現在、インサイドセールスチームのSDR(Sales Development Representative)としてキャリアを積む池浦さんは社会人野球の選手として活躍後、25歳で大手人材企業の営業職へと転身した異例のキャリアの持ち主。
同社でトップセールスを記録した後、現在の上司からの誘いで「Salesforceの営業を学びたい」と転職を決めました。池浦さんが感じた、Salesforceのセールスの強みと魅力とは。生の声をご紹介します。
インサイドセールスの中でも、イベントやWebコンテンツなどを介して問い合わせなど反響があった見込み顧客に対してアプローチするセールスポジション。マーケティング部門などが獲得したリードに対して、リサーチとヒアリングをもとにSalesforceのプロダクトを活用した課題解決を提案し、商談化してフィールドセールスへ引き継ぐ。池浦さんの担当領域は従業員200名以下のSMB(中堅・中小企業)。
他社とはお客様との会話の「質」が違う
──池浦さんは社会人野球選手として活躍し、引退後は人材業界に転職するというユニークなキャリアをお持ちです。なぜ、セカンドキャリアで営業職を選んだのですか。
池浦:子供の頃からプロ野球選手を目指してずっと野球に没頭してきた中で、一つの目標に向かって努力を続ける大切さと醍醐味を味わってきました。プロを目指していましたが、力およばず引退を決意。次のキャリアを考えた時に、お金をいただくお客様に最前線で真摯に向き合える営業職に惹かれたんです。
その当時、私は25歳。営業職はもちろん、ビジネスの経験もない私を採用してくれる会社は、多くありません。リクルートを選んだのは、営業職を1から学ぶことができるのではないかと思ったことと、アスリートのように秀でたものがある人をポテンシャル採用するという方針、ご縁に恵まれたこともありました。
入社したばかりの頃はパソコンをほとんど触ったことがなくて(苦笑)。指1本で文字を入力するレベルからスタート……。そんな私が3年間でトップセールスになれたのは、現場で営業の基本をたたき込まれたからこそだと思っていて、今でも感謝しています。
──未経験なのに「3年でトップセールス」は驚きです。
野球と営業は全く違うように思えるかもしれませんが、意外に共通点があります。
野球をしていた時は「どうやったら打てるか」を常に考え、その時に克服すべき課題を洗い出し、解決策の仮説を立てて実証。一連プロセスを言語化する癖がついていました。
これはビジネスや営業も同じだろうと思い、同じようなPDCAサイクルを回すように心がけました。「最初からうまくいく人なんていない。自分が取り組んできたことをこの世界でも愚直にやろう」と続けていたら、徐々に成果を上げることができました。こうした考え方と実行力を身につけることができたのは、野球をおかげだと思います。
──2024年1月にSalesforceに移籍。約8か月が経ちました。
私は、入社してから今までインサイドセールス部門の「SDR」という組織に属しています。SDRは、インサイドセールスの中でも、「反響型インバウンドセールス」と呼ばれる職種です。
イベントや展示会、Webコンテンツなどで関心を示していただいた従業員200人以下の企業に対し、電話とメールでお客様の課題をヒアリングし、その解決に向けたSalesforceの価値をお伝えし商談化。フィールドセールス(外勤営業)に引き継ぐのが役割です。
──前職でもインサイドセールスの経験がありましたが、 Salesforceのインサイドセールスは何が違いますか。
驚いたのは、電話をかける件数です。私の1日の電話件数は40件ほど。この件数は他社のインサイドセールスと比較して非常に少ないはずです。事実、前職で私は1日120〜150件は電話していましたから。
やっていくうちに、この数の違いの理由に納得しました。会話の「質」が違うんです。前職の場合は、解決できるお客様の課題が限定的なので、提案内容も限られます。良くも悪くも話が早いので、結果的に電話の「量」が求められます。
一方でSalesforceの場合は、ご提供できる提案範囲が広くて深い。大げさではなく、どんなお客様の課題にも何らかの回答をご提案できます。
とはいえ、私にいただけるお客様の時間は長くはありません。なので、お客様のことを知り、課題を的確に把握し、仮説を立て、最適な提案を短時間で行う必要がある。ただ闇雲に電話をかけるのではなく、事前準備が重要なので、結果的に数は減るもののお客様との会話の質が上がり、インサイドセールスとしてのスキルも上がっている感触があります。
フィールドセールスではないので、お客様に認めていただいた受注の瞬間を肌で感じることはありませんが、
この1本の電話でお客様の経営や事業を変えられる、その扉を開くことができたと感じる場面が多々あります。これは、 一つのソリューションが経営に与えるインパクトが大きいSMBのお客様だからこそ、より強く感じられるやりがいかもしれません。
他者では味わえない「提案の広さと深さ」
──インサイドセールス活動の中で感じる、Salesforceのソリューションの魅力を教えてください。
1つは、先ほどお話ししたように「提案の幅が広く深い」こと。どんな業種・規模の企業でも顧客情報を生かさない企業は存在しません。そんな経営や事業にとって根幹でグローバルNo.1のソリューションを提案できることが、まず営業として大きな魅力です。
それだけでなく、今の Salesforceには連携する多様なソリューション群がありますから、どんなお客様のどんな課題にも提案ができます。ある限られた課題を解決するためだけの単一機能のクラウドを提案するのとはレベルが違います。
もう一つは「先進性」です。 Salesforceは多額の研究・開発投資を継続し、それを年3回のバージョンアップを通じてお客様に届けています。今で言えば、AIを中心に業界最先端のテクノロジーがどんどん出てくる。それはお客様に提案できる内容も増えていくことを指します。勉強するのは大変ですが(笑)、先進テクノロジーを第一線で提案できることにもやりがいを感じます。
──お客様にテクノロジーソリューションを提供する一方で、自社では先進技術をどのように使いこなしていますか。
先ほどお話したように、 Salesforceのインサイドセールスは事前準備として、お客様のビジネスの状況と業界トレンドを知ること、そして日々進化する自社のテクノロジーを学ぶことがとても重要です。
いかにリサーチを効率化して、考える時間をつくるかがカギを握ります。その点、 Salesforceはまず過去の提案内容や商談情報、事例などが体系立ててデータ化されていて、その中から自分が欲しい情報に瞬時にアクセスできるシステムが整っています。自力で探すと1日かかってしまうことを10秒で見つけ出せるような感覚を覚える時だってあります。
また、最近でいえば、AIを積極的に活用し、リードスコアリングによる優先順位の自動選定ほか、商談内容のサマリーを自動作成してくれたり、SlackのAI機能で社内コミュニケーションの要約してくれたりしてとても効率的です。
これからの時代、営業スキルを極めたいと思ったら、最新テクノロジーを使いこなせるかどうかという観点も大事になってくると思います。そういう意味でも、 Salesforceは営業スキルを底上げする環境が整っていると言えると思います。
営業のプロ組織、 Salesforceでもっと営業を極めたい
──営業スキルを底上げする環境が整っている面はテクノロジー以外にありますか。
「個」でなく「チーム」として営業力を高めている組織とカルチャーです。
Salesforceには過去20年ほどのトップセールスがどのような営業をしてきたのか、その事例やナレッジがデータ化されていて、それが極めてオープンに公開されています。学ぼうと思えばいくらでも学ぶことができる。
非常に多様で優秀なメンバーが揃っていますが、そうした人たちが自分の数字を追いかけるのではなく、組織としてどのようにハイパフォーマンスを実現するかを考え実行している。この組織力は他のテックカンパニーにはないのではないでしょうか。
カルチャーとして私が気にいっているのは、「平等」であること。営業組織は平等な機会が保たれていなければ不平・不満により組織が崩壊してしまうケースがあります。Salesforceはそうしたことは無縁で常に平等に評価され、平等に機会が与えられています。
そのほかライフワークバランスを整えやすいのも Salesforceカルチャーの魅力だと思います。ライフイベントや家庭環境を考慮したワークスタイルを個人の裁量で可能な限り実行できること。そしてそれを表層的ではなくチームとして尊重している点は非常にありがたいです。私自身、2歳の子供を育てながら働いていますが、激務で子育てができないと思うことはありません。
時短勤務をしながら数字を上げている女性もいますし、Salesforceでワークライフバランスを整えながら成果と成長を追求していくことは十分に可能だと感じています。
──今後はSalesforceでどのようなキャリアを築いていきたいとお考えですか。また、その先の将来像があればお聞かせください。
Salesforceはテクノロジーカンパニーでありながら、営業のプロ集団だとも思っています。それは入社前も入社した後も印象は変わっていません。私がSalesforceに入社したのはセールスを極めたかったから。目指しているのは商品を売るスペシャリストとしての営業ではなく、お客様に寄り添って課題を解決できるソリューションセールスのエキスパートです。
そのためにも、まずはSDRとしてさらに経験を積み、お客様の課題解決に総合的に向き合えるAE(フィールドセールスの名称)となるべくキャリアパスを歩んでいきたいと考えています。AEになったあとは活躍して、エンタープライズセールスや営業組織のマネジメント職になりたいと思っています。その後のことあまり解像度を高くイメージはできていませんが、ずっと営業には携わっていきたいです。
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取材・編集:木村剛士
執筆:村上佳代、野垣映二(ベリーマン株式会社)
撮影:株式会社LOBO