ネットワーキングイベント、パーティー、会議、スピードデートに共通するものは何だと思いますか? それは志を同じくする者を探しに集まることです。会話を通じて、刺激的で印象的なやり取りが長続きする関係へと発展する可能性があります。このような場では、すべての人と会うことが目的ではなく、共感できる人、ぴったり合う人と感じられる相手を見つけることが目的です。
営業担当も適切な相手を見つけることを使命としています。ハーバードビジネスレビュー(英語)によると、見込み客と接触する最初の5分がリードを引き込めるかを左右するといいます。
しかし効果的なリード管理は第一印象がすべてではありません。取引を勝ち取る強力な顧客関係を築くために、つながりを構築し継続的に育むことです。
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リード管理はなぜ重要なのか
リード管理とは、リードと呼ばれる見込み客があなたの会社と接点を持った時から購入に至るまでの一連のプロセスのことです。受注に結び付けるためには、顧客の関心・興味を向上させていく必要があります。
その中で、優れたリード管理とは、潜在顧客一人ひとりの固有の問題点やニーズに対応するパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することです。それによって信頼が生まれ、成約につながりやすくなります。マッキンゼーの調査によると、人間は理解されていると感じると、購入する可能性が40%増加するというデータもあります。
それだけでなく、営業サイクルのスピードアップにも貢献します。適切なリードを適切に育成すると、パイプライン内で素早く次のフェーズに進めることができます。無駄な時間とリソースを減らすことにつながり、コンバージョンの可能性が高いリードに集中することもできます。
リード管理のフェーズ
リード管理は、いくつかのフェーズに別れており、それを示したのが下記です。
リード獲得(Lead Capture):最初のフェーズで、潜在的なリードに関する情報を収集します。メールやソーシャルメディア、その他のマーケティング活動などで行います。
リード選定(Lead Qualification): リードを評価し、購入の可能性を判断します。これには、顧客のニーズを理解するためのディスカバリーコール(英語)の実施や、理想的な顧客プロファイル(英語)とのマッチングなどが含まれます。
リード分配(Lead Distribution):適切なリードと判断されたら、業種や製品への関心度などに基づき、リードを適切な営業チームに割り当てます。
リード育成(Lead Nurturing):すべてのリードがすぐに購入するとは限りません。見込み客と継続的なコミュニケーションによって購入意欲を高めます。
リード追跡(Lead Tracking):CRMを使用することで、リードの活動やあなたの会社とのやり取りを追跡します。リード管理プロセス全体を通して、見込み客の行動、関心、ニーズを把握し、最適なアプローチを行います。
エンタープライズ営業でのインサイドセールス実践法
リード管理の「9つのステップ」
効果的なリード管理は、効率性とパーソナルタッチとのバランスで成り立ちます。最初のコンタクトから成約まで、見込み客をスムーズに導くために自動化と1対1のタッチポイントを組み合わせることがカギ。ここでは、9つの実践的なステップをご紹介します。
1.現状の営業サイクルを分解
現在の営業サイクルを理解することから始めましょう。最初のコンタクトから取引成立までの各フェーズを分解し、リードを次のフェーズに進めるためのカギとなるアクション、意思決定ポイントや基準を特定します。
このプロセスは、パフォーマンスデータとチームからのフィードバックに基づいて常にレビューされ、改善されるべきです。そうすることで効率的かつ効果的な状態を維持します。
2.早期に有効リードを選定する
リードが適切かどうか早期に特定することは、時間とリソースの節約につながります。
ニーズや予算、意思決定権などを複数の要素で多角的に表し、効率的にリードを見定めることで、成約につながりやすいリードに専念できます。
3.営業サイクルを意識する
営業サイクルに合わせて、リード管理を調整することが重要です。長期的な営業サイクルの場合は、リードを時間をかけて育成することに重点を置くでしょう。短期的な場合は、見込み客と担当との関係が初期段階の時点で最大の効果を発揮できるよう、より積極的で行動重視なアプローチになるかもしれません。
自社のプロダクトや営業方針に沿った営業サイクルを理解し、営業チームと密接に連携しましょう。
4.フェーズに合わせた戦略を立てる
リード管理において、画一的なアプローチは通用しないことを認識しましょう。初期段階のリードは、関係構築とニーズの把握に重点を置くようにします。リードが成熟するにつれて、戦略は明確な反対意見の対処や、相手に応じたソリューションの提供、価値提案の強化にシフトしていくべきです。
5.ファーストパーティデータを使う
良質なデータは、効果的にナーチャリングするための情報をもたらします。ファーストパーティデータを収集することを最優先しましょう。
このデータは正確であるだけでなく、データプライバシー法の遵守にもつながります。定期的にデータの正確性と関連性を監査し、古くなった第三者のデータセットには頼らないようにしましょう。
6.プリフレームで意思疎通をする
見込み客とのやり取りの前には、前もって情報を整えておき、パーソナライズされたメッセージづくりを心がけましょう。
このアプローチは信頼と安心感を築き、最初のやり取りをより生産的なものにするのに役立ちます。
7.一貫したフォローアップを行う
堅実なセールスエンゲージメントシステムは、潜在的な機会を確保し続けるためのカギとなります。これには、自動リマインダーやスケジュールされた架電、パーソナライズされたメールなどが含まれます。
8.マーケティングと営業のコラボーレーションを促進する
リード管理ソフトウェアを使用して、リードの基準を定義し、両チームが共通の理解を持つようにします。マーケティングオートメーションとCRMを統合することで、全体のカスタマージャーニーを把握でき、リードハンドリングとコンバージョンの改善に役立ちます。
9. ありがちな落とし穴を避ける
フォローアップを途中でやめたり、成約を急がないよう心がけましょう。しかし、リードが適切でないと感じる場合は、ためらわずにほかの選択肢を考えましょう。
リード管理のためのツール
リード管理を効率的に行うための適切なツールを選定、活用することも重要です。
以下のツールは、単にデータを整理するだけでなく、見込み客とのやり取りを最大限に活用するためのものです。リード管理を自動化・簡素化することで、煩雑な間接業に追われることなく、関係構築と成約に集中できるようになります。
1.CRMソフトウェア:すべての顧客情報のハブとして機能します。
メール、電話、チャットなど見込み客とのあらゆるエンゲージメントチャネルからのデータを自動で統合するように設計されています。情報の一元化で、顧客とのやり取りや営業プロセスを効率的に管理し、顧客それぞれのカスタマージャーニーを包括的に把握することができます。
2.リアルタイムの営業データと分析ツール:リードの生成方法やいつどのようにパイプラインを通過したかを追跡するためには分析ツールは有効です。
追跡すべき指標には、リード単価、エンゲージメント率、成立率などがあり、これらのインサイトはAIによって素早く提供され、セールスファネル(英語)を通じて顧客を効果的に進める方法を理解するのに役立ちます。
3.営業支援ツール:営業チームに必要なリソースや知識、戦略を提供し、セールスファネルのさまざまなフェーズで見込み客と効果的に関われるようにします。また、顧客トレーニングやコーチングモジュール、営業担当が顧客からの問い合わせに対応し、営業プロセスの障害を克服するのに役立つコンテンツなども含まれます。
4.セールスエンゲージメントツール:見込み客との関係構築と維持に欠かせないツールで、チャットやソーシャル、電話、メールなど、複数のチャネルでのコミュニケーションを促進します。見込み客一人ひとりをより深く理解するためにすべてのやりとりを追跡し、AIを使用して取引記録の更新やメールのカスタマイズなどのタスクを自動化します。
5.リード育成ツール:コンテンツやパーソナライズされたメールキャンペーン、その他のリソースの配信を自動化し、リードを次のフェーズに進めます。
リード管理はパーソナライズされた継続的なコミュニケーションで価値を提供し続ける必要があります。そうすることで成約につなげ、永続的な顧客関係を築くことができるのです。
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※本記事は米国で公開された”What Is Lead Management? Tips, Strategies, and Best Practices“の抄訳版です。本ポストの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。