CRM戦略では、顧客との関係性を管理して継続的な取引を目指します。効果的に活用できると、リピーターから安定的な利益が得られる戦略です。
しかし、戦略のポイントを理解しておかないと、思ったような効果をあげられない可能性もあります。
本記事では、CRM戦略を成功に導く6つの策定手順や事例をわかりやすく解説します。CRM戦略に役立つツールの選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CRMでビジネスを成長させる方法
CRMが必要な企業の特徴やビジネスに役立つ理由、CRM戦略の立て方から自社に適切なCRMの見極め方まで、CRMを最大限活用するためのポイントを余すところなくご紹介します。
目次
CRM戦略とは?
CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、「顧客関係管理」と訳されます。
自社と顧客との関係性を管理することにより、お互いの関係を良好に保ちながら安定的な売上につなげようという考え方です。
このCRMの概念を基礎として構築される戦略をCRM戦略と呼びます。
モノやサービスが溢れている現代では、競合への乗り換えによる売上減少のリスクが避けられません。そのため、CRM戦略を立案して、顧客が継続して購入してくれる施策を模索する必要があります。
CRMとSFAとの違い
CRMとSFAの違いは、目的や情報管理の軸です。
CRM | SFA | |
---|---|---|
目的 | 顧客との関係構築 | 顧客の獲得 |
情報管理の軸 | 顧客ごと | 商談・案件ごと |
SFAとは「Sales Force Automation」の略称で「営業支援システム」と訳されます。商談の進捗状況や成約確度など、営業業務に関するあらゆるデータを管理できます。
CRMとSFAはともに顧客管理機能をもち、営業活動で使用されるため混同されやすいツールです。しかし、両者が得意とする領域は異なるため、適材適所で使い分ける必要があります。
CRMとSFAの活用方法や効果的な連携方法について気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
CRMを活用した戦略的施策と活動
CRM戦略のもとで行われる施策や活動は、リピーター戦略です。
CRMを活用した施策を立案するためには、顧客情報を収集してツールで管理する必要があります。収集する顧客情報には、以下のようなものがあります。
- 顧客自身の情報
- 商品の購買履歴
- 購買の累計額
- 商談件数や内容
- 契約の成否
収集した顧客情報を必要に応じて抽出・分析し、顧客との関係を深める過程の課題を洗い出すと、打つべき施策の方向性が定まるわけです。顧客情報の分析から導き出した施策は、結果を検証すると新たな課題の発見に役立ちます。
顧客との関係を確実に深めていくためには、施策の立案と検証を繰り返す活動が重要です。
CRM戦略が必要とされる3つの理由
CRM戦略が必要とされる理由は、以下の3つです。
- リピーターを育成するため
- 他社と差別化するため
- コスト削減と作業効率化のため
他社との競争に打ち勝ち、安定した収益が得られるように、それぞれ詳しく見ていきましょう。
リピーターを育成するため
顧客の潜在的なニーズを掴めるCRM戦略を導入すると、顧客が望む価値提供によってリピーターの育成を促進できます。
リピーターは、自社のブランドイメージや商品・サービスを気に入って、定期的に購入してくれる存在です。また、すでに自社商品の価値を認めてくれているので、クロスセルやアップセルにつながりやすく、LTV(顧客生涯価値)の向上も見込めます。。
新規顧客の獲得は、リピーターの維持と比べると大きなコストがかかるため、ビジネスの分野に関係なくリピーターの育成は重要な課題のひとつです。
他社と差別化するため
CRM戦略の導入は、商品・サービスの品質や機能だけを比較した差別化からの脱却に効果的です。
新たな商品・サービスが次々と登場する環境では、競合他社との差別化は難しくなってきています。また、インターネットやスマートフォンの普及によって、顧客の行動もWebサイトやアプリ、SNSなど多様化しているのが現状です。
そのため、他社との差別化を強化するためには、CRM戦略によって顧客の深層的なニーズを知り、購買体験の工夫やタッチポイントの最適化が求めらます。
コスト削減と作業効率化のため
CRM戦略は、顧客をセグメントごとに分類してアプローチできるため、コスト削減や作業の効率化に効果的です。
たとえば、購入頻度の高い顧客と低い顧客によってマーケティング施策を最適化すると、無駄な広告費の削減につながります。また、顧客情報の一元管理によって情報共有を円滑に進めると、担当者に限らず顧客に対応できるため、営業活動の効率化に有効です。
セグメントごとのマーケティングによるコスト削減や、情報の一元管理による営業活動の効率化によって、CRM戦略は企業全体の生産性向上に貢献します。
CRM戦略を導入する4つのメリット
CRM戦略を導入するメリットは、以下の4つです。
- 顧客に合わせたアプローチができる
- LTV(顧客満足度)を高められる
- データを基準にしたビジネスができる
- 蓄積したデータをマーケティング戦略に活かせる
CRM戦略の効果を最大化できるように、順番に詳しく解説します。
顧客に合わせたアプローチができる
CRM戦略の導入によって、顧客ごとのニーズや嗜好、購買履歴にあわせたアプローチが可能です。たとえば、購買履歴をもとに配信するフォローメールや検討段階の顧客に送るリマインドメールなど、顧客の購買意欲を後押しするアプローチが挙げられます。
また、収集した顧客情報を商品・サービスに落とし込むと、顧客のニーズにフィットした課題解決によって、自社のブランドイメージ向上にも効果的です。
LTV(顧客満足度)を高められる
CRM戦略によって顧客の潜在的なニーズに応えると、LTV(顧客満足度)の向上につながります。
LTVとは「Life Time Value」の略称で、ある顧客が取引開始から終了するまでに自社にもたらす利益の総額のことです。CRM戦略によって既存顧客をリピーター化すると、LTVの最大化を期待できます。
たとえば、購買履歴に合わせたクーポンの配布や顧客情報に合わせたアフターサポートなど、顧客ごとにパーソナライズした対応が効果的です。
LTVの重要性や向上させるポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
データを基準にしたビジネスができる
CRM戦略の導入によって、データにもとづいた戦略的な意思決定が可能です。たとえば、顧客からのフィードバックを製品開発に活かすと、開発者の経験や感覚に依存しない顧客目線の企画立案に役立ちます。
また、購買データから得られた数値をもとに顧客とのコミュニケーションを改善すると、コンバージョン率の向上にも効果的です。
CRM戦略によって顧客ごとに収集したデータの抽出・分析は、顧客の潜在的なニーズに対するマーケティング手法や顧客対応の最適化につながり、確実性が高い営業活動の基盤となります。
蓄積したデータをマーケティング戦略に活かせる
CRM戦略によって蓄積された顧客情報は、マーケティング戦略の立案にも活用できます。具体的に活用できるデータは、以下のとおりです。
- 顧客の基本情報
- 購買履歴
- クリック履歴などの行動データ
- カスタマーサポートへの問い合わせ履歴 など
インターネットやスマートフォンの普及により、顧客の興味や関心、ニーズは複雑になっています。そのため、CRMで収集した膨大な顧客情報は、顧客の目に留まり選んでもらうマーケティング戦略の立案に効果的です。
マーケティング戦略の策定手順やフレームワークについて気になる方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
最新のマーケティング事情をご覧ください
世界各国約5,000人のマーケターから得たインサイトから、AI、データ、パーソナライズのトレンドを探ります。
CRM戦略策定の手順6ステップ
CRM戦略策定の手順は、以下の6ステップです。
- 目標・目的を設定する
- 目標・目的に応じたKPIを設定する
- 顧客のセグメンテーションを明確にする
- 顧客ニーズに合わせたアクションを立案する
- 施策や行動の優先順位をつける
- PDCAを回して改善する
効果の高いCRM戦略を策定できるように、6つのステップを押さえておきましょう。
1.目標・目的を設定する
はじめに、CRM戦略によって解決したい課題や達成したい事項を明確にして、目標・目的を設定しましょう。目的があいまいなままCRM戦略を実施してしまうと、行動基準が定まらずに、結果として時間と労力が無駄になりかねません。
たとえば、リピーターを育成する場合でも、優良顧客に対するアップセル・クロスセルを強化したいのか、休眠顧客を掘り起こして復活させたいのかによって取り組むべき施策は異なります。
また、目的が定まると部署間の連携強化にも役立ちます。足並みを揃えて行動するためにも、目標・目的の設定が大切です。
2.目標・目的に応じたKPIを設定する
設定した目標・目的に応じて、適切なKPIを設定しましょう。KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、目標達成までのプロセスにおける達成度を表し、最終的な目標達成を判断する基準にもなります。
KPIに設定する主な指標は、以下のとおりです。
- 1回あたりの購入額
- リピート率
- 購入頻度
- 返品率 など
関連の深い指標をいくつか設定しておき、施策の結果と数値の動きをチェックしていきます。仮に成果が表れていない、あるいは十分でない場合は、その要因を突きとめて次の施策へとつなげます。
KPIの設定方法や管理のコツについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
3.顧客のセグメンテーションを明確にする
戦略を立てるにあたって、対象とする顧客層を抽出するためにセグメント化を行います。
セグメント化とは、顧客のニーズや属性にもとづいてグループ分けすることです。特定のニーズや特性を明確にして、顧客エンゲージメントを高めるマーケティング戦略の土台になります。
セグメンテーションで用いる代表的な変数は、以下のとおりです。
- 地理的変数
- 人口動態変数
- 心理的変数
- 行動変数
目的や目標に合わせて、施策対象とする顧客層の条件を設定し、顧客をセグメンテーションしておきましょう。
セグメンテーションの方法や活用事例については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、あわせてご覧ください。
4.顧客ニーズに合わせたアクションを立案する
セグメンテーションによってターゲット層を明確にできたら、ニーズに合わせたアクションを立案します。
顧客理解を深めるためにデータ分析だけで不十分なときは、アンケート調査の実施も効果的です。また、顧客行動の多様化にともなって、WebメディアやSNSの使用傾向を理解し、顧客に合わせたアプローチ方法の選択も重要になります。
調査した顧客ニーズに合わせた情報提供方法を選択すると、購買率の向上につながるアクションの立案が可能です。
5.施策や行動の優先順位をつける
顧客ニーズに合わせたアクションを立案できたら、優先順位をつけて成果を望めるものから対応していきましょう。たとえば、新規顧客の獲得に高額な費用をかけるよりも、過去に購買履歴のある顧客へのアプローチを強化したほうが、売上につながる可能性が高くなります。
そのため、既存顧客のリピート率向上を図る施策から優先して実施する選択肢もあるでしょう。
また、短期で効果が表れるものや長期の継続が必要なものなど、時間軸に左右される場合もあります。
自社の状況に合わせて、立案したアクションに優先順位をつけることが重要です。
6.PDCAを回して改善する
CRM戦略の成功の鍵は、PDCAサイクルを効果的に回し続けることです。
計画段階で設定したKPIを定期的に分析して、戦略の成果を客観的に評価します。期待通りの成果が得られない場合は、CRM戦略自体の見直しやKPI設定の修正が必要です。
CRM戦略は短期間での結果を期待するものではなく、中長期的な視野での運用によって効果が得られます。PDCAサイクルの繰り返しによる継続的な改善を通じて、戦略の最適化を図ることが重要です。
PDCAサイクルの運用のコツや事例に興味がある方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
Salesforceの導入によるCRM戦略の成功事例
実際にSalesforceを導入した企業のCRM戦略の成功事例を紹介します。
- 顧客情報の一元管理でCXを向上
- 仕組みの確立で年間売上3倍を達成
- 御用聞き営業から論理的な営業スタイルの確立
- インサイトを把握して顧客接点数や取引量を倍増
業界も事業内容も異なりますが、成功事例をもとに自社のCRM戦略の参考にしてみてください。
顧客情報の一元管理でCXを向上
会社名:NTTコミュニケーションズ株式会社
事業内容:ICTサービス・ソリューション事業、国際通信事業
NTTコミュニケーションズ株式会社は、NTTドコモおよびNTTコムウェアとの事業統合の際に、それぞれ導入していたSalesforceの統合に課題を抱えていました。
3社のSalesforceを統合してCXの最大化を図るべく、以下のような改善策を講じています。
- グループ全体から意見や要望を吸い上げ、Saleseforceの標準機能で全体を最適化
- 営業パイプラインのデータだけでなく、商談の提案内容や顧客のサービス利用状況などの情報を一元管理
- 顧客との接点における情報を1枚のカルテのようにまとめたアカウントスコアカードの作成
- データドリブン文化を定着させるため、定期的なデータ入力をルール化
- Salesforceの定着化を図るための勉強会やレポートの共有
その結果、データ入力をしなかった従業員も、定期的にデータ入力を行う環境が整いました。
あらゆる顧客接点の情報を一元的に可視化することにより、CXの向上を実現しています。
仕組みの確立で年間売上3倍を達成
会社名:株式会社トヨックス
事業内容:ホース、継ぎ手の製造・販売事業
株式会社トヨックスは、全社に散在するデータベースを一元化し、フリーダイヤルに寄せられた顧客の声を蓄積するためにSalesforceを導入しています。
Salesforce導入により、社内に散在していた顧客データベースを統合し、営業現場でデータ更新できる仕組みが確立されました。そのため、企画部門が顧客データをメンテナンスする必要がなくなり、配送物の作業時間を3分の1まで削減しています。
また、顧客からの要望や問い合わせを分析して、Marketing Cloud Account Engagementを活用した情報発信の実施によって、顧客との関係を深めて年間の売上3倍を達成しています。
御用聞き営業から論理的な営業スタイルの確立
会社名:株式会社イビコン
事業内容:コンクリート二次製品の提案・開発・製造事業
株式会社イビコンは、属人的な御用聞きの営業スタイルから脱却のためにSalesforceを導入しました。
Salesforce導入にともなって、Marketing Cloud Account Engagementを活用した「お役立ち情報」や「課題解決方法」のメールマガジンの配信によって、問い合わせ件数を5〜10倍に伸ばしています。
また、カスタマージャーニーに着目した営業組織の再編により、マーケティングとインサイドセールスでクロージングできる商談が7割に上るほど、商談の効率化に成功しています。
インサイトを把握して顧客接点数や取引量を倍増
会社名:株式会社TalentX
事業内容:人材サービス事業
株式会社TalentXでは、もともと営業システムの基盤としてSales CloudとSlackを導入していました。しかし、MAツールは他社製品を利用していたため、システム連携の制限や互換性の悪さに課題を抱え、顧客増加にともなう関連業務の拡大に対応できなくなっていました。
MAツールをMarketing Cloud Account Engagementに変更することで、マーケティングからカスタマーサクセスまでをシームレスに管理し、業務フローのスムーズな連携に成功しています。
また、Salesforceにツールを統一することで、顧客の検討度合いを見極め、適切なチャネルを使用したアプローチによって取引量を約2倍まで拡大しています。
CRM戦略に失敗しないCRMツールの導入方法
CRM戦略に失敗しないCRMツールの導入方法は、以下のとおりです。
- 自社のニーズに合ったCRMツールを選ぶ
- 事前に導入プランを作成する
- 蓄積したデータを分析・活用する
- ほかのツールとの連携も視野に入れる
CRM戦略を推進するためには、顧客情報を一元管理できるCRMツールが不可欠です。導入して後悔しないために、それぞれ確認しておきましょう。
なお、CRMの導入に失敗した事例や理由について気になる方は、以下の記事も参考にしてください。
自社のニーズに合ったCRMツールを選ぶ
CRMツールにはさまざまな機能があるため、自社の目的に合ったツールを選ぶ必要があります。たとえば、自社の課題がマーケティングの強化なのか、顧客管理の効率化なのかによっても求める機能は異なります。
また、CRMは搭載される機能によってコストが大幅に変わるツールです。そのため、必要以上に高額なCRMを導入してしまう可能性もあります。
自社に最適なツールを選ぶためには、他社での導入事例を参考にしつつ、いくつか無料トライアルで体験してみると効果的です。
事前に導入プランを作成する
CRMツールの効果を得るためには、適切に運用する必要があります。そのため、導入前に、運用する人や発生する業務を明確にしておきましょう。
新しいツールの導入は負担と捉えられやすいため、CRMの利用を前提としたワークフローの作成や社内の勉強会などを通じて、運用を促すことも効果的です。
導入後に未使用の状態を避けるためにも、運用につながる導入プランを事前に作成しておきましょう。
蓄積したデータを分析・活用する
CRMは、蓄積したデータをさまざまな形で抽出・分析し、活用してこそ効果を発揮します。
CRMで蓄積したデータを活用した例は、以下のとおりです。
- ダイレクトメールの配信
- データ分析による戦略立案
- 顧客への提案機会の発掘
- 顧客の解約阻止
また、蓄積したデータを戦略ごとに取捨選択する判断力を身につける必要があります。
自社にとって価値のあるデータを明らかにしたうえで、適切に蓄積したデータを活用できる体制を整えましょう。
ほかのツールとの連携も視野に入れる
CRMツールの中には拡張性の高い製品もあり、ほかのツールとの連携を前提に設計されている場合もあります。
CRMと連携できる代表的なツールは、以下のとおりです。
- MAツール
- SFAツール
- カスタマーサポートツール
CRMを起点としてデータを連携すると、社内に分散している情報をひとつなぎに管理できます。そのため、導入するCRMが、社内のツールと連携できるかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。
CRMにデータ連携するメリットや注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
CRM戦略を成功に導くなら「Sales Cloud」がおすすめ
CRM戦略を成功に導くなら、カスタマイズ性に優れたSaleseforceの「Sales Cloud」がおすすめです。
Saleseforceの「Sales Cloud」は、世界中で導入されているAI搭載型のCRMです。入力項目やページレイアウトまで自由にカスタマイズできるため、会社の規模に関係なく、自社のニーズにあわせて利用できます。
また、蓄積したデータを学習したAIによって、見込み顧客の評価や売上予測などを自動化し、営業活動の効率化に役立ちます。
まずはデモ動画を視聴し「Sales Cloud」の導入を検討してみてください。
Sales Cloud デモ動画
世界シェアNo.1のAI搭載CRMプラットフォームSales Cloudを活用することで時間や場所にとらわれず、売上げの最大化と新しい働き方を実現します。
CRM戦略に役立つCRMツールの機能3選
CRM戦略に役立つCRMツールの機能は、以下の3つです。
- 顧客情報管理
- 案件管理
- データ分析
順番に見ていきましょう。
顧客情報管理
CRMツールでは、顧客の基本情報だけではなく、行動履歴や問い合わせ履歴など幅広い情報を紐づけて管理可能です。また、顧客情報の入力方法や管理方法を社内で統一できるため、細かなルールを設けなくても容易に正しいデータを蓄積できます。
最初の顧客接点から蓄積された情報は、さまざまな切り口で抽出・分析してCRM戦略の立案に役立ちます。
顧客情報を活用するポイントや管理方法について興味のある方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
案件管理
CRMツールは顧客情報の管理に優れているため、顧客ごとの案件管理にも役立ちます。顧客に関わる情報を一元管理する仕組みから、他部署・部門との連携も容易に図れる点がメリットです。
ただし、正確にデータを蓄積するためには、案件情報をこまめに入力・更新する必要があります。案件管理を適切に実行する体制を整えて、既存顧客へのフォローや新規顧客へのアプローチに対するCRM戦略の効果を高めましょう。
案件管理の方法やメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
データ分析
CRMツールの導入は、顧客情報をもとにしたマーケティングのデータ分析に役立ちます。
たとえば、CRMでは、顧客の購入頻度から次回の購入時期の推測が可能です。そのため、データからリピート購入に向けた施策を立案できます。
また、同じセグメントの顧客に売れている商品を特定して、クロスセルによる売上につなげられます。
CRMで収集したデータの分析・活用は、業績を伸ばすCRM戦略の立案に効果的です。
データ分析の基本や手法については、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はあわせて参考にしてください。
CRM戦略はAI搭載ツールで効率化できる
CRM戦略は、AI搭載ツールの導入によって、繰り返し行う作業や売上予測などを自動化して営業効率を高めます。Saleseforceの「Einstein AI」なら、予測AIと生成AIを駆使して、CRMに蓄積された顧客情報を営業サイクル全体で有効に活用できます。
それぞれのAIでできる具体例は、以下のとおりです。
生成AI | ・CRMデータをもとにメールを自動作成 ・取引先と見込み客の自動調査 |
予測AI | ・関連する営業活動にもとづいた最優先案件の選定 ・蓄積したCRMデータによる売上予測 |
また、AIはデータ分析にもとづく意思決定を支援してくれるため、専門知識がなくても精度の高い分析結果を入手できます。
Saleseforceの「Einstein AI」については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
CRM戦略はツールを導入して効率よく実行しよう
CRM戦略は、自社と顧客との関係を深めて安定的な収益を目指す戦略です。モノやサービスが溢れる現代では、競合への乗り換えによる売上の減少を防ぐ効果があります。
しかし、CRM戦略を実行するには膨大な顧客情報の蓄積と分析が必要です。データには正確性が求められるため、CRMツールの使用を検討してみましょう。
Salesforseでは、お客様の課題やニーズに合わせてカスタマイズできる製品を多数取り揃えています。自社の運用に最適なCRMツールをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。
ご相談・お問い合わせ
Salesforseの製品、価格、導入など、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。専門担当者がお答えします。