商談は営業活動において非常に重要なプロセスです。自社商品・サービスを紹介して成約するためには、効果的な商談が欠かせません。しかし商談は容易ではなく、適切なタイミングと最適な提案が求められます。
本記事では商談の基礎から営業との違い、基本的な流れを解説します。成功するためのコツも解説しているので、商談を成功させたい方はぜひ参考にしてみてください。
営業トーク台本のワークシート
営業活動を成功に導く5つのステップ
営業活動を成功に導く5つのステップをご紹介します。ワークシート形式になっているため、ステップに沿って自分の営業トークを作れます。
商談とは
商談とは、商営業担当者と顧客が価格や納期などの契約内容について直接相談することです。
商談の中では営業担当者が顧客の課題やニーズをヒアリングし、解決策として自社の商品やサービスを提案します。
商談の目的
商談の目的は、顧客のニーズに合った商品やサービスを提案することで取引を成立させることです。料金や納期、契約条件といった提案内容について、双方が納得のいく形で契約をします。
単なる商品説明に留まらず、顧客が抱える課題を把握して解決策を提示することで、信頼関係を築く役割も担っています。顧客の信頼を得た長期的な関係の構築も、商談の目的のひとつです。
商談と営業・打ち合わせの違いとは
商談は営業や打ち合わせとよく似ていますが、それぞれ意味や目的は異なります。
営業は商品やサービスの販売に向けたアプローチで、売り込むための広範な活動を指します。商談は営業活動の一環で、営業活動の中の契約締結に向けた具体的な話し合いをするプロセスです。
打ち合わせは、おもに契約を結んだ後の話し合いを表します。進捗状況の確認やフォローアップなど、長期的な付き合いをするために顧客をケアすることが目的です。
商談のプロセス
商談のプロセスは事前準備からアフターフォローまで、7つのステップに分けられます。
- 事前準備
- アポイントメント
- 自己紹介
- 課題やニーズのヒアリング
- 自社商品・サービスの提案
- クロージング
- アフターフォロー
各ステップでどのようなことがおこなわれるのか、事前に把握しておきましょう。
1. 事前準備
商談の成功には、ターゲットの選定や見込み客へのアプローチといった入念な事前準備が欠かせません。まずは市場調査や競合調査をしてターゲットを選定し、積極的にアプローチをしていきましょう。
商談の成功率を上げるために、状況に応じてインバウンド営業とアウトバウンド営業という2つの営業手法を使い分けましょう。
インバウンド営業とは、見込み客からのお問い合わせや資料請求をきっかけにおこなう営業活動です。反対にアウトバウンド営業は、見込み客に向けて自社から商品・サービスを売り込む営業です。
これらの営業手法を用いて見込み客へアプローチをおこない、どのようなニーズがあるか、課題を抱えているかを徹底的にリサーチしましょう。
2. アポイントメント
事前準備で見込み客を絞った後は、メールや電話で商談のアポイントメントを取ります。一方的な売り込みではなく、相手にとって価値のある話を提供できると伝えることがポイントです。
商談日程を提示するときは、複数の日時を提示しましょう。3つ程度の日時を提示しておくと、スムーズに日程を調整できます。
アポイントメントは電話でもメールでも構いませんが、電話で約束を取り付けた際はお礼と確認のメールを送りましょう。約束した商談の日時を文章に残すことで、お互いにいつでも確認ができます。日程が合わない場合や遠方で訪問が叶わない場合はオンライン商談も可能です。
3. 自己紹介
商談当日は挨拶、自己紹介から始めます。自己紹介での第一印象はこれから関係を深める上で非常に重要なため、きちんとした身だしなみや丁寧な言葉遣いを意識しましょう。名刺はすぐに交換できるように、前もって取り出しやすい位置に準備しておくのがおすすめです。
名刺交換の後はいきなり本題に入るのではなく、アイスブレイクをして話しやすい雰囲気を作るのがよいでしょう。顧客がリラックスできるような話題や共通点に触れられると、商談を円滑に進める基盤を築けます。自分自身の緊張もほぐれるので、雑談をしながら距離感を縮めていきましょう。
4. 課題やニーズのヒアリング
商談では、顧客理解が欠かせません。自己紹介や軽い会話でアイスブレイクができたら、顧客の現状や課題、ニーズをヒアリングしていきます。具体的な状況や悩みを引き出し、相手の課題や目標を把握しましょう。
自社商品やサービスをいきなり紹介してはいけません。この段階では提案をするのではなく、ヒアリングに徹します。相手が話しやすいように傾聴の姿勢を示しましょう。
課題やニーズを聞き出すことで、この後どのような提案をすればよいかの判断が可能になります。
5. 自社商品・サービスの提案
ヒアリングで明確になった課題を解決する方法として、次は自社商品・サービスを提案します。提案の際には、顧客の課題をどのように解決できるかに焦点を当てるのが重要です。
利用することでどのようなベネフィットをもたらすのか、具体的に説明しましょう。
商品の特徴や良さをアピールするだけではいけません。顧客にとっての価値がイメージしやすいように、成功事例を提示するとよいでしょう。似たような課題とそれを解決した事例があると、顧客も導入イメージがつきやすいです。
また専門用語の使用は可能な限り避け、わかりやすい言葉で説明するのもポイントです。疑問点や不安を解消しながら提案を進めていきましょう。
6. クロージング
相手に意思決定を促す重要なステップがクロージングです。成約の可否を確認するプロセスであり、タイミングが問われます。無理に契約にもっていこうとすると不信感を与えてしまうため、慎重におこなうようにしましょう。
まずは「ご提案内容に価値があると感じでいただけましたか?」「導入に関しての不安はございませんか?」といった興味の度合いを推し量るテストクロージングをして、相手の反応を伺います。
ここでいい反応があれば本番のクロージングへ進みます。顧客が前向きになれるような質問を投げかけながら、適切なタイミングを見計らいましょう。
7. アフターフォロー
商談を終えたら、お礼のメールを送りましょう。成約の有無にかかわらず感謝の連絡を入れるのがマナーです。また、メール文面には商談での協議内容やその結果、約束された次回以降の予定などを書き示してお送りすると良いでしょう。このような小さな気遣いの積み重ねが顧客との接点を築き、信頼関係の構築、顧客満足度の向上につながります。
また、今回成約に至らなかったとしても、他商品の検討といった次のビジネスチャンスが期待できるでしょう。
商談を成功に導くための5つのコツ
商談を成功させるためには、顧客のニーズを的確に把握して信頼関係を築くのが重要です。ここからは商談をより効果的に進めるための5つのコツをご紹介します。
- ヒアリングのフレームワークを活用する
- 事前にロールプレイングで練習をする
- 課題の解決を目的にする
- 顧客がイメージしやすい成功事例を用意する
- 営業支援ツールを活用する
ヒアリングの技術や事前の練習を通して、顧客にとって価値のある商談にしましょう。
ヒアリングのフレームワークを活用する
商談の際はヒアリングのフレームワークであるSPIN話法の活用が役立ちます。SPIN話法とは、以下4つの質問を通して顧客の潜在ニーズを効果的に引き出す手法です。
- S:Situation(状況質問)
- P:Problem(問題質問)
- I:Implication(示唆質問)
- N:Need-payoff(解決質問)
最初に顧客の状況を尋ね、抱える問題に焦点を当てていきます。次にその問題が放置された場合のリスクを示唆し、最終的に解決策を提案します。
これら4タイプの質問を会話の中に織り交ぜることで、顧客自身も気づいていなかった課題やニーズを認識できるようになるほか、営業担当者が提案する商品やサービスの必要性を理解しやすくなるのが利点です。
要望を聞き出せるだけでなく、商談の雰囲気作りや成約率の向上にもつながります。
事前にロールプレイングで練習をする
商談の場に慣れるには経験を積むことが重要です。いきなり商談にチャレンジするのではなく、事前にロールプレイングで実践形式のシミュレーションをおこなうとよいでしょう。
ロールプレイングでは実際の商談場面を想定し、顧客の反応を予測しながら適切な対応ができるか練習します。頭の中で練習しても、実際にやってみるとうまくいかないことは多くあります。経験豊富な上司に相手役をしてもらい、スキルやノウハウを教えてもらうと実際の商談の場面では自信をもって臨めるでしょう。
課題の解決を目的にする
商談では、成約しようと自社商品・サービスを売り込んではいけません。顧客は商品の購入ではなく、自社の問題や課題に対する解決策を求めているからです。売り込むことよりも、顧客の課題解決を目的にするのが重要です。
「売られている」感が強いと、顧客の気持ちは冷めてしまいます。まずは顧客のニーズを深く理解し、課題に即した提案をおこなうようにしましょう。
ここで覚えておきたいのが、顧客は営業側の商品の特徴やメリットといった情報をオンラインで簡単に手に入れられることです。
ネットで手に入る情報を商談で伝えるのではなく、その商品を利用することで「どのような課題を解決できるのか」「顧客が思ってもいなかったことを解決できるか」など、顧客に対するベネフィットを提示するのがコツです。
顧客がイメージしやすい成功事例を用意する
商談で相手の信頼を得るには、具体的な成功事例を用意し、提案の信頼性を高めましょう。同じような課題を抱える既存顧客の成功事例を提示するのが効果的です。
商品の特徴や良さを言葉だけで説明しても、イメージできない部分が多くあります。過去の成功事例として自社商品がどのように他社の課題を解決したかを伝えることで、顧客は具体的な成果をイメージしやすくなります。実績があるため説得力が増すのもポイントです。
自社商品・サービスを利用することでどのような結果を得られるのか、成功事例を説明し、商品の導入イメージをしてもらいましょう。
営業支援ツールを活用する
商談を成功させるためには、日ごろからの顧客管理が重要です。外回り後に発生する日報作成や顧客との細かい連絡作業に追われ、顧客の行動変化やニーズを把握できなくなると商談で効果的な提案ができません。
このようなあなたの日々のルーティン業務をサポートしてくれるのが営業支援ツールです。営業支援ツールを利用すると、顧客情報を一元管理でき、事務作業の効率化でサポートしてくれます。空いた時間で商談の準備やアフターフォローができるようになるので、顧客との信頼関係構築に向けた時間を確保できます。
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商談に気をつけたい3つのポイント
商談を効果的に進めるためには、相手とのコミュニケーションの取り方に注意が必要です。
- ヒアリングを中心に商談を進める
- 小さな合意を積み重ねる
- 商品・サービスのデメリットも伝える
クロージングにつながる会話ができるように、上記3つのポイントを押さえておきましょう。
ヒアリングを中心に商談を進める
商談では初めから自社商品・サービスを売り込んではいけません。目的は顧客の課題解決であるため、ニーズや課題のヒアリングに徹しましょう。
こちらから一方的に話を進めるのではなく、質問をしながら顧客の声に耳を傾けるのが重要です。傾聴する姿勢が信頼構築につながります。
小さな合意を積み重ねる
「小さなYesを積み重ねると本命のYesも取りやすくなる」という人間の心理テクニックがあります。これは「一貫性の法則」という人間の性質です。わたしたちはあることにコミットすると、最後まで一貫した態度を取る傾向があると言われています。
そのため、商談中こまめに確認や合意(Yes)を取りながら進行すると、最後のクロージング時には一貫性の法則から「No」と言いづらくなる傾向があります。この法則を利用し、いきなりクロージングをかけるのではなく、簡単に合意を得られそうな話題から始めるとよいでしょう。
商品・サービスのデメリットも伝える
商談においては、商品のメリットだけでなくデメリットも伝えるのがコツです。正直にデメリットを伝えることで安心感を与え、信頼関係を強化できます。
ただ、単にデメリットだけを伝えるのは危険です。デメリットだけが印象に残ってしまうと、成約から遠のいてしまいます。提示したデメリットをカバーする方法や、デメリットを上回るメリットも一緒に伝えましょう。
商談のアポイントを獲得するための効果的なメール作成はAIにお任せ
商談のアポイントを獲得するためのメール送信は、自社の第一印象を決める大切なプロセスです。効果的なメール作成には顧客のニーズや課題に合ったアプローチが求められますが、簡単に作成できるものではないでしょう。
しかしSales Cloudのセールス向け生成AI『Einstein』を活用すると、パーソナライズされたメールがワンクリックで生成できます。CRM内に蓄積された顧客情報や営業情報をもとに、相手の興味関心に沿った文章の送信が可能です。
AIが作成したメールで顧客への理解が深まると同時に、的確なセールスメールで商談数の増加が期待できます。営業担当者の自己紹介や打ち合わせの日程決め、フォローアップのメールも作成できるため、メール作成の時間短縮にも効果的です。AIによるメール作成で、商談アポイント取得の成功率を高め、効率的に商談の機会を増やしましょう。
コツを押さえて商談を成功させよう
商談とは、商品やサービスの取引に関する商売上の話し合いです。商談では顧客の課題やニーズをヒアリングしながら解決策を提案します。
商談を成功させるためには、ヒアリングのフレームワークを活用したり、ロールプレイングで練習したりするのがおすすめです。営業支援ツールを活用すると、さらなる効果が期待できるでしょう。
事前準備からクロージング、アフターフォローまで、今回ご紹介したポイントを押さえて効果的におこないましょう。
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