ソリューション営業とは、顧客との対話を通じて課題やニーズを汲み取り、解決策を提案する営業スタイルです。
顧客の情報収集の仕方や求める営業の姿が変わるなかで、抱えている課題を深掘りし、的確な提案をするソリューション営業が求められています。
本記事では、ソリューション営業の流れやメリット・デメリット、求められるスキル、成功させるためのポイントまで詳しく解説します。ほかの営業手法との違いにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
ソリューション営業とは|顧客の課題解決策を提案する営業方法

ソリューション営業とは、顧客がもつ課題やニーズに対して解決策を提案する営業手法です。
顧客とのコミュニケーションを通じて、課題感を汲み取り、課題解決につながる商品・サービスを提案します。
たとえば、顧客にヒアリングをした際に、進捗管理が不適切で顧客の機会損失を起こしているという課題が明らかになったとしましょう。その際に、進捗管理の課題を解決するサービスを提供するのがソリューション営業に該当します。
ソリューション営業は営業手法のひとつとして確立された一方で、近年は新しい営業手法への変化が求められているのも現状です。
ここでは、現状や営業スタイルの特徴などを押さえ、ソリューション営業について正しく理解していきましょう。
ソリューション営業の5ステップ

ソリューション営業は、以下のステップで進行するのが基本です。
- 顧客分析をする
- 関係を構築する
- 問題・課題を共有する
- 解決策を提案する
- 商談成立後、アフターフォローに取り組む
ステップごとのポイントを参考にして、順序よくソリューション営業を進めましょう。
1.顧客分析をする
顧客との関係構築や解決策の提案をするためには、まず顧客を知ることが必要です。
企業情報や事業内容、業界での立ち位置など顧客に関する情報はもちろん、顧客が属する業界の動向や最新事情などにも目を向け、幅広い情報を収集しましょう。
ただ情報を集めるだけではなく、顧客の課題に対して仮説を立てることも重要です。
たとえば、顧客が属する業界に着目したときに、新たに参入してきた企業の注目度が増しているなら、競合他社の増加が課題につながっていると仮説を立てられます。
顧客と対話する際に仮説があると、課題の発見やすり合わせがしやすくなります。
2.関係を構築する
顧客分析を元にした仮説を立案したら、ヒアリングを通して顧客との関係を構築します。
接点が少ない場合は、顧客との関係ができあがっていないため、いきなり仮説をぶつけるのではなく、共通の話題や顧客の話題から対話をはじめましょう。
最近感じている課題や悩みなどに触れたタイミングで、分析の結果や仮説を共有すると、スムーズにコミュニケーションが可能です。
顧客の反応を第一にして、焦らずに対話を続けることで「もっと詳しく聞いてもらいたい」という気持ちを引き出せます。
顧客との信頼関係は、何度も話し合うことで構築できます。反応を見ながら、徐々に関係を近づけられるようにコミュニケーションを地道に続けましょう。
3.問題・課題を共有する
顧客との関係性が構築されると、顧客から課題やニーズについて話してくれる機会が増える傾向があります。
信頼関係ができたと感じたタイミングで、顧客分析を元にした仮説を伝え、現状の問題や課題を共有しましょう。仮説に対する率直な意見をヒアリングし、課題・ニーズを明確にすることで、精度の高い提案ができるようになります。
注意点として、顧客の企業全体で問題意識が統一されているかに注目しましょう。
現場では課題を身近に感じていても、管理層から見たときに課題はまだ深刻ではないと判断していた場合には、アプローチがうまく進まないおそれがあります。
管理層と現場で認識がズレていると感じる場合は、全体を俯瞰して課題やニーズを汲み取ることが重要です。
4.解決策を提案する
顧客と課題・ニーズのすり合わせができたら、解決策の提案を行います。
商品・サービスを説明するだけでは従来のプロダクト営業になってしまうため、商品・サービスがなぜ課題解決につながるかという視点で、メリットや使用シーンなどを訴求するのがポイントです。
たとえば、Aという商品があったときに「Aには〇〇という魅力があるのでおすすめです」ではなく「Aには〇〇という機能があるので、導入することで〇〇のよう場面で〇〇できるようになります」のように、どのような変化や効果があるかを重点的に伝えるとよいでしょう。
顧客にとっては、プロダクト営業に比べて売り込まれた印象が少なく、課題解決のために自ら選んだ感覚になる傾向があります。顧客のためを思った提案になるように、顧客目線の説明を心がけましょう。
5.商談成立後のアフターフォローに取り組む
商談成立後は、商品・サービスを導入した後のフォローに力を入れましょう。
販売・契約で終わらせず、アフターフォローを欠かさないことで顧客との信頼関係が強固になります。
たとえば、業務管理システムを顧客に提供した場合、納品時のセットアップやトラブルが起きたときの対応などのフォローが効果的です。必要に応じてヒアリングを行い、新たな製品やプランなどを提案することでも、顧客の課題解決をサポートできます。
新たな課題が見つかったときに相談を受けたり、改善に役立つ貴重なフィードバックをもらったりするなど、さまざまなメリットを得られるでしょう。
ソリューション営業に求められる5つのスキル

ソリューション営業を実践するうえで、重要になるのは以下のスキルです。
- 情報分析力
- 仮説構築力
- コミュニケーション力・関係構築力
- ヒアリング力
- 提案力
分析やコミュニケーションなど多角的なスキルを求められるので、営業組織全体としてスキルアップに取り組む必要があります。
以下の記事では、営業に求められるスキルを6つピックアップして解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
▶ 営業に求められる6つのスキルとは?スキルアップのためにできることも紹介
情報分析力
ソリューション営業の土台は、顧客を深く知ることであるため、情報分析力が欠かせません。
顧客理解に必要な情報を理解し、正しい手段で収集できるのはもちろん、集めた情報を多角的に分析するスキルが求められます。
提案者としての視点ではなく、顧客の視点から分析できると、課題や悩みにヒントを見つけやすく、効果的なコミュニケーションや提案につながるでしょう。
仮説構築力
情報分析力とあわせて求められるのが仮説構築力です。
仮説は顧客の課題のすり合わせや提案のベースづくりで重要になるため、精度の高い仮説立案が求められます。
分析結果から顧客視点の仮説を立てることで、課題の共有を進めやすく、軌道修正を通じてより明確な課題を把握できるようになります。
情報分析と同じく、顧客目線に立つことが重要です。
顧客ならどう考えるかを突き詰め、顕在ニーズの納得感を強めたり、潜在ニーズに気づいたりできる仮説を立てられるソリューション営業を目指しましょう。
コミュニケーション力・関係構築力
ヒアリングや提案を行うためには、まず顧客との信頼関係づくりが重要なため、コミュニケーション力は大切なスキルです。
ひとりの人間として顧客と気持ちよく対話できることで、人間性を認められ、顧客はリラックスして話せるようになります。
ヒアリング力
信頼関係を構築した後、仮説の検証や課題の共有で重要になるのがヒアリング力です。
効果的な質問ができる力も大切ですが、対話のなかで自然に課題や悩みを話したくなる「聴く力」が求められます。
顧客の話に共感しながら、適切な質問や相槌をし、安心して話をしてもらいながら課題やニーズのヒントを見つけ出すのが理想です。
提案力
関係構築やヒアリングの先にある成約を勝ち取るためには、提案力は必須のスキルです。
顧客がもつ課題や悩みを解決するという視点で、商品・サービスの魅力を伝えられると、成約に一歩近づきます。
課題解決への信頼性を高めるために、類似の事例やデータなど効果的な資料も活用できれば、より成果を期待できるでしょう。
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ソリューション営業を成功させるため4つのポイント

ソリューション営業を成功させるためには、以下に挙げる4つのポイントが重要です。
- 顧客のニーズを踏まえた仮説を立てる
- 顧客との信頼関係の構築に力を入れる
- 課題解決につながる商品・サービスを的確に提案する
- ツールを導入し業務効率を高める
仮説にもとづいたアプローチや信頼関係の構築などに力を入れ、顧客の獲得や成約などの成果を実現しましょう。
以下の記事では、Salesforceの営業として、世界一の成績を納めた経験をもつセールスの営業理論を紹介しています。ソリューション営業に生かせるヒントが詰まっているので、ぜひ参考にしてみてください。
顧客のニーズを踏まえた仮説を立てる
ソリューション営業では対話から課題やニーズを引き出すため、ヒアリングの起点となる仮説が重要です。
顧客分析からニーズを正しく理解したうえで、仮説を設定することで商談を進めやすくなります。
たとえば、営業の成果が伸び悩んでいるという分析結果があった場合、なぜ伸び悩んでいるかを明らかにできていないと、適切な仮説を立てられません。状況だけではなく、ニーズを明確にしたうえで仮説を立てることを意識する必要があります。
仮説が課題にマッチしていれば信頼を得られ、課題にズレがあった場合は提案前に軌道修正ができるため、仮説設定はソリューション営業で必須のステップと言えるでしょう。
顧客との信頼関係の構築に力を入れる
接点のない顧客にアプローチする飛び込み営業、すでに関係性がある顧客を対象にするルート営業と比較して、ソリューション営業は関係構築の重要性が高いです。
すぐにヒアリングや提案に入るのではなく、共通の話題や最近の動きなどの対話から、徐々に関係性を構築しましょう。
顧客が提供している商品・サービスに関する話をしたり、最近の事業について聞いたりするなど、本題に入る前に気軽なコミュニケーションをとれると顧客はリラックスできるはずです。
何度か対話するなかで自然に課題や悩みを話してくれるようになったら、正直な課題感やニーズを引き出せるはずです。まずは関係づくりに力を入れ、自然な対話ができる間柄を目指しましょう。
課題解決につながる商品・サービスを的確に提案する
顧客がもつ課題に対して、ニーズを満たしてくれる商品・サービスを提案することで、成約を勝ち取りやすくなります。
自社が取り扱う商品・サービスを深く理解し、もっとも課題解決につながるものを提案することが重要です。AとBという2つの商品があったときに、単価の面からAを売りたい場合でも、課題解決につながる可能性が高いBを提案することで、ソリューション営業に成功しやすくなります。
なぜこの商品で課題解決できるのか、複数の商品のなかでなぜこの商品なのかが明確に伝われば、納得感のある提案になるでしょう。
ツールを導入し業務効率を高める
ソリューション営業では顧客分析や仮説立案などのプロセスがあり、それぞれ複雑な作業を求められるため、関係構築や提案などの効率を高めるためにはツールによる営業管理がおすすめです。
ツールによって営業活動を記録したり、顧客別に情報を管理したりすることで、無駄のないソリューション営業を推進できます。営業活動の進捗をツールで可視化できれば、顧客ごとに現在のフローや次に行うべきアクションを把握できるでしょう。
さまざまな営業ツールがあるなかで、SalesforceのSales Cloudは営業活動の生産性を高め、企業の成長を加速できるツールです。Sales Cloudには、案件管理や営業支援などの機能があり、営業活動の効率化に役立ちます。
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営業ツールのメリット・デメリットは以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて確認しましょう。
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ソリューション営業は終わった?2025年でも使えるのか

ソリューション営業は現在も効果的な営業手法であることに変わりありませんが、近年「ソリューション営業は終わった」と言われることも増えてきています。
ソリューション営業は質問によって課題を引き出すため、顧客の課題が明らかになっていない場合、課題にマッチした提案が難しくなるのが弱みです。ソリューション営業では成果につながらないケースが増えたことで、「終わった」と言われています。
そこで注目されているのがストーリー営業で、「理想→課題→価値→方法」という一連のストーリーを伝え、商品・サービスを訴求します。課題発見を急ぐのではなく、なぜ課題を解決したいかを丁寧に考えていくことで、営業の確度を高められるのが特徴です。
ただ、新たな営業手法が注目されていますが、2025年でもソリューション営業は通用すると言えるでしょう。
顧客自身が理解していない潜在的な課題や悩みを引き出すのは、営業担当者のスキルによる部分も多く、分析やヒアリング次第で提案の糸口を見つけられます。近年注目されているストーリー営業などを取り入れながら、顧客が求める営業スタイルや時代の変化に合わせることができれば、アップデートを重ねたソリューション営業によって十分に成果を目指せるでしょう。
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ソリューション営業とほかの営業方法との違い

ソリューション営業には、ほかの営業方法と比較したときに、どのような違いがあるのでしょうか。
ここで比較するのは、以下3つの営業方法です。
- プロダクト営業
- アカウント営業
- 御用聞き営業
それぞれの特徴を押さえたうえで、ソリューション営業との違いを理解しましょう。
プロダクト営業
プロダクト営業とは、自社の商品・サービスの魅力を前面に押し出して、顧客に売り込む営業方法です。ソリューション営業は課題やニーズの解決策を提示しますが、プロダクト営業では商品・サービスの魅力から提案します。
競合する商品のなかでも、自社製品がもっとも優れていることをアピールし、顧客の獲得を目指します。商品力が大きなアピールポイントになるため、メーカー系の企業で採用されることが多いのが特徴です。
プロダクト営業で成果を出すには、自社製品への深い理解が欠かせません。顧客のニーズにアプローチできる自社製品の魅力にフォーカスした提案によって、顧客を獲得できるでしょう。
アカウント営業
アカウント営業とは、特定の顧客にターゲットを絞り、ターゲットに対してピンポイントに提案をしていく営業方法です。
特定の顧客へのアプローチから商談や成約を経て、アフターフォローやアップセル・クロスセルなどで長期的な関係構築を目指します。一方、ソリューション営業は顧客に対して課題解決を軸とした提案を行う方法であり、長期的な関係構築ではなく、新規顧客の問題解決を目的にしている点が違いです。
アカウント営業では、顧客に向き合うことが重要になります。特定の顧客について深く理解し、緻密な分析を重ねることによって、長期的なパートナーとしての立ち位置を確立できるでしょう。
御用聞き営業
御用聞き営業とは、顧客のもとに定期的に訪問し、要望に応じた商品やサービスを提供する営業方法です。既存顧客を対象とした手法であり、すでに関係が構築されているため、安定的な受注を期待できます。
一方、ソリューション営業は顧客の要望を起点にするではなく、自らヒアリングを行い、課題やニーズにあった解決策として商品・サービスを提案するのが特徴です。
御用聞き営業は、商品や供給元が多くなった現代では通用しにくく、顧客の要望が前提にある点で潜在ニーズを引き出しにくいという課題があります。
さまざまな選択肢があるなかで競合よりも自社が選ばれたり、潜在ニーズにアプローチしたりするためには、御用聞き営業からソリューション営業への移行が必要と考えられています。
御用聞き営業からの脱却を検討している場合は、ソリューション営業へ舵を切る選択肢を検討してみましょう。
ソリューション営業のスタイル

ソリューション営業のスタイルは、問題解決型とインサイト型に大きく分けられます。スタイルによって顧客へのアプローチが異なるので、違いを理解したうえで、効果的なスタイルを実践しましょう。
問題解決型
問題解決型のソリューション営業は、顧客がすでに課題や欲しいモノ・サービスを認識している場合に行うスタイルです。
たとえば、営業の進捗管理に課題があることが明確であれば、解決策として進捗管理を支援するサービスやシステムなどを提案します。サービスやシステムの導入効果や実際の事例などを効果的に伝えられれば、成約が期待できるでしょう。
明確になっている課題やニーズを深く分析し、解決に向けた提案を行います。表面化した課題やニーズがあるため、潜在ニーズを引き出すところからはじめるインサイト型に比べると顧客の要望に対応しやすいスタイルでしょう。
インサイト型
インサイト型のソリューション営業は、潜在的な課題やニーズの解決を目指すスタイルです。顧客自身も課題を認識していないため、対話を通じてニーズを引き出したり、会話からヒントを見つけたりするなど、営業パーソンのスキルが求められます。
たとえば、営業の成果が伸び悩んでいるという結果が出ているものの、課題を明確にできていない場合には、インサイト型のソリューション営業が効果的です。ヒアリングや市場の動向調査などによって課題を導き出し、解決に向けた選択肢として自社の商品・サービスを提案すると説得力のある営業ができます。
難易度は高いですが、顧客としては自身で理解していない課題を発見できる点は心強いため、付加価値を与えられるでしょう。顧客の信頼を得られれば、パートナーとして事業に伴走する役割を担える可能性もあります。
インサイト営業の特徴やメリット・デメリットは以下の記事で解説しているため、あわせてチェックしてみてください。
▶ インサイト営業とは?メリット・デメリットや成功事例を紹介
ソリューション営業に取り組む5つのメリット

ソリューション営業は現在も効果的な営業手法のひとつであり、実践することで以下のようなメリットを期待できます。
- 顧客の課題・ニーズに応えられる
- 長期的な関係を構築できる
- 付加価値の提供で他社と差別化できる
- 課題解決を重視した提案で顧客単価や満足度の向上を期待できる
- 営業人材のスキルを幅広く育成できる
自社で抱えている営業課題の解決を期待できる場合は、ソリューション営業を実践してみましょう。
顧客の課題・ニーズに応えられる
ソリューション営業では、顧客の課題やニーズにフォーカスした提案を行うため、顧客がもつ顕在的または潜在的なニーズに応えられます。
課題が明らかな場合には、解決につながるソリューションの提案によって信頼を獲得できるでしょう。潜在的なニーズを見つけ出すところからアプローチできれば、より顧客の満足度が高まります。
課題やニーズに応えるには、プロダクト営業のような商品・サービスの魅力を押し出すだけでは不十分です。商品力に加えて、課題解決につながる新しいアイデアや視点をもつことで、満足につながる魅力的な提案ができます。
長期的な関係を構築できる
ソリューション営業の大きな目的は顧客の課題解決であり、解決策の提供を通じて長期的な関係を構築できる場合があります。
課題解決につながる商品・サービスを提供して終わる場合は少なく、成約後の取り組みを支援するのが一般的です。
商品・サービスに関するアフターフォローや、一歩進んだ提案などによって、顧客が想定していた以上の課題解決を実現できます。課題に寄り添ったサポートによって徐々に関係が築かれ、長期的なパートナーシップを構築できます。
付加価値の提供で他社と差別化できる
ソリューション営業では、顧客の課題解決を実現するために、商品・サービスの魅力だけではなく、付加価値を提供しやすいのが特徴です。
課題解決につながる最新の情報を提供したり、導入後の運用トレーニングを実施したりするなど、さまざまな取り組みによって他社との差別化を図れます。
類似した商品・サービスが多い現代では、付加価値は成約の決め手となる重要な要素です。自社ならではの付加価値を見いだし、他社とは一線を画した提案ができるようになります。
顧客単価や満足度を向上させられる
ソリューション営業で実施する課題解決を重視した提案は、顧客単価の上昇や顧客満足度の向上につながります。
たとえば、顧客が抱える課題が高度な場合にはより高機能な製品を紹介したり、ほかのサービスを組み合わせたりするなど、アップセルやクロスセルを狙えます。課題解決につながるヒアリングや提案を続けることで、1社あたりの売上単価を高めることが可能です。
また、課題解決を支援することで、顧客満足度の向上も期待できます。課題解決方法の提案や成約後のアフターフォローなど一連のサポートして、顧客の成果向上に寄与することで、顧客からよい評価を得られるようになります。
顧客一人ひとりからの評判が上がることで口コミからよい評判が広まったり、新たな顧客を紹介してもらえたりするなど、売上の拡大にもつながるでしょう。
営業人材のスキルを幅広く育成できる
ソリューション営業は、商品・サービスの魅力をアピールするプロダクト営業や、要望に応える御用聞き営業に比べると、高度なスキルが求められます。
課題やニーズを探るヒアリング力や、さまざまな情報から仮説や傾向を導く分析力などが必要になるため、携わる営業人材は多角的なスキルを身につけられます。
すぐにソリューション営業のスキルが身につくわけではありませんが、長期にわたって営業業務を経験していくことで、さまざまな課題をもつ顧客に対応できるようになるでしょう。
営業人材の成長は企業の成果に直結し、ソリューション営業の経験が組織力の底上げにつながります。
“営業お断り文句”への切り返し術 5選
営業であれば誰もが聞いたことのある”お断り文句”。それぞれの言葉の裏に隠れた意図を探り、売上に繋げる切り返し術を学びましょう。

ソリューション営業で注意したい3つのデメリット

ソリューション営業では、顧客がもつ課題を解決したり、長期的な関係を構築できたりするメリットがある一方で、以下3つのデメリットもあります。
- 顧客の課題解決までに長期間を要する
- 的確な提案をするためには知識やスキルが必要になる
- スタッフの仕事量が増加しやすい
ソリューション営業の注意点を押さえ、対策をとりながら実践していきましょう。
顧客の課題解決までに長期間を要する
ソリューション営業が目的とする顧客の課題解決は、すぐに実現できる場合は少なく、時間やリソースを必要とします。
課題やニーズを引き出すために複数回ヒアリングを実施したり、ヒアリングにもとづいて提案をブラッシュアップしたりするには、多くの時間をかけなくてはいけません。
顧客がもつ課題の性質や範囲などによっては、成果が出るまでに数ヶ月以上かかることもあります。ソリューション営業を実践したからといってすぐに成果が出るとは限らないことを理解し、時間をかけて根気強く取り組む姿勢が必要です。
的確な提案をするためには知識やスキルが必要になる
ソリューション営業でもっとも重要な部分は提案であり、顧客の課題やニーズを解決できる提案をする必要があります。
商品・サービスの魅力にとどまらず、潜在的なニーズを引き出したり、課題解決につながる理由を論理的に説明したりするには、深い知識と多角的なスキルが不可欠です。
商品知識さえあれば成果が出るというものではないため、ソリューション営業との相性がよい人材を採用したり、既存の人材を育成したりするなどの取り組みが必要です。
スタッフの仕事量が増加しやすい
ソリューション営業は、商品・サービスの提案を含めた課題解決全般に携わるため、営業スタッフ一人ひとりの負担が大きくなります。
新規顧客へのヒアリングや商談を進めながら、既存顧客に対してコンサルタントのようにサポートするなど、高度かつ多種多様な業務をこなさなければいけません。
経験やスキルによって効率よく取り組めるようになる部分もありますが、ソリューション営業へ移行して間もないフェーズでは、営業スタッフへの配慮が必要です。適宜フォローしたり、複数人のチームで案件を担当したりするなど、負担を分散できるようにマネジメントに力を入れましょう。
ソリューション営業で顧客のニーズを満たす解決策を提案しよう

ソリューション営業は対話を通して顧客の課題やニーズを引き出し、解決策を提案する営業手法です。顧客分析からはじまり、関係構築やヒアリングを経て、課題解決につながる商品・サービスを提案します。
ソリューション営業を実践することによって、顧客満足度を高められたり、付加価値の提供で良好な関係を築けたりするのがメリットです。一方で、成果が出るまでに時間がかかったり、スキルやリソースを求められたりするため、長期的に取り組める体制づくりが必要になります。
ソリューション営業を成功させるためには、ヒアリングの起点になる仮説立案や顧客の課題に寄り添った提案が重要です。
さまざまなプロセスがあり、ステップごとに複雑な準備が必要になるソリューション営業の効率を高めるためには、ツールを利用するのがよいでしょう。
Sales Cloudでは案件管理や営業支援などの機能で営業活動を管理でき、効率的なソリューション営業をサポートできます。体験デモや無料トライアルを実施しているので、気になる方はまずは体験をお申し込みください。
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