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シリーズ DX人材 〜第1回 DXで本当に必要な組織・人材づくりとは〜

シリーズ DX人材 〜第2回 デジタル人材のOSバージョンアップとは?〜

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない理由のトップである「人材不足」に着目し、DX推進に向けた組織づくり・人づくりを「リスキリング」「リテンション」「リデザイン」の各項目に分けて事例を交えてご説明します。

2021年に総務省が発表した令和3年版情報通信白書では、企業のDXが進まない理由として「人材不足」が53%でダントツのトップでした。2位が「費用対効果が不明」の33%と大きな差がついている点からも、人材不足がDX推進の深刻なボトルネックであることが見て取れます。

そこで、本ブログではDX推進に向けた組織づくり・人づくりのヒントを全4回シリーズでご紹介します。
第一弾となる今回はその全体像をお届けします。

DXを推進する組織づくり・人づくりとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するために必要な人材タイプは様々で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によるとDXに必要な人材はプロダクトマネージャーやビジネスデザイナーなど7種が定義されています。ここではもう少し簡単に整理してみましょう。

  1. DXの種を生み出して「牽引する人(デジタル人材)
  2. 業務でデジタル技術を「使う人
  3. デジタル技術で様々なツールやアプリを「作る人

上記それぞれ3つのタイプに分かれます。いずれの人材タイプもDXには不可欠ですが、「使う人」と「作る人」はトレーニングやOJTを通じて比較的底上げがしやすいタイプです。

一方で、「牽引する人」はビジネスとITの両面の幅広い知識・スキルが求められ、さらには仮説思考やファシリテーションなどのポータブルスキルも必要となります。現場からすると”エース”の存在で絶対に手放したくない存在といえるでしょう。

そんな”エース”をDXの文脈でさらにパワーアップさせ、流出を防ぎ、組織の中でイキイキと活躍し続けられる職場風土をどのようにつくればよいのでしょうか?
デジタル人材への「リスキリング」、せっかく育てた人材が流出するのを防ぐための「リテンション」、そして組織全体でDXを推進する組織風土の「リデザイン」の3つのトピックに本腰を入れて取り組む必要があるのではないでしょうか。

DXを推進する組織・人づくりの3つの観点 1.DXを牽引するデジタル人材へのリスキリング 2.育てた人材の流出を防ぐリテンション 3.DXを推進する組織風土のりデザイン

デジタル人材育成に向けたOSのバージョンアップ(リスキリング)

リスキリングというと、IT関連の資格を取得する、コーディングスキルを身につけるといった、いわゆる”IT知識・スキル”の底上げに取り組む企業や自治体は多く存在します。もちろんこれらの知識・スキルはデジタル人材がDXを推進するうえでベースになるので、ある程度のレベルは必要不可欠になります。

一方で、DXの種を生み出し、強力に推進するためには人材の”OS(オペレーティング・システム)”のアップデートが不可欠です。IT知識・スキルをパソコンの”アプリケーション”とすると、ビジネスとしての成否をかぎ分けるセンスや判断基準といった、思考・行動を司る”OS”のバージョンアップと言えます。私自身が多くの金融機関や自治体のデジタル人材育成を支援する中で、特に強力にDXを推進する人材には、3つの要素についてバージョンアップが必要と感じています。

疎かになりがちなバーションアップの3要素 1.顧客志向 2.全体俯瞰 3.データ起点

これら3つの要素のバージョンアップ方法を次回のブログで事例を交えてご紹介します。

【関連コンテンツ】
リスキリングとは?DX時代の人材戦略で求められる理由、導入方法 >

従業員エンゲージメントをカギにデジタル人材が活躍する場づくり(リテンション)

昨今の人材マネジメントに関するニュースや記事を読んでいると、「従業員エンゲージメント」というキーワードを目にすることが多くありませんか?

ここで改めて、従業員エンゲージメントの定義をおさらいしましょう。従業員エンゲージメントとは、従業員が職場や組織に対してどの程度の熱意や関心、愛着を持っているかを表す指標であり、働きやすさ、やりがい、モチベーションなどに直結します。また、従業員エンゲージメントの向上は生産性の向上、顧客満足度の向上、従業員の定着率の向上、企業イメージの向上などにつながると言われ、昨今では多く企業が重視する指標のひとつとなっています。

ここで、DXの種を作り、推進するデジタル人材は人材市場において価値が高く、引く手あまたの状態であることは想像できます。そんなデジタル人材を引き留め、さらに大きな成果を出し続けてもらい、後進のロールモデルになってもらうためには、従業員エンゲージメントの向上がリスキリングと両輪で必要となるでしょう。

手前味噌ですが毎年「働きがいのある会社」認定・ランキングで上位に位置づけられている当社では、デジタルをフル活用して様々な従業員エンゲージメント向上の取り組みを行っています。それらの取り組みを基に、このブログの3回目では3つの”つながる”をキーワードにしたヒントをご紹介します。

3つの”つながる”で従業員エンゲージメント向上 1.従業員の体験 2.従業員と企業 3.従業員同士

【関連コンテンツ】
リテンションとは?メリットや手法・成功事例まで解説 >

DXを後押しする組織風土を再設計(リデザイン)

最後のトピックは、デジタル人材が活躍する組織風土の「リデザイン」です。組織風土の定義は人によって異なることが多く、ここでは「従業員の普段の行動習慣」と位置づけます。組織風土はその組織においては日々の業務における当たり前の風景であり、組織の中にいる人にとっては特段意識されるものではありません。一方で、DXを推進するデジタル人材は表では新たな商品・サービス、仕組みなどを生み出す”ヒーロー”と見られますが、裏では組織の当たり前を壊す”異分子”とみなされるケースもあります。せっかくDXの火がついても、組織風土が旧態依然で硬直型のままの場合、従業員の大半はDXに対して傍観者であり続けるか、抵抗勢力になるリスクもあります。

そこで重要なのが、組織風土のリデザインです。新たなチャレンジを歓迎し、応援する組織風土がじんわりとしみ出してくるのを待つのではなく、意図的に組織風土を再設計する必要があります。

様々な組織風土変革のアプローチがある中で、特に「言語化」と「可視化」に着目したノウハウを最終回にご紹介します。

意思をもって組織風土を再設計

いかがでしたでしょうか?
次回以降は「リスキリング」「リテンション」「リデザイン」を各回のテーマに、考え方や進め方、取り組み事例などをご紹介いたします。

一緒に考える!DXを強力に推進する人づくり・組織風土づくり

講義&ワークショップで実施する参加型ウェビナー
第1回:顧客中心のDXを推進するデジタル人材をいかに早くつくるか?(リスキリング)

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