来期の営業戦略を作ってほしい──。このトップからの指示に、営業リーダーのみなさんはどうしていますか? ちょっと調べれば営業戦略の立て方に関するメソッドやフレームワークは無数に存在していることがわかります。しかし、ひと通り見たものの、「どれもピンとこない」と感じているのではないでしょうか?
本記事では、営業戦略の立案においてシンプルでありながら即効性のある方法を、5分で解説しています。詳説した映像も用意していますので、合わせてご覧になっていただき、ぜひみなさまの営業戦略立案のヒントにしていただければ幸いです。
【動画で学ぶ】営業部長のための営業戦略
確実に売り上げを上げるための営業戦略を効率よく策定する方法を、楽しく、わかりやすく解説します。
営業戦略とは何か
田崎:そもそも営業戦略とは何でしょうか? Webで検索すると、3Cや4P、AIDMA、ランチェスター戦略などさまざまなフレームワークやメソッドが溢れていると思います。
ただ、それらを学んでみても「自社にどう落とし込んだらいいかわからない」「自分の会社には適応しにくい」と感じた人も多いのではないでしょうか。
これらのフレームワークが営業部長のみなさんにとってピンとこないのには理由があります。フレームワークで考える範囲が「広すぎる」のです。フレームワークによっては経営者の視点や権限が必要なものもありますし、製品開発まで及ぶものもあります。シンプルに「たくさん売る」ことを期待されている営業部長にとっては「広すぎる」のです。
そこで今回は、一般的な営業部長の職務範囲で、どのようなステップで営業戦略を立案していけば良いのかをわかりやすくご紹介いたします。
そもそも営業戦略を突き詰めて考えると、それは
- 誰に
- 何を
- どう売るのか
です。では、この極めてシンプルな問いの回答をどうやって導き出せばいいか。2 Stepに分けてご紹介します。
営業戦略の立て方
Step1. データで「今」を知る
みなさんの会社に売上データはありますか? 起業直後の会社でない限り、みなさんの会社にはすでに取引実績があるお客様がいて、そのお客様の属性情報や取引実績、商談情報が蓄積されているかと思います。
そのデータは貴重な財産です。まずはそうした顧客情報、取引データを集めてみてください。そうすると、下記のようなグラフを作ることができるでしょう。商品やサービスごとの売上実績を見ることで、何が売れていて何が売れていないのがわかります。
さらにブレイクダウンしてみましょう。このデータに「地域」の要素を取り入れ、「全社」と「大阪支社」で売れ行きの傾向に違いがあるのか比較します。そうすると、違いがみえて、「大阪は全社に比べてオプションCは売れているけど、商品AとサービスBは売れていない……、なぜなのか?これは拡大余地があるのではないか」など疑問やアイデアが浮かんでくると思います。
もっと細分化して、各支社の状況をみてみましょう。それぞれの特性が明らかになり「大阪と名古屋は、商品Aは好調だけど、サービスBとオプションCは東京に比べてまだまだだから伸び代がある」、「札幌はそもそもサービスBとオプションCが全く売れていないから、これらの提案活動が少ないのではないか」などの気づきや次に向けたアクションを導き出すことができます。
とてもシンプルなデータを活用した分析ですが、「商品 x 売上」、「支店 x 売上」と分析の軸を変えることでいろいろな疑問やアイデアが湧いてくると思います。
これら「Step1. データで今を知る」を進めることで、冒頭に説明した営業戦略のポイントである「誰に・何を・どう売るか」の「誰に・何を」の2つが具体化されます。
なんとなく頭の中で考えていたことが根拠となるデータで明確になり、具体的に「誰に(どのようなお客様に、どの支店で)」「何を(どの商品・サービスを)」売れば良いのかがはっきりするでしょう。同時に金額もわかりますので、戦略のインパクトがどれくらいあるのかも計算できます。
Step2. 「アンゾフの成長マトリクス」を使う
では、「誰に・何を」の定め方がわかったところで、Step2として「どう売るか」を説明していきます。
ここでは「アンゾフの成長マトリクス」という戦略立案のためのフレームワークを活用します。冒頭難しそうなフレームワークは使わないと申しましたが、このフレームワークは業種・業界を問わず適用しやすく、とてもわかりやすいのであれこれ難しそうな横文字フレームワークが苦手な営業部長にもおすすめです。
アンゾフの成長マトリクスとは、「戦略的経営の父」の異名を持つ経営学者のイゴール・アンゾフが1965年に提唱したものです。「市場」と「製品」の2つの軸で成長領域を導き出すもので、それぞれの軸で「既存」と「新規」にさらに区分けし、4象限のマトリクスを作成します。
左上は、既存顧客に既存製品を売る「1.市場浸透」
右上は、既存顧客に新規瀬品を売る「2.新商品開発」
左下は、新規顧客に既存製品を売る「3.新市場開拓」
右下は、新規顧客に新規商品を売る「4.多角化」
と位置付けます。
このマトリクスの中で、営業部長が考えるべきポイントは、「1.市場浸透」「2.新商品開発」「3.新市場開拓」の3つで十分です。そのうえで、みなさんの営業目標を達成するうえで「1.市場浸透」で60%、「2.新商品開発」で20%、「3.新市場開拓」で20%をカバーするように割り振ってみてください。
各項目を掘り下げていきましょう。
- 市場浸透ではこれまでの既存顧客の取引実績を分析して、追加で提供できる既存製品の拡販を進めましょう。
- 新商品開発の領域では、既存顧客に新しい製品としてオプションやサービス契約などを的確に提案することを徹底しましょう。
- そして3.新市場開拓では、これまでお付き合いのない企業に販売するチャレンジがあります。いきなり新商品は売れにくいでしょうから、自社で最も実績の多い、強い製品を提案していきましょう。
このように3つに分けて考えると、それぞれ「どう売るか」が浮かんでくると思います。
この2つのStepで「誰に」「何を」「どう売るか」が明確になり、営業部長としての営業戦略が明確になります。
Salesforceを使うとこの2つのStepをとても楽に進めることができるので、多くの企業・営業部門に使われています。Salesforceには顧客データベースと取引実績があり、下記のような図もすぐに作成できます。どのお客様に何が売れているか、何が今後売れる余地が広いのかがわかります。
Salesforceはデータを図式化するだけでなく、担当営業に次のアクションもおすすめしてくれます。「製品Aと製品Dを購入しているお客様は、製品Cを購入するお客様が多いので、Cを提案してみましょう。受注の可能性が高いと思います」などど、理由も交えてアドバイスしてくれるんです。
Salesforceの製品デモ動画をチェック
SalesforceのSFA「Sales Cloud」がどのように営業戦略をサポートするか、実際の製品画面を交えながら詳しく解説します。
いかがでしたか?
Salesforceを使えばご紹介した営業戦略の立て方をより具体的かつスピーディに進めることができます。今回ご紹介した内容は、映像でも紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
【10分でわかる】営業部長のための営業戦略
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