「SFUG(Salesforce User Group) CUP」は、その名のとおりSalesforceをビジネスで活用しているユーザーたちが、その活用事例についてプレゼンして日本一を決めるという、Salesforceユーザーにとって年に一度の大舞台だ。
大会がスタートしたのは2011年。発端はユーザーたちの想いだった。ユーザー同士が主体的にSalesforceの利活用のノウハウを共有する場として「ユーザ会」というオフィシャルコミュニティを開催する中で、もっと多くの方に、もっとオープンにナレッジを共有していきたいという声が高まり、全国活用チャンピオン大会が生まれた。第1回大会は数十名ほどの規模だったが、2020年の第8回目大会の予選会には3000人超が参加。多くの企業からユーザーが集い、年々その規模を拡大してきた。
同大会を見続けてきた、カスタマーサクセス統括本部の坂内明子はこう語る。
「大会で良い事例がシェアされて、発表者が主役になって、それを見た人たちも次は自分が、とモチベーションを高める。そのサイクルで大会が成長してきました。Dreamforceに行きたいから、ということだけではなく、自分が先駆者であるTrailblazer(トレイルブレイザー)になって事例を共有したい、お互いに高めあっていきたいというユーザーさんたちの純粋な想いが、この大会の原動力なんです」
Salesforceには、顧客のライフタイムバリューを第一に考える「カスタマーサクセス」というコンセプトがある。「ユーザーを常に中心に置くSalesforceだからこそ生まれている大会」と坂内が言うように、ユーザーの主体性とイノベーションの連鎖が、この大会の最大の特徴だ。
進化し続ける活用事例。一人ひとりの想いが宿るプレゼンテーション
Salesforceの製品群の中であれば、プレゼンテーマに何を採択するかも自由だ。決勝大会にはユーザーも審査員として参加することが可能で、評価の基準は大きく以下の3点。
1)技術
2)定着化
3)業務改善
一つ目の技術は、製品の良さをいかに理解して活用できているか。とりわけ、クラウドだからこその良さをいかに引き出せているかもポイントとなる。二つ目の定着化は言わずもがな、その企業内においてSalesforce製品がどれだけ利用されているかという定着度合い。そして最も重要なピースと言われるのが、三つ目の業務改善へのインパクトだ。単に自社内の業務に与えた影響ということだけではなく、近年ではその業界全体を変えるような活用事例も出てくるようになったという。
坂内が続ける。
「例えば2019年に決勝進出された、塗装工事会社の株式会社竹延様は、Salesforceを活用することで建設現場の働き方を変え、そのノウハウをビジネスにつなげ、ついには内閣総理大臣の施政方針演説内にてその取り組みが言及されるに至りました。業界の課題解決に向けてチャレンジしていく事例は、私たちとしても新たな発見があり、学びがあります」
また、時代とプロダクトの変化とともに、その発表内容も年々進化していると語る。
「大会がスタートした当初は、部署内での営業支援に特化したプレゼンが多い印象でした。しかし今は、いわゆるマルチクラウド。弊社ではCustomer 360を掲げていますが、Salesforceをプラットフォームとして、社員とお客様をつなぐのはもちろん、経理や人事などのバックオフィス、またその企業のお客様をつなぐコミュニティ管理など、まさに企業の360度をコネクトしている事例も増えています」
回を重ねるごとに、そのレベルを上げてきたSFUG CUP。自分の仕事と向き合い、Salesforce製品をどう活用したらもっとうまくいくか、会社がよくなるか、社会がよくなるか。そのプレゼンには、ユーザーたち一人ひとりの人生とパッションが宿る。
「登壇される皆さんは、本当に涙が出るくらいの熱弁をするんです。Salesforceを活用して成果を出すまでの過程、日々ご自身が対峙している仕事における試行錯誤の連続の結果が、この発表ですから。イノベーションは簡単ではないので、苦労された場面も少なくないはずです。その大事な事例を共有するということは、会社のノウハウを外に出すことでもあるので、内に留めておきたいという考えがあってもおかしくない。けれどユーザーみんながより良くなるようにという想いを持って、皆さん惜しみなく披露する。だからその発表には、熱い血が通っているといいますか。この大会を見て、Salesforceの新たな活用方法を知るだけではなく、次は自分もTrailblazerになって発表者になるぞ、という気持ちになってくれたら嬉しいですし、誰よりユーザーたちがそれを望んでいます」(坂内)
ユーザーたちの、ユーザーたちによる熱いプレゼンバトル。SFUG CUP 2021は9月8日(水)に開催が決定している。あなたも参加してみては?