの活用によって、タイミング良く最適なメッセージ送信が可能となり、長期的な顧客関係の構築につながります。

以下より、メリットをひとつずつ解説していきます。

顧客に最適なメール配信により開封率が高まる

顧客ごとに最適化されたメール配信によって開封率が高まり、コンバージョン率の向上につながります。

CRMは蓄積された顧客データ(購買履歴やアクセス履歴など)から、顧客一人ひとりの好みや興味の分析が可能です。

たとえば、顧客データの分析によって次のようなアプローチができます。

  • 特定の商品に関心を持っている顧客に関連商品を提案する
  • 最近購入した商品やサービスに関する情報を配信する

上記のように、顧客が関心を持つであろう内容に焦点を当ててメール配信することで、開封率やクリック率が高まります。

なお、Apple製品のOSにプライバシー保護機能(MPP)が搭載されたことで、正確な開封率が取得できなくなっているため注意しましょう。

有益な情報提供でリピート率が向上する

顧客状況に応じた有益な情報提供によって、商品・サービスのリピート率が向上します。

CRMに蓄積されたデータを分析し、顧客の興味やニーズに合致する情報を抽出することで、顧客が魅力的に感じるコンテンツを提供できます。

たとえば、購買行動が多い顧客に対して「新商品の情報や特別セールの告知」といった、より購買行動を促すメール配信が可能です。

有益な情報提供を継続的に行うことによって、企業に対して顧客がより価値を感じられるようになり、リピート率の向上と長期的な関係構築につながります。

定期的なフォローにより顧客満足度が向上する

CRMで構築したメールシナリオによって、定期的に顧客をフォローするメール配信が可能となり、顧客満足度の向上につながります。

通常の営業活動だけでは、顧客対応のスピードや頻度に限界があり、顧客の不満を招きかねません。

しかし、メールマーケティングで持続的に顧客との接点を作ることで満足度が向上し、顧客との関係性も強固なものとなります。

顧客との長期的な関係を築くうえでは、顧客のフィードバックから情報を収集して、商品やサービスを改善していくことも重要です。

継続的なアプローチで顧客の離脱を抑えられる

シナリオに沿った継続的なメール配信によって、新情報や新サービスの提供が可能となり、顧客の離脱が抑えられます。

たとえば、定期的なニュースレターや会員限定の情報を提供することで、顧客は企業の取り組みや提供される情報の価値を認識しやすくなります。

近年のサブスクリプションのビジネスモデルでは、いかにサービスを継続して利用してくれるかが、売上に直結する重要なポイントです。サービスの利用頻度に応じた適切なメッセージを配信することで、契約継続率を向上させることもできます、

顧客ニーズを満たす情報提供には、CRMを活用したメールマーケティングが欠かせません。

メール配信の自動化により誤送信を防止できる

CRMの設定条件に沿ってメール配信を自動化することで、宛先やメール内容の間違いなど誤送信の防止が可能です。

たとえば、誕生日のように特定のタイミングでのメール送信が必要な場合、手動での管理や監視が不要となるため、送信漏れや誤送信を防げます。

顧客にとって、必要とする情報が最適なタイミングで正しく提供されれば、企業に対する信用の向上につながり、長期的な顧客との関係も構築できます。

CRMを活用することで、ただ単にメール配信を自動化させるだけではなく、蓄積された顧客データをもとに、顧客一人ひとりに適した情報の提供も可能です。

CRMをメールマーケティングに活用するデメリット

メールマーケティングは、定期的かつ適切なタイミングでのメール配信が必要であり、CRMの活用によって自動化と作業の効率化が図れます。

しかし、CRMの導入にはコストがかかるうえに、システムの操作マニュアルの整備やトレーニングなどが必要となります。

メールマーケティングにCRMを導入する際は、どのような目的で課題を解決したいのかを明確に決めて、導入コストに見合った効果が得られるかを検討しましょう。

なお、Salesforceの「Starter Suite」は、顧客データを分析したマーケティング戦略の最適化に役立ちます。月額3,000円で利用できるため、予算を抑えながら効率的な顧客情報管理が可能です。

現在、30日間の無料トライアルを実施しています。分析に必要なデータを収集・管理してメールマーケティングを最適化させたい方はぜひお試しください。

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CRMをメールマーケティングで活用する際のポイント

メールマーケティングでCRMを活用する際は、次のポイントを考慮しましょう。

  • One to Oneを目指したアプローチをする
  • 顧客が継続的に興味を持つようなシナリオを作る
  • 開封率やクリック率を意識した配信スケジュールにする
  • ほかのメールソフトと連携する

上記のポイントを押さえることで、顧客との深い関係を構築でき、業務の効率化にもつながります。

以下より、メール配信におけるCRM活用のポイントを解説していきます。

One to Oneを目指したアプローチをする

One to One(顧客個々との関係性)を目指すため、顧客一人ひとりのニーズを汲み取ったメール配信が重要です。

One to Oneマーケティングとは、購買傾向からニーズを読み取り、顧客一人ひとりに対して最適なコミュニケーションを行うマーケティング手法のことです。

CRMを活用することで、顧客属性や行動に合わせた情報提供が可能となるため、顧客との関係性をより深化させられます。

具体的な商品やサービスへの関心、過去の購買履歴をもとに、それぞれの顧客に対して適切かつ魅力的なメッセージを届けましょう。

【関連コンテンツ】
> One to Oneマーケティングとは?具体的手法と成功事例

顧客が継続的に興味を持つようなシナリオを作る

メールマーケティングでは、顧客の本当に必要とする情報を提供するために、興味を持ち続けてもらうようなシナリオの作成が欠かせません。

自社で販売する製品やサービスの紹介ばかりのメールでは、顧客の関心を引き出せないうえに、開封率やコンバージョン率の低下につながります。

効果的なメールシナリオを作成するためには、顧客の行動パターンや過去の購入履歴などを考慮したコンテンツが必要です。

CRMに蓄積されたデータやAIの活用によって、顧客データにもとづいたシナリオ作成が自動化され、メールマーケティングの手助けをしてくれます。

開封率を意識した配信スケジュールにする

CRMから提供されるデータを活用して、顧客の行動パターンを分析することで、開封率の高まる配信タイミングを特定できます。

メールマーケティングにおいて開封率は、商品やサービスの成約につながる重要な指標です。

メールの送信時間や送信頻度をよく検討し、顧客がメールを開封するタイミングを見極め、最適な配信スケジュールを決めましょう。

イベントやキャンペーンなどの特別な情報を含むメールも、開封率を高める重要な取り組みのひとつです。

ほかのメールソフトと連携する

CRMの顧客情報とメールソフトのデータを連携することで、各情報の同期が可能となり、最新の情報を共有できます。

メールソフトとの連携により、顧客ニーズや購買履歴を踏まえたターゲティングが容易になるため、顧客一人ひとりに合った情報の最適化につながります。

Salesforceの「Einstein 1 Platform」では、OutlookやGmailとのインテグレーション(統合・連携)が可能です。

各ソフトで使用するメールテンプレートの統合もできるため、顧客へのメッセージの一貫性を保ちつつ、作業の効率化も図れます。

「Einstein 1 Platform」の機能はこちら

【関連コンテンツ】
> インテグレーションとは?言葉の意味や活用するメリットを解説

CRMを活用したメールマーケティングの企業事例

メールマーケティングにCRMを活用することで、顧客の行動がどのように変化していくのか、実例をご紹介します。自社のマーケティングを強化させる際の参考にしてみてください。

事例1:メールの好感度を分析した配信で開封率が向上

会社名:日本航空株式会社(JAL)
事業内容:航空運送事業

JALでは各部署で管理していた顧客情報をCRMで全社的に統合し、そのデータを活用したメールのターゲティングを行いました。

Salesforceの「Marketing Cloud」を導入して、よく読まれたメール(好感度の高いメール)にランク付けを行い、配信頻度を高める仕組みを構築しています。

CRMの導入によって、メールの開封率が4〜5%アップし、クリック率も0.1〜0.2%向上しました。

また、配信後の結果が即座にわかるため、従業員のモチベーションも向上し、改善に対しても積極的に取り組むようになりました。

事例2:最適なタイミングのメール配信により売上がアップ

会社名:(旧)株式会社NTTぷらら(現・株式会社NTTドコモ)
事業内容:インターネット接続サービス等

NTTぷららは、メールの開封率やクリック率の改善を目指し、One to Oneマーケティングが可能なCRMを検討していました。

同社では、Salesforceの「Marketing Cloud」を導入し、顧客のサービス閲覧履歴をもとに次のようなメールシナリオを作成しています。

  • 最適なキャンペーンの案内
  • 購入金額に応じた特別クーポンの送付
  • キャンペーン参加条件がクリア目前の顧客へのお知らせ

以上の施策によって、メール開封率が平均19%から60%まで向上し、メール経由での売上が5年で12.5倍にまで急増しました。

CRMのメールマーケティングで顧客との関係性を深めよう

メールマーケティングにおいて、顧客が必要としない情報を提供することは、開封率の低下だけではなく、企業への信用低下にもつながってしまいます。

顧客一人ひとりに最適な情報を届けるためには、CRMに蓄積された顧客の行動パターンや、購買履歴にもとづいた情報提供が欠かせません。

自社の売上を拡大させるために、CRMを活用したメールマーケティングを行ってみてはいかがでしょうか。

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