テクノロジーの進歩に伴い、カスタマーサービスのあり方が変化しています。顧客は企業がニーズに適応することを期待しており、生成AIのようなテクノロジーが大きな役割を果たしています。
今回の記事では、レポート「サービス最新事情」の新しいデータに基づき、カスタマーサービスの未来に備えるために注目すべき5つのカスタマーサービストレンドを紹介します。
最新のカスタマーサービス調査をご覧ください
高業績のサービス組織は、データとAIを活用し、顧客体験を犠牲にすることなく、コストを削減しながら収益を生み出しています。
本レポートでその方法をご覧ください。
目次
1. サービス部門はコストセンターではなく、収益を生み出す存在に
企業は成長を促進し、利益を上げるための新しい方法を模索しており、その多くが顧客との接点であるサービス部門を重要な組織と捉えています。実際、意思決定者の85%は、サービスの収益貢献が今年は大きくなると予想しています。
では、どのように行動すればよいのでしょうか? 当社の調査によると、大手企業は具体的なビジネス成果につながる主要業績評価指標(KPI)を積極的に追跡しています。
実際、利益創出を目指しているサービス組織のシェアは、2018年以降ほぼ倍増し、51%から91%という驚異的な数字になりました。顧客維持を追跡しているシェアは、同期間に29ポイント上昇しました。もしこれらのKPIを意識していないのであれば、今が転機です。そうしなければ取り残されるリスクがあります。
2. セルフサービスは明らかな競争優位
セルフサービスにより、顧客は簡単な問題は解決でき、オペレーターは複雑で価値の高いやり取りに、より多くの時間を費やすことができます。
最新の調査によると、高い業績の企業は低い業績の企業よりも、ナレッジを活用したヘルプセンター、カスタマーセルフサービスポータル、AIを活用したチャットボットなどのセルフサービスツールを提供する傾向が非常に高いことがわかりました。
顧客がチャットボットとやり取りして質問に答えたり、ガイド付きジャーニーを使用して返品手続きができるようになれば、ライブエージェントはより複雑なリクエスト処理に必要な時間を確保できます。これは、スピードと品質のバランスを取るのが難しいと回答しているオペレーターの69%にとって、非常に重要なことです。
コンタクトセンター
生成AI活用の最前線
富士通の富士通Salesforceサポートデスクは、生成AIを活用してサポート業務を80%以上短縮。
導入過程で行った検証内容や、活用したテクノロジー、コンタクトセンターの生成AI活用術を紹介したガイドをご用意しています。
ぜひご覧ください。
3. コネクテッドデータがより良いカスタマーエクスペリエンスを実現
多くの企業では、データをさまざまなアプリケーションに保管しているため、すべてのチャネルで顧客の全体像を把握することは困難です。
顧客データを統合することは、カスタマージャーニー全体をエンドツーエンドで把握すること。これにより、営業、サービス、マーケティング間の継続的なフィードバックループができ、全員が同じ認識を保つことができます。
高い業績の企業の82%が、全部門で同じCRMプラットフォームを使用している理由はここにあり、わずか2年前の62%から増加しています。
分析及びIT部門リーダーの92%が、信頼できるデータの必要性はこれまで以上に高まっていると答えています。だからこそ、プライバシー、セキュリティ、信頼(英語)は、進化するAI(英語)において、すでに大きな競争力となっています。
企業は、こうしたカスタマーサービスのトレンドの一歩先を行くために、大企業は、大規模言語モデル(LLM)が機密性の高い顧客データを保持しないようにするプログラムを採用しています。
また、独自のドメイン固有モデルをトレーニングして、安全なAIクラウドにアクセスしながら、自社インフラにデータを保存している企業が増えています。これらの取り組みは、この先何年も顧客のロイヤルティと信頼を維持するために不可欠なものです。
4. 会話型AIがプロアクティブでパーソナライズされたサービスを後押し
顧客の高い期待に応えるためには、これまで以上にプロアクティブなサービスが不可欠です。
Quickbase社(英語)のSalesforce管理マネージャーであるジュール・オドネル氏は、「ビジネスへの影響が大きくなる前に、問題をプロアクティブに解決することが不可欠です。これは、サービスを拡大し、顧客がいる場所で対応するためのテクノロジーソリューションを常に最新の状態に保つことを意味します」と言っています。
当社の最新調査がそれを裏付けています。
AIを導入している企業の意思決定者の95%が、コストと時間を節約できたと回答。92%が生成AIによるより良いカスタマーサービスの提供(英語)の実現したとも回答しています。
そして、意思決定者の83%が、今後1年間でAIへの投資を増やす予定である一方で、AIテクノロジーに対する計画が全くないと答えたのはわずか6%にすぎなかったのです。
会話型AIアシスタントの導入は、こうしたメリットを可能にするイノベーションのひとつです。コンタクトセンターから現場まで、AIアシスタントが適切なタイミングで適切な情報を提供することで、プロアクティブなサービスが可能になり、ネットプロモータースコア(NPS)(英語)とロイヤルティの向上を実現します。
実際には以下のようなことが可能になります。
- メール、SMS、ライブチャット、ソーシャルメディアなど、あらゆるチャネルで、信頼できる企業知識に基づいた、パーソナライズされた適切な回答で顧客対応
- オペレーターや技術者の業務フローにシームレスに統合された生成回答を使用して、顧客の問題を迅速に解決
- 複雑なサポートケースや現場作業指示書の自動要約タスクを自律的に完了
5. AIが現場の生産性と安全性を向上
調査によると、モバイルワーカーは、革新的なフィールドサービスのテクノロジーによって、仕事の安全性と効率性が向上し、より優れたブランドアンバサダーになれると感じています。
これらのテクノロジーには、インテリジェントなスケジュール設定、ルート最適化、AIが作成したレポート、拡張現実(数秒で広範囲の詳細な3Dレンダリングを作成可能)などがあります。
こうしたテクノロジーの新たな利点のひとつは、インサイトを生み出し、作業期間を予測できることです。例えば、作業員はAIを使って資産の状態やメンテナンス・修理履歴を簡単に確認し、プロアクティブなサービスをスケジューリングしてダウンタイムを最小限に抑えることを可能にします。
顧客にもメリットがあります。インテリジェントな予約アシスタンスを利用して、顧客自身で予約したり、予約変更ができます。また、多くの顧客は、技術者がいつ到着するかを確認できるため、ドタキャンや電話の数が減り、全体的に顧客体験が向上します。
フィールドサービス業務におけるAIとデータ活用ガイド
パフォーマンスの高いフィールドサービス組織はどのように AI とデータを活用し、収益の拡大、持続可能なビジネス推進をしているのでしょうか。
従業員が最大限の能 力を発揮するための環境づくりやテクノロジー活用を紹介します。
カスタマーサービストレンドの一歩先を行く
優れた戦略は、適切な疑問から始まります。データの完全性を維持しながらイノベーションを追求するには?顧客のロイヤルティと信頼の構築方法は?コストをかけずにより迅速で効果的なカスタマーサービスを提供するには?
適切なテクノロジーは、最新のカスタマーサービストレンドに対応しながら将来に備える手助けをします。そのためには、人材、テクノロジー、プロセスを組み合わせて、より迅速で効果的なサービスを大規模に提供する必要があります。その過程でAIはあらゆる段階で支援します。
信頼性の高いAIで、サービスを刷新
Service Cloudなら、コンタクトセンターから現場派遣まで、あらゆる種類のサービスを刷新し、顧客生涯価値の向上、コストの削減、業務の効率化を達成できます。
※本記事は米国で公開された “5 Customer Service Trends You Need to Watch” の抄訳版です。本ポストの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。