ルート営業とは既存顧客を対象にした営業活動であり、日々のフォローやヒアリングなどによって顧客との関係を構築します。新規営業よりも安定した成果を期待できる一方で、デメリットにも気をつけなければいけません。
本記事では、ルート営業とは何かを理解するために、主な業務内容やメリット・デメリットなどを詳しく解説します。
ルート営業に取り組むべきか見極めるポイントや、成功に欠かせない管理業務などにも触れているので、ルート営業の導入や体制づくりなどにも活用してみてください。
資料「営業の現場力を鍛えれば、 売上げが伸びる。そして、ビジネスが変わる。」では、営業現場にありがちな値引き交渉に対応するための営業力強化について、詳しくまとめています。こちらも参考としてご覧ください。
営業組織を強化し、売上向上に繋がる資料3点セット
営業組織全体のパフォーマンスを底上げし、売上向上に繋げられるおすすめの資料3つをセットにしました。3点まとめてダウンロード頂けますので、ぜひご活用ください。
目次
ルート営業とは
ルート営業とは、すでに取引がある顧客を対象にした営業手法です。ルートという言葉には、道順や決まった順という意味があり、顧客をルート順に訪問営業することがルート営業と呼ばれています。
商品・サービスをすでに利用している顧客や契約中の顧客をターゲットとし、定期的なフォローやアプローチを行い、関係性を構築するのが、ルート営業の主な特徴です。
たとえば、食品を小売店に卸している企業であれば、商品を取り扱ってもらっている店舗を訪問し、現状をヒアリングしたり、新商品の提案をしたりします。売上に課題がある場合には、見せ方や陳列する位置などを一緒に検討する場面もあるでしょう。
ルート営業には、適切なフォローによって商品・サービスを使い続けてもらうことや、新しい商品・サービスを受注することなどの目的があります。
アフターフォローで満足度を高めたり、利用後の課題や悩みに対して新たな提案をしたりすることで、利益を生み出せるのがルート営業の強みです。
ルート営業は、継続性の高い商品・サービスとの相性に優れています。たとえば、サブスクリプションサービスは一度契約すると継続する可能性が高いため、こまめなフォローで継続率を高め、安定的な利益を期待できるでしょう。定期的に使用上の困りごとを聞いたり、効果的な使い方を共有したりすることで、良好な関係を構築しやすくなります。
ルート営業に力を入れる際は、自社商材と相性がよいか、どのような目的で実施したいかを慎重に検討することが大切です。
ルート営業を通して、商談から得られたお客様の意見・ニーズを営業報告書や顧客管理システムに蓄積し、アップセルやクロスセルの提案に活かしましょう。
営業報告書については以下の記事で解説しているため、あわせて参考にしてください。
▶ 営業報告書・営業日報の書き方・テンプレート|作成のポイントも解説
ルート営業と新規開拓営業の違い
ルート営業と対照的な営業手法は、新規開拓営業です。両者には、以下のような違いがあります。
ルート営業 | 新規開拓営業 | |
---|---|---|
対象 | 既存顧客 | 新規顧客 |
目的 | ・フォロー ・契約継続のための関係構築 ・追加の提案 | ・新規顧客への商品・サービスの販売 |
新規開拓営業はまだ接点のない顧客に対して、テレアポや飛び込み営業などでアプローチし、顧客との関係をつくってからヒアリングを通して自社の商品・サービスを提案します。
一方、ルート営業では、新規顧客はアプローチの対象ではありません。既存顧客が対象であるため、テレアポや飛び込み営業は行わず、顧客へのフォローや関係構築などに力を入れます。
対象とする顧客や顧客とのかかわり方に違いがあるため、求められるスキルも異なります。
ルート営業には、関係を構築するためのコミュニケーション力や課題に気づく洞察力などが重要です。
新規開拓営業では、商品・サービスを知らない顧客に魅力を感じてもらうためのプレゼンテーション能力や課題を引き出すヒアリング力などが求められます。
新規開拓営業との目的や求められることなどの違いを理解したうえで、ルート営業を実践しましょう。
ルート営業の主な業務内容
ルート営業の主な業務内容は、以下の3つです。
- フォロー・サポート
- 課題のヒアリング
- 商品・サービスの提案
どの業務も顧客との関係維持や売上アップなどに重要であるため、一つひとつ内容を確認していきましょう。
フォロー・サポート
ルート営業でもっとも基本的な業務が、既存顧客へのフォロー・サポートです。
顧客が商品・サービスを利用しているなかで、不具合やトラブルがないかを確認し、必要に応じて適切な対処を行います。現在の状態をチェックしたり、契約更新の案内をしたりするなど、必要な情報を伝えることも大切なサポートです。
はじめは顧客から自発的に相談を受ける機会が少ないため、積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。
信頼関係が生まれると、円滑なコミュニケーションができるようになり、一歩進んだフォロー・サポートを実現できるでしょう。
課題のヒアリング
すでに商品・サービスを利用してもらっていても、新たに課題が生まれることがあります。
日々課題や悩みの種は生まれるため、ルート営業を通してこまめにヒアリングすることが大切です。ヒアリングによって獲得した情報は、提案やフォローのヒントになるため、顧客管理ステムや営業報告書などに記録することが重要です。
現在の商品・サービスに不満がない場合でも、「何か気になっていることはございませんか」といったように声をかけ、フォローや追加の提案の余地を探るアクションが求められます。
商品・サービスの提案
フォロー・サポートや課題のヒアリングをするなかで、新たなニーズを発見できる場合があります。
ニーズの発見はルート営業で成果を高めるチャンスであり、新たな商品・サービスの提案を行うのが重要な業務です。
ワンランク上の商品を提案するアップセルや、ほかの商品との組み合わせを提案するクロスセルによって、利益を高められる可能性があります。
また、新商品を既存顧客に提案するのも、ルート営業で欠かせない業務です。新商品のメリットや旧商品と異なる点を効果的に伝えられれば、乗り換えによる成約を獲得できるでしょう。
失注を防ぐために必要なメソッドをこちらの資料にまとめていますので、あわせてご覧ください。
営業力強化塾
“安易な値引き”と“無駄な失注”をなくす3つの質問
本資料では、安易な値引きや失注を減らすために、お客様の選択心理を解明し、価格に左右されない営業力を身につける質問方法や、効果的な営業メンバーの育成・マネジメント方法を紹介します。
ルート営業の3つのメリット
ルート営業に取り組むことによって、以下のようなメリットを期待できます。
- 新規営業よりも成果が出やすい
- 目標管理がしやすい
- 営業担当者の負担が少ない
企業の売上アップやマネジメントだけではなく、営業担当者の負担軽減にもつながります。メリットを理解したうえで、ルート営業の導入を検討してみましょう。
新規営業よりも成果が出やすい
ルート営業は、すでに顧客を獲得できている状態であるため、新規開拓営業よりも安定的な成果を期待できます。
新規開拓営業は、顧客を獲得する取り組みからはじめるので、思うように獲得できない場合には売上が生まれません。一方、ルート営業は現在取引のある顧客との関係を築くことで、長期的な成果を期待できます。
既存顧客との良好な関係を維持できれば、安定的な利益を確保できるため、企業の売上を支えられるでしょう。
目標管理がしやすい
ルート営業は訪問先が決まっているため、目標に対する実績のブレが大きく現れることは少ないでしょう。訪問数や提案数などをコントロールしやすいため、目標管理を円滑に進められます。
たとえば、目標管理の指標となるKPIに訪問数を設定したとしましょう。営業担当者ごとに一定期間でどのくらい取引先を訪問したかが可視化され、訪問数が足りているか・過剰ではないかを判断できます。
訪問数が少なく、顧客との接点が減っている場合には、目標値に向けて訪問を増やす必要があるでしょう。訪問数が多いものの成果につながっていない場合には、1回1回の質にこだわり、提案やヒアリングなどに力を入れるのが対策のひとつです。
ただし、安定した売上を期待できる分無難な目標を設定すると、意欲的なルート営業を実践できない場合があります。成長を目指した目標を立て、効果的な目標管理を実現しましょう。
営業担当者の負担が少ない
ルート営業は、すでに関係ができている顧客とかかわるため、慣れない人と話す緊張感や想定外の要求によるストレスなどが新規開拓営業よりも抑えやすいのがメリットです。
一方、テレアポや飛び込み営業などの新規開拓営業は断られることも多く、営業担当者に身体的にも精神的にも負担がかかります。1日に何度も架電や訪問をしたり、取引先の担当者がどのような人かを見極めるために気を遣ったりするなど、営業担当者への負荷がかかりやすいです。
先方の担当者との相性や営業担当者のかかわり方にもよりますが、ルート営業は精神的な負担を最小限に抑えつつ仕事に取り組めるでしょう。
ルート営業の3つのデメリット
ルート営業にはメリットがある一方で、気をつけたいデメリットもあります。主なデメリットは、以下の通りです。
- 業務がルーティン化しやすい
- 大きな利益を生み出すのが難しい
- 顧客との関係構築に時間がかかる
業務のルーティン化や売上の伸び悩みなどは課題になりやすいので、デメリットをしっかり対策しましょう。
業務がルーティン化しやすい
ルート営業はかかわる相手が決まっていたり、定型的なサポート業務が多かったりするため、一連の業務がルーティン化しやすいのがデメリットです。
たとえば、やり取りする担当者やルート営業で訪問する店舗がいつも同じだと、1日の動きやコミュニケーションが定型的に感じるかもしれません。柔軟に動きたい人や、新しいことから刺激を得たい人にとっては、退屈に感じることもあるでしょう。
変化が少なくなるとマンネリを感じやすく、モチベーションが低下しやすくなります。モチベーションダウンは、フォローの質や個々のレベルアップにかかわるため、管理者は営業担当者のモチベーション維持に力を入れる必要があるでしょう。
大きな利益を生み出すのが難しい
ルート営業は安定した売上を見込める一方で、大きな売上アップを見込めない点に注意が必要です。既存顧客の数やそれぞれの受注金額は決まっているため、突発的に売上が伸びることはありません。
アップセル・クロスセルや新商品の乗り換えによって売上が上がることはあるものの、成果次第で大きく伸びる新規開拓営業に比べると、事業や組織の爆発的な成長は難しいでしょう。
顧客との関係構築に時間がかかる
ルート営業でもっとも重要なことは、顧客との関係構築です。商品・サービスを受注してから、フォローやサポートを重ね、追加の提案ができるまでには時間がかかります。
取引が開始してからすぐに信頼してもらえるとは限らず、地道な付き合いが必要です。お互いへの理解を深めながら、フォローやサポートに満足してもらってはじめて、関係が構築されはじめます。
定型的なサポート業務はもちろん、日々のコミュニケーションやヒアリングなどを積極的に行い、信頼関係を築く姿勢が重要です。
ルート営業に取り組むべきか見極める3つのポイント
これからルート営業に取り組むべきかを考えるうえでは、以下3つのポイントに注目しましょう。
- 法人向けに事業を展開しているか
- 消費者向けのルート営業は必要か
- 近年ルート営業に求められているサービスを提供できるか
ルート営業を導入したからといって必ず成果が出るとは限らないため、売上や課題解決につながるかを慎重に見極めることが大切です。
法人向けに事業を展開しているか
ルート営業は、個人の消費者と法人を比べると、法人との相性がよい傾向があります。消費者は購入したところでいったん関係が完結しやすいですが、法人の場合は関係を構築できれば長期的な付き合いにつながりやすいのが特徴です。
そのため、ルート営業に取り組むうえでは、法人向けの事業を展開しているかが基準のひとつとなります。法人を対象にした商品・サービスを提供している場合には、ルート営業を新たに導入することで、より関係構築に力を入れられるでしょう。
法人向けの事業を展開している企業は、すでに取引先を複数抱えているはずです。スタッフを配置し、既存の取引先へのフォローを開始すれば、スムーズにルート営業をスタートできます。
消費者向けのルート営業は必要か
ルート営業は法人向けの事業との相性がよいものの、個人向けの事業でも採用できる場合があります。定期的なメンテナンスや入れ替えなどが必要な商材であれば、ルート営業は効果を発揮するでしょう。
ただ、個人向けの商材はインターネットで簡単に比較・検討できるため、ルート営業を行う前に、顧客が購入やサポートへの問い合わせなどのアクションを起こすことが考えられます。
消費者向けのルート営業を実施したとして、コストや労力に見合った成果が出るのかを慎重に検討しなければなりません。
近年ルート営業に求められているサービスを提供できるか
顧客はあらゆる手段で情報にアクセスできるようになっているため、定型的なヒアリングやサポートでは満足を得られない場合が考えられます。
営業活動に対して付加価値が必要とされる傾向があり、ルート営業にも変化が求められています。自ら顧客の課題を引き出したり、的確な解決策を提示したりするなど、高度な要求に対応できるサービスが欠かせません。
付加価値を提供できるルート営業を実践できる人材や体制などが自社にあるかを確認し、ルート営業を開始するか検討してみましょう。
ルート営業に求められる5つのスキル
ルート営業で顧客の満足度を高めたり、アップセル・クロスセルを実現したりするためには、以下のスキルが求められます。
- 関係構築力
- 業務遂行能力
- ヒアリング力
- 提案力
- 観察力・課題発見力
顧客との関係構築やヒアリングなどのスキルが求められるため、営業組織としてルート営業の成功に向けて向上を目指しましょう。
組織として営業力を高めるためには、可能な限り属人性に頼らず、営業力の平均値を上げることが求められます。営業向けAI活用|AIを活用して成約件数を増やす7つの方法でも触れていますが、昨今ではAIによる営業活動の後押しが強力なものとなっているため、ぜひ営業活動へのAI活用も検討してみてください。
関係構築力
ルート営業では顧客との信頼関係が重要であるため、関係構築力が求められます。コミュニケーション力はもちろんですが、顧客に安心してもらえる姿勢や態度も関係構築力といえるでしょう。
たとえば、訪問先で導入したツールの使い方に迷っている様子があったときに、自ら声をかけて話を聞けば、気遣いを伝えられます。直接業務に関係のない会話でも、相手の話を親身に聞く姿勢や真剣に考える姿があると、信頼は徐々に高まっていくでしょう。
顧客の悩みを親身になって聞いたり、さりげない気遣いができたりするなど、人柄が伝わると良好な関係を築きやすくなります。人柄は意識的につくることはできないため、日々の態度や姿勢から意識しましょう。
業務遂行能力
ルート営業では、商品・サービスの状態確認やメンテナンスなど、ある程度決められた業務があります。
ヒアリングや提案など一歩進んだアプローチの土台になるのは、関係構築に欠かせない業務遂行能力です。日々のフォローやサポートを着実にこなすことで、顧客の満足度や信頼が高まり、関係性が強固になります。
また、複数のクライアントを担当する場合は、1日のスケジュールを管理したり、優先順位をつけたりするスキルも必要です。サポートの質を落とさず、効率よく既存顧客とかかわることで、どのクライアントとも良好な関係を築けるでしょう。
ヒアリング力
顧客が感じている課題や問題は必ずしも顧客から話してくれるとは限らないため、自然に引き出すヒアリング力が必要です。
ただ質問するのではなく、コミュニケーションを通して課題やニーズを引き出しましょう。訪問する日に合わせて新しい話題を投げかけたり、普段とは違う角度の質問をしたりするなど、聞き方を工夫しながらヒアリングするのがポイントです。
提案力
ルート営業の売上アップには、アップセル・クロスセルやリプレイスなどを効果的に提案できる力が求められます。
商品・サービスの特徴を説明するだけではなく、顧客がもつ課題や悩みを解決できる理由を訴求できると、商材の魅力がより伝わるでしょう。
常に顧客目線に立ち、課題解決につながる効果的な提案ができるようになることが重要です。
観察力・課題発見力
ルート営業でオプションやグレードアップなどのチャンスをつかむためには、観察力が求められます。
顧客との対話の中で、何気ない一言から課題やニーズを見つけたり、ヒアリングのきっかけに気づいたりできると、利益を高められるでしょう。
たとえば、営業支援システムを導入していた場合に、「顧客管理の大切さに気づいた」という声があれば、顧客管理に特化したシステムを提案する糸口になります。各システムで管理するメリットを伝えられれば、新たな提案を検討してもらえるはずです。
課題発見力を磨くためには、顧客の業種や業界について分析することや自社の商品・サービスを深く理解することが大切で、課題に気づくための引き出しを増やす努力が求められます。
ルート営業の成功に欠かせない管理業務
ルート営業を成功させるためには、以下のような管理を徹底する必要があります。
- 顧客管理
- 訪問管理
- 案件管理
- 購買管理
- 競合情報管理
自社の情報だけではなく、競合の情報にも気を配り管理と活用を徹底することで、ルート営業の成果が出やすくなります。
顧客管理
顧客管理とは、顧客情報や顧客とのエンゲージメントなどを管理することで、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)の最大化を目的として行います。
ルート営業においては、訪問先の顧客情報を記録したり、購買履歴や趣向を分析して戦略を練ったりする場合に、顧客管理が欠かせません。顧客情報を一元管理できれば、担当者が変わる際の引き継ぎもスムーズに行えます。
顧客管理については以下の記事で解説しているので、メリットやデメリット、ツールの選び方などを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
▶️ 顧客管理とは?メリット・デメリット、役立つツールの特徴と選び方も解説
訪問管理
訪問管理とは、取引先への訪問スケジュールや内容を管理する業務です。営業担当者のアクションを管理する点で、行動管理と呼ばれることもあります。
あらかじめ計画した訪問スケジュールや戦略にもとづいて、営業担当者が動けているか、訪問の内容は適切かなどの視点で、行動を可視化できるのがメリットです。
訪問した日時から頻度を把握したり、次回の予定からタイミングが適切かを検討したりするなど、ルート営業の改善に役立ちます。
案件管理
案件管理とは、営業活動で獲得した案件や商談を管理する業務です。ルート営業では、ヒアリングにもとづいて、新商品やプランのアップグレードなどを提案する機会があり、案件が発生する場合があります。
案件に関する情報や進捗などを適切に管理し、顧客へのアプローチを進めるために、案件管理は重要な役割を果たします。案件を担当部門につなげる体制であれば、情報共有や引き継ぎにも案件管理は欠かせません。
案件管理のメリットや便利なツールなどは以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみましょう。
▶ 案件管理とは?メリットや管理ツールの種類、選び方も詳しく解説
購買管理
購買管理とは、商品・サービスを購買した時期や数量、金額など、購買に関する情報を管理する取り組みです。
購買管理は、ルート営業の訪問頻度や提案内容を検討する際に役立ちます。たとえば、商品を購入した時期や数量を確認すれば、おおよその補充時期を割り出せるでしょう。
製品の寿命やメンテナンス時期が近づいているなら、新商品を提案するチャンスといえます。購買情報を適切に管理し、データにもとづいて次のアクションを検討しましょう。
競合情報管理
競合情報管理とは、競合他社に関する情報を管理する業務です。ルート営業の対象となる顧客には、自社以外にも取引先があったり、新規で提案を受けていたりする場合があります。
自社との関係を長期的に継続するためには、競合の動きを把握して、先手を打つことが重要です。先回りで顧客へのフォローや提案を行えば、他社に先を行かれるリスクが少なくなります。
営業担当者個人だけではなく、組織全体に競合情報を共有し、ルート営業の戦略を練るとよいでしょう。
競合や市場環境の把握には、3C分析というフレームワークが便利です。3C分析のやり方やテンプレートを以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
▶️ 3C分析とは?目的や順番、やり方をテンプレートで具体的にわかりやすく解説
ルート営業の成果を高める3つのコツ
ルート営業の成果を最大限に高めるためには、以下3つのコツを実践してみましょう。
- 訪問の質を改善する
- 継続率を重視する
- タイミングを見極めてアップセル・クロスセルを提案する
訪問の質や継続率といったKPIに着目したり、効果的な提案したりすることで、ルート営業によって大きな成果を得られるはずです。
訪問の質を改善する
ルート営業において取引先への訪問はメイン業務のひとつですが、訪問すればするほど成果が出るとは限りません。1回1回の訪問の質にこだわることで、効率的かつ生産的なルート営業を実現できます。
たとえば、困りごとを解決した翌日に訪問しても、新たな困りごとはなく、取引先に対応の手間を取らせてしまうでしょう。営業担当者にとっても収穫がなく、ルート営業の効率が落ちてしまいます。
訪問の質を改善する際は、訪問回数をKPIに設定して管理・分析を行いましょう。訪問回数と成果の関係性に注目し、適切な訪問頻度やタイミングを見つけるのがポイントです。
継続率を重視する
ルート営業は長期的な関係の構築によって安定的な売上を生み出せるため、継続率を重視する必要があります。
継続率が目標値に届かず、契約の解除が目立っている場合には、営業担当者の対応や商品・サービスの質などに課題があるでしょう。
なぜ継続率が目標を達成できていないかを細かく分析し、課題の解決に取り組むことで状況が改善され、成果が生まれる体制になっていくはずです。
タイミングを見極めてアップセル・クロスセルを提案する
ルート営業でプラスアルファの売上を生み出すためには、適切なタイミングでアップセル・クロスセルを提案しましょう。
アップセルは高価格な商材への乗り換え、クロスセルはメイン商材と関連した商材の購入促進です。
どちらも顧客単価の向上に効果的ですが、顧客が検討したくなるタイミングでの提案が重要です。訪問時のヒアリングや購買情報の分析などを活用し、アップセル・クロスセルが成功しやすいタイミングを見極めましょう。
アップセル・クロスセルの違いや活用方法などは以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
▶️ アップセル・クロスセルとは?違いや活用方法、成功事例を紹介
ルート営業の効率を高められる便利なツール
ルート営業は、既存顧客とのかかわりを増やし、フォローや提案をこまめに行うことが重要です。成果の実現には効率が求められるため、顧客情報や進捗などを管理できるツールの活用を検討しましょう。
ルート営業の効率アップに効果的なツールは、以下の3つです。
- Excel
- CRM(顧客関係管理ツール)
- SFA(営業支援ツール)
それぞれの特徴や注意点を理解していきましょう。
Excel
Excelは、多くのパソコンに最初から導入されている表計算ソフトで、ルート営業の顧客管理に活用できます。
導入コストが低く、使い慣れている人が多いため教育コストも抑えられるのがメリットです。フィルターやソートなどの機能でデータベースを運用でき、顧客情報の効率的な管理を実現できます。
ただ、リアルタイムでの共有や外出先での確認などには適していません。ルート営業の出先で、最新情報を共有したりスマホで確認したりするのは難しいため、不便を感じる場面があるでしょう。
Excelでの顧客管理については以下の記事で解説しているため、データベースの作り方や運用のポイントを知りたい方はぜひ参考にしてください。
▶ エクセル(Excel)を活用した顧客管理方法|データベースの作り方も解説
営業力強化塾
“安易な値引き”と“無駄な失注”をなくす3つの質問
本資料では、安易な値引きや失注を減らすために、お客様の選択心理を解明し、価格に左右されない営業力を身につける質問方法や、効果的な営業メンバーの育成・マネジメント方法を紹介します。
CRM(顧客関係管理ツール)
CRMとは、顧客情報を一元管理できるツールです。顧客情報を一か所に集めて管理でき、情報分析によって強みや弱みを抽出するためにも役立ちます。
CRMに入力された情報はリアルタイムで共有されるため、ルート営業の出先でいつでもどこでも最新の情報を確認可能です。既存顧客との関係を適切に管理することで、タイミングを逃さずフォローや提案ができるようになり、無駄のないルート営業を実現できます。
CRMの機能は以下の記事で詳しく解説しているため、活用を検討している方はぜひチェックしてください。
参考:決定版CRM入門ガイド
SFA(営業支援ツール)
SFAとは、営業活動のサポートに特化したツールです。ルート営業における顧客情報や担当者とのやり取り、フォロー・サポートの内容などを記録できます。
記録した情報は見やすく可視化されるため、営業のプロセスを把握しやすく、複数のクライアントへのルート営業を管理する場合に便利です。
ルート営業に関する情報を一元管理でき、ノウハウや事例の共有、外出先での確認や入力なども可能となるため、営業の効率化を実現できます。
SFAとExceの違いは以下の記事で解説しているため、ルート営業に活用するツールに迷っている方は併せて参考にしてください。
ルート営業を効率的に管理するなら「Sales Cloud」
ルート営業を効率的に行うためには、営業担当者の動きや顧客情報などの管理が重要です。管理に役立つツールは数多くありますが、中でもおすすめしたいのはセールスフォースの「Sales Cloud」です。
営業活動を時系列で記録できる商談管理、ワークフローを自動化できる営業支援機能で、ルート営業の効率化と自動化をかなえます。
AIを活用した売上予測機能もあり、データにもとづく意思決定の支援を受けられるのも魅力です。
Sales Cloudをまず使ってみたい方には、デモ動画や30日間無料トライアルがおすすめです。以下のフォームから申し込みができるため、気軽にお問い合わせください。
▶ 2分でわかるSales Cloud デモ動画はこちらから
▶ Sales Cloud 30日間無料トライアルの申し込みはこちらから
チャンスに強い営業力を
Sales Cloud デモ動画
あらゆる情報を共有し、組織のボトムアップと売上げの最大化に貢献
企業を成長へ導くSales Cloudの活用方法をご紹介
きめ細かなルート営業で安定した成果を生み出そう
ルート営業で安定した利益を生むためには、既存顧客との関係構築が重要です。細やかなフォローやサポートによって関係をより長く継続したり、ヒアリングにもとづいた提案をしたりすることで売上を高めやすくなります。
複数のクライアントを無駄なく訪問したり、タイミングを逃さずフォローや提案をしたりするためには、ツールを活用して管理するのも方法のひとつです。
Sales Cloudでは商談管理や営業支援などの機能によって、効率的なルート営業を実現できます。デモ動画や30日間無料トライアルを実施しているので、ぜひ一度お試しください。
▶ 2分でわかるSales Cloud デモ動画はこちらから
▶ Sales Cloud 30日間無料トライアルの申し込みはこちらから