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AIで変わるカスタマーサービスのキャリア。新たに生まれる10職種

AIでキャリアを進化させたいカスタマーサービス担当者にフレッシュな機会を提供します

AIはあらゆる職種の業務を進化させるほか、新たな職種を生む可能性も秘めています。この記事ではAI時代に誕生するカスタマーサービスの新キャリアを紹介します。

AIはさまざまな業種に大きな影響を与えており、カスタマーサービス業務もその一つです。既存のカスタマーサービスの業務をどのように変革しているかという話題は多くありますが、注目すべきはAIがもたらす全く新しいワークスタイルです。

AIは、カスタマーサービスを再構築しようとしているプロフェッショナルに、新たな可能性をもたらします。AIがカスタマーサービスをどのように進化させるのか、そしてどのように準備すれば良いかを解説します。

第6版 カスタマーサービス最新事情

全世界で 5,500 人を超えるカスタマーサービスプロフェッショナルを対象としたAI時代のサポートに関する調査結果。

AIによって生まれた新たなカスタマーサービス業務10選

AIは、カスタマーサービスを変革し、魅力的な雇用機会を創出するでしょう。ここでは、AIがもたらす10の新しい職種を紹介します。

No.1 AIカスタマーエクスペリエンス戦略責任者

もっとも魅力的な新しい職業のひとつは、AIカスタマーエクスペリエンス戦略責任者です。

顧客とのやり取りを効率化し、顧客体験をより魅力的にするために、AIを活用して戦略を策定・展開するプロフェッショナルです。

AIエージェント(「Agentforce for Service」など)やカスタマーサービス分析ツールを駆使して、顧客のニーズを深堀りし、行動パターンを分析して優れたカスタマーサービス体験を提供します。

AIに関する専門知識と、顧客の行動パターンやニーズを深く理解する能力を兼ね備えた専門職です。

No.2 会話型AIデザイナー

カスタマーサービス向けAIエージェントがインテリジェントになるにつれて、会話型AIデザイナーの需要が急増しています。

会話型AIデザイナーは、AIエージェントが顧客とのやり取りで使用する応答方法やスクリプト、フローを設計する専門家です。技術的ノウハウだけでなく、創造性と戦略立案も求められる職種です。

会話型AIデザイナーは、企業ブランドにふさわしいやり取りを開発すると同時に、顧客にとって自然で魅力的なものにデザインしていきます。言語学者やUXデザイナー、エンジニアと連携して、AIエージェントの「個性」を形成し、応答が的確に感じられるようにすることで、日常のデジタルインタラクションを有意義で喜びを感じさせる顧客体験を創造します。

No.3 AIデータアナリスト

カスタマーサービスの業務は、顧客フィードバックややり取りの履歴、カスタマーサービスメトリクス(英語)など、大量のデータを生成します。そこでAIデータアナリストの出番です。

AIデータアナリストはデータを掘り下げ、顧客の好みや不満、新たなニーズを発見します。複雑なデータを実用的なインサイトに変換することで、企業がサービスを改善し、顧客の期待を上回り、顧客満足度(CSAT)の向上を支援します。

No.4 AIエージェントトレーナー

カスタマーサービス担当者と同様に、AIエージェントも常に訓練を受け、効果を維持するための強固なナレッジベースが必要です。そこで、AIエージェントトレーナーが活躍します。

AIエージェントトレーナーは、AIエージェントに信頼性の高いデータを提供し、パフォーマンスを監視し、顧客と担当者のフィードバックに基づいてプロセスを改善することで、AIエージェントが円滑に動作するようにします。
この役割は、AIエージェントが正確で、ビジネス目標に沿ったものであるようにすることです。そして、AIエージェントの口調や言語、応答が顧客と円滑につながるようにします。「Agentforce」には、顧客とのやり取りから自己学習する機能があります。

No.5 カスタマーサクセスAIスペシャリスト

カスタマーサクセスAIスペシャリストは、顧客との関係強化スキルと技術的ノウハウの両方を必要とする人材です。顧客がAIエージェントのようなAI搭載ツールを最大限に活用できるよう、スムーズな導入から継続的なサポートまでを支援します。顧客にトレーニングを提供し、トラブルシューティングを行い、ツールの継続的な改善のために顧客からのフィードバックを収集します。
さらに、社内の「顧客の声」(VoC=Voice of Customer)としての役割を担い、AIがユーザーのニーズを満たし、真の価値を提供できるよう支援します。AIが完全に定着し効果的に活用されることで、CSAT(顧客満足度)の向上に貢献します。

カスタマーサービス部門のAIエージェント
導入検討ワークシート

カスタマーサービス部門やコンタクトセンターでAIエージェントの導入を検討するために、導入検討ワークシートを作成しました。ぜひダウンロードしてご活用ください。

No.6 AI倫理コンサルタント

AIが日常生活の一部になるにつれ、倫理に注目が集まっています。Salesforceの調査によると、企業がAIを倫理を考慮して活用している顧客は42%で、2023年の58%から減少しています。

AI倫理コンサルタントは、AIが責任を持って使用されるように支援します。アルゴリズムのバイアスへの対処やデータプライバシーの保護、AIの活用方法の透明性の確保などのあらゆる課題に対応します。

組織内の関係各所と協力して、AIを倫理的に使用するためのガイドラインやナレッジベース記事、ベストプラクティスを作成し、企業が顧客の信頼を獲得し、維持できるよう支援します。

No.7 AI統合スペシャリスト

カスタマーサービスのワークフローにAIを導入するには、綿密な計画が必要です。AI統合スペシャリストは、CRMなどの既存システムに、AIがスムーズに適合するようにします。

AI統合スペシャリストは、ITチームやカスタマーサービスマネージャー、「Service Cloud」のようなソリューションと緊密に連携し、すべてがシームレスに実行され、ワークフローが最適化され、ロールアウト中の混乱を最小限に抑えられるように支援します。

また、従業員にトレーニングとサポートを提供し、誰もが新しい技術に慣れ、AI主導のシステムへのスムーズな移行を確実なものにします。

No.8 パーソナライゼーションエキスパート

Salesforceの調査によると、カスタマーサービス担当者の81%が顧客は以前よりもパーソナルな対応を期待していると回答しています。AIは、顧客データを分析してパーソナライズされた体験を創造するのに優れています。

パーソナライゼーションエキスパートはAIを活用して、個人の嗜好、過去の行動、予測インサイトに基づいてカスタマイズされた顧客体験を設計します。

また、AIを使ってコンテンツや関連性の高いオファー(収益拡大のためのアップセルなど)、顧客一人ひとりと個人レベルでつながるサービスを提供します。この役割は、分析スキルと創造性を融合させ、パーソナライゼーションによって顧客関係の強化とビジネスの成長促進を、戦略的に考えることが求められます。

No.9 AIサポートスペシャリスト

企業がカスタマーサービスにAIを導入する際、すべてを円滑に進めるために専任のプロが必要です。AIサポートスペシャリストは、技術的な問題の解決やカスタマーサービス分析(英語)の監視、そしてAIが目標を達成しているかどうかの確認など頼れる存在です。

AIサポートスペシャリストの日常業務は、エラーのトラブルシューティングやAIモデルの更新、開発者との連携による改善です。AIシステムの信頼性を維持し、企業と顧客の両方に価値を提供し続けるために不可欠な存在です。

No.10 顧客感情アナリスト

AIにはテキストや音声、行動データを通じて顧客の感情や思考を測定する能力があります。顧客感情アナリストは、これらのインサイトを解釈し、顧客が企業の製品やサービス、カスタマーサービスに対してどのように感じているかを把握することを専門としています。

顧客感情アナリストの仕事は、カスタマーサービス戦略の策定や問題の取り組み、顧客との関係強化に役立ちます。これは、真に共感できるカスタマーマーケティングを提供したい企業にとって重要です。AIを活用して顧客満足度をより深く理解することで、顧客感情アナリストは、顧客をリピーターにするための意義のある改善を支援します。

Feedback Management

No.1 AI CRMに組み込まれた顧客フィードバック管理と「お客様の声」ソフトウェア&ツールにより、顧客満足度とサービス効率を向上させます。

AIを活用したカスタマーサービス職に転身するための3つのヒント

最後に、カスタマーサービス職で成功するための3つの方法を紹介します。

  1. SlackのServiceblazerコミュニティ(英語)に参加しましょう
    業界のプロフェッショナルとつながり、カスタマーサービスにおけるAIのベストプラクティスを共有したり、取り組みを学びましょう。次の仕事やチームメンバーを見つけるためのネットワーク作りに最適です。
  2. Trailheadでレベルアップしましょう
    無料オンライン学習プラットフォーム「Trailhead(トレイルヘッド)」には、自分のペースで学習できる場が数多く用意されています。まずは「カスタマーサービスの人工知能」で基本を理解し、「Agentforce を使用して最初のエージェントを構築する」では、AIエージェントの実践的な使い方を習得してください。
  3. 求人アラートを設定し、LinkdInプロフィールを洗練させましょう
    求人情報に目を配り、自分のスキルや経験、学歴、特にSalesforceがTrailhead上で無料で提供している「AI for All(すべての人にAIを)」イニシアチブを通じて取得できるAIアソシエイト資格を、プロフィールでアピールしましょう。

これらのヒントを活用することで、AIを活用したカスタマーサービス職での活躍とキャリアアップが、顧客体験に大きな変化をもたらす道が開けます。

3分で分かるコンタクトセンターでのAIエージェント活用シーン

SalesforceのAIエージェント『Agentforce』がコンタクトセンターやカスタマーサービス業務においてどのように活用できるかをご紹介します。

<注釈>

※本記事は米国で公開された “Ready to Take the Next Step in Your Customer Service Career? Here are 10 New Jobs — Thanks to AI” の抄訳版です。本ポストの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

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