朝日生命
“紙と手作業で行っていた業務フローをシステム化できただけでなく、営業担当者一人ひとりの成績も可視化できるため、効果的な施策をタイムリーに展開できます。代理店との“絆”がより深まったのを実感しています”
ペーパーワークを自動化し、代理店との“絆”が深化
代理店が“やる気”になる良好な関係構築の秘策とは?
朝日生命
代理店に所属する8,000名の募集人の成績管理が煩雑化
1888年の創業以来、「まごころの奉仕」をモットーに保険事業を展開する朝日生命保険相互会社(以下、朝日生命)。個人保険分野を中心に医療保険、年金保険、がん治療や介護保障など多様な商品を提供する。
保険業界の競争は厳しさを増す中、競争優位を確保するため、同社は大胆な改革に踏み切る。それが2009年から始めた「代理販売体制」の導入である。長く続いた戸別訪問による直販体制に加え、保険代理店ネットワークによる代理販売も開始したのだ。
狙いは顧客との接点拡大による営業活動の強化。全国に広がる代理店ネットワークを活用することで、幅広い顧客ニーズを捉え、より最適な商品をタイムリーに提供するためだ。以来このネットワークは拡張を続け、現在では250の代理店に所属する8,000名の募集人が同社の商品を販売している。
その一方で課題も顕在化していた。その最たるものが、ペーパーワークによる営業成績の管理である。 「膨大な情報から各代理店の営業成績を取りまとめるのはひと苦労。代理店ごとにフォーマットが少しずつ変わっているのも、業務の効率と品質の低下を招く要因の1つでした」と代理店業務管理部課長補佐の紺野 正武氏は話す。
また、作成した業績通知書は手作業で郵送するため、手数料情報などの重要な情報を他の代理店に誤って送ってしまう危険性もあった。
ペーパーワークの自動化により、年960時間の作業時間がゼロに
こうした課題解決のために同社が導入したのが、セールスフォース・ドットコムのコミュニティプラットフォーム「Community Cloud」である。開発専任者ではない社内の業務担当者と情報子会社の担当者2名の内製化で、わずか6週間で開発を完了することができた。
導入による最大のメリットは、代理店の成績管理のペーパーワークを自動化できたことだ。「業績通知書の作成と郵送作業に費やしていた年間960時間もの作業時間を完全にゼロにすることができました」と紺野氏はメリットを語る。ペーパーワークの自動化により、誤送信のリスクも解消された。
Salesforceの活用により、朝日生命と各代理店との“絆”もより深まった。Community Cloudと手数料マスタとのデータ連携により、代理店の担当者は最新の業績評価指標にいつでもアクセスでき、朝日生命側も各代理店の最新業績を容易に把握できるようになったからだ。こうした活動により、数ある取扱商品の中でも朝日生命の商品を積極的に販売しようという代理店のモチベーションアップにつながっている。
また代理店にとって朝日生命の“顔”であるソリシタは、外出している時間も多い。そんなソリシタにとって、外出時でもモバイルを活用して業務を行えることは大きな生産性向上につながっている。
Community Cloudを導入し、ペーパーワークの自動化と代理販売体制の強化を実現した朝日生命。今後もSalesforceの有効活用を図るとともに、モットーである「まごころの奉仕」を活動の原点に、保険会社としてさらなる成長を目指す考えだ。