マーケターは社交的な人々です。互いに学びあい、ストーリーを交換し、ときには新しい友人を作るためだけであっても、交流を求めます。しかし、数多くのコミュニケーションチャネルがあふれている現代では、定期的に交流できる居心地の良いネット空間を見つけるのは簡単ではありません。私がマーケターのためのSlackコミュニティづくりに精力的に取り組んでいるのはそのためです。
私は、Salesforceに入社するよりもずっと以前からデジタルマーケティング業界でSlackを使っていました。Slackは、マーケターとしての私の成長を支えてくれました。Salesforceにおける私の役割は、すばらしいTrailblazerコミュニティのみなさんとのコラボレーションを行うことです。私は、SlackのチャンネルでMarketing Cloudの認定資格(英語)からメールマーケティングのベストプラクティスまで、さまざまなことを語り合っています。
マーケティングのためのSlackコミュニティを育てていくことを通じて、私はメンターとして、また、マーケター、協力者として、息の長い人間関係を作り上げることができました。Slackには知識を共有し、関係を構築するためのツールが数多くありますから、それらを上手に使うことが重要です。この記事ではマーケターのための充実したSlackコミュニティを構築する上で、私が用いているベストプラクティスをいくつかご紹介します。
Slackでマーケターコミュニティを運営するには戦略が必要
正直に言いましょう。Slackを使いこなすのはそれほど簡単ではありません。パブリックチャンネルとプライベートチャンネルに加えて、ダイレクトメッセージやハドルミーティング、ビデオ通話などがあります。私は社外の22のSlackチャンネルに所属し、Salesforceの業務ではその倍の数のチャンネルに関わっています。これらのチャンネルはさまざまな領域にわたっているため、かなりの時間が割かれます。したがって、チャンネルへのエンゲージメントを日々の業務に組み込むにあたっては非常に戦略的に考えなければならないのです。Slackは24時間動き続けるグローバルプラットフォームであるため、この点は特に重要です。
また、私の立ち上げるSlackチャンネルは、私と同じ立場にあるマーケターと交流するためのものです。新しいチャンネルを立ち上げる前に、私はまず既存のSlackチャンネルをチェックします。マーケターコミュニティのニーズを探り、私のチャンネルがそのニーズに応えるためはどうすればいいかを探るためです。また、たとえば承認の手順や会話のトピックのガイドライン、他の補助ルールなど、新しいプライベートチャンネルを開く際のルールも確認します。
ここで言う「チャンネル」について少しご説明します。チャンネルとはFacebookグループのようなものです。あるいは、複数のグループが加わり、しっかり管理されたメールチェーンのようなものです。チャンネルは参加者が新しいマーケティング戦略などのトピックについて話し合ったり、次のキャンペーンの立ち上げについてコラボレーションしたりするための共有スペースです。
非常に影響力の強い一部のSlackチャンネルは、情報やキャリア開発、交流などの面で他者をサポートしたいという要求から生まれたものです。Slackチャンネルはコミュニティにメリットを提供する義務があるのです。奉仕の精神をもってチャンネルを開設すれば、きっと他の参加者のためになる交流を行うことができるでしょう。
自然で信頼できる会話をこころがける
私がSlackの世界に入ったのは、Email Geeks(英語)というコミュニティが最初でした。これは開発者、アーキテクト、メールマーケターの集まりです。私は顧客にMarketing Cloudのことをわかりやすく説明するために、LinkedInのソートリーダーシップについての記事を書こうと考えていました。そこでSlackチャンネルでEmail Geeksのメンバーに記事の構想についてのフィードバックを求めたのです。それ以来、Slackは私がマーケターとして信頼できる知識を共有するためのコラボレーション空間になりました。
私は今でも、Slackを使うにあたって当時と同じ原則を守っており、イベントやプログラムの告知や、コミュニティからの質問への回答、役に立つリソースの紹介など、さまざまな形でTrailblazerのエコシステム全体での交流のために使っています。私が、他のマーケターやTrailblazerとこうした関連性の高いつながりを持つことができるのは、信頼性の高い交流の場を設けているからです。つまり、参加者全員の利益になるような誠実なコミュニケーションを行っているからです。
たとえば、私のお気に入りのSlackワークスペースである、Marketers Chatについてお話ししましょう。これは、さまざまな企業のソートリーダーが集まってマーケティングに関するトピックやイベント、サービス、提案、ツールなどについて話し合う場です。私がMarketers Chatのことを知ったのは口コミを通じてでした。他の7,000人のメンバーも同じです。このワークスペースは、協力的で魅力的な知識共有の場として、自発的に発展しました。これが、正しく作り上げられたSlackワークスペースの持つ不思議な力です。この力が、適切な指針に沿って有益な対話が行われる空間を生み、そうした場の中で信頼関係が築かれていくのです。
ルールを理解し、遵守する
一部のSlackチャンネルでは、秩序が乱れ、話題が散漫になることを避けるために、チャンネルの用途や自己宣伝、商品の販売などについて、独自のルールを設定しています。Slackでのやり取りに加わるには、こうしたルールを遵守することが不可欠です。Slackは、Salesforceのマーケティングコミュニティが、率直で誠実、しかもデリケートなやり取りをするためのプライベートな空間です。多くのチャンネルの管理者は、新たに加わったメンバーに、自動的にチャンネルのガイドラインを知らせています。
また、このようなチャンネルに集う他のメンバーたちにとってSlackがどういう場所なのかを知ることも大切です。彼らの目的は必ずしもあなたや自社の目的と同じとは限りません。人がSlackを利用する理由はさまざまです。差し迫った疑問への答えを提供してくれる情報拠点として使っている人もいます。あるいは、製品やサービスや資格試験についての不平を漏らす場にしている人もいるでしょう。いずれにしても、自分が目標を達成するにはどうすればいいのか、そして仲間のチームメンバーにできるかぎり敬意を払いつつ手を差し伸べるにはどうすればいいのかを、常に自問してください。
たとえば、Salesforceでは「一斉送信のみ」のチャンネルを複数設けています。チームリーダーが重要な最新情報を告知するチャンネルや、全社会議専用のQ&Aチャンネルなどがあり、従業員はリアルタイムで質問したり、あとで回答を検索したりできるようになっています。各チャンネルに特定の用途を設定することで、参加者はSlackを効率よく利用できるのです。
自分の判断に自信が持てない場合は、チャンネルの所有者や管理者に問い合わせましょう。たとえば、私がソートリーダーシップについての考えをTwitterで共有していた当時は、私がTwitterで主催しているイベントについてEmail Geeksに投稿を行う前には必ずチャンネルの所有者に問い合わせるようにしていました。これはコミュニティに対する敬意の表われであると同時に透明性を維持するためであり、仲間や顧客との信頼関係を築くためにはなくてはならないものです。
Slackは、適切に使用すれば、顧客との関係やブランド戦略、資格などマーケターが関心を抱いている話題について有意義な意見交換を行うことができる優れたツールです。Slackは毎年新たな機能を加え、統合を進めています。したがって、今後さらに幅広いやり方でデジタルマーケティングコミュニティとつながることができるようになると、私は確信しています。
Slackを使って同僚やブランドのファンと交流を深める方法についてさらに深く知りたい方は次のマーケター向けSlackパブリックチャンネルをご覧ください。EmailGeeks、Marketing Cloud Learning Camp、Ohana Slack、Pardashians
Guilda Hilaire
Guilda Hilaireは、Marketing Cloudの製品マーケティング担当ディレクターであり、SalesforceでTrailblazerのサポートを行っています。