「Salesforce 何がすごい」で検索すると、いくつかの企業が弊社のウェブサイトやリリースから断片的に集めた機能や価格情報を公開しています。残念なことに、全てが部分的な転記以上の価値を持っていなさそうでした。
結論から言うと、「Salesforceは売上を上げるために必要な仕組みやノウハウがテクノロジーに変換されている」から、すごいのです。本記事では、Salesforceとして公式にSalesforceは何がすごいのか、Salesforceが最終的に選ばれる分かりやすい一例をご紹介します。
売上を上げる仕組み
日本のCIOが、デジタルテクノロジーに投資する理由をご存知でしょうか。Gartner によると、最上位は「売上の創出」の66%、2番目が「営業利益の改善」の57%です。(図1*)
ビジネスなので疑問の余地がない結果ですね。おそらく CEO のテクノロジーに期待する最優先事項も同じではないでしょうか。
組織のエグゼクティブにこうした認識がある中で、CRMやSFA領域において Salesforce が圧倒的に世界及び日本で市場シェア No.1 である理由はなんでしょうか。
特定の機能が優れているからでしょうか。そこまで複雑に考える必要はなく、公式見解はは極めてシンプルです。先ほどのエグゼクティブの優先事項を思い出してください。そう、つまり「Salesforce = 売上の創出、営業利益の改善ができるから」選ばれているのです。例えば製品画面をみながら分かりやすい例をお伝えします。
Sales Cloud(セールスクラウド)の例
例えば、こちらは 「Sales Cloud(セールスクラウド)」 に特徴的な「商談のフェーズ管理」の画面です。
ひょっとしたら他のツールでも同じことができるかもしれませんし、価格も私たちよりも安いかもしれません。しかし、Salesforce が他社と圧倒的に異なる部分の一例は、右側の「成功へのガイダンス (名称の変更は自由です) 」と書かれている部分を熟知しているかどうかにあります。
SFAを比較検討時にベンダーに聞きたいこと
もし、SFAを比較検討されている場合、Salesforceを含め比較検討している全てのツールベンダーに以下の質問をしてみてください。
- 【商談のフェーズ管理の具体性】
営業プロセスの標準化と商談の成約率の確実な底上げを実現するためには、フェーズ管理(フェーズと重要項目の提示)においてフェーズを前に進めるためのヒアリング項目とそれらを聞き出すガイダンスは提供されますか? - 【商談のフェーズ管理をデータからアップデート】
各フェーズはより効果的な営業活動のために、フェーズの遷移ログを蓄積して、滞留期間の長いステージや失注が多い不ステージを特定して、改善のサイクルを可能にする仕組みが必要です。 - 上述2点を御社で実際に利用しているナレッジと数値を提供してもらうことは可能ですか?
もし比較検討しているツールが「売上を上げる仕組み」であるならば、それを提供しているベンダーは具体例を応えられるはずです。
この質問に対して、マーケティング活動からのコンバージョン率や、社内での具体的な数値や成功事例を提示できるかを比較検討しているベンダーに確認しましょう。
例えば、Salesforce の社内で実際に用いられている商談の管理フェーズは大きく8段階に分類しており、フェーズ定義と具体的な行動、遷移率が明らかになっています。
これは Salesforce の米国も日本も同様です。そしてそれぞれのフェーズにおいて営業担当者が「商談を前に進めた」と判断する情報やアクションの定義を設けて管理しています。
Salesforce はこれを「恐ろしいほど本当に社内で強力に実施」しており、営業計画やマーケティング計画は25年間2桁成長を続けてきたデータに基づいて遷移率や成約率が算出されています。
お客様の成功事例
Salesforce は営業を「気合い」から「科学」に変換する仕組みとノウハウであるため、この質問に明確で実効性のある答えが出せるかどうかを重視しています。
この仕組みの代表的な一つのモデルが「The Model (ザ・モデル)」で、実際にこのモデルを踏襲することで売上を向上するお客様も数多く存在しています。コンサルティングサービスを提供するGLナビゲーション様は成功の代表例の一つです。
「Salesforceは高くない!」
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Salesforceは何がすごい?と聞かれれば、まさに売上を上げるためのテクノロジーと実践経験のインテリジェンスが提供されるからすごいのです。
営業活動に貢献するマーケティング計画の仕組み
The Model (ザ・モデル) は、Salesforceが日本で有名になった一つの仕組みですが、インターネットで検索すると、潜在顧客の獲得から契約継続までのプロセスを左から右に描いたモデル図がたくさん表示されます。この一部分だけが伝わっていることが多くあります。
このモデルの有用性は、部門間連携によって事業プロセスと管理指標を最適化することです。しかし、このモデルのパワーは売上を効率化して向上させる以外に、「遷移率」から逆算してマーケティング目標の算出や管理にも役立てることができるのです。図説していきましょう。
よく目にする The Model は、上段の「実行」の部分に該当します。リードを獲得して、見込み客を生み出し、商談化して、受注率を掛け算して売上を算出し、更新率をかけて来年の見込み売上を予測する…簡単に言えば、これは実行の段階のプロセスです。
The Model をどのように使うか
では売上を上げる「計画」をつくるためには、このモデルをどう使うと良いでしょうか?実際にはこのモデルで明らかになる各フェーズの遷移率から、必要な商談目標額や潜在顧客獲得数を逆算して計画するのです。図の下部「計画」の部分を見てみましょう。例えば、
- 今年は売上1,000億円を目標にする。
- 契約更新率が90%なので、残り10%の100億円を新規受注する必要がある(営業目標)
- 商談の成約率は30%なので、100億円の新規受注のためには約3倍の300億円の商談が必要である(インサイドセールスの目標)
- 見込み顧客からの商談化率は25%なので、300億円の商談を創出するには1,200億円相当の見込み顧客を獲得する必要がある(マーケティングの目標)
といった具合です。これはわかりやすく単純化していますが、実際の The Model ではホースマン別(商談創出をリードする部門別)に管理するため、Salesforce 社内ではホースマン別の The Model が複数並行して実行され計画されています。
マーケティングツールを比較検討時にベンダーに聞きたい事
そのため、もしマーケティング関係のツールも Salesforce を含め同時に比較検討している場合、以下の質問をあらゆるベンダーに聞いてみましょう。
- 【営業に貢献するマーケティングについて】
営業プロセスの標準化と商談の成約率の確実な底上げを実現するためには、マーケティングと営業が単にフェーズ管理でつながるだけでなく、どの程度の商談創出に貢献するかデータに基づいた目標設定が必要だと考えています。御社で実際に利用しているマーケティングプロセスと数値を提供してもらうことは可能ですか?
もしマーケティングが売上に貢献する仕組みであるならば、この質問にも応えられるでしょう。この質問に対して、マーケティングの具体的な数値や成功事例を提示できるかを比較検討しているベンダーに確認しましょう。そして数値管理だけでなく、目標達成に必要な CRM 管理としてどのような指標を追うべきなのか、AIはこのプロセスのどこに役立つのか……。大事なことは「売上を上げる仕組みが科学になっているかどうか」です。
Salesforceはビジネスをデータドリブンで実現するために最適化されたテクノロジーです。そのため他社が独自に機能単位で比較しても良いのですが、「売上を上げる」と言う目標があるのならば、比較検討では「売上を上げる仕組みを理解しているベンダーか」という側面を確認することを推奨します。
【導入実績15万社以上】なぜSalesforceは選ばれるのか?
Salesforceを導入して急成長を遂げた企業の事例を7つ紹介。
スタートアップや中小企業がどのように成果を上げたかを具体的に解説します。
Salesforceは何がすごいのか?
ここまで「Salesforceは何がすごいのか?」の一例を見ていただきました。
Salesforceは「売上を上げるために必要な仕組みやノウハウがテクノロジーに変換されている」のですごいのです。今回は SFA 比較を行う場合の一例、しかも商談のフェーズ管理という一つの機能の裏側にある意図をご紹介しましたが、他にも本質的に比較していただきたいポイントが山のように存在しています。
今回述べてきたような 「Salesforce で社員は実際に Salesforce をどう利用しているのか」を知りたい場合は「Salesforce on Salesforce」とい言うプログラムを希望することを弊社営業までお申し付けください。おそらく Salesforce の社員は、お客様の成功のために、実例と実際の数値を嬉々として語るだろうと思います。
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Gartner®, “2024年のCIOとテクノロジ・エグゼクティブのアジェンダ:日本の展望”, Tsuneo Fujiwara et al., 25 April 2024
Gartnerの2024年CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ:本調査は、CIOが企業全体にわたってデジタル・リーダーシップをどのように配分するかを判断できるように、そしてテクノロジの採用や機能的パフォーマンスのトレンドを明らかにするために、2023年5月2日~6月27日にオンライン形式で実施された。回答者の97%が情報テクノロジ部門のリーダーであった。合計2,457人のCIO/テクノロジ・エグゼクティブが参加しており、あらゆる地域、さまざまな規模の売上高、業種 (公的機関および民間企業) を網羅している。そのうち、日本企業のCIOは235人であった。
免責文言:調査結果は、グローバルな所見や市場全体を示すものではなく、調査した回答者/企業の考えを反映するものである