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BANT営業とは?成功のコツや注意点、応用フレームワークを解説

BANTとは、営業における制約に必要は4つの要素、予算・決裁権・ニーズ・導入時期に基づいたフレームワークです。本記事では、BANTの効果や成功のポイント、注意点、応用フレームワークを解説します。

営業活動の成功率を高める手法としてさまざまなフレームワークがあり、その中でも「BANT」に興味をもっている方もいるのではないでしょうか。

BANTとは、4つの要素の頭文字をとったフレームワークで、予算や決裁権などに注目してヒアリングをおこなうことで、成約を実現しやすくなります。

本記事では、BANTの効果や成功のポイント、注意点を解説します。BANTが発展した応用フレームワークも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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BANT営業とは?営業が知っておくべきフレームワーク

BANTとは、成約率を高めるために必要な4つの要素の頭文字をとった、営業活動で活用されるフレームワークです。4つの要素は、Budget(予算)・Authority(決裁権)・Needs(必要性)・Timeframe(導入時期)であり、それぞれの要素をヒアリングしたうえで顧客にアプローチし、成約を目指します。

ここでは、BANTを構成する4つの要素を詳しくチェックしていきましょう。

なお、営業に活用できるフレームワークは、BANT以外にも数多くあります。ほかのフレームワークも知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。

▶ 営業戦略・戦術の立案に役立つフレームワーク16選|活用ポイントも詳しく解説

B:Budget|予算

Budgetとは、顧客が商品・サービスを導入するために確保できている予算です。ニーズや導入時期などがマッチしても、予算をクリアできないと導入が難しいため、BANTの中でも優先的に確認する必要があります。

信頼ができあがっていない商談当初では、ストレートな問いかけだと具体的な金額を聞き出せない場合があるので、競合の導入事例を伝えつつ慎重に大まかな目安を引き出しましょう。

A:Authority|決裁権

Authorityとは、商品・サービスを導入する際の決裁権のことで、営業においては誰が決裁にかかわっているかを見極める必要があります。決裁権者が明らかになれば、その人へ直接アプローチすることで、効率的な営業活動が可能です。

決裁権者は、企業の体制によって異なるため、商談時の聞き取りが欠かせません。決裁にかかわる人が複数いたり、提案金額によって決裁権者が変わったりする場合もあるので、聞き取りの結果に応じて柔軟にアプローチしましょう。

N:Needs|ニーズ

Needsとは、商品・サービスの導入に必要性を感じているかを判断する要素です。BANTにおいては、ニーズの有無だけではなく範囲に目を向ける必要があります。

たとえば、営業に対応する担当者個人はニーズを感じていても、組織としては明確に必要性を感じていない場合があるでしょう。誰がニーズをもっているかをヒアリングし、全体に必要性を感じてもらうための提案を検討する必要があります。

また、ニーズをもった理由や、それにつながる課題などを深堀りすることも大切です。なぜ商品・サービスを導入したいのかを明確にすることで、より課題解決に導ける提案ができるでしょう。

T:Time frame|導入時期

Time frameとは、商品・サービスを導入したい時期を把握するための要素です。導入時期が決まっている場合はアプローチの優先度が高く、顧客が競合他社を選択する前に成約を獲得しにいく必要があります。

導入時期が決まっていなかったり、予定まで期間が長かったりする場合は、今すぐにアプローチする必要はないかもしれません。

アプローチの優先度や、案件のスケジュール管理をおこなううえで、Time frameの把握は重要な要素です。

BANTを営業に活用する4つのメリット

BANTを営業活動に取り入れることで、以下のようなメリットを期待できます。

  • チームで情報を共有できる
  • 顧客に寄り添った営業活動ができる
  • 欠けている要素から課題を明確にできる
  • 適切なタイミングでクロージングできる

情報共有や営業活動の質向上などにつながるので、メリットを理解したうえで導入時期を検討してみましょう。

チームで情報を共有できる

BANTの導入によって組織にBANTの共通認識が生まれると、営業活動の進捗や顧客情報などの共有をおこないやすくなります。たとえば、導入時期に注目すれば、アプローチの優先度や各案件のスケジュールを可視化できます。

営業活動でなんらかの問題が起きた場合には、BANT情報を参考にして問題解決につながる要素に対してフォローが可能です。

顧客に寄り添った営業活動ができる

BANTのうちの予算やニーズなどは顧客の状況を理解する要素であり、活用によって顧客に寄り添った営業活動が可能になります。

たとえば、予算を把握できた場合には、予算の範囲内で商品・サービスを提案し、無理のない金額で導入を検討してもらえるでしょう。ニーズを深掘りすれば、潜在的な課題を解決する提案もできるようになります。

欠けている要素から課題を明確にできる

BANTを用いた営業では、ひとつでも欠けている要素があると成約が難しくなります。

欠けている要素は成約するために解決しなければならないポイントであり、課題を明確にしやすいのはメリットです。たとえば、予算のみクリアできていないなら、商品・サービスの価格を見直したり、プランのグレードを落としたりする必要があります。

成約を思うように獲得できない場合には、BANTのうち欠けている要素に注目して、課題を分析しましょう。

適切なタイミングでクロージングできる

営業活動において成約をとるクロージングのステップは重要で、適切なタイミングで顧客の背中を押す働きかけが求められます。

BANTを用いた営業では、BANT条件をすべて満たしたタイミングがクロージングする目安のひとつです。予算や決裁権者の了承などの条件をクリアしたときは、購買意欲が高まった状態といえるでしょう。クロージングに課題があり、失注が増えている場合には、BANTが効果を発揮するはずです。

クロージングのコツやテクニックは以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

▶ クロージングとは?営業の流れからコツ・テクニックまで例文付きで解説

BANTを活用した営業のコツ

BANTを成功させるためには、以下4つのコツを実践することが大切です。

  • まず具体的な予算規模を確認する
  • 決裁ルートや稟議手順を把握する
  • 潜在ニーズにアプローチする
  • 明確なスケジュールを提案する

BANTの各要素に着目し、予算や決裁などの条件を満たせるように、ヒアリングやアプローチをおこないましょう。

まず具体的な予算規模を確認する

BANTの中でも、予算は最初に把握しておくべき要素です。予算規模によって提案する商品・サービスやプランなどが変わり、提案の準備はもちろん、開発や製造などにも影響があります。

関係が構築されていない段階では、明確な金額を聞き出すのが難しいものの、できるだけ具体的な予算規模を確認するのがポイントです。予算の範囲や過去の導入実績などから、なるべく明確な金額を教えてもらいましょう。

決裁ルートや稟議手順を把握する

BANTでは決裁権者を明らかにする必要がありますが、決裁をもつ人だけではなく、決裁や稟議の流れもヒアリングしましょう。

決裁権者の情報を含めて、決裁ルートや稟議手順を把握できると、各ステップで効果的なアプローチを実施できます。

たとえば、決裁権者と思われる担当者に確認事項をメールしたときに、担当者が即決した場合は決裁ルートがシンプルであると予想されます。上司の確認や会議での稟議などがおこなわれるようであれば、稟議手順が複雑と考えられ、アプローチの仕方を再検討する必要があるでしょう。

潜在ニーズにアプローチする

BANT営業で顧客のニーズを明らかにするステップでは、まだ気づいていない潜在ニーズに注目しましょう。

たとえば、ツールを導入して業務を効率化したいという顕在ニーズがあるものの、実際にはツールだけでは解決できない体制面の課題があるかもしれません。

潜在ニーズを汲み取り説得力のある提案ができれば、ツールの提供だけではなく体制構築までサービスを広げられる可能性があり、売上アップも期待できます。

明確なスケジュールを提案する

BANTを用いて導入時期を把握する際は、目安を聞くだけではなく、担当者からスケジュールを提案するのがポイントです。必ずしも導入時期の見通しが立っているとは限らず、スケジュールの提案によって導入に向けたプロジェクトが進むケースがあります。

顧客がもつ課題や体制などを踏まえたスケジュールを提案できれば、導入に向けて背中を押すことが可能です。

BANTを活用して営業する際の3つの注意点

BANTを用いて営業する際には、以下3つの注意点に気をつけましょう。

  • ヒアリング前に条件を設定するのは難しい
  • 決裁手順によっては円滑に商談が進まない場合がある
  • BANTだけで受注できるとは限らない

どのようなシーンでも成果を得られるわけではないので、注意点をおさえたうえで、使い方や使いどころを見極めることが大切です。

ヒアリング前に条件を設定するのは難しい

顧客情報をSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)などで管理している場合、蓄積された情報から顧客がBANTを満たしているかを推測できます。ただ、管理されている情報が正確とは限らず、ヒアリングと内容が異なる場合があるので、BANT条件はヒアリングに基づいて設定しなくてはいけません。

たとえば、アンケートで予算規模を回答してもらった場合でも、実際にヒアリングすると回答よりも予算が少ないこともあります。

蓄積された情報を参考に準備を進めると、実際の情報とのギャップが生じ工数が無駄になるおそれがあるので、必ずヒアリング後にBANT条件を整理しましょう。

決裁手順によっては円滑に商談が進まない場合がある

BANTは海外で生まれたフレームワークであるため、日本企業ならではの決裁手順を採用している場合に、商談が思うように進まないおそれがあります。

決裁ルートがシンプルな企業であれば問題ありませんが、手順が複雑で、ステップごとに別の決裁権者がいる場合には、BANTを効果的に活用できない点に注意が必要です。

BANTを適用できるかを見極めて、状況に応じて手法を柔軟に変えていくとよいでしょう。

BANTだけで受注できるとは限らない

BANTは、顧客情報を4つの要素で把握するフレームワークであり、BANTだけでは受注できない場合があることを理解しましょう。

BANTを満たしたら必ず受注できると認識していると、聞き出すことが目的になり、肝心の提案に価値を出せない場合があります。

BANTを活用したヒアリングを実施したうえで、獲得した顧客情報をもとに柔軟なアプローチをおこなうことが大切です。

BANTを活用した営業は古い?応用フレームワーク「BANTC・BANTCH」

「BANTは古い」といわれることがあり、今でも通用するのか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。BANTから派生したフレームワークとして、BANTCとBANTCHがあり、BANTよりもヒアリングで注視する要素が増えています。

BANTCとBANTCHそれぞれを構成する要素は、以下の通りです。

フレームワーク構成要素
BANTC・B:Budget(予算)
・A:Authority(決裁権)
・N:Needs(ニーズ)
・T:Time frame(導入時期)
・C:Competitor(競合)
BANTCH・B:Budget(予算)
・A:Authority(決裁権)
・N:Needs(ニーズ)
・T:Time frame(導入時期)
・C:Competitor(競合)
・H:Human resource(人材)

BANTの応用として、BANTCとBANTCHを理解し、営業活動への活用を検討してみましょう。

BANTC

BANTCとは、BANTにCompetitor(競合)を加えたフレームワークです。BtoBの営業では、顧客のほとんどが他社と比較・検討しているため、競合から提案を受けているかを把握して戦略を立てる必要があります。

守秘義務によって聞き出せない場合もありますが、競合の存在がわかった場合には、後れをとらないように優先度を高めることが可能です。

BANTCH

BANTCHとは、BANTCにHuman resource(人材)を加えたフレームワークで、決裁にかかわる部分をより深く把握します。

BANTでは、決裁権者や決裁ルートに目を向けますが、BANTCHでは提案にかかわる関係者やその人間関係に着目するのが特徴です。関係者全体に向けた提案につながり、全体のニーズを満たしやすくなることで、受注率を高められます。

BANTを活用した営業管理には「Sales Cloud」がおすすめ

BANTを活用した営業では、BANTを軸とした顧客情報を適切に管理したり、チームに共有したりすることが成約に欠かせません。

顧客情報の管理には、セールスフォースの「Sales Cloud」がおすすめです。「Sales Cloud」は、AIを搭載したCRMで、営業活動の生産性アップや成果の最大化につながる機能を備えています。

営業活動の一元管理により顧客とのやり取りが可視化されるだけではなく、見込み顧客の管理や商談の管理も可能です。売上予測機能を活用した目標管理や、業務プロセスの自動化による効率アップなどによって、BANT営業の成果を最大限に高められます。

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BANTを用いた営業の成功にはAIの活用が効果的

Sales Cloud」には、セールス向けのAI「Einstein」が搭載されています。顧客との会話から重要なポイントを特定したり、優先すべき案件を抽出したりすることで、営業活動の精度や効率の改善が可能です。

AIが分析した情報は、スコアリングに基づいて優先順位が高い順に表示されます。重要度の高いリードや確度の高いリードを発見し、的を絞った営業活動につながるのがメリットです。

生成AIとしても活躍し、顧客情報をもとにワンクリックでセールスメールを作成できます。顧客への挨拶や日程調整などのメール作成を効率化でき、商談やクロージングなどにリソースを充てられるのが魅力です。

「Sales Cloud」のAI機能については以下のページで詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

▶ 「Sales Cloud」のセールス向けAI

BANTを営業活動に取り入れて成約率アップを目指そう

BANTは、予算や決裁権など4つの要素に着目した営業手法です。BANT情報を軸にして情報共有をおこなったり、顧客目線でヒアリングや提案を実施したりすることで、受注の可能性を高められます。

BANTを活用した営業を成功させるためには、具体的な予算規模を早い段階で把握したうえで、決裁ルートにあわせたアプローチや潜在ニーズを汲み取った提案が大切です。

BANTから派生したBANTC、BANTCHも理解したうえで、適したフレームワークを組織に取り入れ、効果的な営業活動を展開しましょう。

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