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【アーカイブ配信】「Agentforce(エージェントフォース)×コンタクトセンター」によるCX向上と効率化の秘訣

3月中旬に開催したコンタクトセンター向けAIエージェント「Agentforce(エージェントフォース)」の活用ノウハウを共有するイベントを開催しました。オンサイトイベントでしたが、好評につきオンデマンド配信を開始しました。本記事では、その一部を紹介します。

近年、コンタクトセンターやフィールドサービスといったカスタマーサービス部門では、人手不足や対応品質の向上・均一化、問い合わせ対応の効率化など、多くの課題に直面しています。こうした課題を解決する手段として、AIエージェントの注目度が増しています

Salesforceでは、みなさんの興味・関心に応えるべく、オンサイトイベント「Agentforce Innovation Day Service」を開催しました。多くの方々にご参加いただき、満席となったセッションが続出しました。ご来場いただいたみなさん、誠にありがとうございました。

好評につき、とくに注目いただいたセッションのオンデマンド配信を開始しました。本記事では、各セッションの概要と特に印象深かったポイントを紹介します。視聴の参考にしていただければ幸いです。

Agentforceで進化するカスタマーサービスの姿を紹介

2025年3月12日に開催した「Agentforce Innovation Day Service」は1300人のお客様にご登録いただきました。人材が不足する中でも顧客ニーズは複雑化、企業では効率化への期待が高まっています。本イベントは、こうした状況にチャレンジしているカスタマーサービス部門関係者のみなさんに、現状の延長線上にはないAIエージェントという手段を紹介する内容です。

SalesforceのAIエージェント「Agentforce(エージェントフォース)」は、AIエージェントを活用することで、単なる業務の自動化でなく、まったく新しいカスタマーサービス組織の構築を実現します。本イベントでは、その基本的な機能はもちろん、最新動向や事例をご紹介し、業務効率化と顧客体験向上が両立できることを体感していただきました。

Agentforceは世界中で導入が進んでおり、日本でも多くの企業が活用を始めています。基調講演では、Agentforceがどのようなものなのか、そしてAgentforceの今後の展開をお伝えしています。

また、Agentforceを活用中の富士通とギブリーの2社を招き、顧客対応の変革をリアルな声を交えて紹介いただきました。

富士通では、Salesforceライセンスを提供するビジネスも展開しているため、その顧客対応のためのサポートデスクを運営しています。ここでは2025年1月より、Agentforceによるチャットサポートの運用を開始し、問い合わせの約15%を対応予定です。

なお、本格運用の前に実施した検証では、チャットボットおよび有人応対と比較して、平均応答時間が大幅に短縮可能であることを確認。本セッションでは、このときに使用したパイロット検証シナリオの概要も紹介しました。

一方、ギブリーは、生成AIの利活用を推進しています。活用事例として紹介するのは、Customer Experience(顧客体験)と、採用におけるCandidate Experience(候補者体験)の2つのCX。Agentforce実装において「作るのは簡単」「体験設計に工夫が必要」といったリアルな話もありました。

この2社はAIの活用を支援している立場でもあります。プロの目線で語られるAIエージェントの価値をぜひ映像で詳しくご確認ください。

【基調講演】Agentforceで拓く、新しいカスタマーサービスの未来

Pick up User Session

【日本航空】CRMデータを全社の資産に。CX向上へのアプローチ

日本航空は2016年に初めて導入したCRMが老朽化したため、刷新プロジェクトを実施。2023年に、Salesforceによる新しいCRMが稼動しました。日本国内拠点にとどまらず、海外拠点にもCRMを展開し、社内にある複数のコンタクトセンターでの情報共有のためにオペレーション・フォーマットの統一を実現しました。

そして全世界で蓄積した顧客データを活用し、問い合わせにピンポイントでセルフ解決施策を実施することで、顧客サービスが向上。同社のCRMユーザーは1700名、国内外10拠点のコンタクトセンターで対応する問い合わせは年間約300万ケースに上ります。本セッションでは、導入後の効果に加え、プロジェクト推進時に直面した課題とその克服方法について詳しくお話ししています。

例えば海外展開しているからこそ、問い合わせ履歴に入力する言語をどうするのかで意見が分かれ、生成AIの活用を見据えてデータのあるべき形を考えたといいます。また、予約システムが存在する中で、なぜCRMが必要なのかという理解を得るのも大変だったよう。ステークホルダーの多さも特徴的なプロジェクトで、リアルな苦労を語っていただきました。

【日本航空】CRMデータを全社の資産に、CX向上へのアプローチ

【三井不動産レジデンシャルリース】管理物件20%増でも増員ゼロ。コンタクトセンター効率化の秘訣

都心を中心に約9万戸の高級賃貸マンションを管理する三井不動産レジデンシャルリースでは、コンタクトセンターに情報と権限を集約することで、入居者からの問い合わせに迅速に対応できる体制にしていました。

ただし、権限金額の上限はオーナーの意向で決められており、物件ごとに異なります。その権限を記録した資料がすぐに見つけられない状況だったため、結果として期待に応えられないことがあったといいます。管理物件の増加に伴い、このようなオペレーションの生産性向上とデジタル活用が急務となっていました。

そこでSalesforceやSlackを導入した結果、管理物件が5年間で約20%増えているにもかかわらず、オペレーターを増員することなく応対品質を維持できています。

本セッションでは、Salesforceの具体的な活用方法や秘訣をお話しいただきましたが、その中で、こんなワンポイントアドバイスがありました。

「現場で発信力のある人がいらっしゃったら、ぜひこのようなイベントに一緒に参加していただき、感想を言い合ったりすることをおすすめします。難しい場合には、動画を「見ておいて」ではなく、一緒に見ましょう」。思い当たる方は、ぜひこの配信をキーパーソンと一緒にご覧ください。

【三井不動産レジデンシャルリース】管理物件20%増でも増員ゼロ。コンタクトセンター効率化の秘訣

【KINTOAIで電話・チャット対応を刷新

主に自動車のサブスクリプションサービスを提供するKINTOでは、申込数の増加に伴いコンタクトボリュームが増加していたため、リソースを増員しながらも、コスト最適化と生産性向上が求められていました。

そこで、「Service Cloud(サービスクラウド)」を導入し、音声・チャット対応それぞれの業務にAIを活用。その結果、電話対応ACW(平均後処理時間)の飛躍的な短縮を実現しました。

ただし、苦労も多く、特に経営会議で承認を得るのは大変だったようです。生成AIの精度に疑問があり、接客での適用に懐疑的。さらに、導入費用が多少高額だったこともネックになりました。音声やチャットをAIで活用するためには、チャットツール、PBX、音声認識ツールの3点もリプレイスする必要があったからです。

どのようにして経営会議で納得を得たのか。また、2か月間のPoCで成果が出なければプロジェクトが消滅するという条件下で、期待した成果が出ない状況をどう乗り越えたのか。本セッションでは、具体的に明かしていただけました。

処理に手間取っていたメンバーだけでなく、ハイパフォーマーでも改善が見られたこと、そして定性的な成果にもご注目ください。

【KINTOAIで電話・チャット対応を刷新、コールセンター戦略

【NECフィールディング & JCOM】先進企業2社が語る。フィールドサービス変革の取り組み

フィールドサービス業務には、「作業効率を向上させたいが、紙の報告書が多く非効率」「ベテラン作業員の技術をどのように継承すべきか」「顧客満足度を高めるには?」といった、さまざまな課題が存在します。

本セッションでは、「Salesforce Field Service」を活用し、作業効率の向上や自動化、ペーパーレス化など「フィールドサービス業務のDX」に成功した2社を招き、具体的な事例をもとにDXのヒントを紹介しています。

NECフィールディングは、メインの事業であるメンテナンス事業で29年間利用してきたシステムが多くの問題を抱えていたため、「Salesforce Field Service」で刷新しました。システムを止められない中でどう切り替えるのか。日中は顧客対応にあたっている2000人近くのエンジニアをどう教育するのか。そんな困難を乗り越え、スケジュール調整や現場の活動で負担が大幅に軽減されるなど、目に見える成果が出ています。

ケーブルを通じてテレビやインターネットなどのサービスを提供するJCOMでは、自社開発システムの老朽化によるさまざまな課題がありました。また、業務面を改善するシステムも必要としていました。そこで「Salesforce Field Service」にカスタマイズを施してリプレイス。その苦労とともに、こだわったシステム画面の考慮を本セッションでは紹介しています。そのかいあって、月間9000時間の労務削減、6万件の入電数削減し、担当部署の機能が様変わりしています。

【NECフィールディング & JCOM】先進企業2社が語る。フィールドサービス変革の取り組み

紹介したセッションは当日に参加した方々の満足度がいずれも高かったセッションです。ぜひ、先人の魅力的な事例、生の声をビジネスのヒントにしていただければ幸いです。

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