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なぜ、企業経営にダイバーシティが必要なのか?誰もが力を発揮できる組織のつくりかた

なぜ、企業経営にダイバーシティが必要なのか?誰もが力を発揮できる組織のつくりかた

「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」において、「変革期を迎えたダイバーシティ“働き方改革”から“あり方改革”へ」をテーマに開催されたセッションの様子とともに、Salesforce のダイバーシティ、平等への取り組みをご紹介します。

気候変動や大気汚染、人口減少、格差・貧困の拡大。世界には、解決されないまま進行している社会課題が数多くあります。

これらの課題に包括的に取り組み、持続可能な社会の実現をめざそうという動きが世界中で広まっています。とりわけ、課題解決に企業が果たす役割への期待は、ますます高まりつつあります。

そんな中、企業はどのようにサステナビリティ(持続可能性)を経営に取り入れ、具体的にどのよう取り組んでいけばよいのでしょうか。

3月6日、7日にヒルトン東京お台場にて開催された「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」では、企業経営者や識者による講演やディスカッション、展示などを通じて、事例やヒントが共有された他、自社のブランド力向上につなげるためのさまざまなアイデアが共有されました。

同イベントにおいて、Salesforceもブースで自社のサステナビリティへの取り組みを紹介しました。また、Diversity & Work Life Balance「変革期を迎えたダイバーシティ“働き方改革”から“あり方改革”へ」をテーマにしたセッションに、 専務執行役員 ビジネスオペレーション担当の伊藤 孝がパネリストとして登壇。サントリーホールディングス株式会社 ヒューマンリソース本部 人事部ダイバーシティ推進室課長の菅原 久里子氏、株式会社オカムラ フューチャーワークスタイル戦略部 戦略企画室 室長の薄 良子氏と共に、ダイバーシティ、サステナビリティへの取り組みについて語りました。今回は、セッションの様子とともに、Salesforce のダイバーシティ、平等への取り組みをご紹介します。

誰も置き去りにしない社会をつくるために

冒頭で、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標SDGs」と共に、「誰も置き去りにしない」という根幹の考え方について紹介したのは、セッションのファシリテーターを務めた株式会社グロウス・カンパニー・プラス 代表取締役の山岡 仁美氏。

「かつてないほどのスピードで人口動態の変化が起きている今、さまざまな価値観を尊重せずに経済は成り立ちません。単なる働き方改革、女性活躍推進にとどまらず、あらゆるマイノリティを巻き込んで新たな価値を創造していく必要があります」と語りました。

続いてサントリーホールディングス 菅原氏は、「水と生きる」というグループの「社会との約束」を紹介。同社では自然をしっかり守っていくこと、水のように社会に潤いを与える企業であり続けること、そして、水のように柔軟に新しいことに挑戦することを大切にしているといいます。さらに、人に重きを置いた「Suntory People Way」を設定。全社員を家族と考える「FAMILY」、挑戦の精神をあらわす「やってみなはれ」、これらの考えのもとで会社と社員がつながる「ENGAGEMENT」の大きく3つの柱で形成していると紹介しました。

特に「やってみなはれ」は、創業以来社員に受け継がれている精神だといいます。また、社員一人ひとりの成長につなげる人材育成にも取り組み、社員がライフイベントと仕事を両立させながらキャリアを形成できる支援にも注力。2030年までのビジョンについて、「自立した多様な個が有機的につながり、イノベーションを創出して自ら未来を切り拓く『グローバルなやってみなはれ集団』になること」と語りました。

オカムラでは、ステークホルダーと「働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える。」をコンセプトとした活動「WORK MILL」の共創プロジェクトの1つとして、「Work in Life Labo.」を独自に立ち上げて活動しています。

同社でフューチャーワークスタイル部 戦略企画室の室長を務める薄氏は「Work in Life」は同社が作った言葉であることを紹介した後で、「ライフは自分の人生をどう生き、どうありたいのか。それを実現する手段としてワークがあると捉えています。ワークはライフを構成する1つの要素です」と語りました。自分のワークとライフをあらためて考えてもらう、そのきっかけを提供するためにプロジェクトを立ち上げたといいます。 具体的には、「働き方改革」や「ダイバーシティ」のテーマで、それぞれのグループに分かれて研究会を開催。メンバーに同社の社員のほか、他の企業・組織、大学、個人事業主など約20人が参加してディスカッションしています。研究会で大切にしているのは「個人」と「組織」の視点。「個人に対して組織が何をしていけるのかをしっかりと考えていきます。その上で、個人が自分でできることをしっかりやることが重要です」と語りました。

写真右から グロウス・カンパニー・プラス 山岡氏、サントリーホールディングス 菅原氏、オカムラ 薄氏、Salesforce 伊藤

社内に浸透している平等の文化

Salesforceの伊藤は、まず社員全員が大切にしている4つのコアバリュー(価値)として、「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」「Equality(平等)」を紹介しました。 「平等を推進し、ダイバーシティを強化することで化学反応が起き、それがイノベーションにつながります。イノベーティブな発想やサポートがお客様の満足へとつながり、信頼を得ることができるのです。」

そのために、平等を推進し多様性が尊重される環境づくりが重要、と伊藤は続けます。「第4次産業革命のデジタル化の大きな波が押し寄せる不確実性の時代において、誰もが力を発揮できる環境をつくることが企業や社会全体をも強くすると考えています」。そして伊藤は、Salesforceにおける平等のための具体的な取り組みについて語りました。

Salesforceでは、「平等な権利」「平等な賃金」「平等な教育」「平等な機会」を真の平等に欠かせない4つの柱と位置付けています。さらに、Salesforceの独自文化として「Ohana(オハナ)」という考え方を世界中の社員が共有しています。Ohanaは家族を意味するハワイ語で、社員だけではなく、お客様、パートナー、社会のコミュニティ全員を家族のように捉える考え方で、社員一人ひとりに深く根付いています。この考えを具現化し、平等を推進しているのが、Ohanaグループと呼ばれる社員主導のグループです。

「LGBTQコミュニティの支援をする“Outforce”、男女平等を推進する“Women’s Network”、環境活動を推進する“Earthforce”、そして私もスポンサーをしている障がい者支援の“Abilityforce”など、様々なコミュニティが活動しています」(伊藤) 例えば、Abilityforceの活動は、障がい者との理解を深めることから始めるといいます。健常者による過剰な気遣いが障がい者の負担になってしまうケースもあること、逆に適切なサポートがわからずに躊躇してしまうことなど、本音で話し合うことで気づくことが多くあるのだと伊藤は指摘します。

またSalesforceでは、差別のない職場をつくるとともに、自分たちが働き、生活する地域社会においても平等を実現すべく活動しています。例えば、平等を阻害するような活動や法案に対して徹底的に意見するスタンスを明確にしており、米国のインディアナ、ジョージア、ノースカロライナの3州におけるLGBTQに対する差別的な法案に対し、会社として積極的に反対の姿勢を示しました。さらに、創業時より取り組んでいる社会貢献活動を通じて、職業支援やSTEM(科学・技術・工学・数学)教育など、あらゆる若者たちが質の高い教育を平等に受けられるよう支援しています。「社会貢献活動に積極的に取り組むことで、社会課題や平等について、自分自身が学ぶことが多くある」伊藤も自身のボランティア経験を交えて語りました。

最後に“ビジネスの本質は世界をより良い場所にすること” という創業者のマーク・ベニオフの言葉を紹介した伊藤は、「社会貢献や平等は会社のDNA、つまり経営そのものであるという理念のもと、これからもビジネスを追求しています」と締めくくりました。 Salesforceでは、社会や地球環境に少しでもプラスの影響を与えられるようにと取り組んできた一年間の活動を「ステークスホルダーインパクトレポート」としてまとめています。ご興味がある方はこちらをご確認ください。

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