営業活動に取り組む中で、新規顧客の獲得で苦戦している方が多いのではないでしょうか。
新規顧客を獲得するためには、商材への興味を引き出したり、適切なアプローチをしたりする必要があります。
本記事では、新規顧客を獲得する方法や成功させるポイントを解説します。営業に役立つツールや成功事例も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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目次
新規顧客を獲得する必要性
新規顧客の獲得は企業の成長に欠かせない取り組みです。
近年、新規顧客を獲得するコストが既存顧客の5倍かかるとする「1対5の法則」が注目され、既存顧客の維持を重要視する傾向が見られるものの、新規顧客の獲得も重要であることに変わりありません。
リピート率やサービス理解度の高い顧客を獲得するためにも新規顧客の獲得は必須で、複数の顧客が離れた場合のリスクヘッジとしても、新規顧客の獲得は力を抜く理由にはならないでしょう。
新規顧客の獲得と既存顧客の維持、どちらも同じくらい重要であるため、バランスよく取り組むことが大切です。リピーターの候補になる新規顧客を獲得しながら、顧客との両行な関係を構築し、優良顧客へと育てましょう。
リピート率を高める方法や計算方法などは以下の記事で解説しているため、あわせて参考にしてください。
▶ リピート率とは?計算方法やリピーター率との違い、上げるための施策を解説
新規顧客獲得のタイプと具体的な方法
新規顧客獲得の営業スタイルは、プッシュ型とプル型の2つに分けられます。顧客へのアプローチ方法が異なるため、違いを理解したうえでスタイルを選ぶことが大切です。
プッシュ型
プッシュ型とは、企業主体で顧客に商品・サービスを提案する営業手法です。ターゲットを絞り込んでアプローチできる一方で、急なアプローチに顧客がネガティブな印象をもつ恐れもあり、営業担当者のスキルが求められる傾向があります。
プッシュ型の具体的な手法は、以下の通りです。
- テレアポ
- 訪問営業(飛び込み営業)
- ポスティング
- ダイレクトメール(DM)
各手法の特徴を理解し、自社にあった方法で顧客にアプローチしましょう。
テレアポ
テレアポとは、テレフォン・アポイントメントの略で電話番号を取得しているターゲットに電話をかけ、商品・サービスを提案する手法です。
電話番号があれば実践できるため、アプローチするまでのハードルが低く、必要なコストも人件費と電話代のみとコストも抑えやすくなります。
ただ、突然の電話を迷惑に感じる顧客も多く、好意的な反応を得られる可能性は高くない点に注意が必要です。数をこなすのが前提であるため、担当者の負担をケアする体制が求められます。
テレアポの仕事内容や成功率を高めるポイントは以下の記事で解説しているため、ぜひ参考にしてください。
▶ テレアポの仕事とは?成功率を高める話し方のコツとトークスクリプト
訪問営業(飛び込み営業)
訪問営業(飛び込み営業)とは、ターゲットの企業や個人宅などに訪問する営業手法です。
訪問を受け入れてもらえた場合は、顧客と直接やり取りできるため、商品・サービスをより具体的に、また詳細に伝えられます。
しかし、テレアポと同様に急な訪問を嫌がる顧客が多く、提案するまでに多くのターゲットを訪問しなければいけません。訪問数を稼ぐためには時間や体力も必要になり、営業担当者の肉体的な負担を気にかける必要があります。
ポスティング
ポスティングとは、ターゲットとなる個人宅のポストに資料やチラシを投函する手法です。
投函するだけで商品・サービスの情報を届けられるため、テレアポや訪問営業よりも顧客に受け入れられやすい傾向があります。
ただし、ターゲットのエリアが広範囲にわたる場合にはコストも高くなりますし、提案内容が顧客にとって不要な場合、資料に目を通さず捨てられるリスクが高いため、自社サービスへの訴求がポスティングに適しているか検討することが重要です。
ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメール(DM)は、ターゲットに郵便やメールなどを送付してアプローチする手法です。
商品・サービスに関する情報だけではなく、クーポンやセール情報などの特典をつけられるため、内容次第で顧客の問い合わせを獲得することができます。
ダイレクトメールでアプローチするためには、顧客の連絡先を獲得しなければいけません。
まず連絡先の収集が必要になるため、実施のハードルは比較的高いといえます。
プル型
プル型とは、WebサイトやSNSなどで商品・サービスに関する情報を発信し、問い合わせを引き出す営業手法です。
顧客が商品・サービスに興味をもったタイミングで接点が生まれるため、プッシュ型よりも成約を期待しやすくなります。
一方で、問い合わせが発生するまでアプローチできないため発信内容の品質が不十分な場合、結果につながるまでに時間がかかります
プル型の主な手法は、以下の5つです。
- コンテンツマーケティング・SEO
- Web広告
- SNSマーケティング
- メールマーケティング
- プレスリリース
広告やメールなどさまざまな手法があるため、違いを正しく理解しましょう。
コンテンツマーケティング・SEO
コンテンツマーケティングとは、自社サイトやSNSなどでコンテンツを発信し、問い合わせを獲得する手法です。
商品・サービスに関する記事コンテンツを発信する場合は、検索エンジンでの上位表示を目指す「SEO(Search Engine Optimization)」に取り組む必要があります。検索キーワードに対して、検索結果上位に自社コンテンツが表示されると、顧客の流入を期待しやすくなるのがメリットです。
コンテンツが資産になり継続的な集客効果を期待できる一方で、新規顧客獲得に活用している企業が多いため、差別化が求められます。
質の高いコンテンツを継続的に発信できる体制を整えたうえで、他社とは異なる独自性のあるアプローチが必要です。
Web広告
Web広告とは、インターネット上に広告を出稿し、広告からの問い合わせを獲得する手法です。
Web広告にはさまざまな種類があり、それぞれに以下のようなメリット・デメリットがあります。
掲載される場所 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
ディスプレイ広告 | Webサイトの広告枠 | ・Webサイトを訪れるユーザーにアプローチできる ・画像や動画も出稿できる | ・購買につながりにくい |
リスティング広告 | 検索エンジンの検索 結果ページ上部 | ・検索キーワードを指定して掲載できる | ・購買につながりやすいキーワードは他社との競争が激しい |
リターゲティング広告 | Webサイト | ・自社サイトを訪れたユーザーを追跡し、別のWebサイト上で広告を表示できる ・ECの買い忘れやリピート購入を促しやすい | ・追跡が個人情報の観点から難しくなっている |
ネイティブ広告 | Webサイト | ・サイトコンテンツになじむように表示される ・広告感を与えずにクリックを促せる | ・比較的費用が高い |
動画広告 | YouTubeやSNS | ・映像で商品・サービスの魅力を伝えられる | ・動画制作にコストがかかる |
SNS広告 | SNS | ・SNSユーザーに情報を届けられる ・認知拡大やブランディングに向いている | ・クリエイティブ制作にコストがかかる |
ターゲットにあったWeb広告を出稿すれば、ピンポイントなアプローチが可能です。ユーザーのアクションはデータとして記録されるため、データを分析することで効果的なアプローチを明確にし、効率的な広告運用が行えます。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、SNSを通じてターゲットに情報発信し、商品・サービスをアピールする手法です。
SNSを利用するユーザーは年々増えているため、多くのターゲットに情報を届けられ、有益な発信や面白い発信は拡散を期待できます。魅力的なコンテンツを発信できれば、より多くのユーザーとの接点が生まれるでしょう。
拡散性の高さはネガティブに働く場合もあり、炎上のリスクに気をつけなければいけません。行き過ぎた内容は批判につながるリスクがあるため、コンテンツづくりは慎重に進める必要があります。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、ターゲットにメールを通して情報発信し、問い合わせを促す手法です。
段階的にメールを送信し、次のアクションを促すステップメール、業種や地域など一定の条件で最適化した顧客にアプローチするターゲティングメールなどの施策があります。
実施するためにメールアドレスを入手しなければいけないことや、迷惑メールと思われて開封されない恐れがある点は注意が必要です。
プレスリリース
プレスリリースとは、商品・サービスに関する情報をプレスリリースメディアで発信する手法です。
新商品の発売や既存商品のリニューアルなどの情報発信で活用されることが多く、認知度アップを期待できます。
プレスリリースをもとに記事を制作するメディアもあり、魅力的な商品であれば、より広範囲に認知が拡大されるでしょう。
ただ、メディアに掲載するためには費用が発生するため、ターゲットに適したメディアを選定することや、掲載の費用対効果を正しく見極める必要があります。
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新規顧客を獲得する4つのステップ
新規顧客獲得はすぐに顧客にアプローチするのではなく、アプローチに向けた準備からはじめることが大切です。
新規顧客の獲得は、以下のステップで進めましょう。
- ターゲットを明確に定める
- ターゲットへアプローチする
- ヒアリングを行い商材を提案する
- クロージングする
ステップごとのポイントを押さえ、新規顧客の獲得に取り組みましょう。
1.ターゲットを明確に定める
新規顧客を獲得するためには、まずアプローチするターゲットを明確化する必要があります。
自社商品・サービスを求めるターゲット像を明確にすると、アプローチに活用する媒体や提案内容などを検討しやすくなり、効果的な営業活動が行えます。
ターゲットを選定する際は、年齢や性別などの属性で顧客を分類し、確度の高い顧客の特徴を絞り込んでいきます。自社にデータが不足している場合は、アンケートやインタビューなどでユーザーの声を取り入れるのも効果的です。
2.ターゲットへアプローチする
明確なターゲットが決まったら、アプローチ方法を選定します。
プッシュ型とプル型の手法から、よりターゲットと接点をつくりやすいアプローチを選びましょう。
営業手法をひとつに絞る必要はなく、いくつか組み合わせて実践するのが効果的です。テレアポや訪問営業で直接アプローチしながら、コンテンツを発信するといった複合的な営業も検討しましょう。
3.ヒアリングを行い商材を提案する
ターゲットへのアプローチから商談化した場合は、ヒアリングを実施して顧客の課題を把握しましょう。
いきなり提案するのではなく、緊張感のある場を和ませるためのコミュニケーションや情報提供などで関係をつくることも重要です。
興味・関心が高まった段階で課題解決につながる商品・サービスの魅力を提案できれば、成約を実現できるでしょう。
4.クロージングする
商談を締めくくるためには、クロージングに持ち込む必要があります。
具体的な金額や導入フローなどを説明し、無事に受注できれば新規顧客の獲得は成功です。
新規顧客獲得を成功させる4つのポイント
新規顧客を獲得するためには、以下のポイントを実践しましょう。
- プッシュ型とプル型を併用する
- 顧客情報や営業活動の情報を共有する
- 効果測定と改善を繰り返す
- ツールを効果的に活用する
アプローチ方法や情報共有などに力を入れることで成果につながりやすくなります。ポイントを理解し、新規顧客の獲得を成功させましょう。
プッシュ型とプル型を併用する
プッシュ型とプル型はどちらか一方ではなく、併用によって効果を高められる場合があります。
たとえば、プル型のコンテンツマーケティングで問い合わせが発生した場合、プッシュ型のテレアポで詳しい説明を行えば、スムーズなアプローチが可能です。
プッシュ型とプル型のメリット・デメリットを理解したうえで、最適な組み合わせで効果的なアプローチを実現しましょう。
顧客情報や営業活動の情報を共有する
新規顧客獲得の手法はさまざまな種類があり、アプローチ手法や担当者ごとに情報が分散しないように、情報共有の体制を構築しましょう。
顧客に関する基本情報はもちろん、営業活動の進捗や確度などのデータを誰でも確認できるようにすると、アプローチに必要な情報を見つけやすくなります。
営業活動で得たノウハウや成功事例の共有も効果的で、全体によい取り組みが浸透すれば、営業組織の成長を期待できるでしょう。
以下の記事では、組織を強化するノウハウ共有について解説しているので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
▶ ノウハウ共有の方法とは?メリットや活用できるツールを紹介
効果測定と改善を繰り返す
新規顧客を獲得するためにアプローチを実施した際は、成果を記録し分析・改善を繰り返すのがポイントです。
たとえば、コンテンツマーケティングを実施している場合は、アクセス数やクリック数などの数値を測定しましょう。そもそもアクセス数が少なければ、SEOの強化やコンテンツ内容の見直しなどが必要になります。アクセス数は目標を超えているものの、問い合わせが少ない場合には、顧客のアクションを促す工夫が必要です。
アプローチによる成果をもとに現状を把握し、明らかになった課題に対して改善を続けることで、新規顧客獲得の質が高まるでしょう。
ツールを効果的に活用する
新規顧客獲得に向けた情報共有やデータ分析などは、ツールを活用して行うのがおすすめです。
ツールに顧客情報や営業活動などを記録すれば、組織で必要な情報を一元管理できます。分析機能があれば、記録した情報をもとに数値を算出でき、営業活動の改善を進めやすくなるのがメリットです。
マーケティング活動を自動化するツールもあるため、より効率的に新規顧客を獲得したい場合にもツールが役立ちます。
新規顧客獲得に役立つ3つのツール
新規顧客を獲得するために、ツールを活用するのも効果的です。営業活動の進捗を管理したり、顧客情報を共有したりすることで、精度の高いアプローチを行いやすくなります。
新規顧客獲得に役立つツールは、以下の3つです。
- CRM(顧客関係管理ツール)
- SFA(営業支援ツール)
- MA(マーケティングオートメーション)
各ツールの特徴を押さえ、営業活動の課題にあったツールを導入しましょう。
CRM(顧客関係管理ツール)
CRM(顧客関係管理ツール)は、顧客情報の管理に優れているツールです。新規顧客だけではなく、既存顧客や失注した案件なども一元管理できます。
記録したデータはリアルタイムで全体の共有され、マーケティングやカスタマーサポートなど各部門でのデータ活用が可能です。新規顧客への的確なアプローチはもちろん、既存顧客へのフォローも実施しやすくなるため、新規顧客獲得後の関係構築にも役立ちます。
CRMによる一元管理や情報共有は、営業状況を担当者しかわからない状況の解決に効果的です。誰でも顧客情報を確認できるようになり、属人化の解消につながるでしょう。
また、顧客情報の管理をデスクでしかできない状況の改善も可能で、モバイルデバイスからアクセスできるようになれば、外出先でも顧客情報の確認や登録ができます。
CRMのメリットや効果的な活用方法は以下の記事で解説しているため、あわせて参考にしてください。
手頃な価格でハイクオリティなCRMを利用したい方には、Salesforce Starterがおすすめです。
顧客情報の一元管理や案件のトラッキングなどを実現し、新規顧客への効果的なアプローチをサポートします。30日間の無料トライアルを実施しているため、まず試してみたい方は下記のフォームから気軽にお問い合わせください。
SFA(営業支援ツール)
SFA(営業支援ツール)とは、営業活動の進捗や成果などを記録し、効率的な営業活動をサポートするツールです。
営業担当者の動きや案件の進捗が可視化されるため、顧客にアプローチするタイミングを図りやすくなります。確度や見込み額を記録すれば、売上を予測できるため、迅速な経営判断にも効果的です。
管理者にとってはメンバーの活動を把握することで、フォローを行いやすくなり、営業担当者や組織のパフォーマンスを高めやすくなります。
SFAの導入は、組織全体の案件を把握できていない状況やノウハウを共有できていない状況などの解消に効果的です。案件や営業活動の把握は適切なフォローに役立つだけではなく、営業プロセスの改善やよい営業のノウハウ共有などにもつながります。
SFAのメリット・デメリットは以下の記事でまとめているため、SFAの活用を検討する前にぜひチェックしてください。
▶ SFAのメリットとデメリットを知って、効果的に使いこなそう!
MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動の自動化を実現するツールです。データの分析やカスタマージャーニーの管理、ターゲットへのメール送信などを自動化し、見込み顧客獲得から商談までのステップを効率化できます。
新規顧客獲得には多くのリソースが求められるものの、MAの自動化によって負担の軽減が可能です。
高度なデータ分析でアプローチの確度を高めたり、アプローチのヒューマンエラーを減らしたりするなど、新規顧客獲得へのさまざまな効果を期待できます。
MAは、見込み顧客が不足していたり、成約率が低かったりする営業組織との相性がよいです。各種マーケティングの自動化でリードを獲得したり、的確なアプローチで成約率を高めたりすることで、課題を解決できるでしょう。
MAの効果的な運用方法は以下の記事で解説しているため、あわせて確認しましょう。
▶ 効果的にMAを運用するには?知っておきたいMAのメリット・デメリット
新規顧客を効果的に獲得した成功事例
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以下のページで詳しい取り組みを紹介しているため、事例を詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
▶ 新規顧客開拓の基盤 Account Engagement 構築から運用まで完全内製化を実現
新規顧客を効率よく獲得しリピーターに育てよう
新規顧客の獲得は、企業に新たな収益を生み出し、企業を支える既存顧客を育成するためにも欠かせない取り組みです。
営業手法には、企業主体でアプローチするプッシュ型と問い合わせを促すプル型があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。各手法の特徴を理解したうえで、ターゲットとの相性や予算などを考慮し、最適なアプローチ方法を選びましょう。
また、的確なアプローチをするために、顧客情報の管理や効果測定にもとづいた改善も重要です。情報共有や分析に力を入れるためには、ツールを活用するとよいでしょう。
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