営業活動を記録したり、営業組織全体の動きを把握したりするために、営業報告書の作成・運用を検討しているのではないでしょうか。
営業報告書は1日の活動を記録するだけではなく、ウィークポイントの発見や自身の振り返りなどさまざまな場面で役立ちます。
本記事では、営業報告書を作成するメリット・デメリットや運用のポイント、作成に便利なSFAツールまで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
営業力強化塾
“安易な値引き”と“無駄な失注”をなくす3つの質問
本資料では、安易な値引きや失注を減らすために、お客様が営業や提案をどうやって選んでいるのか、その心理や構造を解き明かすとともに、価格だけに左右されない営業力を身につけるための質問方法や、効果的な営業メンバーへの育成・マネジメント方法を紹介します。
目次
営業報告書・営業日報とは
営業報告書とは、1日の営業活動を報告するための書類で、日報の役割をもつため「営業日報」とも呼ばれています。
営業報告書・営業日報を作成する目的は、営業担当者と管理者で異なり、それぞれの主な目的は次の通りです。
営業担当者 | 管理者 | |
---|---|---|
目的 | ・1日の案件対応数や稼働実績を記録に残すため ・案件の進捗を管理するため ・商談内容や顧客の課題などを振り返るため | ・営業担当者それぞれの稼働状況や進捗を把握するため ・営業組織全体の進捗状況や達成度を把握するため ・担当者や組織に対して、的確なアドバイスや指示をするため |
営業担当者は、自分自身の営業活動を後から振り返れるように記録するのはもちろん、稼働実績の証拠としても営業報告書は重要な書類です。
管理者にとっては、日々のフィードバックや評価の材料として使用するほか、担当者や組織全体の課題を把握し適切なアドバイス・指示をするためにも営業報告書を活用します。
営業報告書・営業日報の基礎は以下の記事でまとめているため、あわせて参考にしてみてください。
営業報告書・営業日報の書き方・項目
営業報告書・営業日報の作成方法は企業によって異なり、紙の報告書に手書きで記載したり、メールやチャットで管理者に送付したりするなどさまざまです。
書き方や記載項目はおおむね共通であり、営業活動の記録をわかりやすく書くことで、管理者やチームメンバーと情報共有がしやすくなります。
営業報告書に記載すべき項目は、以下の通りです。
- 担当者名
- 日時
- 訪問先
- 訪問先ご担当様
- 訪問の目的
- 対応の内容
- 確度
- 次の行動予定
上記の項目は最低限必要なものであり、営業担当者や管理者にとって必要な項目があれば適宜追加しましょう。
それぞれの項目には、シンプルに内容を書くのがポイントです。日記ではなく報告書であるため、要点が伝わる短文で記載しましょう。
営業報告書・営業日報の例文・テンプレート
営業報告書・営業日報の書き方や項目は理解したものの、具体的にどのように書けばいいか知りたい方が多いのではないでしょうか。
ここでは、営業報告書の例文・テンプレートを紹介します。実際にセールスフォース・ジャパンで使用している形式であるため、ぜひ参考にしてみてください。
上記はあくまで例であるため、自社で必要な項目や形式にアレンジして活用しましょう。訪問セールスとインサイドセールスで項目が変わることもあるため、部門ごとに最適化することも重要です。
営業力強化塾
“安易な値引き”と“無駄な失注”をなくす3つの質問
本資料では、安易な値引きや失注を減らすために、お客様が営業や提案をどうやって選んでいるのか、その心理や構造を解き明かすとともに、価格だけに左右されない営業力を身につけるための質問方法や、効果的な営業メンバーへの育成・マネジメント方法を紹介します。
営業報告書・営業日報を作成するメリット
営業活動を管理する役割をもつ営業報告書・営業日報は、営業担当者や管理者にさまざまなメリットをもたらします。営業担当者それぞれの成長や営業組織の管理に役立つため、作成を業務に組み込むのがおすすめです。
ここでは、営業担当者と管理者に分けて、営業報告書を作成するメリットを解説します。
営業担当者のメリット
営業報告書が営業担当者にもたらすメリットは、以下の3つです。
- 1日の営業活動を整理できる
- 日々の営業活動から戦略を立案できる
- 円滑な引き継ぎができる
1日の営業活動を整理できる
その日の営業活動を次に活かすためには、アプローチした内容や顧客の反応などを記録する必要があります。
営業報告書に1日の営業活動を書き起こすことで、商談で好感触だった部分やあまり反応がよくなかった部分などの可視化が可能です。終業前に書きながら振り返ったり、次の訪問前に確認したりするだけでも、改善点を実践できるようになります。
また営業報告書は続けるほど記録が増えていくため、自分自身の成功パターンや課題を見つける材料としても効果的です。あなたの傾向を見つけ出し、強みを伸ばしながら弱点を克服しましょう。
日々の営業活動から戦略を立案できる
営業報告書に日々の営業活動の詳細を記載していくと、顧客の反応や傾向などを把握しやすくなります。
たとえば、顧客が金額を気にしている様子に気づいたことを記録していれば、金額面にフォーカスを当てた提案を検討できるでしょう。
商談で感じたことを報告書に残しておくことで、ふと忘れてしまうことがなくなり、次の営業活動の戦略立案に役立てられます。
円滑な引き継ぎができる
営業組織の体制を見直す際、担当営業が変わるケースがありますが、営業報告書が作成されていると引き継ぎがスムーズです。
営業報告書を見れば、先方の担当者やこれまでの対応などが一目でわかり、次の営業担当者が円滑にアプローチできます。
管理者のメリット
営業組織の管理者に対する営業報告書のメリットは、以下の通りです。
- 営業担当者の行動を把握・評価できる
- 営業組織の強みや課題を分析できる
- ノウハウや事例を全体に共有できる
以下の記事では、管理者が注視したい新しい営業指標を解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
営業担当者の行動を把握・評価できる
営業担当者の稼働状況や実績は数値で把握している場合が多いですが、営業報告書によって行動面も把握しやすくなります。
どのような目的でどのような提案をしたか、どのようなアプローチをしているのかなど、数値ではわからない情報を得られるのがメリットです。
行動に関する情報は評価に役立ち、総合的な評価によって営業担当者の理解を得られるでしょう。気になる動きがあればその都度フィードバックでき、担当者それぞれへのフォローもしやすく、個々のレベルアップも期待できます。
営業マネジメントの管理項目やポイントは以下の記事で解説しているため、こちらも確認してみましょう。
営業組織の強みや課題を分析できる
営業担当者それぞれの営業報告書から、組織の強みや課題を分析できます。
たとえば、それぞれ案件対応数は目標に達しているものの、全体の成約数が思うように伸びていない場合は、ヒアリングや提案などに課題があるでしょう。
課題に応じて個別にアドバイスしたり、すき間時間に勉強会を開いたりすることで、組織の課題を強みに変えられるチャンスが出てきます。
担当者の個別管理と組織全体の把握を両立させ、個々と組織のレベルアップにつなげられるように、営業報告書を運用しましょう。
ノウハウや事例を全体に共有できる
営業担当者のスキルやノウハウが共有されていない状態は属人化が起きやすいですが、営業報告書によって情報共有がしやすくなります。
たとえば、成果が伸びている営業担当者の手法を全体に共有すると、質の高いアプローチを多くのメンバーが実践できるようになるでしょう。
また顧客の事例を組織で共有できるのもメリットです。事例を通して重要事項や手法を理解することで、類似の案件に対してスムーズに対応できるようになります。
営業報告書を情報共有のツールとして活用する場合は、営業担当者の了承を得ましょう。あらかじめ運用方法を共有することで、不満やトラブルが起きにくくなります。
営業報告書・営業日報を運用する上で気をつけたい3つのデメリット
営業報告書・営業日報は営業組織へのメリットを期待できる一方で、気をつけたいデメリットもあります。
3つのデメリットを一つひとつ理解し、あらかじめ対策を講じた上で営業報告書を運用しましょう。
- 営業活動の詳細まではわからない
- 書くことが目的になるとアクションに活かせない
- 情報の可視化・社内共有が難しい
営業活動の詳細まではわからない
営業報告書によって数値以外の行動情報が把握できるようになりますが、具体的な営業活動まではわかりません。
営業活動の内容は端的に記載する場合が多く、顧客との会話内容や担当者の振舞いなどを把握できないのが注意点です。
管理者は営業報告書に目を通して終わりではなく、気になる部分は営業担当者に直接聞くとよいでしょう。営業活動の意図や内容をすり合わせれば、報告書だけでは把握できない部分もわかります。
書くことが目的になるとアクションに活かせない
営業報告書の運用でよくある課題は、書きっぱなしで上手に活用されていないことです。
1日の終わりに営業報告書を書くこと自体が目的になると、営業担当者や管理者にとって報告書の意味はなくなります。
営業報告書の作成を開始する際に、目的や書く理由を組織全体で共有しましょう。評価や振り返りなど目的が明確になれば、営業報告書を分析やスキルアップなどに活用しやすくなります。
情報の可視化・社内共有が難しい
営業報告書の運用方法によっては、ノウハウやスキルなどの共有が難しくなります。
たとえば、手書きの報告書を作成している場合、誰でも見れる状態にしたり、ファイルに変換したりするなどの工夫が必要です。
簡単にアクセスできない状態が続くと、社内共有の体制が構築されないまま、書くことだけが目的になるでしょう。
営業報告書を情報の可視化や社内共有に活用したい場合は、ツールで作成するのがおすすめです。ツール上で報告書を作成すれば、いつでもどこでも確認できるようになり、外出先での申し送り事項の確認やよい事例の共有などがスムーズになります。
意味のある営業報告書・営業日報を作成する4つのポイント
営業報告書・営業日報は作成するだけでは意味がないため、効果的な運用・作成を徹底する必要があります。
意味のある営業報告書を作成するためには、以下に挙げる4つのポイントを実践しましょう。
- 誰が見てもわかる内容を心がける
- 結果だけではなく反省や振り返りを記入する
- 1日の活動を踏まえたネクストアクションを記載する
- 関連する資料を添付する
誰が見てもわかる内容を心がける
営業報告書は書いた営業担当者本人だけではなく、管理者も目を通します。引き継ぎで別の営業担当者が見る場合もあるため、誰が読んでもわかる内容を意識しましょう。
わかりやすい報告書のポイントは、結論ファーストです。まず結論を書き、その上で補足説明をシンプルにまとめましょう。
また書く内容が複数ある場合は、重要な事柄から順に書くことが大切です。共有したい重要事項や相談などをはじめに書き、読んだ人の目が向くようにしましょう。
結果だけではなく反省や振り返りを記入する
営業報告書には、1日の営業活動に対する反省や振り返りまで記載しましょう。
結果は変えられないため、結果に対してどう考えているか、どう改善するのかが重要です。
なぜその結果になったかを考え、言葉にして記録することで、次にやるべきことが明確になります。
1日の活動を踏まえたネクストアクションを記載する
その日の営業活動の結果だけを書くと、日記のようなただの活動記録になります。次の営業活動や課題の改善に活かせるように、ネクストアクションまで記入しましょう。
たとえば、ヒアリングの際にリサーチ不足を感じた際には、「ヒアリングの中でうまく答えられない部分があったため、次週の訪問に向けて分析に力を入れる」といったように、営業活動を踏まえた展望まで書くのがポイントです。
管理者にとっては、営業担当者が感じている課題と対策を両方把握できるため、アドバイスやフォローがしやすくなります。
関連する資料を添付する
営業報告書に記載する内容に関する資料を用意できる場合は、なるべく添付しましょう。
たとえば、「先方に提案した資料に課題を感じ、修正を実施した」という内容なら、修正後の資料を添付すると、管理者はどのように修正したか把握できます。
シンプルな営業報告書は営業活動の詳細まではわかりにくいため、関連する資料で補足するのがおすすめです。
営業力強化塾
“安易な値引き”と“無駄な失注”をなくす3つの質問
本資料では、安易な値引きや失注を減らすために、お客様が営業や提案をどうやって選んでいるのか、その心理や構造を解き明かすとともに、価格だけに左右されない営業力を身につけるための質問方法や、効果的な営業メンバーへの育成・マネジメント方法を紹介します。
「Sales Cloud」なら営業報告書の記録やワークフローの自動化ができる
Salesforceで提供しているSales Cloudは、営業業務の効率化やコスト削減を実現するツールです。商談管理や売上予測などの機能で、進捗管理や意思決定のサポートを実現しています。
営業支援機能では、営業活動の記録やワークフローの自動化を簡単な操作でできるのが特徴です。タスクの自動割り当てやアラートの通知などでさまざまなプロセスを自動化しながら、それぞれのプロセスを見やすく管理できます。
営業活動を全体に可視化しやすくするため、営業報告書の欠点である社内共有のハードルも解決できるでしょう。Sales Cloudは体験デモや30日間無料トライアルを受け付けているので、まず使ってみたい方はぜひお試しください。
▶ 2分でわかるSales Cloud 体験デモはこちらから
▶ Sales Cloud 30日間無料トライアルの申し込みはこちらから
以下の記事では、SFAのメリット・デメリットやエクセルとの違いなどを解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
▶ SFAのメリットとデメリットを知って、効果的に使いこなそう!
▶ SFAとExcel、営業管理にはどちらを使えばいい?
営業報告書・営業日報についてよくある質問
最後に、営業報告書・営業日報についてよくある質問をまとめました。混同しやすい報告書との違いを疑問にもつ場合が多いので、営業報告書を運用する前に違いを整理しましょう。
事業報告書との違いは?
事業報告書とは、事業年度ごとの事業状況を報告するための書類です。旧商法では「営業報告書」という名称でしたが、新会社法で「事業報告書」と呼ばれるようになりました。
事業内容や従業員に関する情報などの重要事項を記載し、決算書を補足する役割をもっています。
営業報告書とは1日の営業活動を記録する書類であり、事業報告書と取り扱う範囲が異なります。営業報告書の作成は任意ですが、事業報告書は会社法で作成を義務付けられている点も主な違いです。
決算報告書との違いは?
決算報告書とは、1年間の損益や財政状況などを記載した書類です。株主や金融機関、官庁などに経営状況を報告するために、作成が義務付けられています。
営業報告書は営業活動を記録する一方で、決算報告書は企業全体の状況を記載する点に違いがあります。
営業報告書・営業日報を効果的に活用しよう
営業報告書・営業日報は、1日の営業活動を記録する書類です。結果だけではなく、反省や振り返りまで書くことで、個々のスキルアップや管理者の適切なフォローがしやすくなります。
書いて提出するだけでは意味がないため、事前に報告書を運用する目的を全体で共有し、どのように活用するかを明確にしておきましょう。
営業報告書は情報の可視化や社内共有が課題ですが、Sales Cloudなら問題ありません。営業活動の記録を見やすくわかりやすく共有できるため、担当者や組織の成長につなげやすくなります。Sales Cloudについて詳しく知りたい方は、ぜひ体験デモや30日間無料トライアルをご検討ください。
▶ 2分でわかるSales Cloud 体験デモはこちらから
▶ Sales Cloud 30日間無料トライアルの申し込みはこちらから