2022年11月29日と30日の2日間、「A New Day for Customer Magic テクノロジーでつながる新しい社会」というテーマで開催したセールスフォース・ジャパン年次最大イベント「Salesforce World Tour Tokyo」。リアル会場とオンライン合計で1万9000人以上にご登録いただきました。
基調講演のレポートでは、世界初のリアルタイムCRMで顧客の要望に深く応える「Salesforce CDP」と、それを活用した株式会社JTB、株式会社三井住友フィナンシャルグループが目指すリアルタイムな顧客体験の未来を紹介しました。
本ブログでは、2日目に開催した金融機関向けセッションにおける、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、第一生命保険株式会社の取り組みを紹介します。
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Salesforce for Financial Servicesにより、
顧客のフィナンシャル・ウェルビーイングを実現
本セッションのホストであるセールスフォース・ジャパン 常務執行役員 田村 英則は、金融機関が自分のニーズを満たされてしてくれていると回答した顧客は20%以下という調査結果から、金融機関には顧客との間に溝があることを示し、「金融業界向けにも健康におけるケアと同じように、リアルタイムにお客さまをケアする、フィナンシャルウェルビーイングが求められています」と述べました。
Salesforceは、部門を超えた情報連携やコラボレーションの促進によって生産性を高めることが可能です。変化する顧客の求めに対応するためのリアルタイム性に注目し、リアルタイムな顧客体験を実現するプラットフォーム「Salesforce CDP」を2023年に日本でも展開を予定しています。金融業界向けの「Salesforce for Financial Services」においてもこのSalesforce CDPの技術を活用し、高い業務生産性で、顧客にパーソナライズされた提案を最適なタイミングで実現する支援を行います。
MUFGグループ – 横断したデータ活用で、顧客の資産管理を支援
田村は、Salesforceを活用する金融事業者である、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)の取り組みを紹介するべく、同社の執行役員 ウェルスマネジメント戦略部長 松原 亜希子氏を壇上に招きました。
松原氏は、まずMUFGが取り組むウェルスマネジメントビジネスの背景についてこう話しました。「日本は高齢化社会になり、資産等の承継が大きな問題になっています。同時に、新興の金融機関の参入や規制緩和など、金融業界も変化を求められています。MUFGでは2017年よりウェルスマネジメントを戦略の柱のひとつとしてきました」
「MUFGが定義するウェルスマネジメントとは、1人の顧客に対し、これまでの人生を踏まえ、金融資産だけでなく、不動産や経営する事業などに対し、将来に向けてお客さまとゴールを共有すること、その上で最適なソリューションを提供することで、個人の資産を守り、つなぎ、増やしていく支援をさせていただくことです」と松原氏は説明しました。
「MUFGとして銀行・信託・証券が横断的に顧客へソリューション提案をしていくのがウェルスマネジメントの理想ですが、各グループ企業は業態や文化が異なります。そのため、2022年2月にデジタル技術を活用した「MUFGウェルスマネジメントデジタルプラットフォーム」をリリースしました。グループを横断した顧客の統合データベースのもと、「統合View」「ゴールプランニングシステム」「ネクストベストアクション」といった機能があります。このうち、統合ViewではSalesforceのサービスを利用し、グループ企業の営業担当者が共通の情報を得られるようになっています。ゴールプランニングシステムでは、顧客のバランスシートを現在から将来にわたって、人生設計のシミュレーションと共に可視化しお客さまと共有できます」(松原氏)
松原氏は、Salesforceと協働した理由について、短期間で多くのものを実現できる実装性能やセキュリティ面で優れていることであるとし、今後の期待について次のように述べました。
「私達はこれからプロダクトドリブンというよりはアドバイスオリエンテッド、お客さまとの会話の先にプロダクトやソリューションがあると考えていますので、そこでSalesforceのお力をお借りしたいです」
田村は「支援のレベルを上げることで、皆さまのビジネスのお役に立てるというのが我々の基本原則ですので、もっとご支援できるよう精進して参ります」と応えました。
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第一生命 – 4万人のリアルチャネルとデジタルを掛け合わせて顧客に貢献
続いて田村は、第一生命保険株式会社 CXデザインタスクフォース CXデザイン戦略企画課 ラインマネジャーの直井 綾子氏を招きました。
直井氏が取り組むCXデザイン戦略では、個々の顧客を理解し、一人ひとりに最適な体験を届けることで第一生命のファンになってもらうことを目指しています。その目標として、2026年度に生命保険業界におけるNPS(Net Promoter Score=顧客ロイヤルティを測る指標)ナンバーワン企業となることを掲げています。
田村は、この戦略が、Salesforceの掲げるCustomer 360の考えと非常に重なるとして、さらに具体的な内容を尋ねました。直井氏は「NPSはこれまで、外部の調査によって把握していました。昨年度から自社で計測する体制を構築し、NPSと契約情報を関連付けられるようになりました。行動データも関連していて、カスタマージャーニーもたどることができ、いままでぼんやりとしていたお客さまの姿がよりクリアになりました」と説明しました。
さらに顧客理解を深めるため、顧客情報の統合を進めています。現状の顧客理解は、営業担当者、Webサイト、コールセンター、スマートフォンアプリなど異なる顧客接点で得られる情報が分断されており、今後はそれらを統合していきます。そして、接点やサービスの多様化に対応するべくパイプライン管理も高度化し、課題となっていた顧客情報の名寄せも進めていきます。さらに、音声やテキストなど、これまで活用しきれていなかった顧客の声の分析・反映も検討中です。
「これらの取り組みはまだ途上のものですが、Salesforceにも協力いただき昨年度に『ミラシル』というデジタルのインターフェースをリリースしました。データレイクやマーケティングオートメーションによるCXデザインシステムを構築し、パーソナライズされた体験を提供しています」(直井氏)
第一生命では、自分または家族が病気・怪我になったことを常に考えて準備している人は少ないからこそ、もしものときに不安を軽減できるよう一人ひとりのお客さまに寄り添いたいと考えています。直井氏は、そのためにもオンラインとオフラインの融合を重視しているとし、今後の展望について次のようにコメントしました。
「お客さま接点をつなぎ合わせて、デジタルで理解する。オフラインでは、私達の圧倒的な強みである4万人のリアルチャネルがあります。デジタルによるお客さま理解と、きめ細やかなコミュニケーションを得意とするリアルチャネルを掛け合わせることで、第一生命版のOMO(Online Merges with Offline。オンラインとオフラインの掛け合わせ)を実現し、お客さまに寄り添っていきたいと思っています」
最後に田村は「リアルタイム性を持って、リアル・デジタルでのお客さまと関わりを持つことについては私達の強みでもあります。引き続き意見交換をしながら、第一生命版の『Customer 360』を一緒に描いていきたいと考えています」と述べました。
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Salesforce World Tour Tokyo 1日目の基調講演「次の世界へ。A New Day for Customer Magic」のレポートブログでも、リアルタイムな顧客体験の事例紹介とデモをご紹介しています。新たに発表となったSalesforce CDPの機能や活用例についてもご案内していますので、ぜひあわせてご覧ください。
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セールスフォース・ジャパン年次最大のイベント「Salesforce Wolrd Tour Tokyo」の人気セッションを期間限定でオンデマンド配信中。この機会にぜひご覧ください。
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【特別講演 1】経営陣3者、CEO x CFO x CIOの哲学やホンネを議論!!
「ビジョン」か、「財務」か、逆境に立ち向かう、攻めと守りの経営の裏側とは
出演)
- 野原 昌崇氏 株式会社ビックカメラ 執行役員デジタル戦略部長
- 河村 芳彦氏 株式会社日立製作所 執行役副社長 CFO兼CRMO
- 古森 茂幹 セールスフォース・ジャパン 取締役 副社長
【特別講演2】第一線で活躍する女性のキャリアの考え方とは?
リーダーシップの本質とはダイバーシティにおける日本社会の課題と可能性
出演)
- 西野 英美氏 オルビス株式会社 執行役員 ブランドデザイン・QCD 担当
- 宮崎 裕子氏 スリーエム ジャパン株式会社 代表取締役社長
- 浜田 宏氏 アルヒ株式会社 代表取締役会長 米国アリゾナ州立大学 サンダーバードグローバル経営大学院 評議会共同議長
- 酒寄 久美子 セールスフォース・ジャパン イクオリティオフィス・ディレクター
【特別講演 3】リスキルの土壌を形成するには?
働き方改革、Inclusion & Diversity活動、そしてリスキルの土壌醸成に向けた挑戦
出演)
- 篠原 淳氏 アクセンチュア株式会社 Managing Director
- 古関 倫子氏 アクセンチュア株式会社 金融サービス本部 マネージャー
- 檀原 望氏 アクセンチュア株式会社 テクノロジー本部 CFA アソシエイトマネージャー