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2024年からのカスタマーサービス変革 未来を先取りする3つのキーポイント

現在、個人ごとにパーソナライズされたシンプルなカスタマーサービスを求める声が広がっています。こうしたニーズに応えるためにAIなどのテクノロジーをどのように活用するのか、現在のトレンドを分析した結果とそこから得たヒントをご紹介します。

カスタマーサービスの未来を考えるうえでまずやるべきことは、顧客が今求めているパーソナライズされた一貫性のある体験(英語)を知ることです。 

目下の課題として、企業は品質を損なうことなく、生産性向上とコスト削減を追求する必要があります。 

それは適切なテクノロジーを活用すれば実現できます。カスタマーサービスの未来を考えたとき、絶えず変化する顧客の期待に費用対効果の高い方法で応えるには、生成AIが欠かせない存在になるはずです。ここでは、2024年のカスタマーサービス戦略を作るうえで知っておくべき3つの新しいトレンドをご紹介します。

コネクテッドカスタマーの最新事情

世界各国の消費者 11,000 人と法人顧客 3,300 人への調査を元にした
• 経済の変化によって顧客の期待と行動はどのように変化したか
• 購買ライフサイクル全体で変化する顧客と企業とのつながり方とは
• 生成 AIなどの新たなテクノロジーに対する顧客の心理とは
などの最新トレンドをお届けします。

1.AIは脅威ではなくチャンス

Salesforceの調査では、サービス部門の意思決定者の45%がAIを利用していると回答しており、2020年の24%から増加しています。このように、AIはカスタマーサービスにかかせないものとして存在感を増しています。ただし、このことは半数以上の意思決定者が、依然としてカスタマーサービスにAIを導入していないということでもあります。 

では、約半数にものぼる企業においてAIが導入されない要因は何でしょうか。サービス部門の中には、AIに関するスキル不足を案じているところもあるでしょう。あるいは、AIに対する信用と信頼性の面から不安を抱いているところもあるかもしれません。さらにAIの導入には多額のインフラ投資が必要になるという懸念もあります。 

このような危惧を抱くのは無理もありません。AIほどの強力なテクノロジーを導入する場合、どの企業も慎重になるべきでしょう。ですが、ひとつ確かなことがあります。AIがすでにカスタマーサービスのあらゆる側面をつないで情報を提供し、充実したサービスを実現している、という現実です。 

このままだと、疑念や不信感を払拭できない企業が取り残されてしまうのはほぼ間違いありません。その一方、先進的な企業は安全で信頼性の高い方法でAIを活用し、これまで以上の成果を上げています。 

AIは、今後カスタマーサービスの未来をどのように変えていくのでしょうか。その一例をご紹介します。  

  • 人間とAIのコラボレーション:
    現在、少なくない企業のカスタマーサービス担当者は、AI技術やAIツールを活用して時間をかけずに正確な情報を顧客に提供し、満足度の高い顧客体験を実現しています。こうした状況を踏まえると、コンタクトセンターでは、ハイバリューサービス担当者という新しい役職が生まれることが考えられます。ハイバリューサービス担当者は、よくある日常的な問題の解決には関与するのではなく、AIの助けを借りながら、収益につながる複雑なやり取りに専念します。    
  • 従業員研修での活用:
    新しく入社した従業員の研修において、AIはますます中心的な役割を果たすようになります。近年、人材採用が顕著な課題となっているフィールドサービス(現場サービス担当)では特に重要になるでしょう。 
  • ナレッジの確立:
    先見性のある企業は、全社規模で知識を保存・共有しています。生成AIツールと自社のサービスコンソールを連携させ、顧客とのやり取りや顧客管理(CRM)データをもとにナレッジベース記事を自動生成します。生成した記事は、セルフサービスポータルで利用できます。顧客が質問の答えをすぐに確認できるようになり、検索エンジンがアンサーエンジンに進化します。   

より実用的に使いこなすためのヒント:サービス担当者がハイバリューサービス担当者に生まれ変わるためには、最新のカスタマーサービストレーニング(英語)戦略が鍵となります。従業員がAIの大きな可能性を理解し、価値のあるパートナー、親身に寄り添う協力者として優れたカスタマーサービスを提供できるようサポートしましょう。

2.フィールドサービスの進歩が最前線で働く従業員の獲得と定着をもたらす

モバイルワーカーの65%が顧客の期待という重圧を感じており、ほかのタイプのサービス担当者よりもそのように感じている人が多いことがうかがえます。また、フィールドサービスを提供する際に、スピードと品質のバランスを取るのに苦労している人は82%に上ります。こうした状況は仕事上の満足感に大きな影響を与える可能性があり、最前線の従業員の獲得、定着がこれまで以上に大きな課題になっている一因です。   

こうした課題の解決に役立つのが、適切なツールの活用です。Salesforceのデータによると、業績が高い組織で働くサービス担当者の93%が、フィールドサービス管理ソフトウェアの大きな利点または中程度の利点として「仕事上の満足感」を挙げています。 

2024年になっても、成功を収めているフィールドサービス部門は引き続きAIを活用して生産性を高め、費用削減、収益拡大を実現しながら、現場の従業員体験を向上させていくでしょう。AIは、以下のような形でカスタマーサービスの未来に貢献する可能性があります。

  • 予測的なメンテナンス:
    大きな問題が発生してから慌てて対応するよりも、デバイスを定期的にメンテナンスする方が得策です。2024年にAIがもたらす付加価値の一例として、AIが機器の状態を先回りして監視し、必要に応じて自動的にメンテナンスサービスを予約することが考えられます。AIは、必要なツール、適切な技術者、作業時間を特定する能力すらも獲得するでしょう。 
  • 作業内容のまとめ:
    どんなに複雑な作業でも、AIで現場訪問の前後に作業まとめを自動生成することによって、ミスを最小限に抑え、生産性を高めます。そのため、モバイルワーカーは短時間で問題を解決し、すぐに次の案件に移ることができます。
  • セルフサービスの豊富なオプション:
    調査によると、61%の顧客が単純な問題については顧客自身で対処するセルフサービスで処理したいと考えています。AIを活用すれば、顧客は好きなメッセージングチャネルを使って訪問サービスを予約し、進捗を確認できます。これはモバイルワーカーにとってもメリットがあります。管理業務に費やす時間が減り、現場で充実したサービスを提供することに時間をかけて取り組めるからです。

より実用的に使いこなすためのヒント:最前線で働く従業員の存在を忘れないようにしましょう。一人ひとりの顧客について、購入履歴、サービス履歴、接続機器の状況などすべての情報を与え、彼らが先を見越した生産的な対応ができるよう支援しましょう。日常業務で使うツールにAIを連携し、レスポンス生成や作業まとめなどの機能を取り入れることができます。

カスタマーサービスを一変させる生成AIの3つの用途

コンタクトセンターやコールセンターなどのカスタマーサービス部門に求められる期待値がますます膨らむ状況が続いています。カスタマーサービス部門が、生成AIを活用することでこのような状況はどう変わるのでしょう。3つのユースケースをご紹介します!

3.今後は収益を生むカスタマーサービスが最前線になり、中心になる

今後数か月で、カスタマーサービス部門はAIによる別製品・サービスの追加提案によって収益を生む組織へと転身し、営業、サービス、コマースの境界線がさらに曖昧になります。先進的な企業は、カスタマージャーニー全体を徹底して把握し、営業部門、サービス部門、社内のほかの部門の間で一貫したお客様からのフォードバックを共有する体制を形成します。 

2024年、この状況はサービス部門のリーダーにどのような影響をもたらすでしょうか。 

  • アクセスの拡大:
    カスタマーサービス担当者やフィールドサービス担当者は、顧客に関するあらゆる情報にアクセスできるようになります。その結果、それぞれの顧客の好みや購入履歴に合わせてソリューションや提案をカスタマイズすることができます。顧客の好みに合わせてAIが導き出した提案がすぐに手に入るため、サービス担当者は顧客との関係を強化し、顧客にとって価値のある存在になることができます。
  • 目標の共通統合化:
    以前から使用している営業の指標(コンバージョン率など)とカスタマーサービスの指標(解決までの時間など)は、今後も統合されていくでしょう。どの部門でも、顧客満足度、顧客ロイヤルティ、顧客生涯価値(LTV)を反映させた指標を一層重視するようになります。 
  • AIを活用したインサイト:
    顧客の行動を分析して傾向を予測し、信頼できる顧客データにもとづいて意思決定するうえで、AIはすでに大きな影響力を発揮しています。必要な情報をすぐに入手できれば、サービス担当者は、問題が起きてから対応するのではなく、予測にもとづいて支援を行い、関係構築に積極的に取り組むことができます。さまざまなチームが協力して、顧客のニーズを予測し、問題が起きる前に対策を講じれば、ロイヤルティを醸成し、収益を生む付加価値サービスが実現します。 

より実用的に使いこなすためのヒント:2024年は、テクノロジーへの投資を統合することがレジリエンス(回復力)強化の鍵になります。営業部門、サービス部門、マーケティング部門を結ぶ統合プラットフォームは、部門間の円滑なコミュニケーションやデータ共有を可能にします。導入を検討してみましょう。導入すれば、効果的なエンゲージメント、的確な問題解決、カスタマージャーニーの全体像の把握が可能になります。

Service×生成AIで変わるコンタクトセンター

コンタクトセンターの業務に生成AIを取り入れることによって、日々の業務はどのように変わるのでしょう。
ケースへの返信文章の作成や、ケース要約の作成、そしてナレッジ記事の作成など3つのユースケースを動画でご紹介します!

2024年のカスタマーサービス戦略を作る

優れた戦略の策定は、的確な問いを立てるところから始まります。どのようにデータを統合するか?顧客体験を統一するにはどうすればよいか?サービスチームがビジネスのニーズを満たしながら、変化する顧客の期待に応えるには、どのような準備が必要か? 

問いに対しどのような答えが出てきたとしても、あなたの任務は変わりません。カスタマーサービスの未来を受け入れ、顧客が求めるものを提供することです。そのためには、組織全体で人、テクノロジー、プロセスを連携し、効果的なサービスを広範囲に速やかに提供する必要があります。AIは、そのすべての過程で力を発揮することができます!

Brenda Bown
Service Cloud担当CMO

Brenda Bownは、SalesforceのService Cloud担当CMO兼情報通信、メディア、テクノロジー担当CMOです。メッセージング、市場投入戦略、キャンペーン、エクスペリエンスを担当する各チームを指揮しています。Brendaはさまざまなグローバル企業に勤務し、マーケティング分野において25年以上の経験があります。

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