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営業のテリトリー管理を改善したい!今すぐできる4つのこと

企業規模が拡大し、営業担当者の割り当てが複雑化していませんか?本記事では、営業担当者への割り当てを最適化し、データを活用して、公平性と成長を実現するテリトリー管理とその方法をご紹介します。

営業チームの構築をクルマの製造・販売になぞらえるなら、テリトリー管理は、ピカピカの新車で初めて路上に出る段階です。営業戦略、売上目標、顧客のターゲティング、営業プロセスの理解と習得は完了しました。いよいよ営業担当者がエンジンをかけ、走り出す時がやってきたのです。

しかしながら、テリトリー管理の方法は一様ではありません。優れた営業チームは、常に成果を測定し、市場の情報を収集して、軌道修正を繰り返します。

この記事では、テリトリー管理をレベルアップする方法をご紹介します。本題に入る前に、テリトリー管理とは何かを確認しておきましょう。

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テリトリー管理とは

テリトリー管理は、一般的に営業計画に含まれるもので、営業担当者に顧客やエリアを割り当て、公平性、顧客のカバー率、ビジネスの成長を考慮して、担当範囲を調整することです。テリトリーごとに、売上目標と顧客グループが割り当てられますが、通常は顧客セグメントや地域といった属性によって分けられます。

テリトリー管理は、テリトリー計画と混同されがちですが、この2つは別ものです。テリトリー計画が最初にきます。この時点では、テリトリー分けを行います。クルマの例に戻ると、クルマが完成してあとは走り出すばかりとなった段階で、テリトリー管理は始まります。営業担当者は、担当する顧客と売上目標を上司から割り当てられます。チームのキックオフミーティングも開催されるでしょう。営業担当者は、アカウントプランを作成し、見込み客へのアプローチ方法を考えます。準備が整えば、あとは発進するのみ。

テリトリー管理のベストプラクティス

それでは、営業担当者からのフィードバックやデータ、テクノロジーといった観点から、テリトリー管理を継続的に改善していくためのベストプラクティスを見てみましょう。

1. チームの営業方針にもとづいてテリトリーを割り当てる

テリトリーを割り当てる際は、顧客セグメント(企業規模、業種、製品など)のみを基準にするのではなく、顧客の性質に合ったチームを割り当てることも検討します。

たとえば、エンタープライズ担当の営業チームには、テリトリーは割り当てず、その代わりに、特定の大企業を数社担当させます。多くの顧客を受け持ち、対面で販売するフィールドセールスチームであれば、地図にもとづいてテリトリーを決めるか、あるいは業界などの属性と組み合わせて区分けする、などが考えられます(神奈川県のヘルスケア企業を担当するなど)。バーチャル営業を専門とするチームなら、テリトリーといっても地域はまったく関係なくなる可能性もあります(特定の製品のターゲットとなるヘルスケア企業を担当するなど)。

上述の例では、テリトリーが2つの属性のみで定義されています。これは、できるだけシンプルに保つことが望ましいからです。属性が多すぎると、どういった活動が成果を上げたのかを測定しにくくなり、対応の遅れにつながりかねません。

2. 常に効果を測定する

テリトリー管理は、商談管理ミーティング売上予測に直結しています。商談管理ミーティングでは、マネージャーが売上目標に対する営業担当者の業績をチェックし、テリトリーの有効性を評価。業績指標(成約率、商談規模、売上)から売上予測をはじき出し、営業リーダーが商談の健全性を評価します。

Salesforceでは、「記録がないものは、存在しないのと同じ」とよく言われます。整理された正確なデータがあればこそ、小さな問題を発見し、おおごとになる前に対処できるのです。たとえば、営業担当者が目標達成に苦心しているとします。テリトリーの指標を見たところ、平均商談規模が縮小していることを発見。問題が分かればコーチングで、複数製品を組み合わせて商談規模を拡大する方法をアドバイスできます。

3. 現場で得た知見を、営業担当者から吸い上げる

営業担当者が集めたテリトリーの詳細情報を、チーム全体で共有しましょう。現場を渡り歩く営業担当者は、日々、価値のある情報を発見しています。顧客の好み、競合他社の動き、テリトリー固有の課題やビジネスチャンスといった情報を現場から持ち帰ってもらいます。

たとえば、神奈川県を拠点とするヘルスケア企業に、新たな競合が接触していることを営業担当者が発見したとします。大至急、新しいメッセージングを練り、競合情報を集めなければなりません。この情報を文書化して営業チーム全体で共有し、さらにプロダクトチーム、マーケティングチームと連携すれば、さまざまな部門が協力体制を整え、対策できるようになります。現場の情報を吸い上げて改善するループがあれば、市場の変化に強いテリトリー管理が可能になるのです。

4. テクノロジーで機動力アップ

テリトリー管理者にとって最大の悩みは、営業担当者が退職すると、テリトリーに関する情報も失われてしまうことです。スプレッドシートを使っているなら、退職者が担当していた顧客を特定し、別の営業担当者を割り当てる作業に、丸一日かかってしまうこともあるでしょう。

しかし、リアルタイムデータを取り込める営業支援ツールなら、わずか数分でテリトリーの再割り当てが完了します。Salesforceのソフトウェアでは、顧客セグメントや営業チームの種別(大企業または中小企業担当など)といった属性をすべて管理可能。必要なデータがCRMに格納されているので、大量の再割り当てを数クリックで処理できます。

テクノロジーといえば、AIの活用も効果的です。営業コンサルタントであるCherilynn Castleman氏から、こんな話を聞きました。クライアントの通信企業が、AIを使って商談を分析したところ、運送会社で荷物の盗難が急増していることがわかったそうです。

その通信企業は、すぐに盗難を防止する新製品を開発。その製品を優先的に販売できるようテリトリーを調整しました。数日の間に大量の営業担当者を投入し、顧客の問題を解決したのです(もちろん、同時に売上もアップ)。

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万全に準備し、エンジン全開でGO!

営業と同様に、テリトリー管理に終わりはありません。企業の成長と市場の変化に応じて、試し、学び、適応することを繰り返します。この記事で紹介したように、データにもとづいてテリトリー管理を実施し、現場の知見を吸い上げ、ツールを活用すれば、営業開始の準備は万端。あとは、アクセルを踏み込んで加速するのみです!

Paul Bookstaber
ライター、Salesblazer

Paul Bookstaberは、Salesforceのライター。B2Bテクノロジー分野のコンテンツマーケティングで10年間活躍しています。雑誌の発行やブログの運営経験も。現在は、フロリダと米国西部の2か所を拠点に、ルークとロジャーという2匹の愛猫と暮らし、ハイキングやスキー、ケーブルテレビの視聴を楽しんでいます。

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