昨年のDreamforce で、スプレッドシートを数回のクリックでアプリに変換できる最新のローコードアプリ開発ツール Lightning Object Creator を発表したとき、私たちは、アプリ作成をより簡単に、より短時間でできるものにするとお約束しました。そのLightning Object Creatorが、このたびついに一般公開されました。Dreamforceでの発表を見逃した方のために補足すると、Lightning Object Creatorとは、管理者がMicrosoft Excel、Googleスプレッドシート、カンマ区切り(.csv)形式などのファイルをクリックだけで最新のクラウドベースアプリにすばやく変換し、生産性を大幅に向上する新しいプラットフォームツールです。
スプレッドシートに分散したデータのサイロ化を解消
企業がデジタル変革の実現を目指し、顧客体験や従業員体験を向上しようと考えたときに、最大の課題として立ちはだかるのは、手作業でのプロセスや、スプレッドシートの利用で生じるデータのサイロ化です。Lightning Object Creatorは、これらの手作業ワークフローを Salesforce Lightning Platform内のデータ入りカスタムオブジェクトに変換するように設計されています。カスタムオブジェクトの作成が驚くほど簡単になるため、企業は最新のクラウドプラットフォームによって得られる以下の利点を、すべて活用できるようになります。
- コラボレーション: 各オブジェクトにソーシャルフィードを組み込み
- インスタントモビリティ: デスクトップとモバイル、両デバイスへの展開が容易
- カスタマイズ可能なユーザーインターフェース(UI): ユーザー各自がビジネス要件に適したUIを独自に設定可能(ボタン、リンク、アクションなどのインターフェース要素を含む)
- ワークフローとトリガー: 主要なビジネスプロセスの実行を簡単に自動化
- アクティビティ追跡と項目履歴: インサイト、コントロール、コンプライアンスの追加が可能
- 顧客との関係: 異なるリレーション種別を用いて複数のオブジェクトを簡単に関連付けし、付加価値を創出
仕組み
Lightning Object Creatorを使えば、管理者は従来なら7~8個のステップを経て数時間かけて作っていたプロセスを、数分で作れる簡単な3つのステップに集約することができます。CreatorのUIには、Lightningアプリの[設定]の[オブジェクトマネージャー]ページの[作成]ボタン、または[ナビゲーションアイテム]タブからアクセスできます。まずは、Microsoft Office 365やGoogle Cloudとの連携のいずれかを使用して、ExcelまたはCSVファイルをアップロードするか、ファイルを選択します。
すると、Lightning Object Creatorが自動的にフィールドを検出し、その記録データのすべてを入力します。Salesforceのフィールド名とフィールド種別は、推奨設定のまま使うことも、カスタマイズすることもできます。また、マッピング画面内で特定のフィールドを複数のページレイアウトに直接追加することも可能です。
最後に、オブジェクトの Chatter の有効化や、検索とレポートの許可などの設定によって、オブジェクトの機能をきめ細かく設定します。
たったこれだけです。[完了]をクリックすると、静的データの行と列が、クラウドホストアプリケーションのすべての利点を備えるインタラクティブなデータオブジェクトに変わります。
ローコードの魅力はオブジェクト作成だけではない
カスタムオブジェクトを作成することで、プロセスの自動化からモバイルアプリの開発に至るまで、以下のようなあらゆるローコードビルダーツールにデータを接続できるようになります。
- Lightning Flow: コーディング不要、クリックするだけでビジネスプロセスを定義し、新しいカスタムアプリケーションでビジネスプロセスとコネクテッドアクションを自動化
- Lightningアプリケーションビルダー:UIの設定、複数オブジェクトの一体化を通し、カスタムオブジェクトをベースにモバイルアプリをすばやく展開
- Lightningスキーマビルダー:関連オブジェクトや親子関係など、データ間のカスタム関係を定義
- AppExchangeから取得したLightningコンポーネント: Salesforceのエコシステム からあらかじめ組み込まれた機能に簡単にアクセスでき、Time to Value (タイムトゥバリュー)を短縮
Lightning Object Creatorは現在、Lightning Experience、Contact、Manager、Group、Professional、Enterprise、Performance、Unlimited、Developerの各エディションで利用できます。
こちらから体験できます。スプレッドシートをアップロードして、データ入りのカスタムオブジェクトに変換してみてください。