「CTA」準備は、足りない知識を埋め、繰り返しアウトプットしていく作業
自分の成長を強く実感

株式会社フレクト
クラウドインテグレーション事業部
テクニカルアーキテクト
石井 政宗
 
 
 


インタビュー対象資格


 

 

認定テクニカルアーキテクト(CTA)

 

 
 
 

 

認定アドミニストレーター
認定上級アドミニストレーター
認定 Sales Cloud コンサルタント
認定 Service Cloud コンサルタント
認定 Experience Cloud コンサルタント
認定 Field Service コンサルタント
認定 Platform アプリケーションビルダー
認定 Platform デベロッパー
認定 Development Lifecycle and Deployment アーキテクト
認定 Integration アーキテクト
認定 Identity and Access Management アーキテクト
認定 Data アーキテクト
認定 Sharing and Visibility アーキテクト
認定 Heroku アーキテクト
認定アプリケーションアーキテクト
認定システムアーキテクト

 

 

これまでどのようなキャリアを歩まれてきましたか?

 
実はちょっと異色です。大学卒業後、家電なども取り扱っている大手の総合スーパーに就職しました。実家が飲食店を経営していたこともあり、食品衛生を学びたくて、私は食品担当になりました。その後、「おもてなし」を学ぶために高級レストランへ接客の修行に転職したのですが、ITとは関係ありませんでした。大学でもプログラミングなどの専攻はしていなかったです。
転機となったのは、勤めていたレストランで新しくシステムを導入することとなり、その時に、ユーザ側の担当者としてシステム構築を行うために立ち会ったことです。それが楽しく感じまして、後にプログラミングの勉強をし始めるきっかけになりました。29歳になってから、本格的にJavaなどを勉強しシステム業界に転職した、という経緯です。
その後はパッケージベンダーで10年ほど自社製品のカスタマイズに携わり、フレクトに転職して、現在7年少し経ったところです。

未経験でIT業界に入られたわけですが、難しいと感じることはなかったですか?

プログラミングを苦と感じることはなかったです。楽しかったですね。
小学生の頃に『マイコンBASICマガジン』という雑誌を読んでいまして、付録でソースコードが載っていました。それを手打ちで入力するだけなのですけど、とても楽しかった。元々プログラミングが好きだったのかもしれません。

現在どのような業務を担当されていますか?

Salesforceの案件が中心で、プロジェクトマネージャーとして案件の調整をしたり、データモデル設計や開発業務も担当したりしています。社内の他の案件についてのアドバイスも求められることが多いですね。Salesforceを使い始めたのはフレクトに入社した後ですが、もう7年間担当しているので、それなりに知見も溜まってきました。

CTAを目指そうと思ったきっかけを教えてください。

最初のきっかけは、上司から「CTAを受けてみないか」と声をかけてもらったことです。経験年数や上流工程の経験があるメンバーとして私含め2名に声がかかりました。フレクトは長年Salesforceのパートナーですが、当時はまだCTAの受験者が出ておらず、チャレンジしてみようかなと最初は軽い気持ちでした。もちろん、超難関資格ということは知っていましたし、入社当時は自分が受けることになるとも思っていませんでした。受験料が高く、面接を伴う試験がすごく難しいなど、色々と不安やプレッシャーを感じる情報もありましたが、前提資格をまだ満たしていなかったので、足りないデザイナー資格をまずは取ることに集中しようと決めました。

CTA取得までにかかった時間を教えてください。

CTAを受験しようと思ったときに3つ資格が足りなかったのですが、それを取得するのに3ヶ月かかりました。1ヶ月に1つ取得するというハイペースでしたが、私の場合、そうしないと次のCTAレビューボードに間に合わなかったので睡眠時間を削って頑張りました。そこから本試験に向けて、5ヶ月半ほどかけてレビューボードの準備をしました。これまで色々なプロジェクトに携わってきたため、案件で得られた知見は、レビューボードのシナリオを読んでいてもパターンをイメージしやすく役立ちました。普段の仕事で得られた知識も大事でしたね。
特に苦労した試験は、Identity and Access Management アーキテクトです。SAMLやOAuthを扱う案件に携わったことがなかったので、私にはとても難しかったです。
CTA取得の準備には、かなりの時間を費やしましたが、家族の支えがあったからこそ、時間を捻出できたので、本当に感謝しています。

もともと資格はたくさん取られていたのですね。

フレクトには資格を取ると会社から報奨金をもらえる制度があるのですが、ある期間に資格を取ると報奨金が上乗せされるというキャンペーンが社内で実施されることがあります。それがモチベーションになりまして、もともと資格は多く取得していました。
また、社内でも資格を取るための勉強会が行われていて、みんなで協力して資格を取ろうという社風があります。会社にコミュニティがいくつかあって、みんなで「どういう傾向があるのか」、「ここは絶対勉強しないといけない」といったことやお互いの成功談、失敗談を共有し合います。そういった知見を蓄積して、合格率を上げていこうという風土がフレクトにはありますね。

大変な試験だったと思いますが、モチベーションをどのように保っていたのか教えてください。

私の場合、初めは上司に声をかけてもらって始めたCTAの準備でしたが、やはり勉強をしていくと自分に足りないところが見えてきます。知らない領域や知識が足りていないところ、できてなかったことが分かってきて、その穴がどんどん埋まっていく感覚がありました。システムの構築や提案をやっていくにあたって必要なスキルがメキメキついている実感が出てきて、「こういう機会を与えてもらっているのだから、絶対ものにしないといけないな」と意識が変わりました。なので、モチベーションは途切れることなく、突き進むことができました。
睡眠時間は削りましたが、成長痛を感じながら、自分が伸びている実感が湧きましたね。

一番大変だったことを教えてください。

レビューボードでは、限られた時間でシナリオを読み資料化した上で、まとめて話さなくてはならないので、時間内でアウトプットを出す練習が必要でそれが大変でした。自分の鉄板ネタ「このパターンにはこのソリューションだよね」みたいなものをたくさん積み重ねていく必要もあります。実際の試験では、短時間でアウトプットを紙やホワイトボードなどに書き出さないと正確に自分が提案するシステム/アーキテクチャを説明しきれないので、その練習も必要でした。秒単位で時間を削るために、レビューボード試験と同じ資料作成環境でショートカット操作を何度も繰り返し、身体に覚えさせたほどです。

CTAの受験に必要な情報はどこから得ていたのですか?

SalesforceのCTAプログラム担当の方からオリエンテーションがあって、そこで試験に関する情報を提供いただきました。あとは、SalesforceのCTAの方に模擬レビューボードを担当いただいて、フィードバックをたくさんもらいました。時間が足りないことを実感したのも模擬レビューボードをやって分かったことです。資料作成などの準備に明け方までかかることもありました。

CTA 合格後何か良いことはありましたか?

会社から報奨金をいただきました。もちろんそれも嬉しかったですが、会社で初めてのCTA合格者だったので、事業部全員が集まる会議で役員からお祝いのメッセージをもらいました。出社した際にもみんなから「おめでとう」と声をかけてもらえて、同僚にも喜んでもらえる成果を出せたという実感が湧きました。また、現在、勉強時に得た情報を社内の知見にまとめていて、次の受験者の方に役立ててもらいたいと思っています。

効果的だと感じたのはどのような勉強方法でしたか?

やっぱりネットワークは必要ですね。以前の同僚で今は別の会社にいらっしゃる方とたまたま研修でお会いしました。お互いCTAを目指しているということで、一緒にも模擬レビューボードを開催することもありました。とても有益でしたね。同じシナリオを読んでも考えやアプローチが違います。自分はこう考えたけど、相手の方はもっと良いソリューションを考えてきたりするので、そうすると、私としてはそれを取り入れてもっと学んでいこうという気持ちになって。「この要件、どう考えた?」という形でコミュニケーションをよく取りました。お互いアイデアを出し合って、より高みを目指すことができたと思います。
また、当時は社内にもまだCTA取得者がおらず情報が少なかったので、他社の模擬レビューボードを傍聴させていただきました。「認定テクニカルアーキテクト レビューボード試験対策 Virtual ワークショップ」というトレーニングクラスがあるのですが、こちらのクラスを受講された方々で模擬レビューボードを公開しあう風土が出来ていて、私も傍聴させていただきました。他社の方がどのようなソリューションを考えているのか、ジャッジがどのような反応をしているのかを見させていただき、参考にしました。

会社からサポートはありましたか?

一緒にCTA受験の準備を進めていた同僚とお互いレビューしあっていたのですが、業務時間にさせてもらいました。Salesforceや外部のCTAの方をお招きして模擬レビューボードをやらせてもらえて、本当にありがたかったですね。あとは、模擬シナリオにIoT関連のものがあったのですが、私自身はIoTの案件に携わったことがなく、あまり知識がありませんでした。しかし、フレクトのIoTプロジェクトの知見が*myTrailheadに集約されています。myTrailheadに書かれた解説を読んでクイズを解いて、他の方が得た経験を自分の言葉で語れるようにしました。他にも、記載されていない内容を知りたい時は、社内でIoT関連のアーキテクチャの設計を担当した経験者の方に声をかけて時間をもらい、色々と聞いて教えてもらいました。自分に足りないことはあるのですが、それを全部自分で経験することはできないので、社内の経験者に教えていただきました。会社としてサポートしてくれているので、同僚たちもとても協力的でありがたかったです。

* myTrailhead:従業員へ業務/業績の改善に繋がる育成を実施できるツール。詳細はこちらをご覧ください。

今後のキャリアについてお聞かせください。

テクニカルアーキテクトとして、社内のアーキテクチャ設計の相談に乗ること。システム提案の段階である程度具体的なアーキテクチャを書けるかというところが、提案の質を上げられるかどうかに関わってくると考えます。提案の質を上げ、実装の課題などを解決できる組織づくりを今後進めて行きたいなと思っています。

どんな方にCTAをおすすめしますか?

Salesforceを中心に据えたアーキテクチャの設計を行うための総合力を身につけたい方にはとてもお勧めできる資格だなと思います。ペーパーの試験ではなくて、経験を積まないと取得できない資格です。Salesforceの一認定資格ではありますが、外部システムとの連携とか認証の仕組みなど幅広い知識が必要になります。プロジェクトマネジメント的な観点はもちろん、アジャイルで行くのか、ウォーターフォールで行くのかと言った視点も必要になってくるので、総合力を身につけたい方にはお勧めします。

最後にCTAを目指す方にアドバイスをお願いします。

 
かなりの時間を費やすことにはなりますが、アーキテクトとしての総合力向上には間違いなく繋がる資格ですのでぜひチャレンジをしてもらいたいなと思います。それだけの価値はあるように思いました。
対策としては、時間が許す限り模擬レビューボードを何度でもやることをお勧めします。他の人に自分が考えたソリューションを限られた時間で説明することは非常に大変なことなのですが、”慣れ”もあります。ジャッジからQ&Aで受けた指摘をもとに、自分のなかの“マイベストソリューション”をより精度の高いものにして行くことができるので、ぜひ模擬レビューボードは回数をこなしていただくのが良いと思っています。私は試験の直前、4週連続で毎週SalesforceのCTAの方にお願いして模擬レビューボードをやってもらいました。初回は「プレゼンに切れ味がないですね」と言われたりもしたのですが、やっているうちにどんどん精度を上げて行くことができました。
最後にもう一つ。Sales Cloud コンサルタントとService Cloud コンサルタント、Experience Cloud コンサルタントは前提資格のうちの7つに入っていないのですが、取った方がいいです。これを押さえておかないと、Salesforce プラットフォームだけで実現できることが何なのかが分かりません。「なぜこれは標準機能で使わないのか」とジャッジから問われることもあります。私自身は、どういうニーズを満たすためにSalesforceがこの機能を作ったのかなと考えたりしながら勉強していました。それがお客様の要件にも当てはまるはずだと考えます。
 

認定資格について

セールスフォース・ドットコムの認定資格は、Salesforce製品を使用する各担当者の役割に必要なスキルを保持していることを証明するグローバル共通資格です。

資格保持者は、各分野に於いて即戦力であることを証明できます。

 

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