インターネットやスマートフォンの普及により、誰もが情報にアクセスしやすくなりました。その中でもSNSは、特にユーザー数が多いサービスです。SNSは誰でも気軽に始めやすく、情報の拡散もスピーディーに実施されます。では、このSNSをうまく活用するマーケティング手法とは、どのようなものでしょうか。
本記事では、SNSマーケティングの定義やメリット・デメリットに加え、具体的な実施方法などを解説します。AIを活用するSNS運用についても紹介するので、自社に合ったSNSマーケティングの形を探ってください。
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目次
SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、SNSを活用して商品やサービスの認知度を高め、販売促進を図る手法のことです。企業は消費者と直接コミュニケーションを取ったり、広告を出稿したりして効果的にアプローチします。
代表的なSNSにはFacebook、Instagram(インスタ)、LINE、X(旧Twitter)、YouTube、TikTokなどがあり、近年では若者の間でBeRealの人気も高まっています。SNSの特性を活かし、ターゲットに応じたマーケティング戦略を取ることが重要です。
SNS以外にも、デジタルマーケティングやWebマーケティングのようないくつかの戦略があります。具体的にどのような方法を取ればよいのか気になる方は、下記記事も併せてご確認ください。
関連記事:デジタルマーケティングとWebマーケティング、その具体的な内容は?
SNSマーケティングが注目される背景
スマートフォンの普及により、あらゆる世代でSNSの利用が拡大しています。総務省の「平成 30 年通信利用動向調査の結果」によると、13歳から59歳のインターネット利用率は9割以上に達しており、使われている機器はスマートフォンがパソコンを上回っているとのことです。
このような背景から、消費者の情報収集の手段も変化し、従来のGoogleやYahoo!といった検索エンジンだけでなく、SNSを活用するケースが増えています。特に若年層を中心に、企業や商品の情報をSNSで探す傾向が強まっており、企業にとってSNSは重要なマーケティングツールとなっています。
会社がSNSマーケティングを実施する目的
企業のアカウントが、SNS上でユーザーと積極的に交流することで、商品やサービスへの親しみを感じてもらえる可能性があります。また、積極的に情報発信していくことも重要です。これにより、投稿への「いいね」や「シェア」が増え、新たな顧客の獲得につながることが期待できます。
SNSをきちんと運用すれば、企業やブランドの認知度向上にもつながります。消費者はSNSがきっかけで購入を決意することもあるため、自社のWebサイトや通販ページへの導線を明確にしておくとよいでしょう。SNSマーケティングにより、集客や販売促進のチャンスが広がる点が大きなメリットです。
個人におけるSNSマーケティングの重要性
近年、企業だけでなく個人におけるSNSマーケティングの重要性も高まっています。インフルエンサーや企業の担当者がSNSを活用し、影響力を持つことで、ブランドや企業の認知度向上につなげる効果が期待できます。
例えば、企業の広報担当者が発信を続けることで、その人柄に惹かれるフォロワーが増えるかもしれません。結果的に企業のイメージアップにつながり、ブランド力を高められます。
個人が情報発信力を高めることで、ユーザーとの距離が縮まり、より親しみを感じてもらえるようになるでしょう。
SNSマーケティングのメリット

SNSマーケティングの必要性について理解を深めたところで、具体的にどのようなメリットがあるのか知りたいという方もいるのではないでしょうか?ここからは、下記の3つのSNSマーケティングのメリットについて解説します。
- リアルタイムで情報を伝えられる
- 広告・宣伝費用を抑えられる
- 企業やブランドイメージの向上につながる
SNSならではの特性を知ることで、効率のよいマーケティング戦略につなげましょう。
メリット1.リアルタイムで情報を伝えられる
SNSの大きな特徴は、情報をリアルタイムで発信できる点です。投稿した瞬間から24時間365日拡散され、多くのユーザーに素早く情報を届けられます。
また、コメントやいいねなどを通じて、ユーザーの反応を即座に把握し、次の投稿に活かせる点もメリットの一つです。特にコメント機能を活用すれば、企業とユーザーの間にコミュニケーションが生まれ、親しみを感じてもらいやすくなります。
適切なコミュニケーションが取れれば、企業や個人のファンが増え、より多くの支持を得ることにつながるでしょう。
メリット2.広告・宣伝費用を抑えられる
SNSの多くは無料で利用できるため、広告や宣伝のコストを抑えながら、幅広いユーザーに情報を届けられるのが魅力です。ユーザーが投稿にいいねやシェア、リポストをすることで、自然と拡散され、多くの人の目に留まる機会が増えます。
企業にとっては、ユーザーが無料の広告塔の役割を果たしてくれる点も大きな利点です。一部のSNSでは、ターゲットに応じた広告を自動配信できるため、効果的なマーケティングを展開しやすいのもポイントです。
メリット3.企業やブランドイメージの向上につながる
SNSで定期的に情報を発信することで、ユーザーとの接点が増え、企業やブランドのイメージ向上につながるのもメリットの一つです。
例えば、影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらえれば、ファンからの購入率が高くなります。近年では、配信サービスの普及により、誰でも気軽に発信活動ができるようになりました。そのため、YouTuberのような親しみやすさと知名度を兼ね備えた人たちが数多くいます。
特に若年層にアプローチしたい場合、SNSの活用は効果的な手段です。「推し活」などもブームになり、好きなインフルエンサーを応援するために商品を購入する消費者もいるでしょう。
企業は、消費者との信頼を築きながらブランドの魅力を広めることが求められます。
SNSマーケティングのデメリット

SNSを活用するマーケティングは、メリットが多くある一方でデメリットもいくつか存在します。SNSは誰もが使いやすいサービスですが、使い方を誤ると大きなトラブルに発展しやすいのも事実です。ここでは、SNSマーケティングの注意点を以下の3つに分けて解説します。
- 炎上するリスクがある
- SNSの運用担当者を設定する必要がある
- ユーザーの属性を分析しにくい
あらかじめデメリットを把握することで、SNSを適切に使いこなす能力が身につきます。ぜひ押さえておきましょう。
デメリット1.炎上するリスクがある
SNSは情報が瞬時に広がる利点がある一方で、炎上のリスクも高いという課題があります。一度炎上してしまうと、その影響は長期化しやすく、ブランドのイメージ回復にも時間を要するのがデメリットです。
誤った発言や不適切な投稿が拡散されると、企業や個人の信用を損ね、既存のファンが離れるリスクがあります。適切にアカウント運用するためには、投稿内容を事前に確認し、モラルやマナーに配慮する体制を整えることが重要です。
デメリット2.SNSの運用担当者を設定する必要がある
SNSアカウントを効果的に運用するためには、継続的な管理が欠かせません。定期的に投稿し、ファンとの関係を築きながら、ブランドの認知度を高めるためには、SNSの運用担当者が必要です。
しかし、SNSは炎上リスクも伴うため、運用担当者にはモラルやマナーを守ることが求められます。誤った発言や不適切な投稿が拡散されることを避けるため、運用担当者を設定、採用する際には慎重に判断してください。
また、SNSの効果を最大限に引き出すためには、データ分析や魅力的なコンテンツ作成などの時間と労力がかかります。ブランドの一貫性を保つためにも、専任の担当者がいることが理想的です。
デメリット3.ユーザーの属性を分析しにくい
SNSはその匿名性と広範囲なユーザー層が特徴ですが、SNSマーケティングにおいては属性を分析しにくいというデメリットがあります。SNSでは、年齢、性別、職業、年収などの個別情報がはっきりと分かりにくく、ユーザーの正確な属性を把握することが困難です。
ユーザーのプロフィール欄に、必要な情報が常に掲載されているわけではないため、マーケティング戦略を緻密に立てる上で障壁となります。
また、不特定多数の人に情報を伝えられる一方で、特定の属性に絞って自社サービスをアプローチするのは難しい場合があります。ターゲット層を絞る必要がある場合は、SNSマーケティングだけに依存するのではなく、他の広告手法やデータ分析と組み合わせるとよいでしょう。
SNSマーケティングの実施方法

SNSマーケティングの大まかな概要が掴めたところで、実際に試したいと思う方もいるでしょう。しかし、何から始めたらよいのかイメージが湧かないかもしれません。ここからは、SNSマーケティングの具体的な実施方法を解説します。今回紹介するのは、下記の5つのステップです。
- 投稿する
- ユーザーの投稿を収集・分析する
- ユーザー参加型のキャンペーンを開催する
- 広告を配信する
- インフルエンサーの協力を得る
自社で実施可能な方法があるかどうか、検討しながら読み進めてみてください。マーケティングで成果を上げたい方は、下記の資料も併せてチェックしておくとよいでしょう。
投稿する
SNSアカウントを効果的に運用するためには、まず投稿の更新頻度を高めることが大切です。これにより、ユーザーとの接点が増え、リアルな意見やフィードバックを収集できます。
ユーザーからの反応を分析し、自社サービスをどのようにアプローチすればよいか改善を重ねていくのがおすすめです。ユーザーとの積極的かつ丁寧なコミュニケーションも心掛けましょう。
炎上リスクを考慮しつつ、適切な運用体制を構築し、ブランドの信頼を築いていくことが成功への鍵となります。
ユーザーの投稿を収集・分析する
SNSでユーザーが自社のサービス名や企業名について投稿している内容を収集・分析することで、消費者のニーズや業界動向を把握できます。
この手法は、アンケート調査と異なり、リアルな意見や感想を集めやすいため、サービスの改善に役立ちます。実際のユーザーの声を反映させることで、より効果的な戦略を立て、顧客満足度を向上させることが可能です。
投稿直後からリアルタイムでフィードバックを得られるため、迅速な対応ができます。
ユーザー参加型のキャンペーンを開催する
SNSの機能を活用したユーザー参加型のプロモーション企画は、消費者の関心を引き、参加を促す効果的な方法です。
例えば、フォロー&リポストキャンペーンや、特定のハッシュタグを使った投稿キャンペーンなどがあります。こうしたキャンペーンでは、参加者に特典やメリットを提供することが必要です。
具体的には、抽選で商品をプレゼントしたり、割引クーポンを配布したりすることが挙げられます。ユーザー参加型の企画は、ブランドの認知度向上だけでなく、ユーザーとのエンゲージメントも深まります。
広告を配信する
SNSの自動広告を配信することは、効果的な宣伝手段の一つです。ユーザーのタイムラインに自然に流れるため、広告と感じさせることなく、サービスの認知度を高められます。
さらに、ターゲティング広告により、特定のユーザー層に向けて的確にアプローチすることも可能です。投稿内容やデザインは、ユーザーの目を引くものに工夫し、注目を集めるとよいでしょう。適切なタイミングとターゲティングで配信すれば、高い効果が期待できます。
インフルエンサーの協力を得る
インフルエンサーマーケティングは、フォロワー数が多く影響力の強いインフルエンサーに自社サービスを紹介してもらう手法です。インフルエンサーには多くのファンがいるため、彼らが紹介すると「○○さんが使っているなら」と購入につながりやすくなります。
しかし、広告であることを隠して純粋な口コミであるかのように見せかける「ステルスマーケティング」にならないように注意が必要です。透明性を保ちながら、信頼できる形での情報提供が、効果的なマーケティングにつながります。
AIを活用してSNS運用を効率化しよう!

SNSは24時間365日、発信できますが、常に人間が管理し続けることは難しいでしょう。このような場合、AIを活用したSNS運用が効果的です。Salesforceの「Marketing AI」は、AIを活用して顧客のデータを分析し、消費者の購買行動や動機に基づくインサイト(消費者の行動や思惑)を見抜きます。
顧客自身も気付いていなかったニーズを早期に把握し、自社サービスの効果的な訴求につなげられます。AIは、顧客行動に合わせてパーソナライズされた宣伝方法を提案できるのが特徴です。そのため投稿頻度やタイミングを最適化でき、より顧客に伝わりやすい状態で情報を発信できます。
ほかにも顧客の購入履歴をもとに最適な商品やサービスをおすすめしたり、リアルタイムの行動に基づいてCV(コンバージョン)につながるイベントを設置したりすることも可能です。
これにより、SNSの閲覧から直接購入までをスムーズに結びつけ、マーケティング活動をさらに効果的に進められます。AIを活用し、手動で口コミを分析する作業を短縮したい方は、下記の記事も参考になるでしょう。
関連記事:AIの活用で口コミ分析だけのSNSマーケティングから脱却しよう
SNSマーケティングはサービスの認知度を高めるのに最適

SNSマーケティングは、SNSを活用して商品やサービスの認知度を向上させ、販売促進を目指す手法です。リアルタイムで24時間365日更新でき、拡散力に優れているため、多くのユーザーに迅速に情報を届けられます。
ユーザーからのリアルな反応を即座に受け取ることができ、ニーズの把握に役立ちます。しかし、SNSには炎上リスクも伴うため、慎重な運用が必要です。SNSマーケティングを成功させるためには、キャンペーン企画の主催やインフルエンサーとの連携など、積極的なアプローチが大切です。BtoBマーケティングの成果を上げたい方は、下記の資料もご活用ください。
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