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AI活用で劇的変化!Salesforceが実現した“成約率50%UP”の秘密
SalesforceがどのようにAI活用で成約率50%以上UPや顧客満足度(CSAT)52%UPを実現しているのか、具体事例をもとに解説します。




AIの関心度とセールスフォースのAI歴史
KPMGの調査によると、ビジネスリーターの74%が今後1年半の間に影響力のある新技術として、生成AIをトップに挙げています。AIのビジネス活用はあらゆる企業にとって最優先の取り組みといっても過言ではありません。

セールスフォースもAI活用の最前線にいます。
2014年に、「Einstein(アインシュタイン)」をリリースして以来、CRMにおけるAIのパイオニアとして革新を続け、2024年には自律型AIエージェント「Agentforce(エージェントフォース)」を提供開始しました。
Agentforceは、人が最低限の手助けをするだけで自律的に推論を行い、業務を遂行します。企業のデータを取り込むことで、顧客の状況に即しながら最適なアプローチで業務を遂しとげることができます。
AI活用がもたらすメリットは多岐にわたりますが、主に挙げるとすれば3つあるでしょう。それは、「顧客満足度の向上」「商談成約率のアップ」「誰もが効率的に働きやすくなる環境づくり」。Salesforceの6つの活用事例を通して、そのメリットを紹介していきます。
事例1 顧客満足度は52%向上。カスタマーサービス向上と業務効率化
自社のWebサイトで製品情報やよくある質問と回答を公開しているが、電話で問い合わせがきてしまう。どうすれば、オペレーター一人ひとりの生産性を上げて、応対品質を向上させることができるか。このような課題を感じたことはありませんか。
セールスフォースの技術情報サイト「ヘルプサイト(英語)」でも同じような課題がありました。情報量は充実していたものの、お客様が必要とする情報を見つけられずに自己解決率が低く、その結果、サポートデースクの問い合わせが増えてしまい、業務を逼迫していたのです。
そこでAIを活用しました。初めに、生成AI検索機能「Search Answers」を活用することで、より早く簡単にヘルプサイトを訪れたお客様が解答を探せるようにしました。
また、自己解決ができず、サポートデスクに起票されたとしても、サーピス担当者はAIを活用し、解答案の作成の迅速化を行いました。そして応対が終わった時には、要約機能である「Work Summaries」による作業の要約を行い、アフターコールワークの負荷軽減にも成功しました。
加えて、「Data Cloud(データクラウド)」に統合した接点データをもとに、お客様がWEBサイトに来訪した際に表示する記事や製品、プロモーションをパーソナライズするように工夫しました。
その結果、ヘルプサイトに来たお客様の自己解決率は96%をマーク。CSAT(顧客満足度)は52%もアップしました。

それだけにとどまりません、ヘルプサイトには「Agentforce」の機能の一つである「Agentforce for Service(エージェントフォースフォーサービス)」の導入も始まっています。
Agentforce for Serviceは、お客様が自然に会話するように質問すると、会話の前後の文脈を組み取りながら、端的に解答してくれます。ヘルプサイトのAIエージェントはCRMとつながっているので、過去の接点情報をもとに、パーソナライズされた回答を返してくれます。
そして、お客様が自己解決できなかった場合は、有人チャットにシームレスに転送されますので、AIエージェントの会話履歴を踏まえた応対を受けることも可能です。
こうした取り組みによって、従来のチャットボットに比べて、2倍の自己解決率を実現しました。
事例2 Webのエンゲージメントは165%向上。パーソナライズサービスの構築
顧客エンゲージメントに関する活用例で、顧客サービスをパーソナライズするためのデータ統合をみていきましょう。
多くのデータが生み出されているもののデータが点在してしまい、いざ分析しようとしても、使える状態になっていない。データ処理をAIに任せたくても、肝心のデータがまとまっていないなど、データ統合の悩みを抱えていませんか。
私たちも、お客様と多くの接点があります。Webフォームや製品情報サイト、技術情報サイト「Trailhead(トレイルヘッド)」、チャットやマーケティングメールなどのさまざまな接点からデータを収集しています。それらのデータを活用して、営業やサポート部門などがお客様を理解したコミュニケーションやサーピスを提供しています。
また、商談や問い合わせ履歴もお客様に紐づくデータです。デジタルとオフラインのさまざまな接点で生じる多くのお客様データを「Data Cloud」に集約することで、「統合顧客プロファイル」を構築しました。
それを元に、WEB体験のパーソナライズ、広告配信の最適化を行い、1 to 1マーケティングの展開など、マーケティング活動の効率化も行いました。そして、AIによるスコアリングも行うことによって、成約率の見込みなどを営業担当者にも連携しています。
こうした取り組みによって、282以上のデータストリーム、150億を超えるデータ、そして1億2200万の一意の統合顧客プロファイルを構築しました。
さらに、「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」へのセグメント連携を数百万件行い、デジタルジャーニーの効果も向上。5000人以上の営業担当者へ行動を促すプッシュ通知が200万件ほど自動配信し、営業活動も加速しました。

その結果、Webサイトのエンゲージメント率が165%向上。お客様一人ひとりが本当に必要とする情報をお届けできる体制を整えることができました。
事例3 成約率50%アップ。商談現場の生産性向上
重要な商談では、お客様との会話に集中したい。でも、社内への報告があるので議事録を作成しないといけない。営業マネージャーが同席できなかった会話をできる限り正確に記し、具体的な指導を受けて成約率を上げていきたい。
みなさんもこんなジレンマを抱えているのではないでしょうか。セールスフォースの営業部門でも同じ課題がありました。成約率の高めるための生産性向上がより求められるようになっていたのです。
そこで「Einstein 会話インサイト」と「Einstein通話サマリー」を導入しました。営業担当者は議事録の作成から開放されて、お客様の会話に集中できるようになったのです。また、競合など注目すべきインサイトをAIが示すことによって、営業マネージャーがより効果的に指導する効果もありました。
提示した見積もりに対してのお客様の反応やコメント、懸念している購入のハードルが何だったかなど、商談後からでも「通話エクスプローラ」という機能を通じて、容易に商談内容を掘り下げることもできるようになりました。
その結果、AIを使用している案件では、成約率が50%以上アップ。通話サマリーは面談中のお客様の感情の動きも把握できますので、部下に対して具体的なフィードバックをしやすかったという営業現場からの声もありました。

事例4 意思決定の精度とスピードが28%向上。営業の管理と分析を改革
正確な売り上げ予測が行えず、期末に数字の立て直しに苦労する。分析ダッシュボードを作ったけど誰も使えない。移動しながらの営業目標達成のための計画づくりが難しい。セールスフォースもそのような課題がありました。
当社も多種多様な製品を幅広い業種のお客様に提案していますので、あらゆる視点での分析が求められます。また、営業担当者のみならず、営業マネージャーや役員も出先でビジネスの状況を把握したうえで的確な指示を出し、次の行動計画を指示する必要がありました。
そこで、AIをベースとした分析ツール「Tableau Pulse(タブローパルス)」を導入。営業のKPIである月次の実績、四半期の実績、商談の進捗や規模をいつでもどこでも把握きるようにしました。
出先でモバイルからKPIの進捗を追いかけたり、KPIに関するアラートをSlackで受信したりすることで、自身の営業パフォーマンスやチームの達成状況、その要因を誰もがデータをもとに分析できるようにすることで、素早くアクションできるようにしました。
Tableauチームの営業マネージャーの91%がTableau Pulseを利用し、データインサイトに基づく意思決定の速度と精度を28%アップできました。

事例5 90日以内に90%が利用。SlackのAIで膨大な情報をコントロール
社内ポータルやファイル管理サービス、各アプリなどあらゆる場所にナレッジが散在し、情報に溺れてしまう。データを集めるのに必死で、肝心のアウトプットに時間をかけることができない。どの企業でも共通の課題ですよね。
私たちも同じ課題を経験したことがありました。全世界何万人もの社員が日々さまざまなやりとりをしているので、圧倒的な情報量におぼれてしまったり、欲しい情報にすぐに辿り着けなかったりする課題がありました。
その解決策として、私たちは「Slack AI」を導入しました。スレッドやチャンネルの内容をAIが要約することで、より短時間で最新の技術情報や社内コミュニケーションをキャッチャップできるようにしました。
人や業務、データ、アプリケーション、ナレッジをSlackに集約し、AIで生産生を向上させることによって、日々の業務のすべてをそのまま企業ナレッジとして活用できるようになりました。
Slack AIは、導入後90日以内に90%以上のSalesforce社員が活用。これは、消費者向けアプリの一般的な定着スピードと比較して約3倍の速さです。

事例6 30日で利用件数は100万件。従業員向けサービスが大幅向上
人事や給与、福利厚生などシステムと担当部門が分かれ、いざ困った時にどこに問い合わせればいいか分からない。たらい回しにされてしまい、何度も同じ説明をしないといけない。こんな経験ありますよね。
私たちも、かつては従業員をサポートするためのポータルが3つ、そして、ワークフローも50個に分散していました。その結果、問い合わせ先が分からず、何回も起票し、サポートデスクの負荷は増大。従業員の満足度も低下していました。
この課題にはSlackとEmployee Serviceで対策しました。まず、従業員ポータルとワークフローを1つのプラットフォームに統合。人事も、ITヘルプデスクも給与も1つの検索窓から調べ、問い合わせが可能になりました。問い合わせの起票後は、進捗や担当者から連絡がある場合は、Slackに通知がきますのでモバイルでも確認が可能になりました。
そして、現在ではSlackを従業員向けUIとした従業員サービス用AIエージェント、Agentforce in Slack(エージェントフォースインスラック)が全世界のセールスフォース社員向けにサービス提供を始めています。
例えば、「ジムの会員費を福利厚生サービスとして精算できますか?どのように精算しますか?」というように、Slack上のAIエージェントに質問すると複数のナレッジやマニュアルの情報を要約して手順を案内してくれます。
エージェントフォースが24時間365日対応することで、働きやすい環境が築かれ、従業員のエンゲージメントが強化されました。稼働開始から最初の30日で利用件数は100万件以上です。

ここまで6つの事例をみてきました。商談成約率50%以上アップ、カスタマーサービスの自己解決率が96%を達成、顧客満足度が52%アップ。これらは今現在のセールスフォースの成果ですが、Agentforce の活用はお客様でも始まっています。
Wiley社は教育管理の出版物や学習ソリューションを展開している企業です。大学などの教育機関が始業する時期になると、教材を必要とする学生から問い合わせが急増します。
このピークにどう対応するか。Wiley社が取った手段がAgentforce でした。従来のチャットボットよりも40%多く問い合わせを解決できるようになりました。それによって年間3500万円ほどのコスト削減に成功しました。このように、Agentforceによってすでにビジネスの成果を出しているお客様は登場しているのです。
Agentforceにはさまざまな可能性があります。今回紹介した事例を自社にも導入したいと考えている企業は、ぜひ、お問い合わせください。
*本記事は、映像のサマリー版です。映像はこちらからご覧ください。
AI活用で劇的変化!Salesforceが実現した“成約率50%UP”の秘密
SalesforceがどのようにAI活用で成約率50%以上UPや顧客満足度(CSAT)52%UPを実現しているのか、具体事例をもとに解説します。




以下の『Salesforce流Salesforce活用術』記事は、セールスフォース・ジャパンがSalesforceの製品をどのように利用して成果につなげているかをご紹介しています。Salesforceの活用方法にご興味のあるかたはぜひご覧ください。