大創
“Salesforceの導入は、二代目経営者である私個人にとっても、ユーザーグループを通じて他業種の方々と交流を深める絶好の機会を創出してくれました”
「永遠のクレームゼロ」「働き方改革」を推進し 損害金70%削減、残業時間50%削減を達成
ベテランから若手に対するノウハウの継承が切実な課題
1971年創業の大創は、さまざまな製品のパッケージに用いられる紙器や段ボール箱などを製造するための「抜型」を中心に、溝切り用のGテープといった関連資材を市場に供給する企業である。同社は20年以上前から中国、東南アジア諸国の市場へと進出を果たしてきており、近年ではロシアやイタリアなど欧州市場においても積極的にビジネスを展開している。
「2000年代後半以降、若手にターゲットを絞った人員補強を進めてきました。そうした中、切実な課題として浮上していたのが、創業者である私の父が社長であった時代から現場で研鑽を積んできたベテランの持つノウハウを、いかにスムーズに若手へと継承していくかという問題でした」と大創の大塚雅一氏は語る。
同社ではその解消に向けた施策として、メーリングリストや掲示板といったITツールを採用して、従業員間でのコミュニケーションを促すことにしたものの、思うように浸透させることができなかったと大塚氏は明かす。
Chatterの活用が従業員相互のコミュニケーションを促進
そうした折り、同社の目にとまったのが企業向けSNSのChatterだった。そこで大創では、折しも導入検討を進めていた顧客管理/営業支援システムとして、Chatterを擁するSalesforce Platformの採用を決定し、導入する運びとなった。
Chatterの導入は、社内でのベテラン、若手を超えた円滑なコミュニケーションを急速に促す結果となった。「SNS上でのフランクなやり取りを通じて、これまで困難だったさまざまなノウハウの共有、伝承が進んでいきました」(衛藤奈々氏)
一方、同社ではSalesforce Platformの顧客管理/営業支援基盤としての活用により、業務に大きな成果をもたらしている。「『長時間労働削減宣言』と『永遠のクレームゼロ』というキャッチフレーズにもとづいて、働き方改革、製品品質の向上という経営上のテーマに向けたチャレンジを続けていますが、それら双方の局面でSalesforceが多大な貢献を果たしています」と大塚氏は強調する。
Salesforceの活用で残業時間50%削減、損害金70%削減
「長時間労働削減宣言」では、「誰がどれだけ残業しているかを把握できるようになり、必要に応じて各人に対する指導や会社としての施策を適正に講じていける体制が整いました」と衛藤氏は紹介する。こうした施策の結果、残業時間は50%程度に削減されているという。
一方の「永遠のクレームゼロ」では、クレームや問題に関する詳細な情報をSalesforceにその都度入力。品質管理本部長がコメントを付けて、履歴として管理し、広く従業員が課題を共有できるようにしている。こうした取り組みにより顧客からのクレームが激減。損害金が70%程度削減された。
大創では先頃、マーケティングオートメーションツールであるAccount Engagement (旧Pardot)も導入。B to B向けECサイトの領域における顧客満足度向上に役立てていきたいとしている。