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自分の子どもがLGBTQ+だったら?を考える 「カミングアウトデーイベント」を開催

自分の子どもがLGBTQ+だったら?を考える 「カミングアウトデーイベント」を開催

10月11日は、自身の性的指向や性自認をカミングアウトしているLGBTQ+(いわゆる性的指向と性自認の多様性)コミュニティの人々を祝い、認知向上を目的とした記念日「カミングアウトデー」です。Salesforceでは「もし子どもからカミングアウトされたら、親はどうすれば良いのか」を考えるイベントを開催しました。

10月11日は、ゲイやレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーなど、自身の性的指向や性自認をカミングアウトしているLGBTQ+(いわゆる性的指向と性自認の多様性)コミュニティの人々を祝い、認知向上を目的とした記念日「カミングアウトデー」です。Salesforceではその当日、社内でLGBTQ+コミュニティをサポートするグループ「Outforce」と子育て中・未来のパパママをサポートするグループ「Parentforce」が共同で「もし子どもからカミングアウトされたら、親はどうすれば良いのか」を考えるイベントを開催。500名以上の従業員が参加しました。 「Outforce」と「Parentforce」は、当社でダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組む従業員主導のコミュニティグループで、当事者とその当事者に寄り添う存在であるAlly(アライ)で構成されています。

今回のイベントはOutforceが活動する中で話題にあがる「カミングアウト」をテーマに、Parentforceの中からあがった「もし自分の子どもがLGBTQ+だったらどう接すればいいか知りたい」という声に応える形で、開催されたものです。

外部ゲストとして、NPO法人「LGBTの家族と友人をつなぐ会」東京理事で、ご自身もLGBTQ+当事者のお子さんをお持ちの小林りょう子さんと、LGBTQ+当事者で様々なイベントでご自身の体験をお話しされているジョナサン・フィールドさんが登壇。

お子さんやご自身のカミングアウトストーリーから、親にカミングアウトする当事者の悩み、カミングアウトされた親の悩み、ご家族、親としてサポートできることなどについて、お話しいただきました。

今回はその対談の一部を、ご紹介します。

自分の子どもがLGBTQ+だと思ったとき、どう接したらいい?

ジョナサンさん:まず、自分の子どもがLGBTQ+かもしれないと思ったときに、どのように接したらいいか考えてみたいと思います。「そうかな?」と思っても、そうじゃなかった場合は、押し付けになってしまうし、あまり唐突に話を聞くのもよくないですよね。

小林さん:そうですね。たとえ子どもがLGBTQ+であっても、それは子ども自身が直面している問題であって、親が抱える問題ではないんですよね。だから根堀り葉掘り「もしかしてあなたそうなの?」って聞くのはどうかなと思いますね。ましてや思春期は“ゆらぐ時期”じゃないですか。「こうじゃないの?」といわれてしまうと「そうなのかな」と思い込んでしまうこともあると思うんです。

ただ、調子が悪そうだなと感じるときには「なにか悩んでいることはない? 私はあなたのそばにいるからね」と声をかけて寄り添うことは大切です。普段から「あなたの味方よ」という姿勢で接していることで、悩みを相談しやすくなると思います。

ジョナサンさん:カミングアウトするしない以前に、普段からいろいろなことを話し合える家族であることが大切ですよね。

小林さん:そうですね。当事者からよく「カミングアウトしたけど失敗しちゃった」って話を聞くけれど「そもそもあなたはいつも家族とコミュニケーションをとれてたの?」と思うことも多いです。普段「おはよう」もろくに言わないのに、突然カミングアウトしても親はびっくりするだけだよねって。常日頃からしっかりコミュニケーションをとっていたら、最初はびっくりされたとしても、「あ、そうなのね。それなら」って会話を続けて、一緒に考えることができるはずです。

カミングアウトは「命のバトンを渡す」こと

ジョナサンさん:ちなみに僕自身は親に自分のセクシュアリティについて話せてよかったなと感じているんですが、一方でカミングアウトすることで、関係が崩れてしまうことがあるかもしれないですよね。僕の場合は、運が良くて家族も職場も理解してくれたから良かったですが。

小林さん:確かに、まだまだ理解が不足している組織や学校もありますよね。実は、「カミングアウトしている子どもが進路相談をした際、学校の先生からかたぎの仕事につけないぞ、と言われた」なんてことがまだまだあるんです。今この世の中でもそんなことを言う先生がいるのは、とても残念ですよね。

ジョナサンさん:そういう世の中を変えていくにはどうしたらいいのでしょう?

小林さん:それはもう、みなさん一人ひとりの力ですよ。カミングアウトできない当事者もいるだろうし、カミングアウトするしないは当事者の自由でいいのだけれど、、Allyの存在が目に見える形になっていくと大きな力になると思うんです。陰で応援するのではなくて「私はあなたの側にいます」「あなたに寄り添うことができます」というパフォーマンスができるといいのかなと思っています。でもなかなか難しいですよね。

ジョナサンさん:僕の経験から言えば、僕自身のセクシュアリティについて打ち明けていない人の中にも、話し方や質問の仕方で「オープンに話せるな」と安心できる人はいます。例えば恋人について尋ねるときに「彼女は?」じゃなく「パートナーは?」とか「恋人は?」って聞き方をしてくれるとか。

小林さん:そういうちょっとしたことが大事なんですよね。カミングアウトのことを私たちは「命のバトンを渡す」って言い方をするんです。2015年に、一橋大学法科大学院の学生がアウティング(本人の了解を得ずに性的指向や性同一性等の秘密を暴露する行為)され、自死してしまうという悲しいニュースがありましたよね。

実は、カミングアウトされたことがある人の中には、すごく気分が重たくなったとおっしゃる方もいるんです。確かにびっくりするのかもしれないですが。でもカミングアウトってすごく信頼していなければできないことだから、受け取った方は「自分のことを信頼してくれてたんだ」と喜んでほしいと思うんです。それでもやっぱり重いと思ったときは、ちゃんと口に出した方がいいです。「私は何をしたらいいの?」と返事をしたら、当事者は「あなたのことを信頼しているからどうしても話したくなってしまったんだけれど…」という風に会話がつながっていくと思うんです。ただびっくりして「わかったよ」って言うんじゃなくて、わからないことは何でも聞いた方がいいじゃないかなって思います。

自分の子どもからカミングアウトされたら?参加者へのアドバイス

小林さん:「子どもからカミングアウトをされた場合は、『今何に困っているのか』をきちんと聞くべきです。それが学校生活に関わることなら、担任の先生や校長先生に事情を説明し、『こういう風にしていただけたら子どもは学校に行きやすくなるんです』と話すのがいいと思います。その際、必ず事前に子どもの許可をもらうようにしましょう。くれぐれも親が先走って、勝手に誰かに話すことのないように。どうしても学校が協力的ではない場合は、いろいろな専門機関があるので、相談してみるのも一つの手かなと思います。

対談の後半、参加者からの質問に答える形で小林さん、ジョナサンさんの二人が参加者に向けてアドバイスを送ってくれました。

小林さん:みなさんのお子さんがどんな性自認やセクシュアリティでも、自分の人生ややりたいことを諦めない人に育ってもらいたいです。

ジョナサンさん:LGBTQ+というのは、その人の個性のほんの一部分。それ以外の人間らしさを知って接してほしいです。

Allyとして今すぐできることって?

小林さん、ジョナサンさんの対談の後、「Outforce」が、LGBTQ+当事者に寄り添う存在であるAllyとしてできる、3つのポイントを紹介し、イベントを締めくくりました。

① イベントについて身近な人に話してみましょう
② LGBTQ+について学んでみましょう
③ もしカミングアウトされたらどうする? ぜひ一度想像してみてください

「カミングアウトデー 」をきっかけに、改めてLGBTQ+について考える機会を持つことができたこの日、参加した従業員からはからもたくさんのポジティブな感想が集まりました。

  • 「涙が出ました。何があっても受け入れる度量が親には必要ですね」
  • 「子どもの悩み事はオープンクエスチョンで聴ける関係を維持したいです」
  • 「小林さんが、『自分の世代は性教育などの情報がなかったけど、今の時代学ぼうとすればいくらでも学べる』とおっしゃているのが印象的で、自分でも学び続けたいと思いました」
  • 「身近なところで『彼女は?』『奥さんは?』→『パートナーは?』と変えていきたいと思います。アライならアライと表明してSNSなどでもアップしてます!!」
  • 「もし子供にカミングアウトされたとしても、その子は変わりない存在なので受け止め方は変わらないと思いますが、生きていく中で制限されたり不自由な想いをしないようサポートしていきたいです」
  • 「このようなセッションを通じて、世の中(特に日本)でLBGTQ+の正しい情報が発信され、人々が受容できるようになると良いなと感じました」

Salesforceでは、誰もが平等に、自分らしく働ける社会の実現をめざして、社内外で、さまざまな取り組みを行っています。今年11月には同性パートナーシップならびに任意後見制度を利用する従業員への福利厚生制度「パートナーシップ制度」と、従業員のジェンダーアファメーション(性自認の確認と肯定)の道のりをサポートするための福利厚生制度「ジェンダーインクルーシブベネフィット」を導入することを発表しました。(詳しくはこちら

また先日開催されたSalesforceのイベントSalesforce Success Anywhere World Tour では、LGBTQ+ という言葉が広く認知される前から活動されているはるな愛氏、企業の観点からインクルーシブな環境作りを行っている、大日本住友製薬の村上知子氏をお招きし、インクルーシブな企業に変革し、多様な人材を活用して企業競争力を高めていくためのポイントについてお話しいただきました。見逃してしまった方はぜひ、オンデマンド配信をご覧ください。

平等に関する当社の考え方や、取り組み内容についてはこちらのページをご覧ください。またこれを機に、LGBTQ+についてもっと理解を深めたい、という方はぜひ、無料の学習体験ツールTrailheadをご活用ください。

Salesforceの公式アカウントでは、定期的に当社の平等への取り組みを発信しています。ぜひフォローして、チェックしてみてください。Twitterはこちら。Instagramはこちら

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