※本ブログは、米国で発表したブログ「The Future of Customer Service is Here: Introducing Service Cloud Einstein」の翻訳版です。著者のMike Milburnは、SalesforceのSenior Vice Presidentで、Service Cloudを担当するGeneral Managerです。
みなさん、こんにちは。Senior Vice Presidentで、Service CloudのGeneral Managerを担当しているMike Milburnです。
AI(人工知能)がカスタマーサービスに与えるインパクトは非常に大きいものとなります。しかしこれまでのところ、カスタマーサービス分野のリーダーたちの多くが、データを解析するために必要なデータサイエンティストを十分に抱えられていないため、AIの活用に至っていないのが現状です。しかし、仮にデータサイエンティストを見つけ出して雇用できたとしたら、どうでしょうか。どのようにしてAIを展開したり、既存のカスタマーサービステクノロジースタックと統合したりすればよいのでしょうか。インテリジェントなサービスの将来性は、非常に魅力的で、いくつものすばらしいデモが作られていますが、それらは今日の企業にとっては現実味と実用性に欠け、市場で活用できるほど成熟していませんでした。
しかし、それは過去の話です。セールスフォース・ドットコムは、AIをCRMで簡単に利用できるSalesforce Einsteinを2016年9月に発表しました。Service Cloud Einsteinにより、あらゆる規模の企業が、予測性に優れ、自動化されたカスタマーサービスエクスペリエンスを展開できるようになり、従来とは全く異なる手法でAIをカスタマーサービスの第一線に導入できます。
Service Cloud Einsteinにより、規模を問わずあらゆる組織で下記のことを実現します。
- カスタマーサービスにおけるケースの迅速な解決 – 新機能のRecommended Case Classificationでは、ユーザーの履歴やトレンドをもとにケースを自動で定義することができます。たとえば、ある商品に既存の欠陥がある場合、その商品のケースとともに、問題の解決方法が自動的にサービス担当者に送られます。これは、サービス担当者の生産性や作業効率の大幅な向上につながります。さらに、迅速かつ効率性の高いエクスペリエンスを顧客に提供できる企業では、顧客満足度(CSAT)やネットプロモータースコア(NPS)、顧客努力指標(CES)の値が高くなります。
- 信頼性の高い適切な答えを提供 – Recommended Responsesという新機能では、ケースのコンテキストや履歴を活用して、推奨される答えを引き出すことができるため、顧客は個々の問題について適切な解決策をすばやく入手することができます。定型の問い合わせは自動的に処理されるため、サービス担当者は人による対応が有効な、より込み入ったケースに集中できます。また、Service Cloud Einsteinでは、適切なスキルのサービス担当者を適切なケースに適切なタイミングで割り当てることが可能になり、顧客は最初のケース対応で確実に必要なサポートを受けることができます。
- ケースの解決時間を予測してチームを強化 – 新機能のPredictive Close Timeにより、問題の解決に必要な時間を予測することで、サポートチームは作業の段取りやエスカレーション、優先順位付けが可能になります。また、機械学習により、Einsteinは時間が経つにつれてさらにスマートになるため、企業はサービス担当者の要員計画を最適化してカスタマーサービスの品質を高め、CSATやNPS、CESを向上させることができます。
Einsteinにより、機械学習、ディープラーニング、予測分析、自然言語処理、スマートデータディスカバリといった、先進のAI機能のすべてが統合され、Salesforceもお客様もよりスマートに業務を遂行することができるようになります。
特に、カスタマーサクセスプラットフォーム全体に対するEinsteinの影響力を考えたとき、Service Cloud Einsteinが実現する未来は、さらに大きな期待に満ちたものであると言えます。食洗機のようなコネクテッドデバイスが自己診断によって、フィールドサービス担当者による定期メンテナンスを判断できる様子を想像してみてください。食洗機はSalesforce IoT Cloudにつながり、パフォーマンスがモニタリングされます。IoT Cloudが問題を検知すると、それがField Service Lightningでのケース発行のトリガーとなり、食洗機の修理技術者が自動的に派遣されます。このとき、顧客やサービス担当者の関与は必要ありません。これはカスタマーサービスの未来像と言えます。驚くべきことに、Einsteinとカスタマーサクセスプラットフォームの組み合わせによって現時点で可能になっているのです。
過去5年から10年の間に、カスタマーサービスの重要性は大きく変化し、今やカスタマーエクスペリエンスが、ブランドにとっての第一の差別化要因となっています。Service Cloud Einsteinでは、あらゆる規模の企業が容易にインテリジェントなサービスを導入できるようになり、真の競争差別化要因として利用することが可能になります。
AIは、カスタマーサービスに対する今の認識を完全に塗り替えることでしょう。まさに今、Salesforce Einsteinにより、その変化は始まっています。私は、この変化を起こそうと15年以上かけて取り組んできましたが、これほど心躍る時はなかったと言えます。セールスフォース・ドットコムのお客様は今後、新しい成果を達成していくことでしょう。その瞬間を一日も早く目にしたいと思っています。