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生成AIから、使える回答を得るために必要な「プロンプトエンジニアリング」

生成AIの活用でこれだ!と思える出力結果を引き出すには、プロンプト(AIへの指示文)を上手く使う必要があります。生成AIの初心者にも、熟練者にも役立つ、使いこなし術を紹介します。

※本ポストは2023年5月24日に米国で公開された“Want Better Answers From Generative AI? Write Better Prompts”の翻訳版です。本ポストの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

生成AIの登場により、メールやプレゼン資料の作成から推敲、レポートの要約、コーディング、SNSキャンペーンの企画作成、カスタマーサービスのやり取り(英語)など、さまざまなことが簡単にできるようになりました。とはいえ、誰もが生成AIを最大限に活用(英語)できているわけではありません。効果的に使えるかどうかは、生成AIに入力するプロンプト、つまり質問と指示にかかっています。生成AIが理解しやすいプロンプトを出せれば、より有用性の高い答えが返ってくるというわけです。

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この記事で学べること

生成AIと会話を生成するGenerative Pre-trained Transformer(GPT)モデル(英語)を最大限に活用するには、プロンプトエンジニアリングを実践してみることです。知りたいことについて、曖昧にではなく、生成AIモデルに細かく、具体的に情報を与えます。生成AIは、訓練を重ねることで賢さを増していきますが、人の心を読めるようにはなりません。期待する出力結果を得るには、期待していることを明快に指示するプロンプトを出す必要があります。

「GPTは、プロンプトを長くするほうがうまく機能します。プロンプト、つまりGPTへの質問は、正しいこと、そして、文脈情報を含めることが肝心です。質問が的確であれば、驚くような答えが返ってきますよ」——テクノロジーが人々の生活と社会に与える影響に注目するシンクタンク、NostaLab(英語)の社長であるJohon Nosta氏はこう話します。

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覚えておくべきこと

会話するように、具体的な言葉や説明で質問を書きましょう。プロンプトの曖昧さを取り除くほど、生成はうまくいくので、できるだけ詳しく書くことです。生成AIとのやり取りを繰り返すことで、求めている答えのさらなる掘り下げもできます。プロンプトを書くコツを列挙しておくので参考にしてください。

  • 生成AIが指示を理解できるよう、明快・簡潔に書く
  • 何を求めているのかを説明する言葉や言い回しを適切に選び、能動態で、単語を省くことなく文を組み立てる
  • 「はい」か「いいえ」で答えられる、選択回答形式の質問は避ける
  • 目的は何か、オーディエンスは誰かなど、文脈情報を含める
  • 最初の回答に対してさらに質問を返し、掘り下げていくことで求める回答に近づける

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プロンプトエンジニアリングとは

プロンプトエンジニアリングとは、GPT製品やチャットボットなどの生成AIツールから最善の答えを引き出すために、具体的な質問をしたり、詳細な情報を与えたりすること。質問やプロンプトに対して、独創的な答えを提示するように生成AIを誘導することから、「AIウィスパリング」とも呼ばれます。

個人でもビジネスでも、広く使われるようになった生成AIツール。的を射た答えを引き出すには、優れたプロンプトエンジニアリングスキルが役立ちます。質問を詳しく、具体的に書くほど、より的確な答えが返ってきます。たとえば、アルバート・アインシュタインのような著名人になりきって答えるように生成AIにリクエストして、その人物の視点で回答を得る、といった使い方もできます。生成AIは、主にインターネット上で入手可能な大量のデータから情報を取り込みますが、プロンプトを絞り込み、文脈情報を含めることで、より精度の高い、工夫をこらした答えを得ることができるでしょう。

良いAIプロンプトを書くための6つのヒント

  1. 具体的に – 単に「SNSキャンペーンを企画して」と書くのではなく、「スター・ウォーズやハリー・ポッター、マーベル・シネマティック・ユニバースなどの映画やコミックのファンに向けて、グラフィックTシャツを販売するeコマースWebサイト用に、SNSキャンペーン企画を作成して」などと書きます。
  2. 会話口調で – 生成AIが理解できない可能性がある特殊な用語やスラング、複雑な表現を避けます。コンピューターにではなく、同僚に話しかけるように書きましょう。
  3. 自由回答形式の質問を使う – 「はい」か「いいえ」で答えられる質問を避けます。詳細な情報を提供する生成AIの能力をフルに活かせなくなります。
  4. ペルソナを設定する – アルバート・アインシュタインやオプラ・ウィンフリーのような有名人、あるいは中間管理職や要求の多い顧客といった、特定のタイプの人の視点で回答するように、生成AIに指示してみましょう。
  5. オーディエンスとチャネルを定義する – Z世代または中高年のお父さん世代に向けたメッセージを書きたい場合、その情報もしっかりとプロンプトに含めます。メッセージを読むのは、TwitterやLinkedInのようなSNSなのか、ブログ、あるいは店舗のWebサイトなのか、そういった情報も与えましょう。
  6. 質問を重ねる – 最初の回答では不十分な場合は、さらに情報を得るために質問を重ねていきます。これは「思考連鎖型プロンプト(英語)」として知られている手法です。より具体的な指示通りの回答を得るために、プロンプトを分割し、1つのプロンプトから得た回答を使って、次の回答を引き出します。

適切なプロンプトエンジニアリングで、生成AIを味方に

生成AIツールは完璧ではなく、もちろん人間でもありません。会話しているようでも、実際に行っているのは、大量のデータを取り込み蓄積した機械とのやり取りです。生成AIを利用してメッセージを書いたり、キャンペーンを作成したりする際は、以下を念頭に置きましょう。

  • 生成AIの回答は、必ずしも事実にもとづいているとは限らない。答えをでっち上げることもあるので、出力結果を必ず検証する
  • 著作権に関する懸念がないか注意し、生成AIの回答が別のソースからの盗用ではないことを確認する
  • GPTはニュアンスを理解しないので、できるだけ具体的で明快なプロンプトを書く必要がある。

「(生成AIは)絶対に正しいわけではないことを理解する必要があります。これは欠陥ではなく、今のAIの現実と私は捉えています」とNosta氏は語っています。

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Ari Bendersky
寄稿者

Ari Bendersky氏は、シカゴを拠点とするライフスタイルジャーナリスト。New York Times、The Wall Street Journal、Men’s Journal、RollingStone.comなど、数多くの著名なメディアに寄稿しています。Ace HardwareからGrassroots Cannabisまで、幅広いジャンルのブランドで記事を執筆するほか、Salesforce 360 Blogにも積極的に寄稿。また、飲食業界についてパーソナリティと語り合うポッドキャスト「Overserved」の共同ホストでもあります。

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