「営業ヒアリングがうまくいかず成約に至らない」と、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
営業ヒアリングのコツや聞く手順、準備を理解しておけば、顧客との信頼関係を築きながら、提案やクロージングに必要な情報を引き出せるようになります。
本記事では、営業ヒアリングの5つのコツや手順、準備に役立つフレームワークについて解説します。
記事の後半では、ヒアリングの質を高めるためのポイントも紹介しているので、営業ヒアリングに悩んでいる人は課題の解決に役立ててみてください。
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目次
営業ヒアリングするときの5つのコツ
営業ヒアリングをおこなうときのコツは、以下の5つです。
- 「話す」ではなく「聞く」を重視する
- ペーシングを意識して話す
- 質問の仕方を変化させてニーズを掘り出す
- 顧客が発した言葉の背景まで探る
- 営業ヒアリングシートを活用する
顧客との商談中、何も考えずに話をしても、聞きたい情報は引き出せません。営業ヒアリングのコツを理解し、必要な情報を得ていきましょう。
「話す」ではなく「聞く」を重視する
営業時には、顧客に「売りつけられている」と思わせないよう、「話す」ことより「聞く」ことを重視しましょう。
自分中心の話し方をすると、相手は商品・サービスを押しつけられていると感じ、営業担当者との間に壁をつくってしまいます。
「聞く」ことを重視し、顧客が自ら話しやすい環境を整えることで、信頼関係が生まれやすくなり、課題やニーズを話してくれる可能性が上がるでしょう。
顧客が話しやすい環境になれば、こちらから積極的に働きかけなくても、自然に必要な情報を手に入れやすくなるのです。
ペーシングを意識して話す
ペーシングを意識して話すと、顧客は営業担当者に親近感を覚え、積極的に課題やニーズを話してくれます。
ペーシングとは、相手の話す速度や話し方、テンションにあわせることで親近感を覚えてもらう手法です。
フランクな話し方の顧客に対しては硬い表現を避けたり、話す速度が遅い顧客にはゆっくり話したりするなど、ペーシングを意識したコミュニケーションがポイントです。
親近感を感じてもらうことで、顧客の課題やニーズを引き出しやすくなるため、相手の話し方にも注目してヒアリングを進めましょう。
質問の仕方を変化させてニーズを掘り出す
質問の仕方には以下の種類があり、うまく使い分けると話しやすい環境になります。
- クローズドクエスチョン:YesかNoが回答になる質問
- オープンクエスチョン:特定の回答が必要になる質問
たとえば、「朝食を食べましたか?」と質問すれば、「はい」か「いいえ」が回答になります。また、「朝食には何を食べましたか?」という質問には、食べたものの内容を回答する形になるでしょう。
顧客との信頼関係がないときにオープンクエスチョンしても、そっけない回答になったり、本音を隠されたりする場合があります。はじめて話す顧客の場合、信頼関係を築けていないため、回答しやすいクローズドクエスチョンを用いましょう。
信頼を得てからオープンクエスチョンすることで、顧客から課題やニーズを引き出しやすくなり、適切な商品・サービスを提案しやすくなります。
顧客が発した言葉の背景まで探る
営業ヒアリング時には、顧客が発した言葉には背景があり、「どうしてそのような発言をしたのか」まで探りましょう。
営業ヒアリングした際、顧客が発した言葉の意味と真意が違うケースがあるためです。
たとえば、顧客から「時間がないので急いで説明してください」といわれた場合、「本当に時間がないから急いでほしい」のか、「営業されたくないから早く切り上げたい」のか、言葉だけでは判断できません。
背景まで目を向け、顧客の状況や思いに寄り添ったヒアリングをすることで、話を聞いてくれているという印象を与えたり、会話内容と背景の齟齬が生じにくくなったりします。
営業ヒアリングシートを活用する
顧客へのヒアリングから汲み取らなければならない情報は多くあるため、聞き漏れが発生しないように営業ヒアリングシートを用意しましょう。
ヒアリングで顧客から引き出すべき情報の代表例は、以下のとおりです。
- ニーズ
- 課題
- 購入の時期
- 予算
- 決裁フロー
- 利用者
- 選定基準
- 検討中の競合サービス など
上記のように、代表例だけでも多くの項目があります。必要な情報を把握しきれないと、聞き漏れる可能性が高くなります。
顧客とは何度も商談できるわけではありません。営業ヒアリングシートを作成し、限られたヒアリングの機会で聞き漏れがないようにしましょう。
営業ヒアリングの基本的な流れ
営業ヒアリングの基本的な流れは、以下のとおりです。
- アイスブレイク
- ヒアリング
- プレゼンテーション
- クロージング
営業ヒアリングには基本的な流れがあり、手順に沿って進めると必要な情報を引き出しやすくなります。
STEP1.アイスブレイク
営業ヒアリングする前に、アイスブレイクして話しやすい環境をつくり出します。
アイスブレイクとは、緊張を解きほぐすための手段です。たとえば、今日の天気の話から切り出してみたり、趣味を聞いてみたりすると、本題に入る前にリラックスしやすくなります。
営業とは関係ない話で相手に興味があると顧客に思ってもらえれば、親近感を覚えてもらってから営業ヒアリングを始められます。世間話から顧客との思わぬ接点が見つかるケースもあり、関係を構築するきっかけが生まれます。
ただし、アイスブレイクが長くなりすぎると、営業に入る時間がなくなったり、話し疲れてしまったりするため、本題とのバランスに注意しましょう。
STEP2.ヒアリング
適度なアイスブレイクを実行したら、営業ヒアリングに移ります。
営業ヒアリングする際には聞き出したい項目を洗い出し、不必要な質問で顧客を不快にしないよう進めましょう。営業の時間が長くなると顧客は疲れてしまい、円滑なヒアリングを行えない場合があります。
営業ヒアリングが十分にできていないと、顧客の課題やニーズに響くプレゼンテーションができません。ヒアリングは営業プロセスの中でも重要な位置づけと考えて会話しましょう。
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STEP3.プレゼンテーション
顧客から必要な情報を聞き出したら、プレゼンテーションをおこないます。
プレゼンテーションとは、自社の商品・サービスの魅力を顧客にアピールすることです。
顧客の抱える課題を解決し、ニーズを満たす提案ができるとプレゼンテーションがうまく進みます。適切なプレゼンテーションをするには、顧客から真の課題とニーズを営業ヒアリングで引き出すことが重要です。
また、プレゼンテーションする際には、一人ひとりの顧客にあわせて説明をしましょう。
データを重視する顧客へは数字を使った説明、商品・サービスの口コミを重視する人には実際に使った方の体験談を伝えるなど、顧客が知りたい情報を中心にした説明が必要です。
以下の記事では、顧客の課題解決を提案する「ソリューション営業」について解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
▶ ソリューション営業とは?成約を勝ち取るポイントと求められるスキル
STEP4.クロージング
プレゼンテーション後には、必ずクロージングを行いましょう。
クロージングとは、商談を契約へ進める最終段階のフェーズです。プレゼンテーションはあくまで提案であり、顧客の意思決定がなければ最終的な成約は獲得できません。
顧客の課題を解決するプレゼンテーションができていれば、クロージングで契約に関する調整がスムーズに進みます。
もしプレゼンテーションがうまく進まなかった場合は、ネクストアクションを設定しましょう。ヒアリングで把握した課題やニーズをもとにネクストアクションを決め、徐々にクロージングに近づけていきましょう。
営業ヒアリングの準備に役立つフレームワーク
営業ヒアリングの準備に役立つフレームワークは、以下のとおりです。
- 3C分析|市場環境の分析
- SPIN|課題を引き出す話法
- MEDDIC|見込み顧客の案件感度を見極めるフレームワーク
- BANT|初回面談時に取得すべき情報
営業ヒアリングをうまく進めるには、準備に役立つフレームワークの知識が欠かせません。フレームワークを利用し、営業ヒアリングの質を高めましょう。
以下の記事では、営業戦略の立案に役立つフレームワークをご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
▶ 営業戦略・戦術の立案に役立つフレームワーク16選|活用ポイントも詳しく解説
3C分析|市場環境の分析
3C分析とは、以下の3つの要素で分析するフレームワークで、それぞれの頭文字をとって3C分析と呼ばれます。
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
上記を徹底的に分析することで、マーケティング環境を抜け漏れなく把握できます。
具体的には以下の内容を分析することで、競合との差別化を図る方法や商品・サービスの改善点を発見できます。
- 自社の商品・サービスの強みと弱み
- 競合の戦略や市場シェア
- 顧客のニーズや行動パターン
自社の商品やサービスの特性が把握でき、商品・サービスの質を向上させることで、ヒアリングにおいて顧客へ効果的なアプローチをしやすくなります。
3C分析の手順はテンプレートを用いて以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▶ 3C分析とは?目的や順番、やり方をテンプレートで具体的にわかりやすく解説
SPIN|課題を引き出す話法
SPINとは、会話に取り入れることで、顧客の課題を引き出して解決する話法です。
SPINの質問項目と概要は、以下のとおりです。
要素 | 概要 |
---|---|
Situation(状況質問) | 顧客の現状を把握する |
Problem(問題質問) | 顧客が現在抱えている課題を把握する |
Implication(影響質問) | 顧客に抱える課題を解決すべきことに気づいてもらう |
Need-payoff(解決質問) | 顧客に解決策を気づかせる |
SPINを取り入れた質問をおこなうと、顧客は自らの課題を再認識でき、課題解決の欲求が高まります。課題解決の欲求を高めたところで、解決してくれる自社の商品・サービスを提案しましょう。
購入意欲が高くなった中で適切なプレゼンテーションができれば、商談の成約率が高まります。
MEDDIC|見込み顧客の案件感度を見極めるフレームワーク
MEDDICとは測定指標・決裁権限者・意思決定基準・意思決定プロセス・課題・擁護者の要素を、顧客に質問し育成できるか判断するフレームワークです。
MEDDICの質問項目と概要は、以下のとおりです。
要素 | 質問内容 |
---|---|
Metrics(測定指標) | 自社の製品やサービスの導入によって何%の収益増加を期待するか |
Economic Buyer(決裁権限者) | 製品やサービスの導入を決裁する人はだれか |
Decision Criteria(意思決定基準) | どのような選定基準で製品やサービスを導入するか |
Decision Process(意思決定プロセス) | 製品やサービスの導入を決定するまでにどれくらい時間がかかるか |
Identify Pain(課題) | 製品やサービスの導入で解決したい課題は何か |
Champion(擁護者) | 決裁権限者に製品やサービスの導入を薦めてくれる人はだれか |
MEDDICの質問事項を織り交ぜることで、受注確度の高い顧客かどうかわかり、顧客の優先順位つけることができます。優先順位の高い顧客への営業に注力すれば成約率が向上し、優先順位の低い顧客に対しては、丁寧にナーチャリング(育成)すれば将来の購入客の確保につながります。
▶ リードナーチャリングとは?実践的な手法とメリット・デメリットを紹介!
BANT|初回面談時に取得すべき情報
BANTとは、予算・決裁権の所在・顧客ニーズ・導入時期をもとに顧客に質問する話法です。
BANTの質問項目と概要は、以下のとおりです。
要素 | 質問内容 |
---|---|
Budget(予算) | 製品やサービスを導入する際の予算はいくらか |
Authority(決裁権の所在) | 製品やサービスの導入を決裁する人はだれか |
Needs(顧客ニーズ) | 顧客ニーズの有無と範囲はどうなっているか |
Timeframe(導入時期) | 具体的な導入時期が決まっているか |
BANTは、顧客との初回面談時に聞き出すべき項目です。これらの項目はSFA/CRMツールで受注確度の分析要素になり、顧客に対する営業の方法や頻度が明確になります。
営業ヒアリングの質を高めるためのポイント
営業ヒアリングの質を高めるポイントは、以下のとおりです。
- ロールプレイングを実施する
- トップセールスに同行する
- SFAを活用する
顧客から情報を引き出すには、営業ヒアリングの質を向上させる必要があります。ここで挙げるポイントを実践し、営業ヒアリングをスムーズに進めましょう。
ロールプレイングを実施する
ロールプレイングをおこなうことで、自分の課題が明確になり課題を改善できます。
ロールプレイングとは、社員どうしで実際の業務を想定した疑似体験をおこなうことです。
具体的には、初回商談を想定し上司が顧客を演じ、新入社員が営業ヒアリングをすることで、商談前のシミュレーションをおこなえます。
また、ロールプレイングによって、よかった点や改善点をフィードバックしてもらえるため、営業ヒアリングの質を高められるでしょう。
トップセールスに同行する
実際の営業現場でトップセールスの話法を学べば、営業ヒアリングのテクニックが学べます。
顧客に対してトップセールスがどのような対応しているのかを現場で目にすることで、どのような方法をいつ使っているのかを理解できます。学習したトップセールスの話法を、実際の商談で実践してみるのもよいでしょう。
トップセールスの営業ヒアリングを学ぶことで、自分の思いつかなかった方法が見つかり、営業ヒアリングの質が大きく変化する可能性も秘めています。
SFAを活用する
営業ヒアリングの質を高めるには、SFAの活用が不可欠です。
SFAとは、案件の情報管理や過去の対応履歴、営業担当者のタスク管理などができるツールです。
SFAには、過去の対応方法や結果が蓄積されます。
データがないことで、営業担当者が変わったときに顧客に同じことを指摘されたり、対応履歴がなく課題やニーズを一から聞き取らなければならなくなったりするなど、情報共有の問題による失敗を防げます。
蓄積されたデータをもとに営業することで、成約率を高めて事業拡大へとつなげられるでしょう。
SalesforceのSFAが選ばれる理由
SFAには多くの種類があるため、自社にあった高性能ツールの導入が必須です。
高性能なSFAを導入するなら、SalesforceのSFA「Sales Cloud」がおすすめです。
株式会社TSUIDEの調査によると、SFA/CRMツールを導入した企業のうち、48.4%がSalesforceを選んだという結果が出ています。
Salesforceが選ばれる主な理由は、以下の4つです。
- カスタマイズ性が高く自社に適した使い方ができる
- お客さまにあわせた最適なサポートを提供している
- CRM機能を有している
- セールス向けAIで業務を最大限に効率化できる
セールスAIが搭載されているため、蓄積されたデータからAIが営業機会予測やプロダクトの提案をしてくれます。適切なタイミングが自動的にわかり、営業に適した時期を逃さず成約率を高められるのが魅力です。
今すぐSFAが必要な5つの理由
本資料では、営業活動によくある5つの問題点をとり挙げ、具体的な企業の事例を交えながら、SFA活用のメリットについて詳しく解説します。
AIを搭載したSFAに期待できる効果
AIを搭載した「Sales Cloud」を導入した企業は、以下のような効果を得ています。
- 商談の成約率(26%増加)
- 売上予測の精度(38%削減)
- 営業の生産性(38%増加)
- 売上の拡大(28%増加)
※Salesforceのお客様から報告された改善率の平均
※出典:2015~2017年におこなわれたセールスフォース・ドットコムのカスタマーリレーション調査 より
(無作為に選別した7,000社以上の企業を対象に実施。質問ごとに回答数は異なる)
SalesforceのAI「Einstein」 が、顧客情報や営業活動の履歴から特定パターンを見つけて分析してスコアリングします。優先順位の高い順に顧客情報が掲載され、どの顧客にいつ営業すればよいのか明確になり、成約率の向上を実現しています。
また、AIが蓄積されたデータをもとに自動的に分析してくれるため、分析に必要な時間の短縮が可能です。コア業務に集中できる時間が増えれば、営業の生産性や売上の拡大につながります。
営業ヒアリングの流れやコツを理解し成約率の向上を実現しよう
営業ヒアリングの質を高めるには、流れやコツを理解することが大切です。
顧客が自ら課題やニーズを話してくれることは少ないため、営業ヒアリングで情報を引き出す必要があります。しかし、何も考えずに営業ヒアリングしても、課題やニーズを話してくれる顧客はほとんどいません。
成約率を高めるためにも、営業ヒアリングのコツや流れを押さえましょう。
より効率的に営業ヒアリングするなら、AI搭載のSFAの導入がおすすめです。SFAに顧客情報と商談履歴の情報を蓄積させれば、AIがデータにもとづいて商談に適切なタイミングを教えてくれます。
営業ヒアリングの質を高めたうえで、SFAまで活用すれば、成約率の上昇や売上アップなどの成果を実感できるでしょう。
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