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テイラー・スウィフトから学ぶ究極のマーケティング術5選

世界の歌姫は歌だけではなくマーケティング戦略も天才的だった?マーケターが学びたいテイラー・スウィフトのマーケティング術をご紹介します。お客様との”つながり”にお悩みのすべての方におすすめです!

注釈: テイラー・スウィフトがSalesforceおよび当社の製品についての支持や見解を表明したものではなく、あくまで本ブログ記事はSalesforce独自の見解、分析によるものです。

今日は、まさに大マーケティング時代の絶頂期であり、皆さんご存じのテイラー・スウィフトもまた同様です。

テイラーは音楽において世界的一大ブームを巻き起こしているのみに留まらず、彼女のファン(や各企業のマーケティング担当者)の心をとらえて放さない、マーケティング施策においても、The 1(超一流)なのです。(そう、この記事ではテイラーの曲も合わせて紹介していくので、ぜひ聴きながらご覧ください!)

彼女はキャリアを通じて、聴衆と個人レベルで”つながる”独自の能力を示し、聴衆一人ひとりに彼女のアルバム、ツアー、そしてスタイルを変化させる度に革新的なブランド体験を提供してきました。スタジアムツアーを超満員にして完売させることには興味がないマーケターの皆さんでも、彼女から学ぶことがあるのです。
このような体験を創りだすことは、従来のマーケティング施策に留まりません。「部族」といってもよいほど様々な差異を持つ彼女の顧客に、等しく理解してもらう必要があり、それこそがSwifties(テイラーのファン)が何度も足を運ぶ理由なのです。
テイラーと彼女のマーケティングチームは、様々なタイプの人々や状況と“つながる”ことで、彼らをずっとStay, Stay, Stay(つなぎとめておくこと)ができるのです。

では、唯一無二の存在、テイラー・スウィフトから学べる魅力的なブランド体験について、マーケターの皆さんにご紹介します!Ready For It?

1.常にありのままの自分を見せること

Long Story Short(早い話)、テイラー・スウィフトは、「信頼性」と「共感性」をベースにブランドを自身のブランドを築いてきました。

彼女は、自分の個人的な経験や意見、感情を共有することで、聴衆とつながり、本当の自分でいることを恐れないことを示しているのです。そうした彼女のブランドは、様々な聴衆に拡張できる柔軟性を持ちながらも、聴衆たちを結びつけるのに十分な一貫性をも持ち合わせており、ファンはテイラーが自分たちそれぞれの生き様を理解してくれていると感じるのです。

カントリーミュージックからポップスへの変遷を通じて、テイラーは自分の人生経験に基づいて真摯に作曲してきました。テイラーは業界のルールや慣習に従うのではなく、彼女自身のアーティストとしての感覚を受け入れ、ファンがテイラーと一緒に成長できるようにしたのです。テイラーの音楽とイメージの真の意味での進化により、ブランドの「信頼性」はより確固たるものとなり、サポーターとの絆を強め、新しい人々を巻き込むことに成功しました。

どうやって始めればよい?

マーケティングとは必ずしも、取引関係に関するものばかりではありません。ここばかりに焦点を当てすぎると、顧客が離れていってしまいます。 Would’ve, Could’ve, Should’ve(「こうすればよかった」「ああすればよかった」)と過去を後悔しないために、以下のステップを確認していきましょう。

🎤 価値観に基づいたマーケティングで顧客とのより深いつながりを見いだす

自分たちの会社が何者なのかを明確にし、それをメッセージングに組み込みましょう。これにより競合他社との間でも差異が際立ち、顧客も気づいてくれるのです。実際、顧客の88%がブランドが明確で強い価値観を示すことを期待していると回答しています。

調査を行って聴衆(会社にとっては顧客)にとって何が最も重要なのかを見つけ、その価値観をもって顧客とつながっていきましょう。こうした競争の中では、ただ単に製品を売っているだけではダメで、顧客が重要と感じていることをきちんと気にかけていることを示すことが重要なのです。このように顧客との信頼を構築することは、ポジティブなブランド体験そして、長期にわたる顧客とのお付き合いにおいて必要不可欠です。

🎤 自社の立場を示す

サステナビリティや平等の実現といった企業目標において、自社SNSへの投稿やメールキャンペーンを行うだけでは不十分です。「行動」で確実に示していく必要があります。
例えば、企業メッセージにおいて平等の実現について言及するのであれば、自社が発信していることを実践し多様性のある顧客層を反映した自社ストーリーを発信していくよう心がけましょう。顧客が企業の嘘を見抜き、中身のない発言であるとみなすと、他のより自分の価値観と合うブランドに乗り換えることになります。
正直であること、顧客が必要とする有益な情報を提供することはしっかり意識しつつ、顧客の価値観にしっかりと寄り添っているということも示しましょう。顧客が自分の価値観に共感できないブランドを乗り換えるとき、日頃の活動が実を結び、乗り換え先として選んでもらえるチャンスがやってくるのです。

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2.変化を先取りしてブランド体験を向上させること

はっきり言って、私たちが知っているこれまでのマーケティングエコシステムはすべてが変わっています。時代のトレンドに乗り続けるには、新しい戦略や技術を受け入れる姿勢が大切です。そして、テイラーはこの達人です。

テイラーが自分のこれまでの努力の成果に光を当てるために、彼女の音楽をSpotifyから削除したとき、このストリーミング配信時代におけるアーティストへの公正な報酬についての議論が巻き起こりました。
多くの人々は、もはやテイラーがストリーミング配信サービスにNever, Ever Getting Back Together(もはや戻って共に歩むことはない)と思っていましたが、結果としてテイラーのこの大胆な行動は、現状に挑戦するテイラーの意志を見せつけることとなり、最終的にはストリーミング配信サービスとの戦略的パートナーシップ締結、そしてなにより彼女の影響力と聴衆を拡大することにつながったのです。

業界変革の先頭に立ち、そしてそれらを推し進めるテイラーの能力は、彼女のFearless(大胆不敵)な考え方と進化への意欲を人々に示し、陳腐化せず絶えず動き続ける新鮮なブランド体験を生み出しているのです。彼女の音楽がどこにあろうと、彼女のファンはついてくるのです。

どうやって始めればよい?

マーケターとは、常に時代の最先端を走り、目まぐるしいスピードで変化するデジタルの世界にキャッチアップするためにイノベーションを起こしていくべき存在です。

当社の「マーケティング最新事情」の調査結果によれば、マーケターの最優先事項のうち2番目に重要なものとは「新しいマーケティング戦略や戦術を試してみる」ことであり、CMO(最高マーケティング責任者)の91%が競合に対しての競争力を維持するためには、絶えずイノベーションを行う必要があると述べています。

🎤 データを一箇所に集約して保管する

顧客データが22もの異なる場所に保存されていては、顧客は誰なのか、そして今何を求めているのかを読み取ることはほぼ不可能です。すべての情報を統合する顧客データプラットフォーム(CDP)を活用すれば、顧客に対するリアルタイムでのインサイトを活用できるようになり、正確なデータに基づく迅速な意志決定につながるのです。

🎤 AI(人工知能)の可能性を探る

AIを顧客データプラットフォーム(CDP)に組み込めば、単純な作業の自動化や顧客毎へのキャンペーンのパーソナライズ、顧客データのセグメント化に加え、大幅な時間とコストの削減につながります。もし、まだ迷っているのであればAIと生成AI技術が顧客のブランド体験を向上させるためにどのように寄与するのか、ぜひご確認ください。

AIはキャンペーンをより良いものにし、情報に基づく意志決定に必要なインサイトを顧客データから引っぱり出すことが可能です。傾向の洗い出しや計画策定のために、顧客データを何時間もかけて分析するのは、正直うんざりですよね。ですが、顧客データが一箇所にきちんと集まっていれば、AIがその作業をあなたに代わってたちまち行ってくれるのです。

🎤 大規模なパーソナライゼーションの構築

顧客は自分のことを単なる数字やデータとしか見ていないようなキャンペーンには、目もくれません。そこで顧客一人ひとりに寄り添ったパーソナライゼーションの規模を、より大きく拡大するためにはAIを活用し、信頼できる顧客データからカスタマージャーニーを設計しましょう。AIは、顧客の行動に基づいて各種の案内をパーソナライズし、顧客が自社ブランドとどのように関わっているのかを明確に示してくれるのです。適切なチャネルで、適切なタイミングで、顧客とつながることができれば、顧客との関係がBad Blood(悪化)することはありません。

ワークマン専務取締役に聞く、サブブランド展開への発想転換と実践「ブランド再構築ガイドブック」

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3.データに基づくインサイトを信頼して、ファンベースとつながる

自分のファン層を知ることの重要性を理解している人と言えば、それはテイラー・スウィフトです。
テイラーはSNSを活用してファンの意見に耳を傾け、ファンとつながることに非常に長けています。ファンの情報を集約することで、テイラーのチームは限定コンテンツや舞台裏が垣間見えるようなコンテンツをファンと共有したり、SNSでの行動に基づいてファンにパーソナライズされたプレゼントを用意したりして、驚かせることができるのです。

Swiftmas」の活動中、テイラーはファンにプレゼントを選んで贈りました。それぞれのプレゼントは、ファンの行動やSNSでのテイラーのアカウントとのやり取りに基づいており、一人ひとりのファンにぴったりのプレゼントだったのです。このファン一人ひとりを思いやるテイラーの行動は、テイラーのチームが聴衆を深く理解しているということを示しただけではなく、ファンにコミュニティ意識とロイヤルティーを情勢したのです。この結果、彼女のファンがまさにWildest Dream(途方もない夢のよう)なブランド体験を感じていることは言うまでもないですが、多くの好意的な口コミとファン生成コンテンツが生まれることにつながったのです。

また、テイラーのチームがメールマーケティングを活用して、ファン一人ひとりにパーソナライズされたコンテンツを配信する方法も見てきました。彼女のチームは、ファンの過去の行動や好みに基づいて前売りチケットや限定グッズの案内をしているのです。

どうやって始めればよい?

今日において、パーソナライゼーションは取り立ててNothing New(目新しいもの)ではありません。しかし、正しい方法できちんと行えば、顧客をブランドのど真ん中に据えることができるのです。そして、これこそ顧客がブランドに真に求めていることであり、これをきちんと理解している企業に顧客はロイヤルティーを抱くのです。

🎤 AIを活用してデータをセグメント化する

顧客の行動や好みに合わせたキャンペーンの構築に着手する前に、まずはそれが何であるかを理解する必要があります。AIは顧客データを精査して、傾向を見つけ出し、統計データ、行動、好み、購買履歴、その他の重要属性に基づいて顧客を自動でセグメント化することができます。これにより、顧客情報の分析にかかる時間と費用は大きく削減されることに加え、AIを組み込んだ顧客データプラットフォームが提供するインサイトに基づいて次のアクションを起こすことができるようになります。

🎤 現状の顧客ニーズを満たすだけでなく、顧客のニーズを先取りする

顧客のほぼ4分の3(73%)は、企業に顧客固有のニーズや期待を理解してもらうことを望んでいます。Webサイトの分析、SNSのモニタリング、顧客からのフィードバック、購入履歴、顧客プロファイルなどを活用することで、誰よりも顧客を深く理解することができますが、それらのデータはそれぞれがサイロ化してしまう可能性をはらんでいます。そんなときでもご安心ください。アプリやデバイス、リアルタイムの情報から顧客データを一元管理することが可能です。

🎤 顧客が望むものをリアルタイムで提供する

マーケターの大多数(83%)は、動的な顧客インサイトを活用して、マーケティング戦略を適応させ、各インタラクションの影響を最適化しています。データ接続により、マーケティングチームは顧客の行動やふるまいに適応する単一の顧客プロファイルとして活用出来るようになり、顧客にカスタマイズされたコンテンツ、案内、顧客体験を迅速に作成できるようになるのです。

4.優れたストーリーテリングで感情的なつながりを築く

皆さんにここでQuestion…?(質問してもいいですか?)

ブランドと感情的なつながりがあることで、ブランドを試してみようと思うきっかけになるでしょうか?
テイラーは、ストーリーテリングの巧みさでも抜きん出ており、自分の音楽を通じて、聴くものの感情を力強く奮い立たせるような物語を紡いでいるのです。

共感できる歌詞に加えて、ミュージックビデオと映像美は、テイラーのマーケティングにおいて非常に重要な役割を果たしています。ミュージックビデオには、説得力のある物語性があり、Easter EGGのようにどこか複雑なディテールと象徴性を取り入れることで、聴衆を魅了し、見るものにその理論をネット上で共有することを誘うのです。テイラーはアルバムのデザインからミュージックビデオの美学に至るまで、自身のビジュアルアイデンティティーを慎重に厳選し、それらがテイラーの芸術的ビジョンと一致し、ターゲットとする聴衆の共感を得られることを狙っているのです。

どうやって始めればよい?

ストーリーテリングの秘めるポテンシャルを活用し、顧客の心に響く魅力的なストーリーを作ることで、マーケティングのマスターマインドになりましょう。

🎤 ソングライターの気持ちで考える

テイラーの無数のヒット曲の核心は、親しみやすいストーリーテリングです。テイラーはファンが共感できるような経験やテーマに基づいて作曲をしており、これは私たちについても同じことです。つまり、セグメント化された顧客データや顧客から得たフィードバックを活用することで、顧客の立場で顧客にとって本当に重要なことは何なのかを考えてみることが重要なのです。

🎤 インスピレーションを与えられる文章で書く

顧客は製品のパッケージやSNSで宣伝されている重要なポイントを必ずしも覚えてくれてはいません。しかし、その製品をどう感じたのかは覚えているはずです。ストーリーを構築するときは、どのことを念頭に置くかが大切です。適切なストーリーテリングが行われていれば、顧客にブランドアイデンティティーを抱かせ、行動を喚起することができるのです。

これらのストーリーは、さまざまなストリーミング配信サービスや公式SNSで顧客の注目を集めるコンテンツと同じくらい顧客にとって興味深く、説得力があり、魅力的である必要があります。中々難しいことだとは思いますが。顧客をブランドの虜にし、あなたの会社のことをAll Too Well(何もかも覚えている)理由になり得るかもしれません。

🎤 本物であり続ける

マーケティングにおける優れたストーリーテリングは、会社や製品の認知度を高めるだけでなく、会社における価値観を強化することにもつながります。ステップ 1 に戻って、すべてが会社の強みと価値観に結びついていることを確認することが重要です。顧客に何度も繰り返し選ばれ続けるような、ブランド体験を構築するには、その一貫性が鍵なのです。

生成AIとクリエイティブの終焉

生成AIによりクリエイターの在り方が急速に変化していく近未来において、ブランドとクリエイティブはどう変容していくのか。ニューヨークを拠点に世界のクリエイティブシーンの最前線で活躍するレイ・イナモト氏へのインタビューをお届けします。

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5. ブランドを育てるためにファンが作成したコンテンツを応援する

テイラーはファンが作りだした二次コンテンツを積極的に推奨し、褒めていることに加え、SNS上でファンの貢献をとても好意的に評価しています。それが曲の創造的な解釈であれ、ファンアートであれ、テイラーは「I Forgot That You Existed(あなたがいたことを忘れてたわ)」なんて言ったりしないのです。

テイラーはまた、アルバムのリリース前に熱心なファンを「Swiftie Secret Sessions」に招待します。招待された彼らはあまり多くの詳細を明らかにすることができませんが、彼らのSNSに投稿される体験やレビューこそが、彼女の残りのファン達の期待と興奮を高めていくのです。このようなアプローチによって、テイラーとファンとの絆が強化されるだけでなく、ブランドに対する人々の賛同が自然形成されていくことにつながるのです。

どうやって始めればよい?

ユーザーが作成したコンテンツの受け入れを促進し、ブランド ロイヤルティが向上するのを見守りましょう。

🎤 製品主導の成長でコミュニティ意識を育てる

顧客が製品に満足すると、ロイヤリティーの高いユーザーとなり、他のユーザーとその体験を共有するようになります。結果として、顧客獲得コストは削減され、自立的な成長循環の構造が実現するのです。また、顧客に自分自身を認められたと感じさせることにもつながります。It’s Nice to Have a Friend(友だちがいるって良いことですね。)

🎤 体験をゲーム化する

人々はSNSで楽しむことが大好きです。コンテストを主催し、ブランドに関連する情報を広めてくれた聴衆に特別なギフトをあげてみるのはどうでしょう。パズル、宝探し、自分の冒険体験談を選ぶなど、何でもありです。これはマーケターにとって創造性を発揮する絶好の機会ですね。ただ、それがHoax(デマ)ではないことは確認してください。


Call It What You Want(何と呼ぼうと自由)ですが、マーケティングに関して、テイラー・スウィフトは私たちの先頭を走っています。音楽で聴衆を魅了するのと同じように、テイラーのマーケティングは、ロイヤリティーの高いファン層はもちろん、それ以外の人々の注目をも集め、魅了し、テイラーが次に何をしてくれるのかとワクワクさせ続けているのです。

これらの教訓を自社の戦略に織り交ぜることで、個人レベルで共感を呼ぶブランド体験生み出し、熱心な顧客との末永いLove Story(関係性)を育むことができるのです。テイラーのように上手くできるかどうか自信がない?大丈夫です、Soon You’ll Get Better(すぐに良く)できるようになります!(これが最後の曲のご紹介です。)

自信を持って!You’re on Your Own, Kid(あなたは一人でしっかりできます)!(これが本当の本当に最後です。)

Meredith Turner
Marketing Cloud担当コンテンツマーケター

Marketing Cloudのコンテンツマーケター。大切にしているのは、ストーリーの力と有意義なつながり。オーディエンスと真摯に関わり、顧客との関係を築くことに注力しています。

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