ヒューマンテクノロジーズ

活用開始から約3ヶ月で、スコア81~100点のコンバージョン率が80%となりました。データの信憑性が高く、まさに会社としてやりたかったことが実現できました”

株式会社ヒューマンテクノロジーズ 秋田 智美 氏 チャネル開発部

 

10年間で10倍以上に増えた
リード件数、対応の効率化が重要課題に

企業の最大の財産である「人」を「時」を通じて見つめ、生産性向上に貢献するため、クラウド勤怠管理システム「KING OF TIME」等の提供を行っている株式会社ヒューマンテクノロジーズ。「KING OF TIME」のID数は2017年に60万を突破、市場シェアNo.1を獲得している。会社設立は2003年12月だが、2005年にはいち早くSalesCloudの活用を開始している。

「お客様からの問い合わせは年々増えており、ここ10年間で10倍以上になっています」と語るのは、カスタマーコンサルテーション部 部長の町田 千尋氏。近年は働き方改革への取り組みが広がったこともあり、問い合わせ増加のペースは加速していると説明する。これらのリードに対し、以前は営業担当者が資料を送付し、2週間毎にメールや電話でコールするという対応を行っていた。そのため営業担当者の負担が大きくなっていたという。

これに加え、案件化の予測を営業担当者の感覚で判断していたこともあり、リード件数が増大している一方で、コンバージョン率は低下傾向にあったとも指摘する。増加し続けるリード数に対し、営業担当者を増やすことなく対応し、コンバージョン率を高めていくにはどうすればいいのか。この課題への対応が急務になっていったのだ。

そこで2016年にAccount Engagement (旧Pardot)を導入。新規リードに対し、シナリオベースで自動的にステップメールを配信することで追客を行い、温度感が十分に高くなった段階で営業担当者に引き渡すことで、営業担当者の業務を効率化できるようになった。これと並行してリードスコアリングを行う仕組みも構築。マーケティングオートメーションへの取り組みを推進しつつある。

「この仕組みはWebページ訪問毎にスコアを加算するという方法を取っており、訪問回数が多いリードほどスコアが高くなるというものでした」と振り返るのは、同社でインサイドセールスの役割を担う、チャネル開発部の秋田 智美氏。しかし実際のコンバージョン率は、必ずしもWebページへの訪問数と比例するものではないという。「もっと信憑性のあるデータを、リアルタイムで把握したいと考えていました」。

 

営業活動の効率を高めるため、
人工知能のEinsteinがつけたリードスコアを活用

このような問題を解決するため、ヒューマンテクノロジーズが導入したのが、Sales Cloud Einsteinである。

「リードスコアリングで困っていた2017年5月頃、セールスフォース・ドットコムからSales Cloud Einsteinの説明をしていただきました」と秋田氏。その内容を聞き、信憑性が高いと評価し、ぜひ試してみたいと考えたという。2017年6月にトライアルを開始。2017年9月には購入へと至っている。

「Sales Cloud Einsteinは自社のSalesforce上に蓄積されたリードのデータをすべてチェックし、コンバージョンできたリード・できなかったリードの両方を確認して傾向を分析した上で、スコアを算出します。これまで自社ではコンバージョンの基準を明確に定義していなかったので最初は想定したスコアが出ませんでした。そこで、定義を作り、データをしっかりと入力し、運用を変更しました。3か月運用を続けるとデータが整い信頼できるスコアになっていきました。この段階で、81 ~100のスコアがついたリードのコンバージョン率が80%となり、その後も安定して精度の高いスコアが算出されています」。

Sales Cloud Einsteinが弾き出すスコアは、これまで感覚的に「こうではないか」と推測してきた内容とも一致しているという。その一例として秋田氏が挙げるのが、業種とコンバージョン率との関係だ。企業規模が同程度でも、業種によってコンバージョン率に大きな差が出ることが、以前から感覚的にはわかっていたのである。

「例えば広告代理店や制作会社のように、勤務時間の縛りがあまり厳しくない業種では、問い合わせがあっても契約に至らないケースが少なくありません。またその一方で、KING OF TIMEの販売代理店様から登録いただくリードのコンバージョン率が高いこともわかっていました。このような傾向は、Sales Cloud Einsteinのスコアにも明確に現れています。私がこれまでやりたいと思っていたことが、実現できたと感じています」。

スコアベースで顧客訪問の優先順位を決めるなど、
営業担当者の行動が変化

現在は、Sales Cloud Einsteinが弾き出したスコアをチャネル開発部が確認し、スコアの高いリードを優先的に対応して電話、メールでアポイントを取った上で、営業担当者に割り当てている。営業担当者はインサイドセールス担当である、チャネル開発部からSales Cloud Einsteinのスコアにもとづいたアドバイスをうけて提案を行っている。

これによって営業担当者の行動も変わりつつある。リードスコアをベースに、顧客訪問の優先順位を決めるといった判断が、行われることが多くなっているのだ。

「例えば営業担当者が地方出張する際には、出張先の近いエリアにスコアの高いお客様がいらっしゃれば、そこを優先的に訪問するケースが増えています。以前はその地域のお客様に対してランダムに電話をかけ、アポイントが取れたところに訪問するというスタイルでしたが、スコアの高いお客様への訪問を優先することで成約につながる率が向上しました。当社の営業担当者にとって地方出張は貴重な機会なので、これを活かせることで地方のお客様にもより効率よくアプローチできるようになります」(秋田氏)。

今後は、Sales Cloud Einsteinのスコアを活用した場合とそうでない場合をA/Bテストで比較し、どれだけの効果が出ているのかを定量化していきたいと秋田氏はいう。ここで高い評価が得られれば、将来はSales CloudEinsteinのスコアをベースに見込み度合いを判断し、Account Engagement (旧Pardot)によるステップメールを配信するのか、営業担当者が直接対応するのかを、自動的に判断する仕組みも組み込んでいきたいと語る。

アップセル/クロスセルの
効率化にも期待

ヒューマンテクノロジーズでは、トライアルに持ち込むところまでを営業担当者が行い、そこから本サービスの契約に至るまではカスタマーコンサルテーション部がフォローアップしているが、ここでSales Cloud Einsteinを活用することも検討されている。

「1ライセンスでも多くのID数で本契約のクロージングを達成するには、30日間のトライアル期間でどれだけご満足いただけるかが鍵になります」と町田氏。トライアルの利用状況やその間の問い合わせ内容などもSalesCloud Einsteinで分析できるようになれば、本契約の成約率も高めることができるのではないかと語る。「本契約後のアップセルやクロスセルもカスタマーコンサルテーション部が担当していますが、これらの効率化も今後の課題です。将来的には、お客様のポテンシャル分析まで行えるようになれば、大きな効果が得られるのではないかと期待しています」。

「顧客の興味に合わせた対応と営業効率を最大限に引き上げる。Sales Cloud Einsteinによって、その両方が実現できるでしょう」と秋田氏。また町田氏も「確度の高いデータを活用した対応を行えるようになれば、コンバージョン率も高くなり、限られた人員でも契約数をさらに増やせるのではないでしょうか」と期待を語る。

現在でも勤怠管理を紙で行っている企業は決して少なくない。ヒューマンテクノロジーズのビジネスは、これからも大きなポテンシャルを持ち続けることになるだろう。当然ながら問い合わせも継続的に増え、リード件数も増大し続けるはずである。そのような状況の中、Sales Cloud Einsteinは、同社のビジネスを後押しするエンジンの一部として、重要な役割を果すことになりそうだ。

※ 本事例は2018年4月時点の情報です
 
 

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