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「自律型AI時代」をリードするCIO/CTOが持つべき3つの視点

AIによる効果創出が現代のリーダーに求められていますが課題も多くあります。本記事は自律型AI時代にリーダーに求められる視点を解説するとともに、効果的なサポートで成功へと導くSalesforce の新サービス「Salesforce CTO」をご紹介します。

AIの第3の波である自律型AIの時代を迎え、CIOやCTOをはじめ、多くのリーダーは他社に先んじて自律型AIを先行導入し、効果創出することが求められています。他方で課題も多くあります。

本記事では、AIを推進するリーダーに求められる視点を解説するとともに、効果的なAI推進サポートでお客様を成功へと導く、Salesforce Professional Serviceの新サービス「Salesforce CTO」をご紹介します。

Dreamforce Recap in Tokyo

2024年10月22日に開催されたDreamforce Recap 2024 in Tokyoの「Salesforce 活用による成功への道」では「Salesforce CTO」について詳しくご紹介しました。詳しくはぜひオンデマンド配信でご確認ください。

Dreamforce 2024 recap in Japan

第3波「自律型AI」の衝撃

インターネットの本格的な普及から約30年。いまやインターネットのない生活・業務は考えられません。AIも今までにないスピードで私たちの業務や生活に身近な存在になりつつあります。AIもかつてのインターネット以上の影響をもたらす技術革新になるでしょう。

さて、今、私たちはAIにおける第1の波の予測型AI、第2の波の生成 AIの時代を超え、第3の波である「自律型AI」の時代を迎えています。

SalesforceのAIの歴史は長く、2014年にAIへの投資をいち早く開始し、2016年に初めて利用可能なAI製品機能として「Einstein(アインシュタイン)」を市場投入。以後、予測型AI、生成AIの機能を軸にイノベーションを提供してきました。

2024年9月の「Dreamforce 2024」で紹介された「Agentforce」は、まさにAIの第3の波を象徴するもので、生産性と顧客満足度をこれまでにないレベルに高め、新しい時代を切り拓く強力な原動力といえます。

一方、我々の日常業務では、全体の41%の時間がビジネス成果に結びつかない非効率な作業に使われていることがわかっています。

例えば、営業であればお客様との対話/折衝ではなく、業務報告などの入力作業や、顧客からの単純な問合せ/依頼対応などで忙殺されている皆さんも多いのではないでしょうか。

こうした作業を自律型AIが24時間365日対応してくれれば、人間は付加価値の高い業務にフォーカスすることができ、劇的な生産性の向上に繋がります。

Agentforceを活用すれば、それを具現化することができるようになります。カスタマーサポートはもちろん、営業、マーケティングから社内分析作業など、社内業務はもちろん顧客対応についても自律的な対応が可能となり、多くの日本企業が抱える人材不足を解決しながらカスタマーサービスの質と効率を向上させることが可能となるのです。

このようにして、そう遠くない将来、自律型AIは私たちの業務や生活に一層なくてはならないものとなり、AIの利用を前提とした新しいライフスタイル、働き方も生まれているでしょう。この大きな変革の機会をうまく生かさなければ、企業は競争優位性を保つことは難しくなるでしょう。

AIでビジネスを変革するリーダーの視点トップ3

すでにAI活用を検討、スタートされている企業も多いと思いますが、AI人材の不足や活用可能なデータの不足、複雑なデータアーキテクチャ、AIを前提とした新たなビジネスモデルやプロセスの仕組み化、AI導入に向けた変革マインドの欠如など課題が多く、せっかくの投資がビジネス成果につながっていないケースも多いのではないでしょうか。

私たちは、こうしたさまざまなビジネス課題に直面している多くのリーダーと会話をする機会が多々あります。その経験から、自律型AIの検討で企業リーダーにとって重要なポイントを3つご紹介したいと思います。

視点1: PlanとDoを同時実行する

自律型AIをより効果的に活用するには、ベテラン社員のような卓越した業務遂行ができるまで、いかに早く育て上げるかが重要です。スピードと俊敏性が競争優位性のカギになりますので、この実現スピードの差がエージェント活用レベルにも加速度的な差に繋がります。

まず最初にPlanに時間をかけ内容を吟味し、ROIを見極めてDoに移る。自律型AIの実現にそんなにじっくり腰を落ち着けるような暇はありません。これは変革に必要なマスタープランが不要だということではなく、これまでの計画と実行の考え方・やり方を変えて、これまでにないスピードで推進しようというものです。

具体的にはトライアルや先行導入を推進するとともに、そのインプットを得ながら並行してビジネス/IT両面での全体計画の策定を行い、成果が見えれば次々とその適用範囲を拡大しつつ、並行して計画全体を見直しながら、これを繰り返し行い、アーキテクチャや業務改革と共に自律型AIが活躍するスコープを拡大する形になります。

従来のPDCAの考え方から脱却して、”Plan”と”Do”を並行して実践し、継続改善することが大切なのです。

これを適用するにあたっては、まず自社でAIエージェントを活用できそうな業務領域を選定し、それが決まったら、早速トライアルをスタートしましょう。最初は人がやるよりもひどいレベルのアウトプットになるかもしれません。

しかし、これは自律型AIの品質の問題というよりも、インプットデータの欠如、人が活用していたナレッジの品質問題、業務プロセスやルールの改善の必要性によるものであることに、やがて気付かされることでしょう。

さらには、具体的なDoの課題を押さえつつ、AIエージェントの適用拡大計画と共に、AIが活用するためのデータを集約するためのデータアーキテクチャの設計、AIエージェント展開ロードマップ策定などに並行して継続的に取り組むことが重要になってきます。

視点2: AI を内製開発せず、成果にフォーカスする

すでにAIに取り組んでいる企業の中には、AI自体が目的化している企業もあります。先述の通り、自律型AIの時代ではその実現のスピードが競争優位性に大きな差をもたらしますので、いかに自律型AIを活用してビジネス成果をあげるかがより求められているといえます。

つまり、自社AI開発に時間をかけるのではなく、いますぐ活用できる機能はフルに活用して、AIエージェントにベテラン社員同様の業務をこなしてもらうか、つまりAIエージェントの品質をいかにベテラン社員の領域までスピーディに高め、人とAIエージェントが協働するモデルを構築し、その結果として全体の生産性と最適化をどの程度高めるか。ここにフォーカスすべきなのです。

このためには、AIが必要とするデータを信頼できる環境下に置き、自社の業務ナレッジ・ルールをAIエージェントが使いやすい形で再構成し、まずは一人前に業務遂行できる形に仕立て上げる。AIエージェントが一度そのレベルに達せれば、ミスなどを含めてインプットし継続してチューニングしながら改善を続ければ、ベテラン社員と同等の業務遂行レベルに到達するでしょう。

Agentforceは、Salesforceの信頼された基盤上のData Cloud上にAI活用に必要なデータソースを繋げAgent builder上でチューニングし続けることが可能ですので、AIのシステム基盤構築に時間を費やす必要はなく、AIエージェントの業務品質の向上への試行錯誤にフォーカスすることができます。

視点3: リーダーがイノベーションを率先する

これまで見てきたように、イノベーションはスピードが命です。特に、自律型AIの世界では、AIが早期にリアルな経験を積みフィードバックを得れば得るほど、自律型AIのもたらす成果を質と量の両面で差異化し、さらなる競争優位性を確保することが容易になります。

このためには、トップマネジメントやリーダーが率先して変革プログラムを現場任せにせず、意思決定をリードするとともに、トップダウンでダイナミックな投資判断を行うことが肝要です。

私たちが支援している企業において、成功している変革プロジェクトはCxOや役員レベルのリーダーが、定期的な報告会などで状況を把握しているだけではありません。

成功企業においては、現在のプログラム進行状況についてリーダーが率先して各責任者からタイムリーに情報を吸い上げ、理解し、課題があればスピーディに助言や意思決定を行い、成功への見通しが明らかになれば一気に投資を加速化させ、スケールさせ、競争優位性を継続して構築できるように効果的に運営されています。

Salesforce CTOの発表 – 真のAI活用を支援するために

SalesforceはAgentforceという自律型AIを実現する製品の発表にとどまらず、こうしたリーダーの課題に常に寄り添い、自律型AIをどのように活用すべきか、Professional Serviceが保有する25年以上の豊富な経験を元に、お客様の信頼できるアドバイザーとして、それぞれのお客様のビジネス目標にあった形でAIをスピーディかつ最適に活用するための支援をしています。

このたび、AIで企業変革を推進するリーダーを支援する「Salesforce CTO」という新たなサービスを発表し、2024年8月30日に日本でも提供を開始しました。

Salesforce CTO 発表の概要の図表

このSalesforce CTOでは、Salesforce Professional Serviceのエキスパートが、AIとデータを活用して、豊富な経験に基づいた以下のようなサービスを通じてお客様のデジタル変革の早期実現を支援します。​

  • 現在および将来のロードマップを築くためのエキスパートによるガイダンス
  • 堅牢なAI、データ、統合戦略の導入
  • 全社的なプラットフォーム・アーキテクチャの最適化

Salesforceは、25年以上にわたる実績と経験を元に、世界中でSalesforceとAIの導入を支援して培った、あらゆる経験や知識を活用して、専門家とテクノロジーを連携させ、ベストプラクティスに基づいて、お客様に社内に必要なスキルや専門知識、既存のテクノロジー・インフラ、データ基盤の整備、ガバナンスの確立など、企業の総合的な準備体制を評価し、最終的に長期的な成功に向けたロードマップの構築を支援します。

このサービスの基本的な考え方は、「AIの真の力はテクノロジーそのものではなく、それを活用する人々のために生み出すものである」というものです。

デジタル変革のベストプラクティスを取り入れ、AIとデータを正式なプロセスに組み込むこと。これによって企業や組織は、AI時代に継続的な成功を収めるための道を切り拓くことが可能となります。

ぜひ、Salesforce CTOをご検討いただき、AIとAgentforceを活用して長期的で先進的な戦略的なビジネス成功を目指しましょう。Salesforceが全力でお客様の成功をご支援いたします。

この記事でご紹介した内容にご関心をお持ちのお客様は、ぜひ以下の関連資料もご参照ください。

関連資料

  • Salesforce CTOは、エンタープライズレベルでのSalesforceの導入と継続的なイノベーションをリードするために比類のない専門知識を提供します。Salesforce導入のあらゆるステージにおけるロードマップをお客様と共同で作成し、データ管理とガバナンスの戦略を構築し… (続きを読む
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こちらでご紹介した支援内容について詳しくは、Salesforceの担当営業にお問い合わせいただくか、以下のお問い合わせよりご連絡ください。

参考文献:

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