営業におけるKPIは、営業活動の把握や効率アップなどにつながるため、営業組織や営業担当者の成長に欠かせません。
しかし、業務によって最適な指標が異なるため、KPIの設定で悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
本記事では、営業における手法別・シーン別のKPI項目例や設定する効果・ポイント、管理方法について詳しく解説します。KPIを設定する際に活用するKPIツリーの作り方も4つのステップで説明しています。
KPIを適切に設定することで、目標達成に向けて正しい方向で進んでいるかどうかを客観的に把握できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、昨今では営業活動にAIを活用することがトレンドになっています。生成AI活用 最新トレンド 〜営業編〜では、セールスフォースが独自調査を行った内容をまとめています。あわせてご覧ください。
生成AI活用 最新トレンド
~営業活動にもたらすメリットとは~
「生成AIは営業関係者の生産性と売上の向上にどのように貢献するのか」「営業関係者はなぜ信頼性とスキルや準備の不足を感じるのか」についてご紹介します。
資料をダウンロードして、ぜひ今後の業務にお役立てください。
目次
営業におけるKPIとは?
KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、重要業績評価指標のことです。
さまざまな業務の指標に活用され、営業活動においても目標管理や評価に取り入れられています。
たとえば、電話営業を実施している組織で架電数をKPIに設定すると、一定期間で目標に対してどのくらい架電できたかを把握できます。
なお、KPIの設定方法やメリットについては以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
営業におけるKPIとKGI、KFSの違い
KPIと関連性の高い用語には、KGIやKFSがあります。それぞれの主な違いは、以下のとおりです。
指標の種類 | 意味 |
---|---|
KPI(重要業績評価指標) | 最終的に達成したい目標の中間地点となる指標 |
KGI(重要目標達成指標) | ビジネスにおける最終的に達成したい指標 |
KFS(重要成功要因) | 目標達成のための要因やすべきこと |
KGI(Key Goal Indicator)は重要目標達成指標を意味し、ビジネスの最終的な指標を指します。営業においては、営業活動全体のゴールとなる指標がKGIであり、KGIを達成するための途中経過を把握する際に必要な指標がKPIです。KPIは主に業務単位で指標を設定します。
KFS(Key Factor for Success)は重要成功要因という意味で、CSF(Critical Success Factor)と同じ意味をもちます。KPIは指標ですが、KFSは要因を示すのが大きな違いです。KFSで目標達成に必要な要因を分析し、特定した要因に関するKPIを定めて、効果的な目標管理を実施します。
短時間でよく分かるKPIの考え方の動画では、KGIとKPIの定義や活用方法をわかりやすく解説していますので、こちらもご覧ください。
【手法別】営業のKPI事例
営業のKPI事例を以下2つの手法別に紹介します。
- インサイドセールス
- ルート営業
インサイドセールスやルート営業に取り組んでいる場合は、ぜひKPI設定の参考にしてみてください。
インサイドセールス
インサイドセールスとは、見込み顧客に対して電話やメールなど非対面の営業活動を行う手法を指します。
見込み顧客との関係構築や、適切なタイミングでのフィールドセールスへの連携といった役割を果たすために、KPI管理が重要です。
インサイドセールスのKPI項目例は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
コネクト数 | アプローチしたい見込み顧客と直接会話できた回数 |
商談化件数 | 見込み顧客へのアポイントから商談につながった件数 |
商談への貢献率 | 商談全体に対するインサイドセールスが生み出した金額や件数の割合 |
インサイドセールスだけで営業活動が完結することは少なく、フィールドセールスとの連携によって成果が生まれます。KPIを設定するステップから、フィールドセールスのKPIと連動した項目を定めるのがポイントです。
インサイドセールスのKPI例や設定のポイントは以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
▶ インサイドセールスのKPIとは?KPI設定のポイントについても紹介
ルート営業
ルート営業とは、自社とすでに取引がある顧客に対してフォローや新規提案を行う営業手法です。
ルート営業は、定期的な訪問で関係性を築いて安定した売上をつくったり、追加提案でプラスアルファの売上を生み出したりする役割があります。営業活動が成果につながっているかを把握するために、KPI管理が欠かせません。
ルート営業のKPI事例は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
訪問数 | 取引先を訪問した回数 |
追加提案数 | アップセルやクロスセルを提案した回数 |
見積書の送付数 | 追加提案に関する見積書を送付した回数 |
継続発注率 | 案件全体に対する継続発注につながった案件の割合 |
契約更新率 | 案件全体に対する契約更新につながった案件の割合 |
取引先別に訪問数を管理すると、売上に対する適切な訪問頻度を検討できます。追加提案数に注目すれば、売上アップに向けた取り組みの実態を把握できるでしょう。
ルート営業については、一般営業との違いやメリット・デメリットを以下の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
▶ ルート営業とは?一般営業との違いやメリット・デメリットを解説
【シーン別】営業のKPI事例
営業活動には、以下のようなステップがあり、それぞれ設定すべきKPIが異なります。
- 見込み顧客の獲得
- 見込み顧客の育成
- 受注
- 顧客との関係維持
営業におけるシーンにあったKPIを的確に設定し、それぞれのステップで正しい数値管理ができるようにしましょう。
見込み顧客の獲得
見込み顧客を獲得することをリードジェネレーションといい、顧客獲得に関連するKPIを設定する必要があります。
見込み顧客を獲得するステップでのKPI事例は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
新規リード獲得数 | 新規で獲得した見込み顧客の数 |
有望な見込み顧客数 | 見込み度の高い顧客の数 |
訪問件数 | 顧客を訪問した件数 |
ターゲット率 | 獲得した見込み顧客のうち、ターゲット条件に合致した見込み顧客の割合 |
見込み顧客を獲得する手法は数多くあるため、手法にあわせたKPIを設定するのがポイントです。
たとえば、WebサイトでのSEOで顧客獲得を目指す場合は、アクセス数やリンクのクリック数などがKPIになります。
自社で取り組んでいる手法で管理すべきデータを見極めて、適切なKPIを設定しましょう。
見込み顧客の育成
リードジェネレーションで獲得した顧客は、必ず商談化できるとは限りません。商談につなげるためには、興味や確度を高める「リードナーチャリング」と呼ばれる見込み顧客の育成が欠かせません。
見込み顧客の育成で設定したいKPIは、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
メール配信数 | 見込み顧客に対して配信したメールの数 |
コール数 | 見込み顧客に対して電話がつながった回数 |
アポイント件数 | 育成によってアポイントを獲得できた数 |
商談化件数 | アポイント獲得後に商談化した件数 |
見込み顧客の獲得と同様に、育成する手法によって計測すべきKPIが異なります。WebサイトやSNS、メールなど、手法にあわせて育成の進捗や成果がわかるKPIを設定しましょう。
受注
商談化した案件を成約する受注段階は、売上が発生する前の最終段階であるため、KPIによる管理が非常に重要です。
商談をどのくらい受注につなげられているか、受注した金額はどのくらいかなど、クロージングにかかわるアクションを検討する際にもKPIが役立ちます。
受注段階のKPI事例は、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
受注件数 | 商談によって受注した件数 |
受注率 | 提案数に対する受注の割合 |
受注金額 | 受注した金額の合計 |
受注期間 | 営業開始から成約までの期間 |
成約率 | 営業した顧客のうち、成約した顧客の割合 |
売上目標を基準とした各KPIを検証すると、受注段階での課題を明らかにできます。目標に対して受注件数は十分か、一定の期間で受注金額が目標を超えるかなどを知ることで、達成に向けて戦略を練りやすくなります。
顧客との関係維持
受注した顧客との関係維持によって、継続的な売上を確保でき、追加提案で売上アップを図りやすくなります。
成約後に顧客がどのような行動をしているか、長期的に関係を築けている顧客がどのくらいいるかなどを把握するために、KPI管理が必要です。
顧客との関係維持に関するKPI事例には、以下のような項目が挙げられます。
項目 | 内容 |
---|---|
新規顧客売上 | 新規顧客から獲得した売上金額 |
既存顧客売上 | 既存顧客から獲得した売上金額 |
顧客単価 | 顧客あたりの契約金額・購入金額 |
購入回数 | 一定期間で商品・サービスを購入した回数 |
累計金額 | これまでの取引金額の合計 |
最終取引からの日数 | 最後に取引した日からの日数 |
契約継続率 | 契約を継続できた案件の割合 |
売上や顧客単価、購入回数などに注目することで、顧客の購買行動を把握できます。
最終取引からの日数は長いほど接点が少なくなっていると考えられるため、失注する前に再アプローチが求められるでしょう。
契約継続率が目標に達していない場合には、契約後のフォローやサポートなどに力を入れるといった対策が必要です。
営業でKPIを設定して得られる4つの効果
営業活動へのKPI設定によって、以下の効果を期待できます。
- 営業活動の進捗や達成度を把握しやすくなる
- 営業効率を向上できる
- 担当者のモチベーションを高められる
- チームの意思統一を図れる
営業活動の進捗や目標などを管理しやすくなるため、効果を理解したうえでKPIを設定しましょう。
また、組織の営業力強化の取り組みとして、セールス・イネーブルメントが大きな注目を浴びています。勝てる営業組織を仕組みで作る5つのステップで営業力強化のポイントをまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。
営業活動の進捗や達成度を把握しやすくなる
営業活動の指標が明確になり、進捗や達成度を可視化しやすくなるのがメリットです。
たとえば、訪問件数をKPIにすると、現時点での件数から営業活動の進捗状況を可視化できます。
営業担当者が自身の現状を把握できるだけではなく、管理者が各担当者や組織を俯瞰できます。進捗が思わしくない場合に、適切なタイミングでフォローでき、目標達成をサポートできるでしょう。
営業効率を向上できる
KPIを複数設定し、各項目の優先順位を決めることで、営業活動の効率化を図れる点がメリットです。
たとえば、受注金額をもっとも重要なKPIと定義すると、受注に向けて訪問やクロージングなど注力すべきポイントを絞れるでしょう。
「新規の見込み顧客を獲得できているものの、成約率が低い状態」がKPIで明らかになれば、商談にリソースを割く判断もしやすくなります。
KPIを軸に課題や優先順位を把握することで、今やるべきことを明らかにし、効率的な営業活動を実施できるでしょう。
担当者のモチベーションを高められる
KPIは営業活動の目標になるため、担当者のモチベーション管理にも効果的です。訪問件数や成約率などの指標があることで、達成に向けて取り組みやすくなります。
目標の達成が難しいとモチベーションが下がるおそれもありますが、KPIで進捗や達成度を把握することで、適切なフォローが可能です。
たとえば、成約率をKPIに定めると、営業担当者ごとに成約の状況を可視化できます。成約率が目標を下回っている営業担当者に対して、営業で課題に感じている点をヒアリングしたり、解決策を一緒に考えたりすることで、目標達成を目指す気持ちが湧いてくるでしょう。
目標達成に向けたアドバイスやフォローで担当者のモチベーションを高められれば、前向きに取り組むきっかけにもなります。
チームの意思統一を図れる
営業におけるKPIは、営業担当者はもちろん、チームが達成を目指す指標にもなります。
営業活動の質は個人のスキルや取り組み方でバラつきが出る傾向がありますが、KPIで指針を示せば、チームの意思統一を図れるのがメリットです。
訪問件数や成約数などのKPI達成を組織で目指し、全体のパフォーマンスを引き上げましょう。
営業活動でのKPIの立て方
営業活動に有効なKPIを設定するためには、以下のステップで進めましょう。
- KGIを設定する
- 営業プロセスを細分化する
- 営業活動に関連したKPIを設定する
- 定期的にKPIを見直す
KPIを設定する前段階のKGI検討やプロセスの細分化を丁寧に行うと、精度の高いKPIを設定できます。
1.KGIを設定する
KPIを設定する前にKGIを設定しましょう。
KGIおよびKPIを設定するときはKPIツリーというフレームワークを使うと便利です。KPIツリーはKGIを頂点としたツリー状のフレームワークで、目標達成に必要なKPIを細分化できます。
受注額をKGIとした場合、KPIは受注件数と平均顧客単価、さらに受注件数を新規案件数と既存案件数と細かく分解できます。
KGIを設定する際は、現実的かつ努力や工夫次第で達成できるであろう目標を立てましょう。
2.営業プロセスを細分化する
KGIを設定できたら、KPIを設定する業務を明確にするために、営業プロセスを細分化します。
アプローチやヒアリング、商談などのプロセスに細分化すれば、それぞれで設定すべきKPIを検討しやすくなります。
KPIを設定すべきプロセスを考える前に、現状のプロセスを漏れなくリストアップするのがポイントです。すべてのプロセスを可視化すれば、どこで何の数値を計測できるかを把握しやすくなり、効率的にKPIを計測しやすくなります。
3.営業活動に関連したKPIを設定する
営業活動を細分化したプロセスに対して、KPIを設定します。KPIツリーを意識し、KGIに対応させた項目を選定するのがポイントです。
KGIを受注額とした場合、案件数や顧客単価などが重要になるため、アプローチや商談などのプロセスに金額を把握できるKPIを設定するとよいでしょう。
なお、KPIの数が多いと達成が必要な項目が増えて、組織内のモチベーションが下がる可能性がある点に注意が必要です。
KPIを達成するためには、優先順位の高いかつ数値化・計測しやすい項目に絞り込んで設定しましょう。
4.定期的にKPIを見直す
KPIは一度設定したものが必ず正解とは限らず、社会情勢や企業の経営方針などの影響で修正が必要になるケースもあります。
はじめに設定したKPIにこだわるのではなく、効果を見極めながら、項目を見直しましょう。
たとえば、受注額を高めるために案件数をKPIとした場合に、案件数は目標に達したものの目標金額をクリアできなかったとします。案件あたりの金額が低いと予想されるため、顧客単価を重要項目とする必要があるでしょう。
検証を定期的に実施し、KPIの見直しを行う体制を構築することが大切です。
【10分で学ぶ】
短時間でよく分かるKPIの考え方
企業が市場で成功し続けるためには、自社の強みを理解し、適切なKPIを設定することが重要です。この動画では、KPI設定の重要なポイントについて説明します。
営業のKPIツリーとは?作り方4ステップ
営業のKPIにおけるKGIを設定する際に、KPIツリーが役立ちます。KPIツリーとはツリー上に要素をまとめたフレームワークであり、KPI設定の軸になるため、正確に作成する必要があります。
KPIツリーの作り方は、以下の4ステップです。
- 四則演算できる要素をピックアップする
- 要素ごとに単位を決める
- 要素をKGIから近い順に並べ替える
- KPIにならない要素や重複がないかチェックする
ステップごとのポイントを押さえて、順序よくKPIツリーをつくっていきましょう。
1.四則演算できる要素をピックアップする
KPIツリーを構成する要素をピックアップする際は、足す・引く・掛ける・割るという四則演算できるものを選びましょう。
KPI管理では数値化できる項目が必要になるため、四則演算できないものはKPIとして設定できません。
四則演算できる要素の例として、商談数は訪問や電話、メールなどの商談を合計したものであるため、KPIに適した項目です。商談数に受注率を掛けた新規案件数や、新規案件数と既存案件数を足した受注件数も、四則演算に対応しています。
四則演算ができる要素でも、複雑な計算が必要になると、数値を管理しにくくなります。A+BやC×Dのように、シンプルな計算で導き出せる要素を優先するとよいでしょう。
2.要素ごとに単位を決める
KPIツリーに含める要素を設定したら、要素ごとに単位を設定します。単位が間違っていると、正確な数値を算出できなくなるため、適宜計算しながら確認しましょう。
たとえば、インサイドセールスのKPIにコネクト数を設定した場合は、「回」が単位になります。最終的なKGIを商談数とした場合には、商談数も「回」で管理するため、正しい単位の設定といえるでしょう。
営業KPIにおいては、「回」「人」「%」「円」などを使う場合が多いです。単位が多すぎるとKPIツリーが複雑になるので、最低限の単位で統一しましょう。
3.要素をKGIから近い順に並べ替える
KPIの要素と単位が決まったら、KGIから近い順に並べ替えていきましょう。後からわかる指標を遅行指標、先立ってわかる指標を先行指標と呼び、KGIに近い項目は遅行指標です。
たとえば、売上高をKGIとした場合に、成約数・商談数・アプローチ数を並べ替えてみましょう。成約は商談を経て獲得できるものであり、商談はアプローチが前段階にあるので、売上高との関係性は「売上高>成約数>商談数>アプローチ数」となります。
順序が定まったら、各要素を細分化しましょう。たとえば、アプローチ数は訪問数や電話数、メール数などに分けられます。KGIを頂点に各要素を細分化すれば、ツリー状に並べ替えられているはずです。
4.KPIにならない要素や重複がないかチェックする
KPIツリーの形ができて完成ではなく、最後に不要な要素や重複などを確認しましょう。
数値化できない項目や期間設定が難しい項目は、KPIとして効果的ではないため、除外するのがポイントです。
要素が重複している場合は、KGIまでの道筋が複雑になるおそれがあります。できるだけシンプルなツリーになるように、要素や順序を再確認するとよいでしょう。
営業の成果につながるKPIを設定する6つのポイント
営業の成果を高めるためには、結果につながりやすいKPIを設定する必要があります。効果的なKPIを設定するためには、以下のポイントに注目しましょう。
- 自社にあったKPIを見極める
- KPIの項目を絞り込む
- 営業担当者がコントロールできる項目を選定する
- 数値化できるKPIを設定する
自社の課題や管理のしやすさなどを考慮して、成果を意識したKPIを設定しましょう。
自社にあったKPIを見極める
KPIは、企業がもつ課題や取り扱う商材、業界などで異なるため、自社にあった項目を定めることが重要です。
たとえば、不動産営業と健康食品の営業では以下のように設定するKPIが異なります。
職種 | 不動産営業 | 健康食品の営業 |
---|---|---|
主なKPI | ・物件案内数 ・チラシ、パンフレットの配布数 ・モデルハウスの来場者数 ・メルマガ登録数 ・電話営業数 | ・飛び込み営業数 ・電話営業数 ・問い合わせ数 ・資料請求数 ・顧客単価 |
不動産営業はチラシやメルマガなどさまざまな方法で集客するため、アプローチ方法によってKPIが異なります。健康食品の営業は飛び込みの訪問もあるため、飛び込み営業数がKPIの候補になるでしょう。
顧客との接点や商材などで設定すべきKPIが異なるため、自社の成果につながるKPIを見極めることが大切になります。
KPIの項目を絞り込む
KPIの項目が多すぎると、項目の優先度がわかりにくくなったり、項目の管理が難しくなったりするおそれがあるため、重要な項目に絞るのがポイントです。
KPIの項目数は必要最低限にとどめ、シンプルに設計しましょう。わかりやすいKPI設計によって、取り組むべき指標が明確になり、モチベーションを高めやすくなります。
営業担当者がコントロールできる項目を選定する
KPIは目標達成の指標であるため、営業担当者の取り組み次第で結果が変わる項目を選定しましょう。
商品の金額や利益率などを営業担当者自身でコントロールするのは難しく、取り組みが数値に現れにくくなります。
訪問件数や成約率などは、アクションの数や担当者の営業スキルで変えられやすいため、KPIとして機能しやすい項目です。
数値化できるKPIを設定する
KPIで進捗や達成度を明らかにするためには、数値化できる項目を設定しましょう。
たとえば「熱意」は営業活動で重要な要素ですが、客観的に評価できないため、KPIとして機能しません。
訪問件数やアポイント件数、顧客単価など、件数や金額といった客観的に数値化・計測できる項目を選定するのがポイントです。
SMARTの法則を満たしたKPIを定める
成果につながるKPIを設定するためには、SMARTの法則を満たした項目を選ぶのがポイントです。SMARTの法則は、以下5つの言葉の頭文字で構成されています。
- Specific(具体的に)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Relevant(関連性のある)
- Time-bound(期限が明確な)
営業や目標に関連性があり、誰が見てもわかる具体的な内容かつ、数値化して測定できる項目でなければなりません。
さらに、目標として現実的に達成できるか、いつまでに達成するか期限を設定できているかという2点も重要です。
KPIの候補となる項目を洗い出した後に、SMARTの法則に当てはめて適切な項目かを確認しましょう。
客観的な視点でKPIが正しいかチェックする
効果的なKPIを設定するためには、KPIの妥当性や漏れをチェックする段階で、客観的な視点を取り入れましょう。
KPIを設定する際に主観が入ってしまうと、いざ運用を開始したときに有用な数値を得られないおそれがあります。
KPI設定に直接かかわっていない社内メンバーにチェックしてもらったり、外部に確認を依頼したりするなど、異なる視点での検討が必要です。
先入観がない第三者による視点を取り入れることで、不要な項目や不足している項目に気づけるでしょう。
営業におけるKPI管理方法
営業KPIを効果的に運用するためには、設定後の管理が重要です。主なKPI管理方法を2つ紹介します。
- 定期的に振り返る機会をつくる
- KPIを管理しやすい体制を整える
定期的なフィードバックの仕組みや管理体制を構築し、KPIの効果を最大限に高めましょう。
定期的に振り返る機会をつくる
KPIの設定で得られた効果を振り返り、フィードバックする機会をつくりましょう。
KPIを設定して終わりではありません。達成度合いを確認し、課題を発見・対策することでKPI設定の精度が高められます。
営業担当者のスキルや市場の変化などを細かく検証できれば、個人と組織の成長をより促進しやすくなるでしょう。
KPIを管理しやすい体制を整える
KPIを営業組織に落とし込むためには、数値をこまめに記録・確認できる体制が必要です。
入力に手間がかかってしまうと徐々に運用されなくなるおそれがあるため、簡単に情報管理できるようにしましょう。
KPIの管理に役立つのは、営業支援ツールや顧客関係管理ツールなどです。営業活動や顧客に関する情報を一元管理でき、KPIと連動させることで簡単に目標の達成度合いを可視化できます。
KPIの管理に役立つ営業管理ツールについては以下の記事で解説しているため、あわせて参考にしてください。
営業KPIの設定事例
営業のKPIを設定する際に、他社の事例を参考にすることも大切です。類似する事例を参考にしながら、自社にあったKPIや運用方法を検討しましょう。
営業KPIの設定事例として、名刺管理ツールを提供するSansan株式会社では、インサイドセールスにKPIを導入しています。
Sansan株式会社ではこれまでアポイントの獲得件数をKPIとしていました。しかし、アポイントを獲得できても、クロージングに追われている営業が新規アポイントに対応できない状態に陥っていました。
そこで、インサイドセールスのKPIに案件の受注金額の合計値「受注貢献額」を取り入れます。結果、最終的な受注を最優先としたKPIの最適化を図りました。
事例について詳しく知りたい方は、以下のページもぜひ参考にしてください。
▶ 事例で分かるインサイドセールス Vol.1 Sansan株式会社編
営業KPIを管理するなら「Starter Suite」
営業におけるKPIを適切に管理し、データを最大限に活用したい方には、セールスフォースの「Starter Suite」がおすすめです。
「Starter Suite」は、月額3,000円というリーズナブルな金額ながら、営業やカスタマーサービス、メール配信などに必要な機能を備えたCRMです。営業活動管理やデータ分析のテンプレートが用意されており、はじめての利用でも簡単にKPI管理や分析をスタートできます。
KPIにかかわる数値をはじめとした営業にかかわるデータは、見やすく使いやすいダッシュボードで管理が可能です。
「Starter Suite」を使ってみたい方やどのようなツールか知りたい方に向けて、体験デモと無料トライアルを用意しています。使用感や機能などを確かめたい方は、以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。
2分でわかる
Starter Suite
マーケティング、セールス、サービスの機能を1つにまとめた、手軽に使えるソリューションが新登場。必要な機能がそろったCRMを最短で導入し、成長を実現しましょう。
営業のKPIを設定し目標達成に向けて取り組もう
営業組織にKPIを導入すると、営業活動の進捗や達成度を把握したり、業務の優先度を決めやすくなったりするなどの効果が期待できます。
最適な項目は業種や商材などで異なるため、自社にあったKPIを検討しましょう。運用・管理をしやすくするには、最低限の項目に絞ることや数値化できる項目を選ぶことも大切です。
営業活動で思うような成果が出ていない場合には、結果につながるKPIを設定し、目標達成に向けて営業活動に取り組める体制を整えましょう。
なお、KPIを管理する際はセールスフォースの「Starter Suite」を利用してみてはいかがでしょうか。顧客情報や案件情報を記録でき、進捗状況やアクションなどを把握できます。無料トライアルを実施しているため、顧客情報を適切に管理したい方はお気軽にお試しください。
【30日間無料】
Starter Suiteトライアル
世界No.1 CRMを手軽に体験!クレジットカードの登録やソフトウェアのインストールも不要で、申し込み直後からトライアル環境をお試しいただけます。