私たちのビジネス環境は、急速な勢いで変化し続けています。その要因の1つが、テクノロジーの進化です。特に近年、大きな影響力を持つようになったのがAI(Artificial Intelligence、人工知能) です。AIはさまざまな業界のあらゆるビジネスを変革する可能性を持っているので、これをうまく活用できる企業に大きな成長のチャンスをもたらします。
しかし現実には、変革への努力が数多く失敗に終わっています。ある調査によると、AIの取り組みの実に70%が想定通り進まず、新しいツールの導入や採用の遅れ、テクノロジー利用の障壁、新しい働き方に対する抵抗などにつながっています。多くの企業や組織のリーダーは、自社でAIをどう活用すればいいのか、確信を持って決断できる状況にはないかもしれません。その理由は多岐にわたり、「コンプライアンスに反するのではないか」といったAIそのものの存在意義や、AIによってビジネスのあり方や従業員の働き方が変化してしまうことへの不安、ビジネス現場からの抵抗感などが挙げられます。その結果「しばらく様子を見よう」という判断になりがちなのです。
しかし、全ての企業や組織はいずれ他のテクノロジーの進化と同様にAIを受け入れる時期を迎えることになるでしょう。これは企業や組織の事業活動がいまやデジタルなしに遂行できない事と同じです。まだAIの導入に踏み切れていない企業や組織もできるだけ早い時期に、自社のジャーニーに合わせた「自社に最適なAI実装」について真剣に考える必要があります。戦略的に、AI導入する可能性を想像してみてください。驚くことに79%の企業が、導入による大幅なコスト削減という結果を、すでに出し続けています。
では、次に導入においての重要なポイントやステップについてご説明します。
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AIの導入で押さえるべき重要な3つのポイント
お客様から「AIの導入・実装を成功させるには、どのようなアプローチを行うべきでしょうか。」という質問を多く頂きます。AIの導入・実装を成功させるために、私たちが考える重要なポイントを大きく3つあげてみます。
- ポイント1:まず、継続的なイノベーションが可能な柔軟性のある戦略を採用する必要があります。AIは現在も急速に進化しており、将来を予測することが困難です。そのため、あるエンドポイントを中心に計画を立てることではなく、常に変化に対応できるように多くの機会で活用するようにしておくことが求められます。
- ポイント2:次に重要なのが、人間中心の考え方を貫くことです。新しいテクノロジーは労働力の代替ではなく、あくまでも生産性向上の手段です。人が中心にいなければ、いくら優れたテクノロジーであっても、誰も報われません。
- ポイント3:これに加えて、信頼関係をきちんと構築することも重要です。新しいテクノロジーに対しては、多くの人が不安や懸念を抱きます。顧客や従業員の声に真摯に耳を傾け、透明かつ信頼できる対応を行うべきです。
また、全員参加での将来ビジョンを描くことも重要であり、そのためには、従業員が継続的に学習できる環境や、AIを自律的に活用できる自由度を提供することも必要でしょう。
AIの実装を進めていくための3つのステップ
【Step1】AI導入の「現在地」を診断する
AIを初めて導入する企業や組織のリーダーが最初に直面する課題は、「何から始めればいいのかわからない」というものです。AIは、さまざまな可能性を持つだけに、その活用の幅が大きいからです。当然ながら導入する企業や組織のビジネスモデルや業務プロセスによっても、AIの活用方法や得られるメリットは変わります。そのため、まずはAI導入に対する企業や組織の成熟度を、以下の3つの観点から、適切に診断するのが効果的でしょう。
- AIから得られるビジネス価値を見定める:
業務プロセス、顧客とのやり取り、保有しているデータ資産などを分析し、AIが最も価値を生み出せる分野を特定します。ビジネスへの影響度が大きい分野に注力することで、最適な投資効果を早期に得られます。 - AIの活用方法を可視化する:
AIを適用する分野を特定した後、目指す目標を明確化し、具体的なユースケースなどを参考にして、社内全体から知見を集め、AIが最大の効果を発揮できると考えられる説得力のあるゴールを描いていきましょう。 - 成熟度を評価する:
自社がAIを導入する準備ができているかを確認します。使用しているテクノロジーや、データ収集・活用に関するインフラの機能、従業員のスキルなどを分析し、AI導入に必要な条件とのギャップがどこにあるのか、それをどのようなソリューションで埋めていくのかを明確にします。また、これらのソリューションの導入と管理に必要なリソース、専門知識、サポート体制の有無についても把握し判断する必要があります。
【Step2】テクノロジーを実証する
AI実装を成功させるには、実行可能な計画を策定しなければなりません。実行可能性を判断するために重要な要素の1つが、テクノロジーの実証です。提案されたソリューションや技術が、既存環境に適応するかどうかを判断する必要があるでしょう。
Step1でAIを活用するユースケースを特定したら、次に、管理されたクラウド環境にAIツールを実装し、パフォーマンスやスケーラビリティ、既存システムとの統合などをテストを行います。そして、パイロットプロジェクトを走らせ、AIがどのような結果をもたらすのか、それが望ましい成果につながるのかを検証して示し、関係者の合意を取り付けます。さらに、ユースケースの妥当性を改めてチェックし、AIへの取り組みがビジネス目標に合致していることを最終確認します。
【Step3】計画を実行に移す
適切な計画やビジョンを策定することはもちろん重要ですが、それ以上に重要なのがそれらを本番で実行に移し、ビジネスを成功に導くことです。その過程では様々な「落とし穴」が待ち構えていますが、これらを克服するには、以下のような取り組みが役立ちます。
- 従業員や顧客、パートナーから意見を求め、利害関係者を巻き込む
- 計画の内容や進捗状況などを関係者で共有し、透明性を促進する
- 常に新たな洞察に耳を傾け、継続的な学習が重要という価値観を持つ
- 適切な意思決定を容易にするため、 常に十分な情報を提供し続ける
- 従業員の知識やスキル・創造性を活用、AIの潜在能力を最大限に活かす
これら3つのステップでAIの実装を進め、理想と現実のギャップを埋めることにより、企業や組織の目標を達成することが容易になるでしょう。
AIの効果はそれを活用する人のためのもの
これら3つのステップの実行を支援するために、Salesforceが2023年11月29日より、日本でもご提供を開始したのが「AI Coach」というサービスです。Salesforce Professional Servicesは、すでに20年以上にわたってお客様のビジネス変革を支援し続けており、AI活用に関してもGlobalや日本において支援を進めています。そこで得られた知見を纏め、体系化したのが「AI Coach」なのです。
このAI Coachでは、Salesforce Professional Serviceのエキスパートが、以下のようなサービスを通じてお客様のデジタル変革の早期実現を支援します。
- AIアセスメント(Readness): AIに関するビジネス面、データ面での現状評価を行います
- AIテクノロジー実証(Proof of Technology): 実機環境を用い、主要ユースケースに沿って該当するAI機能の実用性を検証します
- AI戦略プランニング(Strategic Discovery & Planning):業務要件詳細化及び実装に向けてロードマップを策定します
このサービスの基本的な考え方は、「AIの真の力はテクノロジーそのものではなく、それを活用する人々のために生み出すものである」というものです。デジタル変革のベストプラクティスを取り入れ、AIを正式なプロセスに組み込むこと。これによって企業や組織は、AI時代に継続的な成功を収めるための道を切り拓くことが可能となります。
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